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  • 国の経済発展を促した科学技術成果

    【平壌12月20日発朝鮮中央通信】朝鮮の科学者、技術者は今年、多くの科学技術成果を収めて国の経済発展を積極的に促した。

    国家科学院では、複数の単位と協力して火力発電所で重油を使わずに電力生産を正常化できる酸素による微粉炭着火技術の導入、医薬品の生産および品質管理基準に合致する統合生産システムの構築、育苗場での軽基質の生産と樹木の種子選別および種まき工程に必要な設備の導入など、経済的効率の高い科学技術成果を出した。

    これとともに、光ファイバーレーザー切断機、新型の多機能傾斜網抄紙機のような先端設備を開発し、ゴムと石けん工業、養魚と畜産業の発展において提起される多くの技術上の問題を解決した。

    金日成総合大学と金策工業総合大学、石炭研究院、農業研究院などの教育、科学単位では、燃焼模型鋳造工程設備と国家統合電力管理のための電力地理情報システム、新型の風力揚水機と稲のコンバインの開発をはじめ、現実的意義の大きい研究成果を収めた。

    北倉火力発電連合企業所に派遣された2月17日科学者・技術者突撃隊員らは、ボイラー系統のオートメ化に必要なPLC装置とリアルタイム分析システム、実情に合う分散型制御システムなどを開発して電力生産の向上に寄与した。

    また、金策製鉄連合企業所と黄海製鉄連合企業所でも、非コークス製鉄法の新しい域を開拓して鋼鉄増産の技術的保証をもたらした。

    金星(クムソン)トラクター工場と勝利(スンリ)自動車連合企業所の技術者は、複数の単位の科学者と共に数百件の技術革新案を研究、完成し、新しいジグ、装備を設計、製作してトラクターと自動車の生産計画の遂行に寄与した。

    今年に行われた祭典、展覧会、展示会、発表会は、新しい科学技術成果を全社会的に広く普及し、全国に科学技術熱風を強く巻き起こした。

    これら全てのことは、朝鮮労働党の科学技術重視政策の正当性と生命力の証左となる。---

  • 三池淵邑地区の住宅、公共施設建設の成果を引き続き拡大

    【平壌12月21日発朝鮮中央通信】朝鮮で三池淵郡の整備が力強く進ちょくしている中で、邑地区の住宅、公共施設建設の成果が引き続き拡大されている。

    現在、千数百世帯の住宅内部工事が基本的に終わった。

    第216師団省・中央機関旅団傘下の各施工単位で百数十世帯の住宅内部工事を終えたし、第618建設旅団と第922建設旅団をはじめ多くの施工単位でも完成した住宅世帯数を増やしている。

    これとともに、サービス施設の内装工事、三池淵邑地区の複数の区画道路工事が積極的に推し進められている。

    軍人建設者と省・中央機関旅団傘下の各単位で各種の建具と照明器具設置をはじめ、内部作業を一日も早く終えるために奮闘している。

    第618建設旅団傘下の各施工単位でも、住宅建物の基壇層に配置されたサービス施設の内部工事を進めている。

    複数の区画の道路工事のための掘削などの作業も進ちょくしている。---

  • 「弁護士は万年筆で私を暴行した」北朝鮮女性、性的被害の実態告発

    「弁護士は万年筆で私を暴行した」北朝鮮女性、性的被害の実態告発

    告発続く北朝鮮の人権侵害(2)

    国連総会が17日の本会議で採択した、北朝鮮の人権侵害に対する非難決議は、同国において拷問や非人道的な待遇、性的暴行、公開処刑などが横行している実態とともに、同国当局がそれらに対して必要な措置を講じていないことに向けられたものでもある。

    性的暴行は、北朝鮮においてももちろん犯罪だ。北朝鮮政府は2017年7月、国連女性差別撤廃委員会に対する報告で、性的暴行罪での処罰者数を2008年9人、2011年7人、2015年5人、上下関係を利用しての性的暴行の処罰者数を2008年5人、2011年6人、2015年3人などと報告した。

    (参考記事:ひとりで女性兵士30人を暴行した北朝鮮軍の中隊長

    総人口が日本の約5分の1(約2500万人)の社会において、この数字はあまりに少ない。実際、人権NGOなどが聞き取った脱北女性の被害証言だけでも、この数字を軽く超えてしまうはずだ。

    (参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」

    このように摘発事例が少ないのは、性暴力を取り締まる側の保安員、保衛員などが加害者になっているために他ならない。

  • その男は結婚費用を作るため女性を中国に売った

    北朝鮮の国境警備隊の幹部が、中国への人身売買を幇助した容疑で当局に逮捕された。咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋が伝えた。

    (参考記事:「中国人の男は一列に並んだ私たちを選んだ」北朝鮮女性、人身売買被害の証言

    逮捕されたのは、北朝鮮北東部、咸鏡北道穏城(オンソン)の国境警備隊に所属する20代後半の小隊長だ。結婚を控えていた彼は、新婦の家族から新居を用意するように強く迫られていた。その費用を工面するために、不法越境、つまり脱北を幇助することにした。

    (参考記事:中国で「アダルトビデオチャット」を強いられる脱北女性たち

    今月15日、小隊長は北朝鮮側ブローカーが連れてきた女性と落ち合い、国境を流れる豆満江を渡るのを助けた。中国側の岸にたどり着いた女性は近隣の山に身を隠した。そこで中国側のブローカーと落ち合うことになっていたものの、夜まで待っても一向に現れなかった。

    中国中央気象台によると、この地方(図們)の当日の最低気温は氷点下9度。寒さに耐えかねた女性は、いったん北朝鮮に戻ることにして川を渡っていたところを国境警備隊に発見され、逮捕された。 国境警備隊の中隊長は女性を不法越境で逮捕したことを上部に報告していたが、小隊長の関与は知らなかったようだ。末端の隊員なら上官の黙認、庇護なしで脱北幇助は不可能だが、小隊長とあって、個人で実行する術を持っていたのだろう。

    女性の取り調べの過程で小隊長の関与が浮上。穏城郡の保衛司令部に逮捕され、取り調べを受けている。来月以降に開かれる裁判で死刑を含む重罰が下されるのは避けられないと見られている。

    女性は生活苦から抜け出すために、中国人男性との結婚を自ら望んだという。

  • 男は「美人は皆やった」とうそぶいた…北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言

    男は「美人は皆やった」とうそぶいた…北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言

    国連総会は17日(米東部時間)の本会議で、北朝鮮における人権侵害を強く非難し、改善を求める決議案をコンセンサス方式(議場の総意)により投票なしで採択した。決議案は、日本と欧州連合(EU)が共同で提出したもので、14年連続で採択された。

    決議案は、政治犯収容所の閉鎖と全ての政治犯の釈放を要求。北朝鮮の人権に関する国連調査委員会が指摘した拷問や非人道的な待遇、性的暴行(ごうかん)、公開処刑、非司法的で恣意的な拘禁・処刑など各種の人権侵害行為を取り上げ、深刻な憂慮を表明した。

    これに対し、北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は同日、「決議案で言及された人権侵害の事例は全く存在しない。(一部の脱北者による)でっちあげだ」と強弁した。しかしもはや、北朝鮮側のこうした反論に耳を貸す国は少ない。被害者による証言の類が、あまりに厚く蓄積されているからだ。

    (参考記事:手錠をはめた女性の口にボロ布を詰め…金正恩「拷問部隊」の鬼畜行為

    韓国の北韓人権情報センター(NKDB)の「2018 北朝鮮人権白書」には、北朝鮮の拘禁施設において迫害を受けた人々の証言が数多く収録されている。たとえば両江道(リャンガンド)出身のある脱北者の女性は、北朝鮮の拘禁施設で受けた性的被害について、次のように語っている。

    「保衛員で、集結所の党書記だという人が、私に出てこいと言うのです。(中略)食堂に連れて行かれ、塩を要れた器に水を汲めと言うのです。わけもわからずにいると『何をしているんだ?』と言って、ズボンを脱げと命じるのです。それで洗えと言うことだったのです。(中略)私が嫌だと言うと、力ずくでに襲いかかってきました。(中略)でも、襲われたのは私ひとりではありませんでした。美人は皆やったと言っていました」

    このような生々しい証言が、ほかにも数多くあるのだ。事実と食い違う内容とあるかもしれないが、大量に集積された情報は、自ずと真実の輪郭を描くものだ。

    とくに軍や拘禁施設など、閉鎖された空間におけるこうした被害証言は、枚挙に暇がない。軍では例えば、「マダラス」や「書類整理」と呼ばれる性上納の強要が横行している。

    (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

    北朝鮮では、女性がこのような被害を訴えた場合、かえって本人が不利益を被るケースも少なくない。だから脱北者の女性も、以前はこうした告発に消極的だった。しかし韓国に定着し、人権の何たるかを知るようになることで、勇気ある証言に踏み切る例が増えているのだ。

    (参考記事:「私たちは性的なおもちゃ」被害女性たちの血のにじむ証言を読む

    北朝鮮もいい加減に「でっち上げだ」と強弁するだけの反論はあきらめた方が良い。それより、少しずつでも国内の状況を改善し、それを率直に国際社会へ知らせた方が、よほど自国の利益になろうというものだ。

  • 北朝鮮で「歯がズレて」死亡の米大学生側が1200億円賠償請求

    北朝鮮で「歯がズレて」死亡の米大学生側が1200億円賠償請求

    米バージニア大学生だったオットー・ワームビアさん(当時22歳)は、北朝鮮を旅行中に同国当局に拘束され、昨年6月に昏睡(こんすい)状態で解放されて間もなくして死亡した。その死因を巡り、ワームビアさんの両親は北朝鮮を相手取って民事訴訟を提起しており、19日にはワシントンDCの連邦地裁に出廷。父親のフレッドさんは、息子が北朝鮮当局により「嘘の自白を強要された」として、北朝鮮の責任を徹底的に追及すると話したという。

    一方、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、ワームビアさん側の弁護人は10月、同地裁に提出した文書で、北朝鮮に10億9604万ドル(約1217億円)の損害賠償を請求する旨を明らかにしたという。これは懲罰的賠償金とワームビアさんが受けた精神的苦痛に対する補償、ワームビアさんが将来得るはずだった経済的損失に対する補償、両親に支払う慰謝料などを合わせ合計額だ。

    中でも、請求額の大部分を占めたのは懲罰的損害賠償で、亡くなったワームビアさん本人と両親の3人にそれぞれ3億5000万ドルずつ、合計で10億5000万ドルを支払うべきとしている。

    米国の裁判所は2001年、北朝鮮の監獄で受けた拷問の後遺症で死亡したとされるキム・ドンシク牧師の遺族に北朝鮮が3億ドルの懲罰的賠償金を支払うよう判決を下した前例がある。

    (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

    今回はその3倍を超える額だが、北朝鮮は法廷で正式に抗弁する手続きを取っておらず、裁判所は請求を認める判決を下す可能性が高い。

    ちなみに懲罰的賠償金というのはその名の通り、多額の賠償命令によって相手の行動に制動をかけ、同じ過ちが起きないようにするためのものだ。しかし実際のところ、キム・ドンシク牧師の件で巨額の懲罰的賠償金が科されたにもかかわらず、またもや北朝鮮において、ワームビアさんの問題が起きてしまった。

    だからこそ、今回はいっそう巨額の懲罰的賠償金が請求されているわけだが、それでもやはり、北朝鮮が懲りることはないように思える。

    それよりも筆者は、裁判所がワームビアさんの死因について、どのような判断を示すかに関心がある。

    ワームビアさんの両親は「北朝鮮から帰ってきたワームビアさんの歯列が大きく変形していた」と主張している。上の写真は北朝鮮に行く前のワームビアさんの写真だ。問題は下の歯列の中央の2本の歯なのだが、この写真ではきれいな歯並びであることがわかる。

    しかし、ワームビアさんの主治医が陳述書に添付して連邦地裁に提出したスキャン写真を見ると、この2本の歯が、不自然に口の内側に移動しているのだ。

    (参考記事:【写真】大きく変形したワームビアさんの歯列

    これについて主治医は、「外部から物理的な力が加えられた可能性がある」と述べている。両親はこうした資料などを根拠に、ワームビアさんが北朝鮮で拷問されたと主張している。

    仮に裁判所がこの主張を認めたとしたら、北朝鮮にとっては相当なダメージだ。前途有望な米国の若者が拷問により殺され、その「証拠写真」までが示されたとしたら、米国世論が受けるショックは相当なものだろう。

    (参考記事:「北朝鮮で自殺誘導目的の性拷問を受けた」米人権運動家

    物事の展開次第では、今後の米朝対話にマイナスの影響が及ぶのも、あり得ないことではないのだ。

  • 金正日が死んだ日なんか関係ねぇ…北朝鮮の若者たちが大暴れ

    金正日が死んだ日なんか関係ねぇ…北朝鮮の若者たちが大暴れ

    北朝鮮の2代目の指導者、金正日総書記は2011年12月17日に死去した。その前後の1ヶ月間は哀悼期間に指定されている。

    期間中には、雰囲気を乱す違法行為、歌舞音曲、集団での飲酒などが禁じられ、些細な事件でも政治犯扱いされ、重罰に処される。北朝鮮の人々はとばっちりを受けることを恐れ、この期間はおとなしくしてやり過ごそうとする。

    そんな期間に、乱闘騒ぎを起こした若者たちが逮捕される事件が起きた。神聖不可侵の存在である最高指導者を悼み、静かに過ごすべき期間に、事もあろうに乱闘騒ぎを起こしたことは政治事件扱いとなり、最悪の場合、政治犯収容所送りとなる。

    (参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命

  • 「労働新聞」 階級的教育は恒久的にとらえていくべき重要な事業

    【平壌12月20日発朝鮮中央通信】20日付の「労働新聞」は署名入りの論説で、全人民的な総進軍が力強く繰り広げられているこんにちの現実はいつよりも階級的教育事業を深化させていくことを求めていると強調した。

    同紙は、階級的教育は一時も緩めてはならない革命の重大事だとし、次のように指摘した。

    もし、われわれが階級的教育を一瞬でもおろそかにしたり、中途半端にすれば人々の階級意識が麻痺するようになり、それは思想的・精神的に完全に武装解除されること同様である。

    階級的教育は、敵のエスカレートする反朝鮮策動を粉砕し、朝鮮式社会主義をしっかり擁護、固守するための必須の事業である。

    社会主義の勝利的前進が加速化するほど、資本主義を埋葬する社会主義の力が強まるほど敵の挑戦とあがきはさらに激しくなる。

    今、敵対勢力は制裁・封鎖をわれわれの前進・発展を阻むための最後の手段としており、日を追ってこれにいっそう必死になって執着している。

    われわれは、情勢がどう変わり、どこからどんな風が吹きつけても自力更生、刻苦奮闘の革命精神でもって各面で資本主義に比べようもない社会主義の優越性を高く発揚させるという非常な覚悟を持って継続革新、継続前進しなければならない。---

  • 朝鮮の各機械工場で収めた成果

    【平壌12月19日発朝鮮中央通信】今年、朝鮮の各機械工場で数百件の発明と新技術を導入して多くの成果を収めた。

    龍城機械連合企業所では、従来のコンプレッサーより軽くて体積が小さく、寿命の長い新型のコンプレッサーを開発した。

    大安重機連合企業所で、427万能マシニングセンターをCNC機械に改造して発電設備の部品を高い質的水準で加工しながらも、生産を増やせるもうひとつの物質的・技術的保証をもたらした。

    楽元機械連合企業所では、液体酸素分離機のタービンエキスパンダーと液体酸素タンクを新しく設計し、主体化の液体酸素分離機を作り出した。

    亀城工作機械工場でも、CNCフライス盤、CNC中ぐり盤、CNCスプライン研削盤などを新しく製作した。

    このほかに、各地の機械工場でも先端設備を新しく装備するとともに、現存の機械設備の性能を改善し、生産工程を現代化して製品の質を高められる強固な土台を築いた。---

  • 「日本は高度に軍事大国化」…北朝鮮が「いずも」空母化で見せる不安

    「日本は高度に軍事大国化」…北朝鮮が「いずも」空母化で見せる不安

    北朝鮮の内閣などの機関紙・民主朝鮮は18日、日本の防衛費が過去最大となったことを受けて、「海外侵略は日本の変わらぬ野望」であるとする論評を掲載した。また朝鮮労働党機関紙の労働新聞も19日付に同様の論評を載せた。

    こうした反応はいつものことだが、今回は少し珍しい部分もある。

    日本政府は新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と、2019年度から5年間の「中期防衛力整備計画」を閣議決定し、これにより今後5年間の防衛費は総額27兆4700億円となり、過去最大を更新した。

    この閣議が行われたのは、18日の午前である。北朝鮮メディアが海外の動きを伝える場合、出来事があって数日後になるのが普通だ。ことが起きるのを待ち構えるように記事を出すのは、それだけその動きを注視しているからだろう。

    今年の北朝鮮メディアは、例えば従軍慰安婦問題で、日本軍が慰安婦を虐殺したとされる映像などの新資料に言及するなどして、歴史問題での対日非難に力を入れた。

    (参考記事:日本軍に虐殺された朝鮮人従軍慰安婦とされる映像について

    その一方で、日本の「軍拡」を批判する論調も目立った。これには、自国の弾道ミサイル戦力の維持を正当化する目的があると筆者は考えている。

    (参考記事:「自衛隊の攻撃能力は世界一流」と主張する金正恩氏の真意

    だが後者については、最近になってもうひとつの解釈を加えて見ても良いと考えている。北朝鮮が本気で、日本の軍備増強を負担に感じているのではないかということだ。

    民主朝鮮の論評は、日本が「高度の軍事大国化と海外侵略の道に進もうとしている」としながら、次のように主張した。

    「日本は、過度に支出された軍事費で米国の最先端ステルス戦闘機と最新技術装備を購入し、特に、海上『自衛隊』の護衛艦「いずも」を空母化しようとしている。諸般の事実は、日本が今や『平和』のベールを脱ぎ捨てて軍国主義毒蛇の醜悪な姿を現そうとしていることをはっきりと示している」

    北朝鮮メディアは最近、「いずも」の空母化に頻繁に言及するようになっている。しかし「いずも」の空母化は、日本の目的は遠洋での戦闘機運用にあるわけで、北朝鮮にとっての脅威度は大きくないはずだ。

    それにもかかわらず新防衛大綱の決定に対してビビッドな反応を見せるのは、東アジアで進む「軍拡」に、漠然とした不安を覚えているからではないのか。核兵器開発から対話に舵を切った金正恩党委員長の当面の課題は、外交によって体制の安全を確保し、経済発展に注力するというものだ。

    そのため少なくとも当面の間、北朝鮮は軍縮あるいは軍の合理化を志向せざるを得ない。その期間は10年程度では終わりそうもなく、もしかしたら数十年を要するだろう。その間に周辺国の軍備増強が進めば、現状でさえ十分な防衛力を備えているとは言い難い北朝鮮は、安保面でより大きな不安を抱えることになるだろう。

    (参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い

    ここ数年、核開発に突き進んできた金正恩氏は今になって、自らの戦略に重大な盲点があったことに気付いているかもしれない。

  • 氷点下20度の野外でタダ働き、若者の命を奪う「ブラックな現場」

    北朝鮮で進められている超大型国策事業、三池淵(サムジヨン)開発。建設労働者として投入されているのは、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の建設部隊や、突撃隊と呼ばれる、各地の工場、企業所、機関などから駆り出された人々からなるタダ働き素人集団だ。

    北朝鮮の建設プロジェクトの労働環境は劣悪で、様々な工事現場で死者が続出している。

    (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

    金正恩党委員長は工事の進み具合がよほど気になるのか、今年に入って3回も現場の視察を行った上で、何が何でも2年以内に工事を完成させよと指示を下した。現地はすでに氷点下20度を下回る極寒となっているが、それにもかかわらず工事の強行を命じたのだ。そんな無茶振りが、今回もまた1人の青年の命を奪ってしまった。

    (参考記事:金正恩氏の背後に「死亡事故を予感」させる恐怖写真

    両江道(リャンガンド)の内部情報筋は、恵山(ヘサン)市保安署(警察署)の関係者と、現場に復帰した別の突撃隊員から聞いた話として、亡くなったのは平安南道(ピョンアンナムド)の价川(ケチョン)から来た20代男性Aさんだと伝えた。

    Aさんは機械工場で務めていたが、三池淵に送り込まれる突撃隊の人員として選ばれた。経済的に余裕のある人は「代打労力」と言って、カネを払って人を雇い、自分の代わりに送り込むが、Aさんにはそれだけの余裕がなかったようだ。

    (参考記事:面倒な勤労動員を「代打労力」で解決する北朝鮮商人

    Aさんが三池淵の建設現場で働き始めたのは今年8月のことだ。しかし、1ヶ月もすると三池淵には初雪が降り、気温が氷点下まで下がった。当初は健康体だったAさんだが、1日12時間に及ぶ重労働に、寒さ、環境の劣悪さも加わり、気力・体力ともに激しく消耗していった。

    やがてAさんは倒れてしまった。しかし、現場には医療施設は存在しない。上役は「面倒を見る人もおらず、治療も保障されないので、家に帰れ」と命令した。家までの交通費は自己負担だ。

    高熱にうなされながら恵山駅に到着したAさんは、駅のそばの旅館に転がり込んだが、その日の夜に息を引き取ったという。遺族は賠償金も何も得られないだろう。

    三池淵の現場では、工事を一刻も早く完成させるために、極めてひどい環境のなかで無理な仕事をさせていることで、現場から逃げてしまう人が続出し、逆に工事が遅れる結果を生んでいる。

    「突撃隊員たちは、3ヶ月持ちこたえれば『労働勇士』、半年持ちこたえれば『労働英雄』だと(自嘲して)言っている。12月に入って風邪と凍傷で苦しむ人が増え、もはや工事は進められないとの見方が出ている」(情報筋)

    (参考記事:平壌高層マンション建設現場で労働者の脱走相次ぐ…理由は3K

    戦中の日本の「国民総動員法」のような状態を70年も続けてきた北朝鮮。きちんとした設備や施設を整え、労働者に賃金を払うという当たり前の考えには至らないようだ。そうして貴重な人命が失われていく。

    (参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故

  • 美人被疑者と「同伴外出」を繰り返した刑務所長の悪行

    薬物犯罪に関連した容疑で逮捕された女性収容者と不適切な関係を結び、その見返りに便宜を図っていた北朝鮮の刑務所長が解任される事件が起きた。北朝鮮の拘禁施設ではこのように、権力者の女性収容者に対する性的暴行が横行している。

    (参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」

    ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が10月31日に発表した報告書「理由もなく夜に涙が出る 北朝鮮での性暴力の実情」が最も多くのページを割いて伝えているのは、北朝鮮の拘禁施設における女性に対する性暴力だ。

    その内容はまさに「やりたい放題」と表現すべきもので、愕然とさせられる。

    (参考記事:「私たちは性的なおもちゃ」被害女性たちの血のにじむ証言を読む

    咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、今回の事件で解任、更迭されたのは穏城(オンソン)郡労働鍛錬隊のA隊長(刑務所長)だ。

  • 氷点下20度の野外でタダ働き、若者の命を奪う「ブラックな現場」

    北朝鮮で進められている超大型国策事業、三池淵(サムジヨン)開発。建設労働者として投入されているのは、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の建設部隊や、突撃隊と呼ばれる、各地の工場、企業所、機関などから駆り出された人々からなるタダ働き素人集団だ。

    北朝鮮の建設プロジェクトの労働環境は劣悪で、様々な工事現場で死者が続出している。

    (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

    金正恩党委員長は工事の進み具合がよほど気になるのか、今年に入って3回も現場の視察を行った上で、何が何でも2年以内に工事を完成させよと指示を下した。現地はすでに氷点下20度を下回る極寒となっているが、それにもかかわらず工事の強行を命じたのだ。そんな無茶振りが、今回もまた1人の青年の命を奪ってしまった。

    (参考記事:金正恩氏の背後に「死亡事故を予感」させる恐怖写真

  • 金正恩の「肥満」と「処刑」が同時期に始まった必然

    金正恩の「肥満」と「処刑」が同時期に始まった必然

    張成沢粛清を振り返る(8)

    韓国の国家情報院(国情院)は2016年7月1日、国会情報委員会の懸案報告で金正恩氏の体重について、「2012年には90キロだったが、2014年には120キロに、そして最近では130キロまで増えたと推定される」と明らかにした。その後、こうした情報は出ていないが、写真や映像で見た限りではさらに太ったような気もする。

    一体、どうしてこんなに太ってしまったのか。

    贅沢な暮らしのためか、あるいは威厳を出すためにあえて肥満体型に「改善」した可能性も考えられるが、独裁者の健康リスクはすなわち体制のリスクだ。それを考えると、この太り方は少し異常に思える。

    もともと太目だった金正恩氏の体型の変遷を検証すると、2013年8月あたりから本格的に太り始める。そして、2014年からさらに拍車がかかるわけだが、筆者は、この時期に注目する。

    (参考記事:【写真で振り返る】金正恩氏、年々高まる肥満度…髪型にも変化が

    2013年8月というのは、銀河水(ウナス)管弦楽団のメンバーらに対する虐殺が行われたタイミングだ。理由については「ポルノ疑惑」や李雪主(リ・ソルチュ)夫人のスキャンダル説が囁かれている。

    (参考記事:金正恩氏「美貌の妻」の「元カレ写真」で殺された北朝鮮の芸術家たち

  • 「下剤を飲ませ水を一滴も与えない拷問」で政敵抹殺…北朝鮮の権力闘争

    張成沢粛清を振り返る(7)

    7年前の12月17日に死亡した北朝鮮の金正日総書記の葬儀では、現在の金正恩朝鮮労働党委員長のほか、7人の党・軍幹部が霊柩車を護衛した。

    その中の1人、金正恩氏の叔父でもある張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長はこの2年後に処刑されるわけだが、粛清により姿を消したのは彼ひとりではない。ともに霊柩車を護衛した李英鎬(リ・ヨンホ)朝鮮人民軍総参謀長(当時)と禹東則(ウ・ドンチュク)国家安全保衛部第1副部長(同)の2人は、張成沢氏との権力闘争に敗れ葬り去られたとされている。

    総参謀長は軍の戦闘指揮官としては最高位の職責であり、国家安全保衛部(現国家保衛省)は恐怖政治を支える秘密警察だ。

    (参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」

    韓国の情報機関・国家情報院次長や大統領補佐官を歴任した羅鍾一(ラ・ジョンイル)氏の著書『張成沢の道』によれば、李英鎬氏は金正日氏から「銃で後継者(金正恩氏)を保衛せよ」の命を受けており、禹東則氏もやはり「情報と保衛部の機構で後継者を保衛すべし」との使命を与えられていた。

  • 【写真】長引く制裁で活気の戻らない北朝鮮経済特区

    【写真】長引く制裁で活気の戻らない北朝鮮経済特区

    北朝鮮の北東部、中国との国境に面した羅先(ラソン)経済特区は、首都・平壌に次ぐ豊かな地域として知られているが、長引く国際社会の制裁の影響ですっかり活気を失っている。現地の内部情報筋から、そんな様子を収めた写真が提供された。

    売春や一家離散も

    羅先には、数多くの中国業者が進出し、水産加工工場やアパレル工場を営んでいた。ところが、国連安全保障理事会で採択された対北朝鮮制裁で、輸出ができなくなったため稼働を止めている。業者は中国に帰国せず、投資金の回収のために東奔西走しているが、それも容易ではない模様だ。

    一方で不動産市場は活気を取り戻している。別の情報筋によると、中国の投資で建設されたマンションは、今年初頭には1平米が1000元(約1万6300円)で取引されていたが、徐々に上昇し、今では2300〜2500元(約3万7500円〜4万800円)となっている。国境の向こうの中国の琿春の4000元(約6万5300円)前後と比べると、かなり安い。

    (参考記事:金正恩氏の「新義州メガプロジェクト」発表で不動産価格が急騰

    しかしマンションを買っても、入居をためらう人が多い。北朝鮮当局にどんな口実で没収されるかわからない不安感があるからだという。例えば、外国人向けの賃貸物件として建設されたマンションは、1階の商店、裏の住居ともに空室が目立つ。

    以前ほどではなくとも活気を保っているのは羅津(ラジン)市場だ。3年前に建てられた建物では、約6000人もの商人が食品、工業製品など様々な商品を扱っている。しかし、その内実はお寒い限りだ。

    「市場に人は多いが、冷やかしがほとんどだ。食品以外のものはあまり売れない」(情報筋)

    1日の売り上げが1万北朝鮮ウォン(約130円)にも満たない商人が増えているとのことだ。これでは、平均的な4人家族の1ヶ月の生活費である50万北朝鮮ウォン(約6500円)すら稼げない。制裁で人々の収入が減り、購買力が落ちたことが、市場にも影響を及ぼしているということだ。

    「(輸出が)うまくいっていたころはみんなカネを持っていたので服を買ったりしていたが、今では贅沢扱いだ。食べるのに精一杯で、おしゃれをする余裕などない」(情報筋)

    それでも「生活が苦しくてバナナが食べられなくなった」という市民の声は、やはり羅先が比較的裕福な地域であることを示していると言えよう。

    北朝鮮の他の農村地域では、1日の糧を得るために体を売る女性が絶えず、制裁で操業の止まった炭鉱地域では、貧しさによる一家離散まで起きているとされる。

    (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

    2018年11月末に撮影された羅津市場の内部(画像:デイリーNK内部情報筋)
    2018年11月末に撮影された羅津市場の内部(画像:デイリーNK内部情報筋)

    外国人向けに建設された羅先のマンション(画像:デイリーNK内部情報筋)
    外国人向けに建設された羅先のマンション(画像:デイリーNK内部情報筋)

    2018年11月末に撮影された羅先市内のマンション。100平米、120平米、140平米型があり、エレベーターも設置されている(画像:デイリーNK内部情報筋)
    2018年11月末に撮影された羅先市内のマンション。100平米、120平米、140平米型があり、エレベーターも設置されている(画像:デイリーNK内部情報筋)

  • 金正恩氏の「怒声」が何より怖い…北朝鮮国民の2018年

    金正恩氏の「怒声」が何より怖い…北朝鮮国民の2018年

    北朝鮮の金正恩党委員長が2018に行った公開活動のうち、大半が外交と経済分野に集中し、軍事関連が大幅に減ったと聯合ニュースが報じている。聯合が北朝鮮メディアの報道に基づき集計したところ、金正恩氏は1月1日から今月14日までの間に、視察や首脳会談など計123件の公開活動を行った。

    その内訳を見ると、外交・経済関連が計95件で全体の77.2%を占めた。その一方、軍事関連の活動は昨年の41件から今年8件と、80.5%急減したとしている。

    こうしたデータを見ると、非核化を巡る米朝対話や南北対話の進展に合わせ、北朝鮮国内の緊張感も緩和しているように見受けられる。確かに、軍事情勢についてはそのように言えるだろう。2017年には北朝鮮国内においても、「いつ米軍が攻撃してくるかわからない」と恐怖に震える人々がいた。

    また、金正恩氏が陣頭指揮を取った弾道ミサイルの発射実験などは、それ自体が一種の戦闘だった。金正恩氏の動きが事前に察知され、米軍のステルス戦闘機の急襲を受ける可能性はゼロではなかった。北朝鮮側とすれば、常にそのような可能性を考え、実戦さながらの厳戒態勢を取っていたはずなのだ。

    さらに、新開発の兵器のテストでは事故がつきものであり、実際にミサイルの爆発事故などが多発していた様子もうかがえる。

    (参考記事:【画像】「炎に包まれる兵士」北朝鮮 、ICBM発射で死亡事故か…米メディア報道

    では今年、軍事的緊張の緩和を受けて、北朝鮮社会の緊張が解けたかと言えば、必ずしもそうではないのだ。

    金正恩氏は核兵器開発をいったん成功させたことで、北朝鮮の政治・軍事強国化を達成できたと自負。次は経済強国を目指すとの目標を掲げている。そしてそれを実現せんがため、今年は精力的に経済部門の視察を行ったわけだが、受け入れた現場にはこれまで以上の緊張感が漂った。

    金正恩氏が行く先々で管理不備を批判し、怒声を上げ、無理難題を押し付けたからだ。以前ならば、責任者が処刑されてもおかしくない事態である。

    (参考記事:【動画】金正恩氏、スッポン工場で「処刑前」の現地指導

    しかしそもそも、まだ国連安保理の経済制裁も解けていない内から、経済強国めがけてまい進するのはムリがある。それでも北朝鮮においては、最高指導者がいったん命令を下せば、それは何を置いても達成すべき「掟」となる。多少のムリがともなっても、現場は取り組まなければならない。

    しかし案の定と言うべきか、そのムリが祟り、死亡事故が起きた事例も報告されている。金正恩氏と北朝鮮国民のそれぞれの「戦い」は、いまだ続いているのだ。

    (参考記事:金正恩氏視察先の工事現場が崩壊…死傷者多数

  • 北朝鮮「幹部が遊びながら殺した女性を焼いた」事件の衝撃

    張成沢粛清を振り返る(6)

    韓国の情報機関・国家情報院次長や大統領補佐官を歴任した羅鍾一(ラ・ジョンイル)氏の著書によれば、2013年12月に処刑された金正恩朝鮮労働党委員長の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長は才気と魅力にあふれ、多くの人々を惹き付けたという。

    現在、「北朝鮮のナンバー2」などと形容されることの多い崔龍海(チェ・リョンヘ)党副委員長などは猟奇的な行状で知られ、人望も薄いと言われる。

    (参考記事:美貌の女性の歯を抜いて…崔龍海の極悪性スキャンダル

    張成沢氏はそんな「権力の権化」とは、一線を画す存在だったようだ。

  • 「世界は日本を警戒すべき」…北朝鮮が「いずも」空母化に猛反発する理由

    「世界は日本を警戒すべき」…北朝鮮が「いずも」空母化に猛反発する理由

    北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は14日、日本政府が海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を実質的な空母として運用しようとしていることを受けて、「日本はアジア太平洋地域と世界の平和を害する悪性腫瘍」であると非難する論評を掲載した。

    また国営の朝鮮中央通信も12日付の論評で、「日本は中国に対抗するために空母を保有しようとすると公言しているが、それは武力増強、海外膨張に対する日本の野心を示す」ものだとして、「世界は、日本の軽挙妄動に警戒心を高めなければならない」と主張した。

    最近の北朝鮮の対日非難には、大きく2つの流れがある。ひとつは歴史問題に言及し、日本に朝鮮半島支配の過去清算を迫る論調だ。例えば従軍慰安婦問題では、日本軍が慰安婦を虐殺したとされる映像など新資料を提示しながら、謝罪と賠償を迫っている。

    (参考記事:日本軍に虐殺された朝鮮人従軍慰安婦とされる映像について

  • 【写真】北朝鮮の「清純派女優」はこうして金正恩に抹殺された

    【写真】北朝鮮の「清純派女優」はこうして金正恩に抹殺された

    張成沢粛清を振り返る

    「コンピュータに入力してはならない電子ファイル目録」と題された北朝鮮の内部文書を入手した。2015年5月の日付が入ったもので、韓国誌・月刊朝鮮11月号はこれを、北朝鮮の体制に不都合な映像・音楽作品を取り締まるタスクフォース「109常務(サンム)」が作成したものだと断定している。

    内容は視聴が禁止された映像・音楽・ソフト類のリストで、列挙されたタイトルはざっと300以上にもなる。その多くは、体制に「有害」とみなされた俳優の出演しているものだ。

    「喜び組」出身

    その中には、2013年12月に処刑された金正恩朝鮮労働党委員長の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長の「関係者」とみなされた俳優たちの出演作が、多数含まれている。

  • 北朝鮮で拘束・死亡の米大学生「歯が不自然にズレた」謎は明かされるか

    北朝鮮で拘束・死亡の米大学生「歯が不自然にズレた」謎は明かされるか

    米財務省は10日、北朝鮮における深刻な人権侵害や言論統制に関与したとして、金正恩朝鮮労働党委員長の側近である崔龍海(チェ・リョンヘ)党副委員長ら3人を制裁対象に指定。同省は声明で、「北朝鮮による米国民のオットー・ワームビア氏に対する非道な扱いを改めて想起させる役割を果たすものでもある」と言及した。

    米バージニア大学生だったワームビアさん(当時22歳)は、北朝鮮を旅行中に同国当局に拘束され、昨年6月に昏睡(こんすい)状態で解放されて間もなくして死亡した。その死因を巡り、ワームビアさんの両親は北朝鮮を相手取って民事訴訟を提起しており、19日にはワシントンDCの連邦地裁に初出廷する。

    米国政府は11日にも、北朝鮮を信教の自由が侵害されている「特定懸念国」に指定したとの声明を発表し、人権問題での圧迫を強めている。そんな中で行われる民事裁判は、米国世論の関心を集める可能性が高い。

    特に注目されるのは、両親の側が「北朝鮮から帰ってきたワームビアさんの歯列が大きく変形していた」と主張していることだ。問題は下の歯列の中央の2本の歯なのだが、北朝鮮に行く前のワームビアさんのエックス線写真では、きれいな歯並びであることがわかる。

    しかし、ワームビアさんな主治医が陳述書に添付して連邦地裁に提出したスキャン写真を見ると、この2本の歯が、不自然に口の内側に移動しているのだ。

    (参考記事:【写真】大きく変形したワームビアさんの歯列

    これについて主治医は、「外部から物理的な力が加えられた可能性がある」と述べている。

  • 金正恩氏「叔父を処刑」の背景に王朝内での「女たちの戦い」

    金正恩氏「叔父を処刑」の背景に王朝内での「女たちの戦い」

    張成沢粛清を振り返る(4)

    韓国の情報機関・国家情報院次長や大統領補佐官を歴任した羅鍾一(ラ・ジョンイル)氏の『張成沢の道』は、2016年2月に韓国で出版された。対北朝鮮諜報のエキスパートらしく、北朝鮮の元高位幹部と思しき脱北者たちの重要証言がちりばめられている。一方、韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使の著書『3階書記室の暗号』は、2018年5月に出版された。こちらは1冊丸ごと、元北朝鮮エリートの証言録である。

    2人は南北の外交官として、同じ時期に欧州で勤務した時期があり、2001年11月にはロンドンで開かれた行事で顔を合わせ、言葉を交わしたこともあったという。

    この2人の著書には、互いに示し合わせたわけではなかろうが、相互の内容を補完するエピソードが含まれている。異なる視点と立場から書かれた本の内容が重なっているということは、そのエピソードが事実である蓋然性が高いことを意味する。

    金正恩朝鮮労働党委員長の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長が2013年12月に処刑された事件を巡っても、2人の著書からその遠因を探ることができる。

    まず背景としてあるのは、金正恩氏の父・金正日総書記の複雑な女性遍歴だ。彼は同時に複数の女性と付き合い、子供を産ませて家庭を持ったが、一部は寵愛し、一部は冷たく遠ざけた。

    (参考記事:金正日の女性関係、数知れぬ犠牲者たち

    そしてそんな環境の中にあって、「金正恩は、幼い時から叔父に対して根の深い恨みを抱いていたようだ」と太永浩氏は書いている。理由は、金正日総書記の妹である金慶喜(キム・ギョンヒ)氏とその夫の張成沢氏が、金正恩氏の母・高ヨンヒ氏の望みを阻んだからだろうという。

    高ヨンヒ氏は生前、自分が生んだ子供たちを祖父に当たる金日成主席に会わせ、金王朝の一員として正式に認知を得たがったという。そうしなければいつ、権力闘争により葬られてしまうかわからないからだ。

    ではなぜ、金慶喜氏と張成沢氏は彼女の行動を邪魔したのか。太永浩氏は「高ヨンヒと金慶喜は仲が良くなかったようだ」と書いているが、その理由についてのヒントは、羅鍾一氏の著書に書いてある。本連載では前回、張成沢氏が1970年代の末、金正日氏から「喜び組」パーティーを巡って懲罰を受けたことがあると書いた。

    (参考記事:将軍様の特別な遊戯「喜び組」の実態を徹底解剖

    その際、金慶喜氏の願いを受けて金正日氏に「もう許してあげたら」と囁き、張成沢氏を救い出したのが、金正日氏のもうひとりの妻である成恵琳(ソン・ヘリム)氏だったという。

    金慶喜氏は、夫がハレンチな「喜び組」パーティーを催すのを大いに嫌っていたというが、大学生時代に大恋愛の末にゴールインしたとされる2人である。同じ女性としてその思いを理解してくれる成恵琳氏に、必死の思いですがったようだ。

    (参考記事:【動画あり】ビキニを着て踊る喜び組、庶民は想像もできません

    成恵琳氏は金正日氏の長男・金正男氏の母だ。一時は夫の寵愛を一身に受けたが、高ヨンヒ氏の登場や、一族内の様々な事件が重なり疎んじられ、2002年にモスクワで寂しく客死した。

    (参考記事:「喜び組」を暴露され激怒 「身内殺し」に手を染めた北朝鮮の独裁者

    羅鍾一氏が書いたエピソードが事実ならば、金慶喜氏が成恵琳氏に義理を感じ、高ヨンヒ氏には反感を抱いていたとしても不思議ではない。しかし結局のところ、北朝鮮の独裁権力は高ヨンヒ氏の息子・金正恩氏のものとなり、張成沢氏も金正男氏も抹殺される結果に終わったのだ。(つづく)

  • 【写真】北朝鮮の国民的美少女・洪英姫と「花を売る乙女」

    2007年にカンヌ映画祭でも上映された北朝鮮映画『ある女学生の日記』は、大学入学を控え進路に悩む女子学生スリョンの姿を描いたものだ。

    数学者である彼女の父親は、妻が癌を患っているにもかかわらず、研究所で仕事に没頭し家に戻らない。スリョンは、そんな父親に不信感を抱き、学校でもトラブルを抱える。

    次ページの動画は、父親を侮辱した級友と「ケンカ」する場面。なんともすがすがしい勝負の仕方ではある。

  • 【動画】北朝鮮の女子高生「タイマン」場面…映画『ある女学生の日記』

    2007年にカンヌ映画祭でも上映された北朝鮮映画『ある女学生の日記』は、大学入学を控え進路に悩む女子学生スリョンの姿を描いたものだ。

    数学者である彼女の父親は、妻が癌を患っているにもかかわらず、研究所で仕事に没頭し家に戻らない。スリョンは、そんな父親に不信感を抱き、学校でもトラブルを抱える。

    次ページの動画は、父親を侮辱した級友と「ケンカ」する場面。なんともすがすがしい勝負の仕方ではある。

  • 死者数千人の前例も…北朝鮮で列車事故が多発

    死者数千人の前例も…北朝鮮で列車事故が多発

    今月8日、韓国の江陵(カンヌン)で高速鉄道KTXが脱線する事故が発生した。鉄道を運営する韓国鉄道公社(KORAIL)のオ・ヨンシク社長は11日、相次ぐ事故の責任を取って辞任を表明した。

    オ社長は、李明博政権以降に進められてきた民営化が事故多発の根本原因にあるとしている。KORAILでは前身の鉄道庁時代を含めて、多数の死者を出す事故はこの20年起きていないが、2011年以降で脱線事故が8件、追突・衝突事故が4件起きている。

    軍事境界線の北側の北朝鮮でも今年、複数の鉄道事故が起きており、今月に入りまたもや発生した。幸い大事故には至らなかったが、北朝鮮では世界最悪級の鉄道事故が何度も発生している。1996年には慈江道(チャガンド)で、屋根の上にも乗客が乗るほどのすし詰めの列車が谷底に転落、乗客の多くが死亡した。死者数は5000人に及ぶとの説もある。

    (参考記事:谷底に広がった凄惨な光景…北朝鮮で列車が転落「死者5000人」説も

    咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、今月3日、富寧(プリョン)郡にある古茂山(コムサン)駅で、食糧を積んでいた貨物列車が脱線した。幸いにして負傷者は発生しなかった。

    この駅は清津(チョンジン)から会寧(フェリョン)を経て羅津(ラジン)に向かう咸北(ハムブク)線にあり、茂山(ムサン)に向かう茂山線が分岐している。

    セメントや鉄鉱石など貨物輸送の要衝で、地域住民が動員され復旧作業が進められているが、装備がなくほぼ人力に頼っている上に、周辺には軍部隊がなく、兵士の投入も困難だ。さらに、大型機械を取り寄せるには鉄道を利用するほど道路事情が劣悪な山間部にあるなど、複合的要因で復旧が遅れ、12日の時点でも列車の運行が再開できていない。

    食糧は一般住民向けのものではなく、保衛員(秘密警察)や保安員(警察官)向けの配給であるとされる。それを知った住民の間からは、「自分のものでもない食糧のためになぜ作業に動員されるのか」と不満の声が上がっているという。このような不満が、様々な形のサボタージュにつながることは言うまでもない。

    保安員が作業状況を点検、人員を監視しているため、おこぼれに預かる、つまりは回収して食糧を横流しすることも難しい。これではますますやる気が出ず、復旧は遅れるばかりだろう。

    事故原因は明らかになっていないが、おそらく老朽化のためだと思われる。この区間は、朝鮮半島が日本の植民地支配下にあった1916年に開通、1950年代から1970年代にかけて広軌化、電化されたが、長年まともな補修が行われておらず、線路状態が劣悪であることが知られている。

    今回は幸いにして大事に至らなかったが、上述した事故以外にも、北朝鮮では未曾有の大飢饉「苦難の行軍」のころを中心に、桁外れの大事故が何度も起きている。

    (参考記事:死者数百人の事故が多発する北朝鮮の「阿鼻叫喚列車」

    咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸興(ハムン)では1997年、停車中だった火薬25トンを積んだ貨物列車5両が火災を起こし、大爆発を起こした。到着した通勤列車が巻き込まれ、3000人が死亡し、1万人が負傷したといわれている。

    (参考記事:通勤列車が吹き飛び3000人死亡…北朝鮮「大規模爆発」事故の地獄絵図

  • 金正日の「喜び組」はこうして堕落させられた

    金正日の「喜び組」はこうして堕落させられた

    張成沢粛清を振り返る(3)

    5年前の12月12日、金正恩朝鮮労働党委員長によって処刑された彼の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長は生前、何回かの「革命化」を経験したことで知られる。

    革命化は、素行に問題ありとされた幹部らに施される再教育のことだ。数カ月から1年、あるいは数年もの間、農村や工場に労働者として派遣され、苦労を強いられる。北朝鮮における高級幹部と末端労働者の生活水準の格差は、日本のそれよりはるかに大きい。ぜいたくに慣れた幹部らは革命化で塗炭の苦しみを味わい、最高指導者と体制に対する「忠誠」を誓わされるのだ。

    「夜の奉仕」も

    張成沢氏が初めて革命化を経験したのは、金正日総書記の片腕として台頭していた1970年代末のことだった。韓国の情報機関・国家情報院の次長や大統領補佐官を歴任した羅鍾一(ラ・ジョンイル)氏の著書『張成沢の道』によれば、革命化が命じられた理由は、「喜び組」パーティーだった。

    張成沢氏は当時、金正日氏のために「喜び組」パーティーを仕切る役割を担っていたが、自らの権勢が強まるにつれ、毎週のように自分に忠実な人々を集め、独自のパーティーを開くようになっていたのだ。

    「喜び組」パーティーは、諸外国では金王朝の「堕落の象徴」として見られている。

    (参考記事:ビキニを着て踊る喜び組、庶民は想像もできません

    しかし実態としては、この秘密の会合がある程度の政治的機能を持ち合わせていたのも事実だった。1990年代末に欧州から韓国に亡命した脱北外交官は、次のように語っている。

    「パーティーには、政策調整の目的もあったのです。北朝鮮の行政システムは極端な縦割りになっており、部門間の調整がなかなかできない。だから限られた資源の配分を巡って、対立やいさかいがしょっちゅう起きる。そのため金正日は、各部門の長たちに酒を勧めて行政上の問題点を語らせ、『わかった。ではその問題はこのように解決しろ』といった具合に整理していたのです」

    また前述した『張成沢の道』によれば、そもそも「喜び組」は金正日氏が、父・金日成主席のために作ったのであり、その趣旨は「日本の占領期から祖国と民族のため、あらゆる苦労をしてきた首領様に喜びを差し上げる」というものだったという。いかに独裁者といえども、自らの権威を気にすれば、「オレのために美女を連れてこい」とはなかなか言えない。そこで、息子であり側近であった金正日氏が「気を利かせた」というのが、「喜び組」誕生の背景だったのだ。

    (参考記事:将軍様の特別な遊戯「喜び組」の実態を徹底解剖

    もっとも、当初の「喜び組」はマッサージや漫談、音楽などの演芸部門に限られていた。しかし、金正日氏が独裁体制の後継者として足場を固めるに従い、「喜び組」も同氏のためのものに変質。同時に「男性のためのサービス」(前掲書)部門が加わり、われわれの知る「堕落の象徴」と化していったというのだ。ちなみに、「夜の奉仕」のような役割を担ってきたのは、「喜び組」の中でも「木蘭組(モンランジョ)」と呼ばれるグループだったとされる。

    (参考記事:北朝鮮の「喜び組」に新証言…韓国テレビ「最高指導層の夜の奉仕は木蘭組」

    いずれにしても、北朝鮮において「喜び組」パーティーのようなものは、最高権力者のためにのみ催されるべきものだったのだ。それを自分のために開き、処罰された張成沢氏は、後年の粛清を予感させる危うさを、当時から備えていたと見ることもできるだろう。(つづく)

    張成沢粛清を振り返る(4)金正恩氏「叔父を処刑」の背景に王朝内での「女たちの戦い」

    張成沢粛清を振り返る(5)【写真】北朝鮮の「清純派女優」はこうして金正恩に抹殺された

    張成沢粛清を振り返る(6)北朝鮮「幹部が遊びながら殺した女性を焼いた」事件の衝撃

    張成沢粛清を振り返る(7)「下剤を飲ませ水を一滴も与えない拷問」で政敵抹殺…北朝鮮の権力闘争

    張成沢粛清を振り返る(8)金正恩の「肥満」と「処刑」が同時期に始まった必然