現在、韓国に住む脱北者のキム・ジフン氏(仮名=男性・30代)が最近、デイリーNKジャパンに手記を寄せてくれた。キム氏は、未曾有の水害に見舞われた北朝鮮北部・咸鏡北道(ハムギョンブクト)の出身である。
軍隊の略奪方法
水害では一説に数千人とも言われる死者・行方不明者が発生し、中朝国境の川には「大量の死体が浮かんだ」(中朝国境の情報筋)との話も聞く。
現在、韓国に住む脱北者のキム・ジフン氏(仮名=男性・30代)が最近、デイリーNKジャパンに手記を寄せてくれた。キム氏は、未曾有の水害に見舞われた北朝鮮北部・咸鏡北道(ハムギョンブクト)の出身である。
水害では一説に数千人とも言われる死者・行方不明者が発生し、中朝国境の川には「大量の死体が浮かんだ」(中朝国境の情報筋)との話も聞く。
北朝鮮の住民が外国からの情報を入手するにあたって、民間人が経営するビデオボックスが利用されていることが明らかになった。
先月28日、北韓情報自由国際連帯(ISFINK)主催の「対北朝鮮メディアコンテンツ強化と革新方案を模索する国際会議」で明らかにされた。
会議のなかで、ISFINKは今年5月に北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)で撮影された映像に、脱北者の証言を加えて制作した「北朝鮮情報自由化の夢、電波に載せて」という映像を公開。北朝鮮の人々がいかにして外国から情報を入手するのか説明した。
8月末、北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)地域を台風による集中豪雨が襲い、死者138人、失踪者400人、被災者6万9000人(国連、北朝鮮メディア発表まとめ)という過去最大の水害が発生した。国連による人道支援が動き出す一方で、韓国では「この情勢下、北に対する人道支援は是か非か」という議論が未だ続いている。韓国政府は否定的な立場だ。そんな中、故郷が被災した韓国在住の脱北者はどのような思いを抱いているのか。脱北者のキム・ジフン氏(仮名=男性・30代)が手記を寄せてくれた。
筆者は被災地である咸鏡北道で生まれた。現地で軍隊生活を終えたあと行政機関に勤務し、2012年に韓国に入国した脱北者である。
北朝鮮の実情を知る者として、なかなか答えの出ないテーマである「北朝鮮への人道支援」についてどう考えているのかを、率直にまとめたい。
結論から言うと、これまでと同様の人道支援が行われるならば反対だ。
韓国の朴槿恵大統領が1日、「国軍の日」記念式典で演説し、北朝鮮住民に対し「いつでも韓国の自由な地に来てほしい」と呼びかけたことが注目されている。韓国の大統領が脱北を促す発言をするのは異例だし、韓国政府が北朝鮮と対話するよりも、人権問題で揺さぶり体制の瓦解を狙う姿勢を鮮明にした意味でも重要な発言だ。
ただ、この演説で興味深かったのは、この発言だけではない。
(参考記事:【動画】吹き飛ぶ韓国軍兵士…北朝鮮の地雷が爆発する瞬間)
先月末、北朝鮮は台風10号(ライオンロック)によって、深刻な水害に見舞われた。北朝鮮の人権状況を調査するトーマス・オヘア・キンタナ国連特別報告者は21日、538人が死亡、または行方不明となっており、14万人が支援を必要としているという声明を発表。支援を強化することを呼びかけた。
こうした中、韓国政府は23日、「水害に対して人道的支援をすれば、その成果は金正恩党委員長のものとなる」としながら、支援に対して消極的な姿勢を示した。韓国の世論調査でも、回答の半数以上が核実験を理由に「支援すべきでない」という意見だ。
台風10号(ライオンロック)の影響で、深刻な水害に見舞われた地域には既に復旧部隊が派遣されている。しかし、当局の不十分な対応に憤った住民が激しい抗議をするなど、とても復旧がスムーズに進んでいるとは言いがたい。
(参考記事:「あんた達のせいで皆死んだ」住民見殺しで金正恩体制の権威失墜)
それどころか、北朝鮮当局は秘密警察を派遣した。その狙いは脱北を事前に防ぐため、さらに住民たちに対する統制を強化することだった。
北朝鮮の東北部を襲った未曾有の水害から3週間以上が経った今も、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の被災現場は平穏とは程遠い。それどころか、災害発生時に何ら対応できなかった当局に対する怒りが噴出する「事件」が発生し、現場で大きな噂になっている。やはりと言うべきか、過去の災害や大規模事故と同じく、今回も「人災」が隠れていたのである。
(参考記事:北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図)
自らも被災地域に住むデイリーNKの取材協力者S氏によると、「事件」は今月20日、咸鏡北道の会寧(フェリョン)市で起きた。
先月末、北朝鮮を襲った台風10号(ライオンロック)によって大被害が起きた。国連の平壌常駐調整官室によると、死者138人、行方不明者400人に達するとしているが、犠牲者の数はそれを上回るとの情報が後を絶たない。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)市で、川沿いに設置されていた国境警備隊の哨所(監視塔)の多くが流され、多数の兵士が死亡したと伝える中、デイリーNKの内部情報筋も被害の詳細を伝えてきた。
国境警備隊のうち最も被害が大きかったのは、咸北27旅団所属の茂山(ムサン)大隊、南陽(ナミャン)大隊、それに延社(ヨンサ)郡の部隊だ。

北朝鮮が外貨稼ぎのため海外に派遣している労働者の中から今年だけで40人の死亡者が出ていると、韓国の聯合ニュースが消息筋の話として報じている。事故や病気、そして自殺によるものだという。
それによると、死亡者が出たのはロシアやクウェート、中国、カタール、赤道ギニア、アンゴラ、モンゴルなど。中でも、ロシアでの死亡者が13人と最も多い。8月に労働者1人が3階の高さの建設現場から落ちて死亡し、7月ごろにはトボリスクの建設現場でも2人が貨物昇降機から転落する死亡事故が発生。1月にはウラジオストクで、労働者1人が生活苦を訴えながら、宿舎の屋上で体に火をつけ投身自殺した。
また、アンゴラでは3月に約20人の労働者が黄熱病で死亡した。予防接種を受けていなかった疑いがあるという。
北朝鮮には、「国際主義戦士」という言葉がある。
中国当局は、北朝鮮に核開発関連物資を含む戦略物資を輸出していた容疑で中堅企業グループの遼寧鴻祥集団に対して調査を行っているが、オーナーの馬暁紅氏は今月初めに逮捕され、10日以上取り調べを受けていることが明らかになった。
中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋によると、同社は中国税関の検査を逃れるために、戦車のバッテリーの極板や金属材料をリンゴ箱に詰める手法で大量に輸出していた疑いが持たれている。同社は、制裁で青息吐息の北朝鮮の足元を見て、武器製造設備1台に1000万元(約1億5400万円)もの高値をふっかけていた。
さらに別の情報筋が米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、同社は脱税、マネーロンダリング、偽造紙幣や麻薬取引にも関与していたとのことだ。
中国における対北朝鮮ビジネスの第一人者の一人、馬暁紅氏はいかなる人物なのだろうか。
かねてから、北朝鮮の金正恩党委員長は平壌市郊外や地方へ陸路で現地指導に行く際、高級SUVに乗っていることが知られていた。そしてこのほど、その車種が何であるかを特定する上で有力な手掛かりが示された。
提供してくれたのは他でもない、北朝鮮の公式メディアである。
朝鮮労働党機関紙の労働新聞と朝鮮中央通信は13日、正恩氏が朝鮮人民軍第810軍部隊傘下の第1116号農場を現地指導したと報じた。そして同時に公開された写真に、正恩氏が乗って来たと思しきSUVの車影が写っているのだ(3ページの写真)。
北朝鮮で「占い」は「迷信」「非社会主義的」とされ、違法とされている。刑法では、占いや宗教を含む「迷信」を次のように規定している。
刑法256条(迷信行為罪) カネまたはモノを受け取り迷信行為を行った者は1年以下の労働鍛錬刑に処す。前項の行為の情状が重い場合には3年以下の労働鍛錬刑に処す。
当局が占いを取り締まるのには別の理由も存在する。
中国の各メディアや米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)などは19日までに、米中当局が北朝鮮の核開発支援に関与した疑いがあるとして、中国・遼寧省の企業グループを捜査中であると報じた。
また、米韓のシンクタンクが19日、北朝鮮が経済制裁を回避するため、この企業グループを抜け穴として使っており、戦略物資を含む取引額が2015年までの5年間で5億ドル以上に上っていたとする報告書を発表した。
一連の報道と報告書で名指しされているのは、遼寧省の中堅企業グループ・鴻祥実業有限公司。同省の公安庁が15日、中国版ツイッターの「微博」で、「同社が貿易活動において重大な経済犯罪に関与した容疑が明らかになった。現在、関連人物は取り調べを受けている」と明らかにしていた。
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北朝鮮は、台風10号(ライオンロック)の影響で、深刻な水害が発生。死者・行方不明者が数百人と、北朝鮮当局が「解放後初の大災難(建国以来の災害)」と公式にアナウンスするほど、甚大な被害に見舞われている。
金正恩党委員長は、軍を被災地に派遣するよう直々に指示。別の任務にあたっていた主力部隊を復旧作業に急派した。本来なら、金正恩氏の迅速な対応と決断に、賞賛が集まりそうだ。しかし、実にセコいやり方で「復旧資金」を集めようとして、住民の不満を買っている。
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金正恩氏が少し控えめだ。北朝鮮は9日に行った5回目の核実験で、核弾頭の小型化に成功したと主張しており、大々的に金正恩氏の業績を宣伝してもおかしくない。
しかし、13日の労働新聞は、金正恩氏が核実験関連ではなく、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)傘下の農場で、新種のトウモロコシを現地視察したことを報じた。同紙によると、正恩氏は朝鮮中央通信曰く「腕のようなトウモロコシと弾丸のように実った稲穂」(嫌みではなくなかなか秀逸な表現だ)を見ながら大満足したという。
核実験の直後に農場を現地視察とは、これまでの金正恩氏の行動パターンからすれば、いささか不可解である。この裏には一体何があるのだろうか。
台風10号(ライオンロック)による大雨で、中国の吉林省延辺朝鮮族自治州と、北朝鮮の咸鏡北道に深刻な被害が発生している。看過できないのは、北朝鮮ではこうした災害や大規模事故が起きるたび、庶民が国家の失政のツケを払わされることだ。
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道内北部では、先月の26日から大雨が降り始めた。中でも、会寧(フェリョン)、穏城(オンソン)、茂山(ムサン)など豆満江の流域には1時間に100ミリを超える大雨が降った。増水した川から水が溢れたり、堤防が崩れたりして、町は水に飲み込まれた。
地方当局は、住民に対して避難命令を出したが、避難しなかった人が多く、被害が拡大してしまった。
北朝鮮北東部を襲った台風10号(ライオンロック)による被害が、甚大なものとなっている。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、今回の水害による北朝鮮での死者は133人、行方不明者395人、被災家屋は3万5500世帯に達し、今後さらに増えるものと思われる。中には地域そのものが消滅したケースもある。
北朝鮮当局は9月10日、朝鮮労働党中央委員会の名義で、全国民に向けて水害復旧に立ち上がることを訴えるアピール文を発表するなど、被災地の復興に本腰を入れる姿勢を見せている。また、金正恩党委員長は、各道からの5000人と突撃隊(建設労働者)、朝鮮人民軍など10万人を派遣することを指示した。これは「核実験ばかりやって、民生を放置している」との不満が高まるのを抑える目論見があるものと思われる。
咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、中央からの「復旧人員として5000人を選抜せよ」との指示に伴い、各工場、企業所では割り当てられた数だけ人員を派遣することになった。水害の復旧にこれほどの大人数が投入されるのは初めてのことだという。それだけ被害が深刻だということだ。
北朝鮮の金正恩党委員長が登場するわいせつ動画が存在するという仰天情報が飛び込んできた。にわかに信じがたい話だが、噂が広まったきっかけは、北朝鮮当局が下したある機器の使用禁止令だった。
北朝鮮では、「ノートテル」という中国製の携帯型メディアプレーヤーが普及している。DVD、VCD、USBメモリを挿入すれば、世界中のドラマ、映画、バラエティが楽しめる。値段も、1台400~600人民元(約6750円~1万円)と手頃だ。
北朝鮮が9日に5回目の核実験を行ってから2日以上が経過したが、同国のメディアは核実験と関連する金正恩党委員長の動静をいっさい伝えていない。
これは、正恩氏としては異例のことだ。
たとえば、朝鮮労働党機関紙の労働新聞は4回目の核実験の翌日となる1月7日、「水爆実験最終命令書」にサインする金正恩氏の写真を1面に掲載した。
北朝鮮が5回目の核実験を行った9日、韓国軍合同参謀本部のイム・ホヨン戦略企画本部長(中将)は記者会見で、北朝鮮が核攻撃を仕掛けてきた場合「北の軍指導本部を含む指揮部を直接狙い反撃・報復する」と述べ、金正恩党委員長への攻撃を示唆した。
堪忍袋の緒が切れた、ということなのかも知れないが、韓国軍内から「金正恩をねらえ」との声が出るのは、これが初めてではない。
北朝鮮当局が、教化所(刑務所)の女性収容施設を大幅に拡張していたことが明らかになった。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、米国の人権団体「北朝鮮人権委員会」(HRNK)のグレッグ・スカラチュー事務総長は、中朝国境地域の咸鏡北道(ハムギョンブクト)にある全巨里(チョンゴリ)教化所の過去数十年に渡る衛星写真を分析。その結果、女性収容施設が拡張されていることが判明した。
4日、韓国国会で3月に成立した北朝鮮人権法が施行された。同法により政府傘下に設置される「北朝鮮人権記録保存所」は、北朝鮮の国家による人権犯罪の証拠を収集することになる。同様の役割を担っているものに、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)がソウルに開設した北朝鮮人権事務所もある。
また、米国政府は7月6日、北朝鮮の人権侵害に対する初の経済制裁を発動し、対象者リストの筆頭に金正恩国務委員長を掲げた。制裁の根拠となった米国務省の報告書は、北朝鮮国民の多くが、公開処刑や拷問、強制労働に苦しんでいると指摘している。
では、当の北朝鮮国民はこうした動きをどう見ているのだろうか。
北朝鮮で相次ぐ外交官の亡命、そして高級幹部たちの処刑は、金正恩党委員長の恐怖政治が猛威を振るっていることを物語っている。
こうした中、北朝鮮の秘密警察・国家安全保衛部は、庶民たちに対して「内部の不純分子の敵対行為に警戒心を高めなければならない」という政治講演を通じて、思想統制を強めていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
ただし、その思想統制の中身とは最高尊厳を揶揄することは許さない、すなわち「金正恩氏をジョークのネタにするな!」というものだった。
監視体制が隅々まで敷かれている北朝鮮では自由にものを言うことができない。
北朝鮮の御用メディア団体である朝鮮記者同盟中央委員会は2日、デイリーNKを名指しで非難するスポークスマン談話を発表した。それを伝えた朝鮮中央通信は、次のように報じている。
「スポークスマンは、『朝鮮日報』『中央日報』『聯合ニュース』『ニュース1』『デーリーNK』をはじめとする南朝鮮のかいらい保守メディアがわれわれの200日間キャンペーンの目覚しい成果をけなそうとさまざまな悪口を並べ立てている」
(参考記事:【写真で振り返る】金正恩氏、年々高まる肥満度…髪型にも変化が)
意外と知られていないことだが、北朝鮮にも裏社会は存在する。90年代までは、「チュモクセゲ」と呼ばれる反社会的勢力が存在した。直訳すると「拳の世界」。実に単純明快なネーミングだ。
彼らは徒党を組んでシノギや抗争で組織を拡大し、時には当局と裏で手を組みながら裏社会に君臨していた。しかし、90年代中盤から北朝鮮を襲った「苦難の行軍」と呼ばれる大飢饉を通じて、社会全体が混乱し、さらに当時の金正日体制が徹底的にヤクザを弾圧したことから、ほぼ壊滅状態となる。
(参考記事:【実録 北朝鮮ヤクザの世界(上)】28歳で頂点に立った伝説の男)
しかし、それまでのヤクザは消滅したものの、大飢饉を通じて新たな「半グレ集団」が生まれることになる。
北朝鮮の金正恩党委員長が、韓国人をターゲットにしたテロ団を中朝国境地域に派遣したと韓国政府が21日、明らかにした。
韓国政府の発表以前より、金正恩氏が韓国人を対象にテロ、または拉致を模索しているという情報は、既に5月の時点から囁かれていた。きっかけは、その前月に起きた中国浙江省寧波市の北朝鮮レストラン「柳京食堂」から男性支配人と女性従業員ら13人が脱北した事件だ。
金正恩氏は、事件が体制不安を呼び起こしかねないと焦りを感じたようだ。