「理不尽な処罰」の横行が暗示する金正恩の残念な未来
北朝鮮の物価はすべて国が決めることになっている。いわゆる国定価格というものだ。かつて、生活必需品から住宅に至るまで生活に関わるほぼすべてのものを無償、または極めて低価格で国が配給していた時代には意味のある数字だった。 しかし、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の発生と前後して、配給システムが崩壊してからは、ほとんどのものを市場で実勢価格で購入しなければならなくなった。国定価格は未だに発表され続けてはいるが、ほとんど有名無実と化している。 その中で、数少ない国定価格が適用さ ...
北朝鮮で注目「赤い自転車の女」殺人事件の顛末
北朝鮮で20代女性を殺害し、現金と持ち物を奪った容疑で逮捕された朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の元兵士に判決が下された。 言い渡された刑は、一般的な量刑の相場より軽いものだった。このような場合には、市民の間から不満の声が上がるものだが、今回に関してはそうなっていないと、デイリーNKの内部情報筋が伝えた。 情報筋によると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)に在住する元兵士は、25歳の女性を殺害し、自転車と現金を奪ったが、後に逮捕された。先月中旬に公開裁判が行われ、そこで言 ...
「情勢緊張の主犯だ」金正恩氏が文在寅政権を猛非難する理由
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は10日、韓国こそが「情勢緊張の主犯、平和と安定の破壊者である」であるなどと猛非難する論評を配信した。 論評は、韓国が最近「『多様な安保脅威』をうんぬんして軽空母級の大型輸送艦と3隻の新型イージス艦など艦船の建造計画を推し進めている中、F35A戦闘機と空中目標打撃のための迎撃手段、高高度無人偵察機グローバルホークをはじめとする先端武装装備の搬入もエスカレートしている」と指摘。「朝鮮半島の情勢を軍事的緊張激化へと導く危険極まりない行為である」と非難。 ま ...
「盗人猛々しい」金正恩氏、文在寅政権との対話を拒絶
北朝鮮は11日、米韓両軍が同日から合同指揮所演習を開始したことを受けて外務省局長の談話を発表し、米韓合同軍事演習を即時中止するか韓国が演習について誠意ある釈明を行うまでは「南北の接触自体が難しい」と表明した。 一方、トランプ米大統領は10日、ツイッターで「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が米韓合同軍事演習後に会い、(非核化)協議を始めたいと手紙で書いてきた」と明かした。金正恩氏はまた、7月下旬から続ける短距離ミサイル発射について「演習が終われば発射実験をやめる」と伝えてきたとい ...
文在寅には「脅迫状」を、トランプには「美しい書簡」を送った金正恩
トランプ米大統領は9日、北朝鮮の金正恩党委員長から前日に「非常に美しい書簡」を受け取ったとホワイトハウスで記者団に明かした。書簡の中身については「(トランプ氏)個人に向けたもの」であり、「非常に前向き」と説明したが、詳細については言及していない。 ただ、金正恩氏が書簡の中で5日から始まった米韓合同軍事演習への「不快感」を表明したことを明らかにしつつ、「私も(合同演習を)一度も好きだったことはない。なぜなら米国が費用を支払うのが気に入らないから」と述べ、金正恩氏に同調して見せた ...
「同族への信義を捨てた」金正恩氏、文在寅氏の“排除”加速か
北朝鮮の対韓国機関、祖国平和統一委員会の統一宣伝局は8日、米韓合同軍事演習を巡り韓国政府を非難する真相公開状を発表した。 公開状はまず、「南朝鮮当局は、対話の場ではわれわれと『和解と平和』の握手をし、後ろでは『軍事的備え態勢においては抜かりがあってはならない』と力説し、外部勢力と共に同族に反対する合同軍事演習を引き続き強行している」と指摘している。 そして、韓国政府が昨年から今年にかけて推進してきた米国との軍事協力や、軍備増強の事例を列挙しながら、「同族に対する信義を捨てて米 ...
「米国の利益に深刻な被害」文在寅氏の“感覚のズレ”に募る警戒感
訪日したエスパー米国防長官は7日、岩屋毅防衛相、安倍晋三首相と相次いで会談し、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が維持されることを「心の底から願う」と強調したという。 エスパー氏は8日から訪韓しており、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相らとの会談でも同様の意向を伝えると見られる。 日韓関係が悪化の一途を辿る中、韓国政府は日本による半導体関連材料の輸出規制措置に対抗し、GSOMIAを破棄する可能性をチラつかせている。7日には世論調査会社のリアルメーターが、GSOMIA破 ...
金正恩氏「最愛の妹」が幹部らを無慈悲に処罰…権力中枢で何が
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が最近、複数の幹部に無慈悲な処罰を下す事件があったという。 平壌の消息筋は7日、デイリーNKに対し、「首領様(金日成主席)逝去25周年の記念行事で、平壌市党委員会名義で寄せられた弔花の花かごの中に発泡スチロールが仕込まれていたことが発覚した。温室栽培の生花が足りず、発泡スチロールの詰め物でかさを増やしていたようだ」と伝えた。 消息筋によると、発泡スチロールの詰め物は追悼行事の現場で、党宣伝扇動部の幹部によ ...