韓国SBSニュースは5日、金正恩総書記が視察した軍の空挺部隊の降下訓練で事故が発生し、十数人の死者を含む数十人の死傷者が発生したもようだと報じた。
SBSで北朝鮮問題を専門とするアン・ジョンシク記者は番組で、朝鮮中央テレビの映像を示しながら、次のように解説した。
娘が双眼鏡で…
「風が強く吹いており、軍人たちが輸送機から飛び降りるやいなや、パラシュートがほぼ水平方向に飛んでいくのを見ることができます。このように強風の中で降下したため、所々、パラシュートが絡まっているような様子が見えます」
韓国SBSニュースは5日、金正恩総書記が視察した軍の空挺部隊の降下訓練で事故が発生し、十数人の死者を含む数十人の死傷者が発生したもようだと報じた。
SBSで北朝鮮問題を専門とするアン・ジョンシク記者は番組で、朝鮮中央テレビの映像を示しながら、次のように解説した。
「風が強く吹いており、軍人たちが輸送機から飛び降りるやいなや、パラシュートがほぼ水平方向に飛んでいくのを見ることができます。このように強風の中で降下したため、所々、パラシュートが絡まっているような様子が見えます」
ロシアのサンクト・ペテルブルグにあるオペラ、バレエの劇場のマリインスキー劇場は、チャイコフスキーの代表作「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」「白鳥の湖」が初演された劇場として、世界的に有名だ。沿海州のウラジオストクには別館もある。
そんなマリインスキー劇場に所属する芸術団が北朝鮮を訪問し、平壌の万寿台(マンスデ)芸術劇場で「眠れる森の美女」の公演を行った。武器取引などで北朝鮮との親密さを深める、プーチン大統領からの「贈り物」と言える。
ところが、平壌市民の反応は鈍い。いや、むしろ怒っている。めったに触れられない世界的なバレエのどこに不満があったのか。その裏には、現地におけるきわめて偏った「エンタメ事情」があると、デイリーNK内部情報筋が伝えている。
サッカー2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の日本と北朝鮮の一戦が21日、東京の国立競技場で行われ、日本が1-0で勝利した。前半に先制された後も再三にわたり日本に決定的場面を作られながら、最少失点でしのいだ北朝鮮も善戦したと言える。
北朝鮮サッカーを巡っては、重要な試合で「負けたら炭鉱送り」ということが長年にわたり言われてきた。筆者は、少なくとも近年では、そのようなことはないと考えている。だが、火のない所に煙は立たぬ、である。
かつて大活躍した北朝鮮のサッカー選手が、炭鉱に送られたという話が実際にある。アジアプレスの李鎮洙記者は2010年6月23日付の「北朝鮮 44年前、炭鉱送りになったW杯代表選手たち」と題した記事で、次のように書いている。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は先月27日、ウクライナ国防省情報総局(GUR)のヴァディム・スキビツィキー副局長の現地メディアとのインタビューに基づき、北朝鮮がロシアに提供した砲弾の半分以上が性能不良だと報じた。
RFAはこれに先立ち25日にも、米国家安全保障会議(NSC)の資料に基づき、ロシアがウクライナに対して使用している北朝鮮製ミサイルは「衝撃的」なほど性能が劣悪だと伝えている。
金正恩総書記は昨年から頻繁に軍需工場を視察しており、ロシアへの販売を見込んで増産に取り組んでいる可能性が高い。しかし、こうした信頼性の劣る兵器をロシアが望まなかったらどうするのか。生産された相当数の兵器は、朝鮮人民軍に渡るだろう。
韓国の軍事専門家、イ・イルウ自主国防ネットワーク事務局長は、それはそれで恐ろしい状況だと述べている。
同氏はRFAとのインタビューで、「正確に誘導されるミサイルなら戦略施設を正確に打撃できるので大きな脅威ですが、命中率の悪いミサイル、特に威力の強いミサイルが大量に配備されれば、それも恐ろしい状況」だとしている。
(参考記事:【目撃談】北朝鮮ミサイル工場「1000人死亡」爆発事故の阿鼻叫喚)
同氏によれば、「(着弾が)キロ単位で誤差が出る公算だとすると、韓国ソウルの南にある南泰嶺首都防衛司令部を狙って発射したミサイルが、近くの果川政府庁舎や近くのマンション密集地域、最悪の場合は人口密集地域で交通の要衝地として、膨大な人出が行き交う舎堂駅の近くを強打する可能性がある」という。
正確に誘導されるミサイルならどんな戦略施設を狙うだろうという予測をして、韓国軍もこれに備えることがでるが、どこに飛んでいくか分からないミサイルだと文字通り予測不可能ですので、迎撃資産の配置や防御作戦が非常に難しくなる可能性があるというわけだ。
もっとも、これはウクライナで使用されているような、通常弾頭を搭載したミサイルが使われた場合の話だ。金正恩氏が韓国に対して本気で核攻撃を行うならば、弾頭の破壊力によっては、キロ単位の誤差もあまり意味がない。
守りの堅固な軍事施設の場合、もしかしたら、北朝鮮のミサイルが数キロ外れてくれたら助かるかもしれない。しかし民間人の場合は、ミサイルがどこに落ちても大量の犠牲者が出る。
いったん戦争が起きたらもうオシマイ。これが核兵器の恐ろしさだ。
北朝鮮国防省は4日、米韓合同軍事演習の中止を求める報道官談話を発表。「一点の火花によっても核戦争が起こりかねない」として、米韓をけん制した。
ただ、北朝鮮は偵察衛星や弾道ミサイルの開発に大金をつぎ込む一方で、末端兵士たちが劣悪な生活環境に苦しみ、軍全体での力を落としている事実もある。
ただ、北朝鮮は偵察衛星や弾道ミサイルの開発に大金をつぎ込む一方で、末端兵士たちが劣悪な生活環境に苦しみ、軍全体での力を落としている事実もある。
両江道(リャンガンド)の軍関連情報筋はRFAに対し、「一線の軍部隊から虚弱者(栄養失調者)が継続的に出ており、幹部の悩みが深い」とし、「特に冬季になると栄養失調で虚弱になった兵士たちが続出しており、総参謀部が対策を立てるよう強調しているが、供給が不足している状況下で問題解決の妙案が出てくるはずがない」と語っている。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は先月27日、北朝鮮がロシアに提供した砲弾の半分以上が性能不良だと報じた。
RFAは、ウクライナ国防省情報総局(GUR)のヴァディム・スキビツィキー副局長の現地メディアとのインタビューに基づき、「ロシアが不足している兵器生産問題を解決するために北朝鮮の支援を受けたが、望んだ結果を得られずにいる」と伝えた。
同副局長はまた、ロシアはすでに北朝鮮から150万発の弾薬を輸入したが、それらは1970~80年代に作られたもので、半分以上が作動していない」と明らかにしている。
このような状況は、以前から予想されたものだった。
北朝鮮の新興富裕層(ニューリッチ)である「トンジュ」は、経済が混乱状態に陥った1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の時代に、勤め先の工場の資材などを売り払って資金を作り、ヤミ金業などを営んで財産を築いた。
彼らは国の政策によって浮沈を繰り返してきた。最近の金正恩総書記は、市場経済化を抑制し、1980年代以前の社会主義計画経済体制に戻ろうとしているようで、そのあおりで多くのトンジュが没落した。
生き残ったトンジュは改めて権力と結託し、国の政策に便乗して儲けを確保している。たとえば黄海北道(ファンヘブクト)の沙里院(サリウォン)では、住宅や工場の建設に「いっちょ嚙み」している。
現地のデイリーNK内部情報筋によると、沙里院市人民委員会(市役所)は、国家経済建設課題の執行のために必要なブロックなど、セメントで作った建築資材を製造するように市内のトンジュに指示した。
だが、市当局が買い上げるわけではない。実際に購入するのは一般市民で、それを国家に供出するよう強いられる。実際、先月26日に「今春に着手すべき地方発展建設計画」を発表した沙里院市は、市民に建設資材を供出するようノルマを課した。
市当局はこれにより、一銭たりとも予算を使わずに住宅建設を行うことができる。同時にトンジュはブロックが売れて儲かるという仕組みだ。もちろん、トンジュから市当局の有力者にはキックバックが渡る。この手のやり方は今までも繰り返されてきた。
数年前までは、沙里院市人民委員会がセメント、砂利、砂などの原料を調達して工場に送り、その上で生産を指示していた。当時も今と同じ「税金外の負担」として、市民に現金の寄付が求められたものの、額は少なかった。
ところが、今のようにトンジュが作ったものを買うやり方になってから、額が2倍に跳ね上がった。工場で一気に大量生産するのではなく、複数のトンジュが小ロット生産したものを買わされるからだ。
朝鮮労働党沙里院市委員会や沙里院市人民委員会のイルクン(幹部)の懐に、トンジュが納めたワイロが入るのは前述したとおりだが、元はと言えば市民の財布から出たカネだ。当然のことながら不満の声が上がっている。
「配給もなしに農村住宅、工場を自主的に建設せよという党の政策も嫌だが、国と個人がグルになっての金儲けに利用されるのはもっと嫌だ」(沙里院市民)
目的は利益追求であることはバレバレなのに、国の進める建設計画を掲げて正当化しようとする彼らの姿が見苦しいというのが沙里院市民の声だ。そもそもの問題は、国が建設を命じたのに、予算は一切負担せず、地方に丸投げするところから始まっている。
お笑いタレント「ダウンタウン」の松本人志氏の性加害疑惑報道が波紋を広げる中、ほかにも、芸能人らによるハラスメント告発が相次いでいる。
内容は全く異なるが、韓国デイリーNK編集部にも告発が届いた。告発者はロシア・イルクーツクにいる北朝鮮人労働者のAさんで、その対象は彼らの管理を行う建設会社の保衛員(秘密警察)のチェ・ソンチョル氏だ。拷問や公開処刑などの手段を総動員して金正恩体制の恐怖政治を支える保衛員だが、このチェ氏は一見、温和な印象があるという。ただ、裏ではやはり、非道の限りを尽くしていた。
ことは2020年に遡る。新型コロナウイルスの世界的大流行による不況で、チェ氏に対して帰国命令が下されたが、北朝鮮は同年1月に国境を封鎖したため、帰国できずにロシアに滞在し続けていた。
そのため、不正行為を行ったとしても強制帰国させられることはなく、本国が検閲(監査)も行えない。それを利用して、チェ氏は労働者から搾取の限りを尽くしていたのだ。
ロシアに滞在する北朝鮮人労働者は、所属の企業から課された外貨稼ぎの課題(ノルマ)をこなしつつ、「闇バイト」で住宅の内装工事などを行っていたが、それにあたってロシアキャリアの携帯電話の所有は欠かせない。
2020年末に制定された「反動思想文化排撃法」の19条は、他国の携帯電話の使用を禁じている。チェ氏は「祖国(北朝鮮)に報告する」「自分に任せれば許される」などと脅迫と懐柔を繰り返し、多額のワイロを要求していたのだ。
また、同じ19条が禁じている、韓流コンテンツの携帯電話での視聴禁止も、脅しのネタとなった。「南朝鮮(韓国)のニュースやドラマを見た」と濡れ衣を着せてワイロを払わせる手法だ。
その裏で本人は、自宅の部屋に65インチの大型テレビとWi-Fiのルーターを設置して、韓流コンテンツを楽しんでいたのだ。音声が漏れてバレないようにヘッドホンを使っていたという。
そんな彼には、韓国の流行語をもじった「サンガンド」というあだ名が付けられていた。とても上品で男らしい強盗と言った意味合いだ。
脱北者のチョン・サンチョルさん(仮名)は、ロシア駐在の保衛員のやり口についてこう語った。
「ロシア国内では保衛員を3番と呼んでいるが(支配人は1番、朝鮮労働党書紀は2番)、1番と2番をものともしない強大な権限を振りかざしている。基本任務は非社会主義(社会主義にそぐわない風紀の乱れ、違法行為)の取り締まりだが、一部の保衛員は労働者のなけなしの収入を狙う破廉恥ぶりだ」
保衛員の非道ぶりを訴えようにも、権限が強大なため、支配人と言えども何も言えない。また、保衛員を取り締まる人員が別に存在するが、「労働者の脱北などの異常事態の監視を適切に行なっているか」にしか関心がなく、保衛員が労働者を搾取したり、韓ドラを見たりしても、何も言わないとだという。
Aさんは、チェ氏の行為について北朝鮮当局への信訴(告発)を考えたものの、聞き入れられることはないだろうと諦め、韓国デイリーNK編集部に助けを求めた。Aさんは「この世の中、地球上のすべての人に知らしめて、(チェ氏に)歴史の裁きを受けさせたい、酷い扱いを受ける庶民の力を見せつけたかった」として、詳細を語った。
加害者の実名を挙げての告白であることから、情報が巡り巡って北朝鮮当局の目にすることになり、チェ氏の処罰に至る可能性も考えられる。一方で、詳しい調査が行われれば、Aさんの身にも危険が迫る。彼にとっては命がけの告発でもあるのだ。
北朝鮮からの派遣労働者の新規雇用は、国連安全保障理事会対北朝鮮制裁2375号によりり、加盟国に対して禁じられている。また、以前からいた労働者も2019年末までに全員を帰国させることになっていたにもかかわらず、ロシアには北朝鮮人労働者が残り、最近になっては新たな受け入れも行われている。
北朝鮮は、居住や移動の自由がない世界的に見ても珍しい国だ。登録した居住地から市や郡の境界線を越えて別の地域に移動するためには、旅行証と呼ばれる国内用パスポートが必要だ。日本で例えると、東京から埼玉に移動するために許可が要る、リアル「翔んで埼玉」の世界だ。
市や郡の境界線上には10号哨所と呼ばれる検問所があり、旅行証を提示した上で、荷物検査を受けようやく通過が認められる。しかし、市場経済が進捗の度合いを深めていた2010年代には、検問所に定期的にワイロを払っているタクシーやソビ車、ポリ車(個人経営のバスやトラック)に乗ると、検問を受けることなく通過できるなど、移動制限がなし崩し的に緩和されていた。
ところが、コロナ禍をきっかけに移動統制が再び強化されるようになった。居住地の外で旅行証を携帯していなければ、身柄を拘束され「集結所」と呼ばれる拘禁施設に収容され、地元の安全部(警察署)の迎えが来るまでずっと強制労働を強いられる。
両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、氷点下20度を下回る寒さの中で、集結所の収容者は、人糞や家畜の糞を集めて肥料を作る「堆肥戦闘」に追いやられていると伝えた。
他の拘禁施設と同様に、集結所の栄養、衛生状態は劣悪だ。今月19日には、収容されている50代の女性が作業中に倒れてしまった。この女性は1週間も高熱にうなされ、睡眠や食事がまともに取れていない状況で作業を強いられていた。
規定では、病気になれば外部の病院に行くことになっているが、上部の承認が必要など手続きが複雑であるため、集結所側は動こうとしない。また、患者本人も、医療費が払えないため外部の病院に行こうとしないという。結局、他の収容者に面倒を見てもらい、なんとか釈放まで耐えるしかない。
収容者が住民登録している地域の安全部が身柄を引き受けにやってきて、ようやく釈放されるが、面倒だとなかなか来ようとしないケースもあり、ガソリン代などの費用は収容者に請求される。
戒護員(看守)は、収容者を人間扱いせず、暴言や暴行は日常茶飯事だが、これでも教化所(刑務所)や管理所(政治犯収容所)に比べればまだマシなのだ。
国際人権規約に定められた移動の自由が制限されるという極めて異常な状態が日常化しているが、国民を縛る効果的な手段であると同時に、システムそのものが利権化していることを考えると、おそらく撤廃はされないだろう。
中国の丹東や瀋陽など遼寧省では、正確な数は不明だが、数万人の北朝鮮女性が働いている。いずれも北朝鮮の貿易会社が中国企業との契約に基づいて派遣した労働者だが、北朝鮮国民の新規雇用を禁じた国連安保理の制裁を回避するために、短期滞在ビザや技能実習ビザを取得するなどして、法的には「労働者ではない」という形になっている。
これまでは水産加工工場、アパレル工場、北朝鮮レストランが主な派遣先だったが、最近では農業分野への進出が伝えられている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
中国に駐在する北朝鮮政府関係者は、丹東近郊の東港にあるイチゴ農園で、100人の北朝鮮女性が働いていると明らかにした。この地域にはイチゴを栽培している個人の農家が多いが、企業ではなく個人に雇われての派遣は今回が初めてだという。
20代の彼女らは、ビニールハウス別に配属され、畑の管理、イチゴの収穫、包装、トラックへの積み込みなどの仕事を行っている。
月給は1人あたり3500元(約6万9700円)だが、彼女らが全額を受け取れるわけではない。
中国の農家は、女性たちを管理・監督する北朝鮮の機関の幹部の名義になっている中国銀行の口座に月給を送金する。幹部は生活費500元(約9950円)、国に納める忠誠の資金1500元(約2万9900円)を差し引いて、残りの1500元を女性たちに支給する。
忠誠の資金のピンハネ率は月給の7割に達する場合もあるが、イチゴ農場での労働は過酷であるため、低めに抑えているものと思われる。
別の情報筋によると、東港のイチゴ農園では今まで中国女性が働いていたが、今年からは北朝鮮女性が働くようになった。そのうち50人は、吉林省図們にあるアパレル工場から先月中旬に移ってきて、残りの50人は、新たに北朝鮮で選ばれて今月初めに中国についたばかりの女性たちだという。
北朝鮮当局は、コロナ禍で国境を封鎖したことでビザや契約期間が過ぎても帰国できず、中国に足止めされていた女性労働者を帰国させると同時に、ビザの日数が残っている別の地域で働いていた人、新たに北朝鮮から来た人を派遣している。
人材のイチゴ農園への移動は極めて単純。儲かるのだ。
「北朝鮮当局はイチゴ農園に若い女性を集団で送り込む理由はアパレルや水産加工工場より月給が500元以上高いからだ」(情報筋)
東港のイチゴには従来品種もあるが、改良された白くて大きい物が多く、オーガニック栽培もされていて海外にも高値で輸出されている。丹東の郊外にはモモ、ナシの大規模な畑があり、クリも多く取れる。今後、これらの場所にも北朝鮮女性労働者が進出する可能性が考えられる。
米国が今年、韓国から受け取り、ロシアと戦争中のウクライナに供給した155ミリ砲弾量が、すべての欧州諸国の供給量を合わせたものより多いという報道が出た。
米紙ワシントンポストは4日、今年のウクライナ戦争の膠着状況を振り返る深層企画記事で、韓国製の155ミリ砲弾がウクライナに間接支援された過程を紹介した。
今年初め、米国の生産量では月に9万発以上が必要なウクライナの需要の10分の1強しか満たせないという判断が出ると、ホワイトハウスのジェイク・サリバン国家安保補佐官は、弾薬を大量に保有している韓国に目を向けた。
韓国は、155ミリ自走砲の世界最大の保有国であるとともに、頻繁に行われる大規模演習のため砲弾の消費量も多く、その需要を満たすため備蓄量・生産量ともに大きいという特徴がある。
しかし、韓国は交戦地域への武器供給を法律で禁止しているのが障壁だったと同紙は伝えた。
なぜ新しい建物は平壌ばかりに建てられるのか。そんな地方の人々の不満を意識して始められたという北朝鮮の農村住宅建設が、現在、各地で盛んに行われている。
北部の両江道(リャンガンド)には、各地の朝鮮労働党員からなる「党員大隊」を投入し、急ピッチで建設が進められているが、ここに来て急ブレーキがかけられた。手抜き工事が横行しているのだという。詳細の現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
道内では、国営の朝鮮中央テレビや労働新聞の記者が取材にやって来た竣工式の開始直前に水道管が破裂し、家の壁が崩れるという大失態を招いている。
(参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故)
こうした事態を受け、両江道の建設現場では10月4日から9日にかけて、大々的な「検閲」が行われた。
サッカー日本代表「森保ジャパン」は来年3月、FIFAワールドカップ北中米大会(北中米W杯)アジア2次予選で…続きを読む
北朝鮮は中国と同様、日本の福島第一原子力発電所からの放射能処理水放流に強く反対しているが、このほど漁獲に対する放射能検査を行うことに関する内閣水産省の指示が各水産事業所に下されたもようだ。
江原道(カンウォンド)消息筋は8日、韓国デイリーNK編集部に対し、「水産省が日本の汚染水放流を受けて、魚に対する放射能検出検査装置を水産部門が自ら導入し、遠海で獲った魚から検査を進めるようにとの指示を先月末、各水産事業所に下した」と伝えた。
消息筋によると、水産省は今回の指示で、各水産事業所で水揚げされた海産物に対する放射能検出検査を厳格に進めるための体系を立てなければならないと強調したという。
そして、放射能にさらされた海産物の摂取が人体に深刻な被害を与えるという内容の資料を水産部門労働者に集中的に学習させ、危険性を自覚するようにしなければならないとも呼びかけた。
消息筋は「水産省は特に日本に最も近い江原道の水産基地から検査体系を構築しなければならず、咸鏡南道(ハムギョンナムド)と咸鏡北道(ハムギョンブクト)もこれに続き、一日も早く検査体系を構築せよとしている。特に、軍隊や首都(平壌)市民に供給される海産物に問題があってはいけないと強調している」と話した。
しかし、このような指示を受けた水産事業所では、「生命に関連する重要な問題だとしながらも、装備も寄越さず『検査体系を立てろ』と言うだけの表層的な指示だ」という非難の声が出ているという。
特に水産事業所では、水産省が緊張感を高めるだけで、船の航行や漁獲範囲に関しては特別な指示を出していないため、どこまで船を出して操業して良いかわからず混乱しているという。
そもそも、北朝鮮は体制を守るためには必死になるが、体制不安に直結しない国民の命には無頓着だ。ハッキリ言って、狭い国内で行われている核実験の方がよほど問題であり、ミサイル実験でも死傷者が多発している。
(参考記事:【画像】「炎に包まれる兵士」北朝鮮 、ICBM発射で死亡事故か…米メディア報道)
今回の指示も大方、担当部門が金正恩総書記の顔色をうかがいながら出した「やってるふり命令」だと見られる。
このようにいろいろ混乱している状況だが、水産事業所でも「だからと言って何もしなければ、後になってどんな難癖をつけられるかわからない。とりあえずやっているふりだけでもしよう」と、検査体系を構築する動きに入ったという。
さらに消息筋によれば、「江原道水産事業所は、道内に放射能に関する研究機関がないため、水産省に中央の専門家を送るよう要請した」と話した。
一方、一部の水産事業所の関係者の間では「汚染水が来るなら南朝鮮(韓国)を経由してくるだろうから、問題が生じたら南に気付くだろう」などの話も出ているという。
牛は、世界の様々な国で、農耕用、運搬用など使役動物として扱われていた。日本でも、高度成長期に入って農業機械や自動車が普及するまではそうだった。途上国では今でも重要な財産として大切に扱われている。食用の牛肉が出回らないわけではないが、それらは働けなくなった牛や、輸入されたものだ。
北朝鮮では、牛は国家財産とされており、大切に扱うよう法で定められている。食べるなどはもってのほかだ。もっとも、特権層は専用の牧場で育てられた牛肉を食べており、一般庶民の間でも密売されているのだが、摘発されればただでは済まされない。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
(参考記事:金正恩氏の「牛肉食べるな」方針に戸惑いの声)
両江道(リャンガンド)の情報筋は、先月30日午後4時から、恵山(ヘサン)飛行場の周りの空き地で、公開処刑が行われたと伝えた。
北朝鮮は、世界で唯一の「税金のない国」を謳っている。
故金日成主席は1974年2月、朝鮮労働党中央委員会第5期第8次全員会議において、「古い社会の遺物」である税金制度を完全になくすことについて討議、決定することを指示。それを受けて最高人民会議は同年3月、「税金制度を完全になくすことについて」との法令を発表し、4月1日に世界初の税金のない国になったことを宣言した。この日は「税金制度廃止の日」に定められている。
しかし、インフラの使用料、募金などの名目で、法的根拠のない物品が税金と同様に、国民から取り立てられているのが現実だ。1990年代から2000年代の中国で、地方政府が何かにつけて税金、使用料などを取り立て、深刻な社会問題となった「乱収費」と同様の状況と言えよう。
金正恩総書記は、2021年1月の朝鮮労働党第8回大会の結語で、反社会主義的・非社会主義的傾向(風紀の乱れ)、権力乱用、不正・腐敗と共に「税金外の負担」を厳しく戒めたが、全くもって効果がない。
(参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命)
極端なゼロコロナ政策がもたらした経済難で、地方当局は深刻な財政難に直面しているが、それを税金外の負担の増加で乗り切ろうとしている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
(参考記事:「金正恩命令」もはや効き目なし…北朝鮮で起きていること)
両江道(リャンガンド)の情報筋によると、恵山(ヘサン)市内の蓮峯洞(リョンボンドン)の住民に対して8月下旬、1世帯あたり1.5立方メートルの石と1万北朝鮮ウォン(約170円)の現金を3日以内に納めよとの指示が下された。
町内を流れる川の堤防が、梅雨の大雨で蓮峯市場から恩徳院(スーパー銭湯)の間で崩れてしまい、その補修に必要だというのが、人民班(町内会)の会議で説明された税金外の負担の理由だ。
石を供出できない場合には、かわりに中国人民元で50元(約1000円)を支払うように命じられた。ちなみに現在の恵山で、50元あれば4人家族の3〜4日分の食糧が買える。
当局の狙いは、現物よりも現金の方だと言われている。無理難題を押し付け、代わりに現金を引き出すというものだ。
ただ、国境封鎖に伴う深刻な経済難に加え、もともと貧しい人の多い地域だけあって、ほとんどの人が現金ではなく、現物で納めたという。当局はこれに飽き足らず、今度は早朝5時から7時まで、各家庭から1人を堤防の補修工事に動員しているとのことだ。行かなければ、1万北朝鮮ウォンを徴収される。
病気であっても、洞事務所(末端の行政機関)の所長がやってきて現金を徴収しようとしたため抗議した家庭もある。しかし、「土を運ぶ車のレンタル料、ガソリン代などすべてを洞事務所が自力で調達しなければならないが、そんなカネはない」と聞く耳を持たず、1万北朝鮮ウォンを徴収していくという。
「一事が万事この有様だ。何かあれば、あれこれ名分を並び立てて金品を出せと言われる。税負担という言葉を聞くだけで嫌になる」(情報筋)
両江道の別の住民は、この2カ月間続けられている国境の遮蔽物の設置費用として1世帯あたり1万1000北朝鮮ウォン(約187円)を出せと言われていると伝えた。
コメ2キロ分ほどの額だが、日々の糧に事欠くほどの耐乏生活の中、そうたやすく出せるものではない。しかし、人民班長が毎日朝晩やってきてしつこく督促し、全額を取り立てたという。情報筋は「お上が額を決めて無条件で払えと言われるから、人民班長もどうしようもなかっただろう」と同情を示した。
通常の金品以外にも空き瓶、軍手、古紙、動物の皮など様々なものの供出を求められる。日本の戦時中の金属供出や、中国の大躍進のような状態が日常生活であるのが現在の北朝鮮なのだ。
(参考記事:北朝鮮の少年少女を苦しめる「気持ち悪い」冬休みの課題)
北朝鮮の国営・高麗航空は今月22日、平壌北京線の運行を3年7カ月ぶりに再開、隔日で運行されている。また、ロシアのウラジオストクからの便も25日に再開された。
陸路は16日に再開しており、滞在期間が終わっても帰国できずにいた留学生、派遣労働者、貿易関係者の帰国ラッシュとなっている。ただ、家族との再会を喜ぶ嬉しいものではなく、気が重くなるもののようだ。
(参考記事:在中国留学生の北朝鮮帰国がついに始まる)
久しぶりの帰国したとたん、空港から国家保衛省(秘密警察)の要員により連行される人も出ている。彼らの運命は、悪ければ収容所送りや処刑さえあり得る。
(参考記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面)
平壌のデイリーNK内部情報筋によると、新型コロナウイルスの国内流入を防ぐための国境閉鎖により帰国できなくなり、中国での滞在を続けていた貿易代表部のイルクン(幹部)たちは、運航が再開された高麗航空で順次帰国させられている。彼らは帰国後、1週間隔離され、医師による検査で問題がなければ、晴れて解放される。しかし、休む暇もない。すぐに総和(総括)が始まるためだ。
彼らに対する朝鮮労働党中央委員会(中央党)の総和(総括)事業の内容と日程が欠かれたスケジュール表が、所属する組織に送られた。例年なら1カ月から長くとも40日で終わる総和だが、今回は2カ月から2カ月半も行うという。北朝鮮はそれに伴い、予定されていた年1回の一時帰国と総和ができなくなった。そのため、現地で略式の総和を行って、その結果を本国に報告する方式としていた。
「海外で自分たちで総括を行って報告書を送るのは、(国境封鎖という)環境によりしかたなく行われた形式的なもの。そこで今回改めて詳しく評価しようとしている。コロナ期間の外交、国防、社会科学、保衛、貿易部門の海外駐在員の党的検討を深く行う」(情報筋)
北朝鮮の監視システムは性悪説に立脚しており、表向きは国と党、金正恩総書記に忠誠を誓っていても、裏では何をしているのかわからないと疑ってかかる。ひとりが複数の人を監視し、複数の人から監視されるという相互監視を行っているが、それでも監視がなあなあになることがある。海外で略式で行われた総和など、ほぼ意味がないと考えているだろう。
中央党によって行われる総和は、駐在期間中の本人の生活、目撃したこと、同僚など周囲の人物の動向などを報告させられる形式で行われ、非常に厳しいものだ。だが今回は、普段以上に厳しく思想闘争会議の様相を呈しているという。つまり、自己批判をした上で、他人の批判をする「相互批判」を行うため、全員が全員をけちょんけちょんにけなし合うことになる。
これに先立って、国家保衛省(秘密警察)の海外反探局(スパイ摘発部署)が、国境封鎖期間中にイルクンたちを対象に行なっていた反社会主義・非社会主義逸脱行為の動向資料が中央党に提出された。これに基づき、1次帰国者のうち、問題があると見做された3人が、平壌国際空港に降り立った直後に、国家保衛省の車に乗せられ、連行されたという。
今後、彼らの身にどんなことが起きるかはわからないが、少なくとも「自由の国」中国に戻ることは一生ないだろう。
総和を受けさせられるのはイルクンだけではない。派遣労働者、留学生などすべての帰国者がその対象だ。ただ、帰国後5日間の休息が与えられるとのことだ。
(参考記事:「人生終わったも同然」北朝鮮の留学生が怯える“恐怖の夏休み”)
近年、北朝鮮を脱出して韓国などに亡命する脱北者の数は減り続けている。金正恩政権が国境の管理を厳しくしているほか、中露と米国の対立が、北朝鮮の立場を相対的に強化していることも影響している。
金正恩政権の初期までは、違った理由で亡命が減少した側面もあった。北朝鮮国内で市場での商売が許容されたことで、「外国に逃れるよりここで頑張ろう」と考える人も相当数いたと思われる。
しかし最近になり、状況は一変した。
ロシアのウラジオストクに派遣されていた北朝鮮外交官の妻子が消息を絶った件をめぐり、脱北して韓国への亡命を試みているとの見方が強まっている。
妻は先に本国に帰任した夫に代わり、現地の北朝鮮レストランを管理していたが、この店では昨年末、副支配人が亡命を試みて失敗する事件があった。韓国紙・中央日報など韓国メディアは識者の分析も交えながら、妻が本国に帰った後の処罰を恐れ、また15歳の息子までが処刑される可能性を考えて、脱北に踏み切ったのではないかとしている。
北朝鮮当局が、現地レストランの管理責任を10代の少年にまで問うかはわからないが、海外生活になじんだ若者が帰国後に何らかのトラブルに巻き込まれる可能性は十分にある。
北朝鮮の通り沿いに立ち並ぶ様々な店舗。八百屋、食堂、薬局などなど。しかし、一部を除いていずれもひとけがない。開店休業状態だからだ。
いずれの店も国営商店で、国家計画委員会が決めた量の商品を販売し、決められた額の利益を国に納めることになっているが、そもそも商品が供給されないのだ。というのも、工場も多くがやはり開店休業状態だからだ。
そこで編み出されたのが、民間への運営権の貸し出しという手法だ。市の商業部に毎月上納金を納めて営業許可と国営商店の名義を借りた商人は、店舗を借りて家賃を払う。国営商店は、その家賃を国に納めて、ノルマを達成したことにするのだ。このような方式は工場でも行われていた。生産が行えるように設備を貸し出すのだ。
せっかくうまく行っていたこの方法だが、1980年代以前のような社会主義計画経済の復活を目論む中央は、こんな命令を出した。
北朝鮮が先月31日に強行した軍事偵察衛星の打ち上げが失敗に終わったことで、韓国メディアの報道には「幹部の責任が問われるのではないか」との論調が見られる。
特に「危ない」と見られているのが、朝鮮労働党中央軍事委員会の李炳哲(リ・ビョンチョル)副委員長だ。空軍司令官出身の高官である李氏は同月29日、打ち上げ実施の宣言を発表。この計画の責任者であると考えられている。
仮に、李氏の指揮に落ち度があって打ち上げが失敗したと少しでも疑われた場合、金正恩総書記は何らかの罰を下す可能性はある。李氏以外の幹部についても同じだ。
韓国政府は最近、脱北者500人余りの証言を基に作成した2023年版の北朝鮮人権報告書を公開した。
同政府は北朝鮮人権法が制定された翌年の17年から同報告書を毎年発刊していたが、これまでは非公開だった。その理由については表向き「脱北者の個人情報漏えいの恐れや北朝鮮の反発を考慮したため」とされているが、北朝鮮との融和を掲げた文在寅前政権(2017~22年)が、金正恩総書記に忖度したためだろう。
報告書は、北朝鮮の老若男女が様々な暴力にさらされている実態を明らかにしているが、未成年に対しても容赦なく死刑判決が下されている事実は注目される。例えば2015年に東部の元山で16~17歳の青少年6人が韓国の映像を視聴し、アヘンを使用したとして死刑を宣告され、すぐさま銃殺されたという。
こうした未成年者に対する過酷な処罰は、現在も行われている。また刑罰だけでなく、取り調べの過程も残酷だ。
北朝鮮の「尊敬するお嬢さま」こと、金正恩総書記の娘、キム・ジュエさん。国営の朝鮮中央通信は19日、金正恩氏の国家宇宙開発局の現地指導に同行するジュエさんの写真を配信した。
また、15日の太陽節(故金日成主席の生誕記念日)に合わせて行われた内閣と国防省対抗のスポーツ大会も観覧する写真を公開するなど、記事では言及しない場合にも、その動向を頻繁に伝えている。
(参考記事:金正恩氏、娘と「太陽節」記念スポーツ大会を観戦)
まだ10歳の彼女だが、国民受けはかなり悪い。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
「金正恩の娘にはもうテレビに出てもらいたくない」
同じ朝鮮語であっても、韓国で使われている言葉づかいの使用を厳しく禁止する北朝鮮の「平壌文化語保護法」が、最高人民会議(国会に相当)第14期第8回会議で採択されてから3カ月。
北朝鮮では新法が制定された直後、法律の内容を知らしめるために取り締まりを強化して、違反者を血祭りにあげて、恐怖を煽るというやり方がしばしば使われる。
今回取り締まりの対象となったのは、若者の「しりとりゲーム」だ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。
(参考記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面)
両江道(リャンガンド)の情報筋によると、今月3日の午後、恵山(ヘサン)駅前広場で「公開暴露の集い」――つまりは「吊し上げ大会」が開かれた。その場に引き立てられてきたのは、20人の若いスポーツ選手たちだ。
道内の三池淵(サムジヨン)市では2月の1カ月間、道内の高級中学校に通う前途有望なスポーツ選手、市や郡の選手団などが一堂に会して、冬季訓練を行った。スケートで優秀な成績を残した高級中学校の卒業生は、両江道体育団の選手として指名され、入団が秒読み段階だった。
そこで問題が起きた。辛い訓練の合間に開かれた娯楽会(お楽しみ会)で、しりとりをして楽しんでいたのだが、そこで「傀儡語」の単語が飛び出してしまった。ちなみに、娯楽会の場でどのような韓国風の言葉が使われたのか、情報筋は確認できないとしつつも、女性が男性の恋人を呼ぶ「オッパ」「チャギ」という言葉などを使ったのではないかと推測している。
別の情報筋によると、参加した女子生徒がその様子を携帯電話で動画撮影していたが、それが問題の発端となってしまった。
この女子生徒は、自宅に抜き打ちで踏み込んできた安全員(警察官)による所持品検査で、動画を見られてしまった。この件について中央からは「無慈悲な処分を下せ」との指示が下された。処分の対象になったのは20人。そのほとんどが権力のある幹部の家の子どもだったが、平壌文化語保護法の次の条文を社会に知らしめるにはもってこいの存在だった。
第6条(傀儡語を流布する者に対する法的処罰の原則)
国家は傀儡語を模倣したり、流布した者に対しては、傀儡語文化に汚染されたゴミ、犯罪者として認定し、彼が誰であれ、軽重を問わず極刑に至るまで厳しい法的制裁を加えるものとする。
幹部は自分や家族が問題を起こしてしまっても、大抵はカネとコネの力でもみ消す。実際、今回の案件は、末端の安全員からの報告が朝鮮労働党両江道委員会(道党)に上がったのだが、道党ではもみ消しを図った。ところが、そのことまで含めて、朝鮮労働党中央委員会(中央党)に報告されてしまったのだ。
(参考記事:金正恩が処刑…平壌医大「性的虐待」鬼畜グループと、ある母親の戦い)
いつも自分たちだけ助かろうとする幹部は、庶民から相当の恨みを買っている。そのため中央党は、彼らへの処分なら、住民世論の悪化を招くことなく、平壌文化語保護法への恐怖感を高めることができると踏んだのだろう。
道安全局(地方警察本部)と検察所は、駅前広場に恵山市内の工場、企業所、団体の職員、学校の生徒などを動員した上で、公開暴露の集いを開き、娯楽会に参加した者、傀儡語が使われたことを知りながら通報しなかった者を含め、被告となった生徒20人に3年から5年の労働教化刑(懲役刑)の判決を下した。また、その親である幹部は撤職(更迭)され、恵山市内から40キロ離れた三水(サムス)郡の奥地の村に追放する処分が下された。
金持ちである幹部とそのドラ息子連中を血祭りにあげた今回の公開暴露だが、市民の反応は予想外に悪い。
「前途有望なスポーツ選手を言葉一つのせいで、教化所(刑務所)送りにするのはあまりにもひどい」
「娯楽会に参加しただけで、南朝鮮(韓国)の言葉を使っていない選手まで、通報しなかったという理由だけで処罰するなんて」
通報しなかったことだけでやりすぎとも言える処罰を下したことと、若者をターゲットにしたことへの反発が強いようだ。また、法律が非現実的だとの指摘もある。
「(朝鮮労働)党が韓国の言葉を『傀儡語』と呼んで強力に取り締まっても、親しい人同士集まること(韓流ドラマを見ること)を根絶できまい」(情報筋)
(参考記事:15年やっても効果ない「韓国語禁止令」を繰り返す北朝鮮)
韓国統一省は3月31日、脱北者500人余りの証言に基づき作成した北朝鮮人権報告書を公開した。
韓国政府は2016年に施行された北朝鮮人権法に基づき、聞き取り調査を開始され、翌年から報告書を毎年まとめていた。これまでは脱北者の個人情報漏えいの恐れや北朝鮮の反発を考慮して非公開とされていたが、北朝鮮の人権問題に積極的な尹錫悦政権が公開に踏み切った。
報告書には、殺人などの凶悪犯罪だけでなく、薬物取引や韓流コンテンツの視聴・流布、宗教や占いなどの迷信行為など、様々な理由で人々が処刑されてきたとの情報が盛り込まれている。
北朝鮮では2020年12月、最高人民会議常任委員会第14期第12回総会において「反動思想文化排撃法」が採択された。韓流コンテンツの流入により、国民の思考やライフスタイルが変化するのを極刑で押さえつけるものだ。
当初、同法の詳しい内容は不明だったが、違反に対する最高刑が死刑であることを、韓国デイリーNKはいち早くつかんでいた。2021年1月、北朝鮮当局が作成した同法の説明資料を入手し、法違反時の量刑などに関する具体的な内容を報道したのだ。
実際、韓流コンテンツを密売した罪などで複数の処刑が行われたとする情報も、北朝鮮国内から伝えられている。