マレーシア当局は、北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏殺害の実行犯として逮捕したインドネシア国籍とベトナム国籍の女性らを殺人罪で起訴した。その一方、事件に関与したと見られていた北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者については、3日の勾留期限をもって証拠不十分により釈放、国外追放とする見込みだ。
韓国の不甲斐なさ
女性らは、有罪が確定すれば死刑もあり得るという。ただ、マレーシア当局が起訴事実を立証するのは簡単ではないとされる。
マレーシア当局は、北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏殺害の実行犯として逮捕したインドネシア国籍とベトナム国籍の女性らを殺人罪で起訴した。その一方、事件に関与したと見られていた北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者については、3日の勾留期限をもって証拠不十分により釈放、国外追放とする見込みだ。
女性らは、有罪が確定すれば死刑もあり得るという。ただ、マレーシア当局が起訴事実を立証するのは簡単ではないとされる。
香港で開催された数学オリンピックに参加していた北朝鮮の男子高校生が、単身で韓国領事館に駆け込んで亡命を求めた事件が起きたのは昨年7月。彼はその年の9月に無事韓国にたどり着いた。
香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、彼の脱北の裏には父親の励ましがあったという。
この件に詳しい外交筋によると、脱北は綿密に計画されたものだった。
北朝鮮のリ・ドンイル前国連次席大使を含む北朝鮮高官による代表団が28日、金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害されたマレーシアを訪問した。
リ氏は同日午後、クアラルンプール市内の在マレーシア北朝鮮大使館前で報道陣に対し、「13日にクアラルンプール空港で死亡した北朝鮮人民の遺体を北朝鮮に帰らせる」とコメント。また、マレーシア警察に逮捕された北朝鮮人民の釈放問題、北朝鮮とマレーシアとの友好関係の強化に関し協議すると表明した。
今後、事態がどのように推移するかは、予断を許さない状況にある。遺体から猛毒の神経剤であるVXが検出されたことで、日本や韓国、米国などではこの事件が北朝鮮による「化学兵器テロ」であると見て、非難する声が高まっている。
マレーシア警察がクアラルンプール国際空港で殺害された金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏の遺体から、化学兵器として用いられる神経剤VXを検出したことで、「事件の背後には北朝鮮当局がいる」との見方が強まっている。
だが、この事件の基本的な構図――誰が、誰を殺したか――は、法的な意味ではいまだに定まっていない。VXが検出されたことで、心臓発作のような病死ではなく、殺人が行われたことはハッキリしつつある。実行犯が、ベトナム国籍とインドネシア国籍の女容疑者たちであることも、どうやら間違いないようだ。
では、殺されたのは誰なのか。私たちは、様々な情報の集積により、それが正男氏であることを知っている。
(参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発)
マレーシア警察が13日に殺害された金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏の遺体から猛毒VXを検出したことで、事件が緻密に計画された組織的犯行である可能性がいよいよ高まって来た。
しかし、犯行が北朝鮮当局によるものなのか、そして指示を下したのが正恩氏だったのか、といったことは、そう簡単に解明されないだろう。ちょうど20年前に行われたもう一つの「身内殺し」も、韓国で摘発された北朝鮮「夫婦スパイ」の証言がなければ、犯人が特定されたかどうかもわからない。
(参考記事:「喜び組」を暴露され激怒 「身内殺し」に手を染めた北朝鮮の独裁者)
それでも、ひとつ重要なファクトが浮かんだことは確かだ。それは北朝鮮の国父・故金日成主席の血筋――「白頭血統」までもが殺害の対象となるということだ。
マレーシア警察は24日、13日に殺害された北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏の遺体から猛毒のVXが検出されたと発表した。遺体の目の粘膜と顔に付着した成分を分析して検出したという。
VXは猛毒の神経剤で、日本ではオウム真理教がテロ事件に使用していたことで知られる。ちなみに、化学兵器禁止条約はVXガスの使用、製造、保有を禁じているが、北朝鮮は同条約に加盟していない。
マレーシア駐在の北朝鮮大使館は22日、金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏――同大使館は「キム・チョル」と主張――殺害事件と関連し、プレスリリースを配布。現地の警察当局による捜査に強い疑問を提起し、逮捕されたベトナムとインドネシアの女性容疑者らと、北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者の釈放を求めた。
大使館はプレスリリースで、「事件発生から10日が過ぎたが、マレーシア警察は逮捕した容疑者からどのような証拠も見つかっていない」とし「マレーシア当局が韓国や海外メディアによる根拠のない主張に影響を受けていないのなら、捜査において北朝鮮を尊重しなければならない」と主張した。
13日にマレーシアで殺害された北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏の長男の金漢率(キム・ハンソル)氏が、すでに現地の病院でDNAサンプルの採取・提供を終えているとの情報が出てきた。22日、マレーシアの華語紙・中国報が伝えている。
同紙は消息筋の話として、20日夜にクアラルンプール国際空港に到着したハンソル氏は、身辺保護と取材攻勢を回避する目的から、警察特殊部隊(STAFOC)のユニフォームと覆面を着けて空港を離脱。その後、サブマシンガンで武装した同隊員らに護衛されてクアラルンプール病院を訪れ、DNAサンプルの採取を行ったという。
この日、空港にも病院にも内外の記者200~300人が殺到していたが、どうやら空港では、記者陣が根負けしたところでハンソル氏の離脱が行われたということのようだ。また病院でも、特殊部隊員に偽装したハンソル氏をメディアが見破れるはずもない。
北朝鮮が、長年にわたり友好関係を維持してきた東南アジア諸国からも、遂に見放される日がやってくるかもしれない。
駐マレーシアのカン・チョル北朝鮮大使は20日午後、金正恩党委員長の異母兄・金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件を巡り、「死因の特定が遅く、マレーシア警察の捜査は信頼できない。何者かが裏にいるのではないか」などと非難する声明文を、大使館前に集まった報道陣に読み聞かせた。
カン大使は17日深夜にも一部メディアを前に「心臓発作で死んだと説明を受けた。司法解剖の必要はない」「我々をだましている。何かを隠している」などとマレーシアへの不満をぶちまけた。
マレーシアのアマン外相が20日、北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件に関連して声明を発表。同国駐在のカン・チョル北朝鮮大使が「マレーシアの捜査は信じられない」などと発言したことに対して、「我が国に対する侮辱だ」と強く非難した。マレーシアの英字紙、ザ・スターが報じた。
アマン外相は、カン大使が「捜査の背後に誰かがいる」「マレーシア警察の捜査は死因の究明ではなく、政治的目的に基づくものだ」などと発言したことに対し、「妄想と嘘、半分の真実(半ば嘘)をかき集めたもの」とし、異例の強い表現で非難した。
また、マレーシア警察は法律に基づき公平に捜査を行っていると反論した上で、「外国政府とマレーシアが結託している」と述べたカン大使の発言に対して「マレーシアを深く侮辱している」と強い口調で抗議した。
13日にマレーシアで殺害された北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏が以前、父親である金正日総書記に弟(正恩氏)からの脅威を訴える手紙を送っていたと、米政府系のラジオ・フリー・アジアが21日に伝えた。
RFAに対北朝鮮情報関係者が明かしたところによれば、正男氏は2010年6月29日、マカオから平壌へファクスで手紙を送信。同じものを妻にもメールで送った。
手紙を入手して分析したこの関係者によると、正男氏は手紙に「しばらく前に私と私の家族に関連のある人すべてを『殺生簿』に載せ、国家安全保衛部の者が捕まえて行った」と記しているという。
北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏殺害を巡り、事件発生時の状況が少しずつ明らかになって来た。
監視カメラが捉えていた犯行時の様子はショッキングだったが、それにも増して気になることが出てきた。これが事前に計画された犯行だったとすれば、犯人たちはなぜ、正男氏のスケジュールを知ることができたのか、ということだ。
すでに報じられている通り、6日にLCCエアアジア便でマカオから入国した正男氏は、13日に同じくエアアジア便でマカオに戻る予定だった。そしてその日、クアラルンプール国際空港で襲撃されたのだ。
一方、マレーシア警察が容疑者として公表した4人の北朝鮮国籍の男性らの足取りを見てみよう。
北朝鮮の故金正日総書記の長男で、金正恩党委員長の異母兄に当たる金正男氏が殺害された。マレーシアのザヒド・ハミディ副首相は遺体の処遇について、いったんは北朝鮮側の引き渡し要求に応じる姿勢を示した。しかしその後、正男氏の2番目の妻とされるリ・ヘギョン氏が、中国政府を通じて遺体の引き渡しを求める動きを見せていることから、見通しは流動化している。
仮に北朝鮮側に引き渡されたら、北朝鮮は遺体を静かに処理するだろうというのが大半の見方だ。

北朝鮮の故金正日国防委員長の長男で、金正恩党委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシア・クアラルンプール国際空港で殺害された。世界中のメディアがこの事件を大きく伝える中、北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、平壌で15日に開催された金正日氏生誕75周年を祝う中央慶祝報告大会の様子を放送していた。(参考記事:【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏①、【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏②)
大会に出席した金正恩氏は暗い表情(次ページに写真)で、それを見た北朝鮮の人々の間では不安が広がっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。(参考記事:【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏①、【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏②)
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは15日午後6時から約1時間にわたって、中央慶祝報告大会の様子を放送した。
当局は工場、企業所、人民班(町内会)を通じて、番組を集団視聴するよう国民に命じた。慈江道(チャガンド)の情報筋は、満浦(マンポ)市の松下里(ソンハリ)協同農場での集団視聴の様子を伝えた。
農場員は農村文化会館に、松下里人民班の人々は農場の研究室に集まり、大会の様子をテレビで見たが、暗い表情の正恩氏が画面に映し出されるや、部屋中が不安に包まれた。人々は、中央で何か起こったことに気付き、あちらこちらでひそひそ話をしていた。
ある人は、正恩氏の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が処刑された直後の2013年12月16日、金正日氏の中央追悼大会の席に現れた正恩氏の表情を見て、恐怖を覚えたことを思い出し、今回もあの時と同じだと語った。(参考記事:【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏①、【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏②)
叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が処刑された直後の2013年12月16日、金正日氏の中央追悼大会の席に現れた金正恩氏は、暗い表情を浮かべていた。
北朝鮮では張成沢氏が処刑された後、同氏の「系列」と見なされた人々に対する大規模な粛清が行われ、およそ1万人が処刑や収容所送り、首都から追放される憂き目に遭ったと言われる。(参考記事:【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏①)

北朝鮮の故金正日国防委員長の長男で、金正恩党委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシア・クアラルンプール国際空港で殺害された。世界中のメディアがこの事件を大きく伝える中、平壌で15日に開催された金正日氏生誕75周年を祝う中央慶祝報告大会では、金正恩氏がただならぬ表情を浮かべていた。(参考記事:【動画】金正恩氏、スッポン工場で「処刑前」の現地指導】)

北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは15日午後6時から約1時間にわたって、中央慶祝報告大会の様子を放送した。
当局は工場、企業所、人民班(町内会)を通じて、番組を集団視聴するよう国民に命じた。慈江道(チャガンド)の情報筋は、満浦(マンポ)市の松下里(ソンハリ)協同農場での集団視聴の様子を伝えた。
農場員は農村文化会館に、松下里人民班の人々は農場の研究室に集まり、大会の様子をテレビで見たが、暗い表情の正恩氏が画面に映し出されるや、部屋中が不安に包まれた。人々は、中央で何か起こったことに気付き、あちらこちらでひそひそ話をしていた。
ある人は、正恩氏の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が処刑された直後の2013年12月16日、金正日氏の中央追悼大会の席に現れた正恩氏の表情を見て、恐怖を覚えたことを思い出し、今回もあの時と同じだと語った。
13日にマレーシアで殺害された金正男(キム・ジョンナム)氏が、昨年末から今月初めにかけて北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)の要員や外交官の接触を受けていたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。北朝鮮への帰国を促すためのものだったと見られるという。
北朝鮮情報筋がRFAに語ったところによると、金正恩党委員長は国家保衛省に対し、海外にいる金正男氏を北朝鮮に連れ帰るよう指示を出していた。指示は、拉致などの強引な手段ではなく、自らの意志で帰国するよう説得せよというものだった。
13日にマレーシアで殺害された、北朝鮮の故金正日総書記の長男・金正男(キム・ジョンナム)氏と接触を持っていた北朝鮮の外交官など、多くの人が2011年ごろに処刑されていたことがわかったと米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。
北朝鮮の元高級幹部の脱北者がVOAに証言したところによると、2003年から2010年初めまで北京の北朝鮮大使館で党秘書として勤務していたクァク・チョンチョル氏は、金正男氏と接触していたことを理由に2011年に処刑されたという。
北朝鮮の故金正日総書記の長男で、金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害される事件が発生してから3日が経った。北朝鮮当局は沈黙を守っているが、このニュースは、中国と行き来する人々を通じて、北朝鮮国内でも徐々に広がりつつある。
平安北道(ピョンアンブクト)の内部情報筋によると、金正男氏殺害の一報を聞いた人々は「明らかに我が共和国(北朝鮮)の仕業だ」と言った反応を示している。
北朝鮮の故金正日総書記の長男・金正男(キム・ジョンナム)氏が13日、マレーシアで殺害された。突然の事件にも関わらず、韓国メディアは異例の早さで対応。死因も犯人の招待も明らかになっていない状況のなか、さっそく北朝鮮の偵察総局による「暗殺」と半ば断定した上での強い論調が目立つ。偵察総局とは、北朝鮮によるテロやサイバー攻撃を総括する機関で、2009年に党と軍の特殊作戦組織を統合して設立された。
(参考記事:「喜び組」を暴露され激怒 「身内殺し」に手を染めた北朝鮮の独裁者)
大方の見方の通り、正男氏が北朝鮮当局により殺されたと仮定した場合、最大の疑問は「なぜこの時期に殺されたのか」となる。2月16日の故金正日総書記の誕生日「光明星節」を控え様々な憶測があるが、韓国でまことしやかに囁かれているのが「金正男亡命説」だ。
クアラルンプール国際空港で、金正男氏を暗殺したと見られる女工作員の比較的鮮明な映像が公開された。
マレーシアの英字紙、ザ・スターは、クアラルンプール国際空港の監視カメラにとらえられた女工作員の映像を公開した。
画像には、「LOL」(日本のネット用語の「www」と同じ意味)とプリントされた白いシャツに、青色のスカート姿の中年のアジア系の女が、右手で手提げバッグを押さえている様子が写っている(次のページ)。
これは、午前中に公開された画像に写った女と同一人物と思われるが、距離やアングルは異なるとザ・スターは伝えている。
北朝鮮の故金正日総書記の長男、すなわち金正恩党委員長の異母兄である金正男(キム・ジョンナム)氏が暗殺されたとの情報に、各方面が衝撃を受けている。そして、奇しくも今日からちょうど20年前の1997年2月15日、韓国・ソウル市郊外のアパートで、ひとりの男性が凶弾に倒れた。男性の名前は李韓永(イ・ハニョン)。1960年に平壌で生まれた李氏は、正日氏の2番目の妻ソン・ヘリム氏の姉であるソン・ヘラン氏の息子だった。
韓国当局は李氏が射殺された事件を、北朝鮮の南派工作員による最初の脱北者殺害と見ている。そして刺客を放ったのは、外ならぬ正日氏だった。
北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄弟である金正男氏が暗殺されたと、韓国の全国紙・朝鮮日報系のケーブルテレビ・TV朝鮮が14日、報じた。
複数の韓国政府関係者の話として「金正男氏がマレーシアで北朝鮮によって毒殺されたと見られる」と伝えた。
同テレビによると、金正男氏は13日の午前9時に、クアラルンプール空港で、2人の女性に毒針を刺されて殺されたという。
2014年12月に起きた、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士が国境の川を渡り、中国の民家に押し入って、民間人を殺害した事件はデイリーNKでも報じたが、この犯人が自殺していたことが最近になって分かった。韓国の東亜日報が報じた。
(参考記事:脱北兵士が朝鮮族を殺害 緊張高まる中朝国境をレポート)
中国・吉林省延辺朝鮮族自治州の和龍市の中心から車で1時間のところにある南坪鎮。幅10メートルの豆満江を渡れば、北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)郡だ。町のはずれの工業団地、和龍辺境経済合作区のそばにある吉地村で2014年12月27日、北朝鮮兵士が70代の老夫婦など4人を射殺する事件が起きた。
北朝鮮で行われている反人道的な犯罪について、金正恩党委員長ら国家の指導部にその責任を問うべきとの声が高まっている。韓国のソウルには国連の傘下機関として人権事務所が設置され、北朝鮮の人権状況を監視し、被害者の証言を記録している。
韓国政府も今年になって成立・施行された北朝鮮人権法に基づき、北朝鮮人権記録センターを設立。北朝鮮の指導部に人権侵害の責任を問うための法的根拠を整理しようとしている。
こうした動きを受けて、韓国の民間団体が運営する対北短波ラジオ「国民統一放送」は、独自に人権侵害被害者の証言の掘り起こしを行い、その証言を北朝鮮に向け発信している。
その証言者のひとりが、脱北女性のコ・ジウンさんだ。
両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)の出身で、1990年代末に脱北した女性コ・ジウンさんは、中国で2度にわたり人身売買の被害に遭った。
問 初めて脱北したのは1997年9月、28歳のときだそうですが、何がきっかけでしたか?
答 友人から受けた影響が大きかったです。その友人は1度脱北し、中国で捕まり強制送還されたのですが、中国で見聞きしたことをいろいろと話してくれました。外の世界の情報にたいへん驚き、とくに韓国社会に対する関心が強まりました。そのとき、北朝鮮の政治こそが偽りであり、この国には未来も希望もないと感じたのです。それからしばらくして、強盗被害に遭ったこともきっかけになりました。
犯人は、朝鮮人民軍の兵士たちだったのです。