カテゴリー: 北朝鮮

  • 北朝鮮の「ポンコツ軍隊」が日本の脅威であり続ける理由

    北朝鮮の「ポンコツ軍隊」が日本の脅威であり続ける理由

    米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)は21日、北朝鮮北西部の新五里(シノリ)に、中距離弾道ミサイル「ノドン1号」が配備されている「未公表のミサイル基地」があるとする報告書を発表した。報告書で示された推定によれば、基地には戦略ロケット軍ノドン旅団の司令部が置かれ、朝鮮半島全域と日本の大半に位置する標的に対して核弾頭または通常弾頭による先制攻撃を行う任務を与えられているという。

    CSISは昨年11月の報告書で、北朝鮮国内に未申告のミサイル基地が約20カ所あり、うち13カ所を特定したと発表していた。

    その際にも指摘したことだが、北朝鮮のミサイル基地について「未申告」とか「未公表」とかの説明を付け、情報の価値を強調するのはおかしなことだ。

    (参考記事:朝日新聞がまたヘンなことを言っている。北朝鮮のミサイル問題で

    北朝鮮は米韓に対して非核化を約束しているが、武装解除するとまでは言っていない。いかなる国際的な条約や約束によっても、北朝鮮はミサイル基地を申告したリ廃棄したりする約束を負ってはいないのだ。

    北朝鮮が非核化を巡ってどんな約束をするにせよ、自衛の権利は残る。もちろん、米国は北朝鮮との交渉で、自国を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の全廃を要求するだろうし、それにより十分な対価を得られると納得すれば、金正恩党委員長はそれに応じるだろう。

    しかしそれが、日本を射程に収める中・短距離の弾道ミサイルにまで及ぶとは限らない。むしろ北朝鮮は日本の軍事的脅威を強調し、弾道ミサイル戦力の温存に固執しそうな姿勢を見せている。

    (参考記事:「世界は日本を警戒すべき」…北朝鮮が「いずも」空母化に猛反発する理由

    そもそも北朝鮮の朝鮮人民軍は、兵力規模こそ大きいものの、本格的な戦争には耐えられない「ポンコツ軍隊」に成り下がっている。

    (参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い

    例外的に脅威と言えるのは、弾道ミサイルを運用する戦略軍や特殊部隊など、一部のエリート集団だけだ。特に日本に対しては、弾道ミサイルが唯一のけん制手段であると言える。また、日本が北朝鮮を信用しないのと同様に、北朝鮮も日本のことを信用してはいない。そのような状況下、はるかに国力の勝る日本に対し、北朝鮮が進んで「丸腰」になることは考えにくい。

    仮に日本が、北朝鮮が自国にとって軍事的に無害な存在になることを望むなら、日本政府は自らの努力によってそれを達成しなければならない。しかし現状、日本政府にそのような戦略は存在しないのである。

    (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

  • 「誰であろうが見たら銃殺」危険視される韓国のテレビ

    軍事境界線を挟んで韓国と向かい合う、北朝鮮の黄海南道(ファンヘナムド)では、韓国から飛んでくる兵器との闘いが大々的に繰り広げられている。兵器と言っても砲弾でもミサイルではない。テレビの電波だ。

    北朝鮮当局は、国民が韓流コンテンツに触れるのを拷問や処刑など極端な方法で妨害してきたが、テレビももちろん、その対象になっている。

    (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

    米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)の情報筋によると、道内各地の保安署は各人民班(町内会)で思想教育目的の講演会を行っている。そこで伝えられたものは次のようなものだ。

    「『敵紙物』として落ちてきた『保存装置』を保安署に届け出ず隠し持ったり、退廃的な資本主義映像物を見る現象を徹底的になくせ」

    「敵紙物」というのは、韓国から放たれたビラや物品のことを指す。一部の脱北者団体は、北朝鮮に向けてビラ、コメ、USBメモリ、米ドル札などを飛ばしたりしている。

    (参考記事:「対北朝鮮ビラ」散布禁止に猛反発する人権団体の主張

    さらに保安署の担当者は、次のように強調したという。

    「テレビのチャンネルを固定せずに回して、南朝鮮(韓国)のテレビを視聴する者が現れている。摘発された者は職位を問わず公開銃殺されるだろう」

    北朝鮮当局は昨年から、非社会主義現象(当局の考える社会主義にそぐわない行為、風紀の乱れ)根絶キャンペーンをより一層強力に推し進めており、韓流ドラマ、映画の流通、視聴で見せしめ目的で銃殺刑に処される人が出ている。「韓国のテレビを見たら銃殺」というのもこのような流れの一環だろう。

    (参考記事:「金正恩は、中で殺している」北朝鮮の処刑方法に変化

    黄海南道の中でも、碧城(ピョクソン)、康翎(カンリョン)などの沿岸地域では、韓国のテレビが非常に鮮明に受信できる。

    韓国の白翎島(ペンニョンド)は、本土の仁川から西に200キロ以上離れているが、北朝鮮まではわずか15キロしかない。この島には公共放送のKBS、MBC、民放のSBS、OBSのテレビ、ラジオの送信所がある。

    詳細は不明だが、かなりの出力で送信されているようで、首都・平壌周辺はもちろん、韓国から300キロも離れた平安北道(ピョンアンブクト)の雲山(ウンサン)ですらKBSが受信できるとの話すらある。

    (参考記事:北朝鮮山奥で「韓国テレビ放送」が受信可能…ソウルから300キロ

    北朝鮮国営の朝鮮中央通信は2016年12月2日、逓信省電波監督局のリ・ヨンイル局長が国際電気通信連合に対して、「南朝鮮逓信行政当局は今までもわれわれの地域に故意的かつ悪らつな方法でわれわれのアナログ式テレビ放送システムの4のチャンネル(7、8、10、11)にテレビ放送電波を中断せず発射し、われわれのテレビ放送チャンネルに甚だしく干渉する違反行為を続けている」として、対策を講じることを要求したと報じた。

    ちなみに韓国のテレビのアナログ送信は2012年末をもって終了している。北朝鮮の視聴者からは「韓国のテレビが見られなくなる」と落胆の声が上がったが、その後も北朝鮮向けに限ってアナログ送信は続けられている。

    (参考記事:韓国地デジ開始で落胆する北朝鮮の庶民「地デジデコーダー買えない」

    南北関係が改善されたことで、昨年までは取り締まりを恐れて韓国のテレビを見ようとしなかった人も、深夜に電気が供給される時間帯を利用して密かに韓国のテレビを見る事例が増えて、当局は当惑していると情報筋は伝えた。

    当局は今までもこの地域の住民に対して他の地域よりより強い思想教育を行ってきた。韓国に接した地域の住民は、有事の際に「敵対国」を助ける、潜在的な内なる敵、体制を脅かす危険勢力になり得るとみなしているからだ。また、この地域の沿岸部は1950年に朝鮮戦争が勃発するまでは韓国領だったが、そのことも思想教育強化の背景にあるようだ。

    黄海南道(ファンヘナムド)同様に韓国に接している江原道(カンウォンド)の情報筋によると、当局は通報体系の整備に加え、妨害電波を発信して住民が韓国のテレビを見ないように様々な対策を立てているが、それでも密かに見る人はいるという。

    「USBメモリやSDカードに保存された韓流ドラマを1回見ただけでも(韓国についての)考えが変わるのに、韓国のテレビを直接見れば国内外の情勢はもちろん、韓国人の生活を肌で感じるようになる。さらにはわが国(北朝鮮)の問題も知ることになり、自然と批判意識を持つようになる」

    その一方、当局の行う講演会や思想教育は旧態依然としたもので、変化する北朝鮮国民の意識についていけていないと指摘しながら、情報筋は次のように語った。

    「ありきたりの内容ばかりの党の宣伝を、見た人は鼻で笑っている」

    (参考記事:亡命した北朝鮮外交官、「ドラゴンボール」ファンの次男を待っていた「地獄」

  • また「手抜きマンション」で死亡事故、壁崩壊で下敷きに

    また「手抜きマンション」で死亡事故、壁崩壊で下敷きに

    北朝鮮の首都・平壌の中心部のマンション建設現場で事故が起き、2人が死亡した。

    現地の内部情報筋によると、事故が起きたのは昨年末のことだ。平壌市平川(ピョンチョン)区域で行われているマンションの建設現場で、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の建設部隊、8総局所属の兵士らが地下で工事に当たっていたときに急に壁が崩れ、下敷きになった兵士2人が死亡した。マンションの建物はすでに完成し、内装工事が行われていた最中で起きた事故だった。

    (参考記事:金正恩氏、日本を超えるタワーマンション建設…でもトイレ最悪で死者続出

    今回の事故を受けて、現場の指揮官が6ヶ月の降格処分、他の責任者は労働鍛錬刑(軽犯罪者を収容する刑務所での短期間の懲役刑)となったが、「その程度で済んだ」ことで関係者は胸をなでおろしているだろう。

    この地域では2014年5月、完成したばかりの23階建ての高層マンションが崩壊し、住民や工事関係者など最高で500人が犠牲になる大惨事が起きている。東京新聞によると、建設を担当した7総局の局長が解任の上で政治犯収容所に送られ、設計と施行を担当した技術者4人が銃殺刑に処せられている。

    (参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故

    当時も今回も「速度戦」が事故の原因と見られている。今回の場合、資材を充分に確保できない状態で工事を強行し、セメントをきちんと養生しないまま作業が進められた。そのため、建物の強度に問題があったという。

    (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

    2014年6月20日の北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は、金正恩党委員長が当時建設中だったタワーマンション団地の現地指導を行った場で「建設においては一にも二にも質の保証に優先的に関心を置くべき」「千年責任、万年保証のスローガンの元に、建築物を百点満点で完成させよ」と指示したと報じている。

    是が非でも決められた工期までに完成させるという速度戦は、手抜き工事の温床となってきた。金正恩氏は崩壊事故の直後とあって、丁寧な施工を強調するために、2010年の朝鮮労働党中央委員会、党中央軍事委員会の共同スローガンの一つ「すべての建設物を千年の責任を負い、万年保証できるように建てよう!」を引用したのだろう。

    一方で金正恩氏は「党創建記念日(10月10日)までに完成させることは、党が科学者と交わした約束」だとして、速度戦を強調している。なぜ、相反する指示を同時に下したのか。

    北朝鮮で幹部の地位にあった脱北者は2014年6月、デイリーNKの取材に対して、「速度戦は金日成主席の時代から北朝鮮式社会主義体制の優越性を宣伝するためのもの」「崩壊事故が再び起きたとしても、金正恩政権になってから登場した(速度戦を強調する)『朝鮮速度』の放棄は難しいだろう」と述べた。「世論をひきつけ体制を安定させるためには、人民に対してなんとしてでも成果を見せつけなければならないという強迫観念に捕らわれている」と解説した。

    だが一部では、ようやく速度戦一辺倒の姿勢に変化が現れ始めてもいる。

    金正恩氏は、両江道(リャンガンド)三池淵(サムジヨン)開発工事の一時中止を指示した。また、手抜き工事疑惑が浮上した恵山(ヘサン)のマンションに関しては、地方当局が住民に対して建物の再検査を約束するなど、「速度戦」による弊害を抑えようとする動きを見せている。

    労働新聞では、「速度戦」という用語が使われ続けると同時に、昨年ごろから「千年責任、万年保証」とまた「手抜きマンション」で死亡事故、壁崩壊で下敷きにいう用語が使われる頻度が高まりつつある。

    (参考記事:さすがの金正恩氏も寒すぎて中断した「超ブラック事業」

  • 米軍兵士にも「遠慮なく拷問」を加えた北朝鮮の失敗

    北朝鮮は今から51年前、1968年の1月23日、東海岸の元山(ウォンサン)沖で米海軍の情報収集艦「プエブロ」を拿捕した。「プエブロ号事件」として知られるこの出来事は当時、第2次朝鮮戦争の勃発も予感させる重大事だったとされるが、今となっては遠い昔の話である。

    ところが最近、この事件が米朝関係で重要な意味を持つようになるかもしれない展開が生まれている。

    米大学生のオットー・ワームビアさんが北朝鮮で長期拘束され、解放直後に死亡した件を巡り、ワシントンDCの連邦地裁は先ごろ、「ワームビアさんは北朝鮮で拷問を加えられていた」と認定した。確かに、ワームビアさんは北朝鮮に拘束されている間に歯列が大きくズレるなど、拷問を受けていた可能性を示すものがある。

    (参考記事:【写真】大きく変形したワームビアさんの歯列

    また過去にも、北朝鮮で拘束された外国人が拷問を受けていたとする証言は存在する。

    (参考記事:「北朝鮮で自殺誘導目的の性拷問を受けた」米人権運動家

    しかし数の面で言えば、そのような事例は多いとは言えない。ワームビアさんも、実は拷問を受けていなかったのではないかとする見方が、米国内にも存在するのだ。

    ところが、米国の政府や司法の関係者に「やはり北朝鮮は外国人にも拷問を加える国である」と強く印象付けてしまう前例が、この「プエブロ号事件」なのだ。

    同事件では、プエブロが北朝鮮の哨戒艇から攻撃を受けた際に乗員1名が死亡。さらに乗員82人が捕虜となり、11カ月間にわたり拘束された。その間、彼らが激しい拷問を受け、米国に帰国して以降も後遺症に苦しんでいたことが、確かな歴史的事実として記録されているのだ。

    米国と北朝鮮は2月下旬に2回目の首脳会談を開く予定であり、北朝鮮の非核化に向けた具体的な進展が期待されている。ただ、そこで何らかの成果が生まれたとしても、ワームビアさんに対する拷問が司法で認定されてしまった事実が今後、米国世論にどのように影響するかわからない。

    ホワイトハウスが北朝鮮との関係改善に動こうとしても、世論に敏感な議会が反対する可能性が小さくないのだ。下院が民主党に握られている現在の状況においては、こうした要素はいっそう重要な意味を持つように思える。

    (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

  • 過激アンダーウェアに高級時計…金正恩氏の「密かな楽しみ」がピンチ

    過激アンダーウェアに高級時計…金正恩氏の「密かな楽しみ」がピンチ

    米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮が昨年スイスから輸入した時計の金額が、経済制裁の影響で前年の約半分にとどまったという。ということは、ぜいたく品に囲まれた金正恩党委員長のライフスタイルにも影響が出ているかもしれない。

    昨年4月27日に板門店(パンムンジョム)で開かれた南北首脳会談と、同年6月12日のシンガポールでの米朝首脳会談の際、金正恩氏は「ベンツS600プルマンガードリムジン」に乗っていた。

    金正恩氏のクルマに対するこだわりは相当強いらしく、自分でベンツを運転していることを、デイリーNKジャパンは独自情報で確認している。さらに現地指導の移動の際に乗るベンツには、金正恩氏のトイレ事情に関わる特殊装備が積まれているとされている。

    (参考記事:金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳

    ぜいたく品が好きな北朝鮮高官は金正恩氏だけではない。彼の側近のひとりである崔龍海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党副委員長は、北朝鮮一のブランド好きで、派手な生活を好むことで知られている。それが行き過ぎて女性問題、それもほとんど性犯罪とも言えるほどの変態性欲スキャンダルを起こした過去すら持つ。

    (参考記事:美貌の女性の歯を抜いて…崔龍海の極悪性スキャンダル

    北朝鮮は金正恩氏を頂点とする権力層のために、主にヨーロッパからベンツや高級時計、その他の様々なぜいたく品を輸入してきた。また金正恩氏が「喜び組」のために、多額の金を費やして「セクシーアンダーウェア」を輸入していると報じられたこともあった。

    (関連記事:金正恩氏が大金をつぎ込む「喜び組」の過激アンダーウェア

    北朝鮮の指導層は苦しい人民生活を顧みず贅沢な生活を送り、挙げ句の果てには核ミサイル開発に資金を注ぎ込んできたわけだ。これを受けて欧州連合(EU)は一昨年11月までに、キャビア、ワイン、ビール、コニャックなどのアルコール類、ハンドバッグをはじめとする皮革製品、コートを含む衣類、アクセサリー、靴など22種類以上の物品を北朝鮮への輸出禁止品目に指定している。また、EUは昨年11月にも北朝鮮船舶48隻に対して資産凍結や入港禁止の対象とし、海上で積み荷を移し替える「瀬取り」に関与したとして12隻を制裁リストに含めるなど制裁を継続している。

    スイス時計協会(FH)の財政担当者はRFAに対して、「(対北朝鮮)制裁担当者が北朝鮮への輸出を統制しているため、安価な時計のみを輸出している」と説明した。

    金正恩氏は昨年6月、米国のトランプ大統領と首脳会談を行うなど、米国との関係改善のきっかけを作った。一方、米財務省は昨年12月に、北朝鮮における深刻な人権侵害や言論統制に関与したとして、先述の崔龍海氏を含む朝鮮労働党の幹部3人を制裁対象に指定するなど、制裁を緩める姿勢を見せていない。

    金正恩氏は最高指導者として、それにふさわしい優雅なライフスタイルをおくりたいのかもしれないが、北朝鮮が置かれている現状を踏まえて、身の丈にあった生活を送るべきだ。そうすれば北朝鮮国内からも国際社会からも、「分別のある指導者」として一定の評価を得られるかもしれない。

  • 安倍政権は2回目「金正恩・トランプ会談」をぶっ壊した方が身のため

    安倍政権は2回目「金正恩・トランプ会談」をぶっ壊した方が身のため

    河野太郎外相は2月中旬、ポンペオ米国務長官と会談し、同月下旬に予定される米朝首脳再会談での対処方針を擦り合わせるのだという。また共同通信によれば、河野氏とポンペオ氏は21日の電話協議で、北朝鮮の非核化へ向けて日米、日米韓で緊密に連携する方針を確認。北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決への協力も改めて申し合わせたそうだ。

    このような朝鮮半島情勢と日本の立ち位置について、このような表面的なニュースばかりに触れるのもそろそろ空しくなってきた。対北朝鮮で、日米韓の「緊密な連携」などすでに存在しない。

    (参考記事:日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開

    日米の2国間では、打ち合わせぐらいは密にやっているかもしれないが、日韓がそんな状況じゃないことは言うまでもない。

    (参考記事:日韓「レーダー照射問題」の背後にある韓国政治の闇

    日本人拉致問題の早期解決においても、米国はもはやあてにならない。米国の最大の関心事は、自国の安全保障だ。北朝鮮が、自国に届く大陸間弾道ミサイルを完成させそうになったから対話に乗り出したのである。トランプ政権は、北朝鮮が非核化を実行すれば、対価を与えると言明している。対価の条件が、「非核化と日本人拉致問題の解決」であるとは一言も言っていない。

    前回の米朝首脳会談でもそうだったが、トランプ大統領は今回もまた「日本とよく話し合ってみたらどうだ!?」と金正恩党委員長に促すかもしれない。しかし、期待できそうなのはそこまでだ。日本人拉致問題を本当に解決したいなら、日本は自力で道を切り開くしかないのだ。もし、それをするための計画がまだないのだとしたら、安倍政権は拉致問題を解決するための外交戦略を持っていないということになる。

    ならば、拉致問題解決のために北朝鮮を動かすには、どのような方法があるのか。ひとつは、国交正常化交渉を開始することだ。しかし、これは北朝鮮の非核化にある程度の目途がつくまでは、条件が整わないだろう。

    それに、国交正常化交渉では当然、日本がどのように過去清算を行うかが焦点にならざるを得ないだろうが、安倍晋三首相がそれを積極的にやりたがるとはどうしても思えない。国交正常化交渉で拉致問題を扱う可能性が出てきたとしても、結局はうまく行かないように思える。

    仮に、日本が核問題や過去清算から拉致問題を切り離し、先行して解決することを望むなら、人権問題で北朝鮮に攻勢をかけるしかないと筆者は考える。

    米韓は北朝鮮との対話を優先し、金正恩氏が最も嫌う人権攻勢を手控えている。人権こそは、金正恩体制の根幹に触れる問題だ。たとえ米国との対話が思うように進まなくとも、国際社会からの人権攻勢が弱まるならば、北朝鮮にとっては大きな利益なのだ。

    日本はこれを逆手に取って、今なお北朝鮮国内で現在進行形の残酷な人権侵害の数々を暴き、「こんな非人道的な国家とは安易に対話を進めるべきではない」という国際世論を作り出すべきなのだ。そうすれば、北朝鮮も米韓も日本を黙らせるために、何らかの「対価」を差し出さざるを得なくなる。

    (参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認

    金正恩氏はすでに、対話路線に大きく踏み出しており、日本が少しぐらい米朝対話の邪魔をしたからと言って、そう簡単に核武装の強化に舵を切ることはできない。それに何より、日本人拉致問題を解決するだけでなく、人権侵害に苦しむ多くの北朝鮮国民を救う結果につながるかもしれない。対北朝鮮の人権攻勢にかかる費用も、ミサイル防衛システムやステルス戦闘機の導入費用に比べれば微々たるものだ。やってみて、損はないと思うのだが。

    (参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」

  • 金正恩氏の専用列車は「時速20キロ」…背景に大量死亡事故

    金正恩氏の専用列車は「時速20キロ」…背景に大量死亡事故

    北朝鮮の金正恩党委員長は今月7日から10日まで訪中し、習近平国家主席と会談するなどした。その際、金正恩氏が乗った専用列車は北朝鮮国内で時速20キロしか出せなかったと、韓国紙・東亜日報のチュ・ソンハ記者が伝えている。

    その背景には、大量の死傷事故が繰り返し発生する、北朝鮮の劣悪な鉄道事情がある。

    (参考記事:谷底に広がった凄惨な光景…北朝鮮で列車が転落「死者5000人」説も

    脱北者であり、北朝鮮国内の事情に精通するチュ・ソンハ氏によれば、金正恩氏の専用列車は中国からの帰路、国境都市の新義州(シニジュ)から11時間かけて首都・平壌に到着したという。走行距離は、およそ225キロだから、1時間に20キロしか進めなかった計算になるわけだ。

    北朝鮮の鉄道は、老朽化が著しい。日本の植民地時代に作られたレールや枕木を未だに使用している例も珍しくなく、列車が高速で走行するのは非常に危険だ。実際、施設の老朽化が、大惨事に繋がった例もある。

    (参考記事:死者数百人の事故が多発する北朝鮮の「阿鼻叫喚列車」

    昨年12月、韓国の調査団が南北の鉄道連結のため北朝鮮の鉄道の状況を調査した結果、開城(ケソン)から平壌を経て新義州を結ぶ区間では時速20キロから60キロしか出せず、国際列車が運行されている平壌以北の区間では時速60キロでの運行が可能な程度だったという。

    平壌から新義州まではその気になれば時速60キロまでは出せるのだろうが、最高指導者を乗せた専用列車は「万が一」を考えて絶対安全なスピードに抑えたものと考えられる。

    ちなみに、5000キロ以上に及ぶ北朝鮮の鉄道路線は8割が電化されているが、同国は1990年代以降の発電設備の老朽化、そして深刻な経済難により、極度の電力不足に陥る。そして高い電化率がアダになり、鉄道はマヒ状態に陥ってしまった。例えば首都・平壌から北部の恵山(ヘサン)までは、時刻表通りなら23時間ほどで到着するのに、実際には10日もかかった事例などが伝えられている。

    ただ、デイリーNKの内部情報筋によると、最近の北朝鮮の鉄道運行は比較的円滑になっているという。皮肉にも、従来は大部分が輸出されていた石炭が国際社会の経済制裁で輸出できなくなったことで、国内での消費量に回されるようになり、電力の生産量が増えたことがその理由だ。

    (参考記事:通勤列車が吹き飛び3000人死亡…北朝鮮「大規模爆発」事故の地獄絵図

  • キノコをより多く栽培するために

    【平壌1月18日発朝鮮中央通信】平壌キノコ工場の労働者たちが、おいしくて栄養価の高いキノコを栽培するために努めている。---

  • 濡れ衣の女性に性暴行も…悪徳警察官「報復殺人」で70人死亡

    濡れ衣の女性に性暴行も…悪徳警察官「報復殺人」で70人死亡

    北朝鮮で昨年、人民保安省(警察)の要員に対する殺人事件が増加していると、韓国のリバティ・コリア・ポスト(LKP)が伝えている。無実の罪を着せられ、刑務所での服役を余儀なくされた人々の報復と見られるという。

    北朝鮮の保安員は取り締まりの権限を振りかざし、庶民からワイロを搾り取ることを生業としている。要求に応じなければ様々な言いがかりをつけて逮捕し、刑務所送りにすることもある。また、同様のやり方で女性に性行為を強要することもあり、悪徳保安員に対する庶民の恨みは深い。

    (参考記事:手錠をはめた女性の口にボロ布を詰め…金正恩「拷問部隊」の鬼畜行為

    国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が昨年10月31日に発表した報告書「理由もなく夜に涙が出る 北朝鮮での性暴力の実情」は、金正恩党委員長が政権を継承した2011年以降に脱北した54人と、脱北した北朝鮮の元公務員8人を対象にしたインタビューを元に作成されたものだ。

    その中には、被害女性らの血のにじむような証言のほか、身近で起きた性犯罪の経過を知る第三者の証言などが数多く収められており、読むほどに「そこまで酷いのか」と愕然とさせられる。その中には、警察官が加害者となった性犯罪の事例が多数、収められている。

    (参考記事:「私たちは性的なおもちゃ」被害女性たちの血のにじむ証言を読む

    咸鏡北道(ハムギョンブクト)の消息筋がLKPに語ったところによれば、昨年末までの1年間で、全国の保安員に対する殺人事件は70件を超え、「報復殺人を恐れる保安員は1人で人通りの少ない道を通るのを避け、夜遅くに1人で出歩くことも避けている」という。

  • 「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態

    「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態

    中国との国境に面した地域にある、北朝鮮の教化所(刑務所)で、受刑者が看守の保安員(警察官)を殺害する事件が起きたと、現地の内部情報筋が伝えた。

    事件が起きたのは、咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)にある全巨里

    (チョンゴリ)教化所だ。内部情報筋によると、事件のきっかけとなったのは「酒」だ。

    「正月に贈り物として酒が配られた。それを飲んで酔っ払った教化生(受刑者)が、普段から自分をいじめていた保安員の頭を石で殴って殺害した」(情報筋)

    この受刑者は、保安員の制服に着替えて、教化所の正門から堂々と出て脱走した。

  • 平壌で行われる国際スポーツ行事と競技大会

    【平壌1月18日発朝鮮中央通信】平壌でチュチェ108(2019)年に複数の国際スポーツ行事と競技大会が行われる見通し。

    意義深い光明星節(金正日総書記の誕生日.2月16日)と太陽節(金日成主席の誕生日.4月15日)に際して第26回光明星節祝賀白頭山賞国際フィギュア祭典と第30回万景台賞国際マラソン競技大会が行われる。

    7月には、5日間の日程で国際卓球連盟(ITTF)が主管する平壌オープン卓球競技大会が、9月には国際武道競技委員会(IMGC)創立20周年記念行事と秋季マラソン愛好家競技大会が行われる。

    10月に、2019年アジア青少年・青年重量挙げ選手権大会を主催する。

    大会期間、選手らは各々10の体重級の計120の金メダルをかけて熾烈(しれつ)な争奪戦を行う。

    平壌は、2013年に青年、成人級アジアカップおよびクラブ重量挙げ選手権大会を主催したことがある。---

  • 現存発電能力の改善に力を集中

    【平壌1月18日発朝鮮中央通信】朝鮮で、各地の発電所の現存発電能力の改善に力を集中している。

    電力工業省のハン・ギョンジン局長は、最高指導者金正恩党委員長は新年の辞で今年、社会主義経済建設で提起される最も重要かつ差し迫った課題の一つは、電力の生産を画期的に増やすことであると述べたとし、次のように語った。

    金正恩委員長のお言葉には、電力工業部門の活動家と生産者に対する大いなる信頼と期待が盛り込まれている。

    今、各地の火力発電所では発電設備の稼働台数を増やし、フル稼働させて当面、電力生産を最高生産年度水準に引き上げるために奮発している。

    全てのボイラーに高温空気燃焼安定化技術を取り入れ、酸素による無煙微粉炭着火および燃焼安定化技術の導入に拍車をかけている。

    大規模の水力発電所では、発電設備と各種の構造物の整備、補強に力を入れている。

    特に、赴戦江発電所と煕川発電所、金野江軍民発電所の水力構造物を整備、補修して数万キロワットの電力を増産できる予備をもたらしている。

    各水力発電所に近代的なデジタル調速機と励磁機、総合保護装置を製作、導入して発電所の統合生産システムをより完成し、従来より発電の効率をさらに高めるための活動を推し進めている。---

  • 「愛人で処刑はやりすぎ」北朝鮮軍内で金正恩氏への不満うっ積

    「愛人で処刑はやりすぎ」北朝鮮軍内で金正恩氏への不満うっ積

    朝鮮人民軍(北朝鮮軍)幹部らに対する金正恩政権の無慈悲な粛清を受けて、軍内に不満が鬱積しているもようだと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

    北朝鮮軍関連の消息筋はRFAに対し、「昨年11月、平壌高射砲司令部のある政治委員が、朝鮮労働党に対する不服従に加え『私生活の乱れ』をとがめられ、美林(ミリム)飛行場で銃殺される出来事があった」と語っている。

    凄惨な現場

    消息筋によれば、当局は軍の将官たちを、新年度の戦闘政治訓練会議のためとして平壌の4.25文化会館に招集。その席上、件の政治委員の罪名を発表したという。そして、将官たちをバスに分乗させて飛行場に移動、数百人が見守る前で銃殺刑を執行した。

  • 北朝鮮に逃げ込む「外国人犯罪者」…外貨提供でぜいたく三昧

    北朝鮮においても諸外国と同様、覚せい剤の密売・乱用や詐欺行為は犯罪であり、取り締まりの対象となる。覚せい剤汚染が深刻化の一途を辿っているのは、司法機関の腐敗のためであり、これら不法行為がまったく放置されているわけではない。

    (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

    しかし、北朝鮮が取り締まるのは国内で発生した犯罪行為だけだ。中国やロシアとの間で犯罪人引渡協定は結ばれているが、他国との「捜査協力」なるものが存在するのか疑わしい。

    そこに目を付け、北朝鮮に逃げ込んだ犯罪者たちが、同国秘密警察の庇護を受けていると韓国のリバティ・コリア・ポスト(LKP)が伝えている。

    LKPによれば、中国の情報機関である国家安全部が最近、北朝鮮の秘密警察である国家保衛省に対し、自国民の犯罪者を引き渡すよう強く要請しているという。

    北朝鮮の消息筋がLKPに語ったところによると、中国国家安全部は2016年、北朝鮮の経済特区である羅先(ラソン)のエンペラーホテルのカジノで借金を作り、同国内に足止めされている自国民の犯罪者40人のリストを国家保衛省に送り、彼らを送還させることを強く要求したという。

    「しかし国家保衛省は、彼らは北朝鮮の銀行に多額の負債があると主張し、送還費用として1人当たり3億人民元(約48億円)を要求。中国国家安全部は即座にこの要求を拒絶した」という。

    LKPは説明していないのだが、この話が事実であれば「カジノの借金」というのは北朝鮮が中国人犯罪者を保護するための口実だ。借金を返せないただの一文無しであれば、国家保衛省は彼らを直ちに追放するだろう。実際、LKPの消息筋は次のように続けている。

    「その後、北朝鮮にはこの連中のほかに、麻薬中毒者やその他の国際犯罪に関わった約300人の中国人が滞在している。彼らは中国の家族からの送金を受け、豪華な生活を維持している」

    (参考記事:「牛乳風呂」をたのしむ北朝鮮の上流階級)

    これに対し、中国国家安全部は引き続き送還を要求しており、その圧力のせいで送還されることを恐れた犯罪者たちは、北朝鮮当局に対して亡命申請すら行っているという。

    「たしかにわが国にいれば、相手がインターポールだろうが外国の情報機関だろうが、捜査の手が伸びてくることはあり得ない。外国人犯罪者たちには、最も安全な隠れ場所だ。しかも、彼らのポケットからお金がなくならない以上、あらゆる贅沢を享受し、永続的な安全を確保することができる」(消息筋)

    拝金主義がまん延する現在の北朝鮮であれば、確かにその通りかもしれない。だがそれは、お金がなくなったら「一巻の終わり」であることを意味してもいる。中国からの送金が途絶えた瞬間、北朝鮮当局は彼らを中国に送還するどころか、自国内で闇から闇へ葬ってしまうかもしれない。

    (参考記事:一家全員、女子中学校までが…北朝鮮の薬物汚染「町内会の前にキメる主婦」

  • 「労働新聞」 朝鮮の政治的・思想的威力を全面的に強化すべきだ

    【平壌1月17日発朝鮮中央通信】17日付の「労働新聞」は社説で、今年、朝鮮労働党が打ち出した戦闘的課題を立派に実現して革命の前進をさらに速めるためには政治的・思想的威力を全面的に強化しなければならないと強調した。

    同紙は、政治的・思想的威力はわが国家の第一の国力であり、社会主義強国建設の原動力だとし、次のように指摘した。

    チュチェの社会主義偉業実現の雪道を踏み分け、前途に横たわる万難の試練を果敢に乗り越えていつも勝利だけを収めてきたわが祖国の英雄的闘争の根底には偉大な一心団結がある。

    政治的・思想的威力の強化、まさにここに社会主義国家の尊厳と勝利、限りない隆盛・繁栄がある。

    希世の天が賜った偉人である最高指導者金正恩党委員長を高くいただいたので、こんにちチュチェ朝鮮の政治的・思想的威力は最上の域で誇示されている。

    社会主義朝鮮は、思想的一色化を立派に実現した一心団結の国である。

    万民を共感させ、結合させることのできる優れた思想と政治があり、それに基づいて強固な統一団結を成した国家は必勝不敗である。

    わが人民は党が構想し、雄大な青写真を示せば可能性自体を論じない。

    党の政策は科学、真理であり、千万の試練が折り重なっても無条件に貫徹すべきだというのが全国に満ち溢れる衷情の世界である。

    偉大な思想と不屈の精神力に基づいた一心団結の威力で前進するチュチェ朝鮮の新年の革命的進軍が日増しにいっそう激しくなっている。

    ともに、党の周りに一心同体となって固く団結し、偉大な人民の国、社会主義祖国の富強・発展のために力強く闘っていこう。---

  • 子どもの間で愛用されている音声図書読み取りペン

    【平壌1月17日発朝鮮中央通信】最近、朝鮮のメアリ音響社が開発した音声図書読み取りペン「ソリヨンピル(音声鉛筆)」が学齢前子どもの間で愛用されている。

    ソク・ミョンソン室長は、音声図書読み取りペンは特別に印刷された教材の絵と文字情報を光学的に識別して音声で正確に読んでくれる装置だと述べ、次のように語った。

    音声図書読み取りペンを利用すれば、子どもが自ら朝鮮語と文字、算数、外国語などを初歩段階で習得することができる。

    このペンは、子どもが場所にこだわらずに勉強しながら知能を啓発するのに役立っている。

    音声図書読み取りペンと結合された教材として「国語を学ぶよ」「数え方を学ぶよ」「衛生を守りましょう」「英語を学ぶよ」などがある。---

  • 国の製靴工業を主導する工場

    【平壌1月17日発朝鮮中央通信】朝鮮で「メボンサン(毎峰山)」履物を生産する地方の大きくない製靴工場が、国の製靴工業を主導する工場として全国に広く知られている。

    その工場がまさに、「全国履物展示会―2018」で1位をした江原道の元山製靴工場である。

    同工場では、履物サービス受注システムのための足測定装置と超臨界炭酸ガスによる靴底軽量化工程を確立したのをはじめ、生産の多種化、多様化、多色化、軽量化を高い水準で実現するために極力努力している。

    履物の縁作業につき固め機を導入して質を改善するとともに速度を高め、裁断工程で多くの労力と資材を節約している。

    靴底鋳型改造と靴底の端加工機で靴底の質を上げ、光沢性と付着性がよりよい着色剤、乾燥工程における赤外線ランプの新たな利用によって、コストを低め、製品の接着率も高めている。

    昨年12月、同工場を訪れた最高指導者金正恩党委員長は工場の生産者が収めた成果に満足の意を表した。---

  • 板ガラス生産を高い水準で正常化

    【平壌1月16日発朝鮮中央通信】最高指導者金正恩党委員長の歴史的な新年の辞に打ち出された課題の貫徹に立ち上がった大安(テアン)親善ガラス工場の労働者たちが、設備管理、技術管理を綿密に行って板ガラス生産を高い水準で正常化している。---

  • 自力更生は朝鮮人民の永遠の闘争の旗印

    【平壌1月16日発朝鮮中央通信】最高指導者金正恩党委員長は新年の辞で、今年に朝鮮人民が掲げるべきスローガン「自力更生の旗を高く掲げ、社会主義建設の新たな進撃路を開いていこう!」を提示した。

    朝鮮革命の歴史は、自力更生の威力によって前代未聞の試練と難関を切り抜けてきた勝利と栄光の歴史である。

    抗日武装闘争期に創造された自力更生は、革命と建設の全期間、いつも闘争の旗印、飛躍の原動力になってきた。

    それゆえ、朝鮮人民は他人がかつて体験できなかった厳しい試練と難関の前でも瞬間の沈滞や足踏みもなしにもっぱら勝利の道に沿って力強く前進してくることができた。

    二回の革命戦争、二段階の社会革命、二回の復興建設、複数の段階の社会主義建設で収められた全ての勝利には、延吉爆弾精神、君子里革命精神、チョンリマ精神、江界精神、江原道精神のような朝鮮人民の自力更生の革命精神、刻苦奮闘の闘争気風が歴々と記されている。

    世紀的な奇跡と変革を起こしていた歴史の日々に、自力更生は朝鮮人民の誇らしい闘争方式となった。

    こんにち、朝鮮が敵対勢力の増大する制裁・封鎖策動の中でもいささかの躊躇(ちゅうちょ)や動揺もなしに社会主義強国建設の最後の勝利を目指して力強く前進しているのも、自力更生の革命精神で築いた自立経済の強固な土台があるからである。

    時代は前進し、革命の環境と条件は変わっても、もっぱら自力を信じて自力で全ての問題を解決しようとする朝鮮人民の意志はより強くなっている。

    今日も、未来もいつも自力更生で勝利する!

    これは、朝鮮人民の揺るぎない信念である。---

  • 新年の作業に進入した朝鮮青年が人民経済の各部門で先兵の役割を果たす

    【平壌1月15日発朝鮮中央通信】最高指導者金正恩党委員長の歴史的な新年の辞に打ち出されている戦闘的課題の貫徹に立ち上がった朝鮮青年が、人民経済の各部門で先兵の役割を果たしている。

    電力工業部門の青年が連日、生産計画を超過遂行している。

    平壌火力発電連合企業所の青年は、自力更生の旗印を掲げて新年の1月の電力生産計画を超過遂行するために革新を起こしている。

    昨年、発電設備増設の工事を成功裏に完工した北倉火力発電連合企業所の青年は職場間の競争を繰り広げて多量の電気を生産している。

    石炭工業を自立的経済発展の最前線に押し立てた朝鮮労働党の意を体して各地の炭鉱の青年が掘進に優先的な力を入れる一方、採炭と運搬設備の稼働率を高めて年明けから生産の成果をあげている。

    金策製鉄連合企業所、黄海製鉄連合企業所の青年炉まわり工は、技術規定と標準操作法の要求を守りながらチュチェ鉄を増産している。

    社会主義経済建設の主要攻略部門である農業部門を担当した各地の協同農場の青年作業班・青年分組員も多くの堆肥を生産して田畑に運び出すなど、新年の営農準備に拍車をかけている。

    金正淑平壌紡織工場と平壌かばん工場をはじめとする軽工業部門の各工場でも新基準、新記録を創造していく青年の活力に満ちた姿を見られる。---

  • 金正恩氏が「人糞集め」を止めさせる日

    金正恩氏が「人糞集め」を止めさせる日

    北朝鮮で、1年で最も苦しくて辛いと言われる恒例行事が始まっている。毎年1月から2月に行われる堆肥戦闘、すなわち「人糞集め」だ。絶対的に不足している肥料を補うために行われるのだが、これについて日本に在住する脱北者のSさんは次のように語った。

    「北朝鮮で何十年も厳しい生活を体験したので、日本ではどんなことでもやってのける自信はある。しかし、堆肥戦闘だけは死んでも二度とやりたくない」

    堆肥戦闘は、作業として苦しいだけではない。一昨年11月に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)兵士1人が、板門店の共同警備区域(JSA)から韓国側に亡命した。兵士は追手の銃撃を浴び、瀕死の重傷を負ったが、韓国側の医療チームによる懸命な治療によって、一命を取りとめた。

    兵士は二度の手術を受けたが、衝撃的な事実が明らかになる。兵士の腸内から、手術した医師が「見たことがない」と言うほどの大量の寄生虫が出てきたのだ。兵士がそうなってしまった原因の一つがまさに堆肥戦闘にあった。

    (参考記事:必死の医療陣、巨大な寄生虫…亡命兵士「手術動画」が北朝鮮国民に与える衝撃

    堆肥戦闘ではノルマが設定されるため、人々は正月早々、人糞を求めてさまよい歩く。ノルマを達成できなければペナルティーが待っているため人糞には値段が付き、商品として市場で取引される。さらに、人糞を巡るトラブルさえも起きる。

    別の脱北者のIさんは、「集めた人糞は、奪われないよう死守しなければならない(笑)。人のクソの取り合いで喧嘩したことも一度や二度ではない」と過去の苦労を苦笑いで振り返った。

    一方、一部では喜んで堆肥戦闘に参加するという人が現れたと、平安南道(ピョンアンナムド)の金城湖(クムソンホ)周辺に住む内部情報筋が伝える。

    (参考記事:「臭い、汚い、キツい」人糞集めに熱心な北朝鮮国民、そのワケは?)

    背景には金正恩党委員長による農業政策の変化がある。金正恩氏は2012年、協同農場の農地を農場員(農民)に任せ、収穫の一定割合だけを国家に納めさせ、残りは個人の取り分とする「圃田担当制」を導入した。いわゆるインセンティブ制度だ。この政策によって収穫が大幅に増えた農村もあるという。そうした農村では来年の収穫をさらに増やすために、農民たちは肥料となる人糞の確保に汗を流しているわけだ。

    それでも「圃田担当制」は、未だに一部での実施に留まっているようだ。

    (参考記事:北朝鮮の農民を苦境に追い込んだ「農業改革」の逆効果

    農民達が豊かになることは好ましいことだ。しかし自発的に農業を活性化させ豊かになればなるほど、国家の統制が効かなくなる可能性がある。そうしたことから、北朝鮮当局も様子を見ながら実験的に実施しているようだ。農民達の影響力が強くなれば、いずれ金正恩氏も「人糞を集めてはいけません」という指示を出すかもしれない。

  • 北朝鮮、日本政府に「徴用工」問題への介入を予告

    北朝鮮、日本政府に「徴用工」問題への介入を予告

    共同通信が12日付で報じたところによると、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は昨年12月、日本の植民地時代に徴用されるなどした朝鮮半島出身者の「強制動員」問題を日朝交渉で取り上げる用意があると、モンゴルを介して日本政府に伝えていたという。

    これはつまり、いま日韓の摩擦の種となっている従軍慰安婦問題や徴用工問題に、北朝鮮が介入してくるということを意味する。

    昨年来、対話の続いている北朝鮮と韓国だが、必ずしもすべての面でうまく行っているわけではない。北朝鮮は韓国に対して強い不信感を示してもいる。

    (参考記事:「韓国は正気なのか!?」文在寅政権に北朝鮮から非難

    金正恩党委員長は1月1日に行った施政方針演説「新年の辞」で、南北対話からは外部勢力、すなわち米国の影響を徹底して排除すべきだと強調した。韓国の文在寅政権は、イデオロギー的にはこれに共鳴しているかもしれないが、実行できるかどうかは別問題だ。

    (参考記事:日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開

    そんな中、日本を相手にした歴史問題は、南北が協調しやすい問題ではある。

    ちなみに共同によると、李容浩氏は「日本が拉致問題にこだわり続けるなら、提起せざるを得ない」と警告したという。しかし、この前提には何の意味もない。日朝交渉で、日本が拉致問題を取り上げないことなど絶対にあり得ないし、日本が拉致問題に言及しようがしまいが、北朝鮮が強制動員の問題を重要議題とするのは明らかだからだ。

    北朝鮮は昨年の段階ですでに、日本に対し、この問題で強い要求を行うことを示唆している。朝鮮労働党機関紙・労働新聞は11月11日付の論説で、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟の確定判決を支持すると同時に、判決を拒否する日本政府を非難。

    続けて、日本が戦時中に「840万人余りを誘拐、拉致、強制連行して戦場や重労働に送り込み、20万人の女性を性奴隷にした」と主張し、「日本の過去の罪悪に対する謝罪と賠償を必ずや百倍千倍にして受け取って見せる」と強調した。

    こうした主張のディテールについてはさておくとしても、日本政府は決して、北朝鮮のこうした姿勢を軽視すべきではない。日韓が1965年の国交正常化に際して締結した請求権協定では、日本が韓国に3億ドルを無償供与することなどで、国と国民の間の請求権問題については「完全かつ最終的に解決された」とされている。

    日本側はこれを根拠に韓国最高裁の判決を「あり得ない」としているわけだが、言うまでもなく、日本と北朝鮮の間には請求権協定のようなものは存在しない。完全に白紙の状態なのだ。

    また、戦争中の日本の行動を記録した資料の多くは、1965年には埋もれた状態にあったが、その後の研究で大量に発掘された。北朝鮮はそれらを韓国や中国はもちろん、日本国内や米国からも入手し、日本政府にぶつけて来るだろう。

    日朝間で「歴史バトル」が始まったら、その激しさは日韓間のそれの比ではないかもしれない。

    (参考記事:日韓「レーダー照射問題」の背後にある韓国政治の闇

  • 女性兵士への「性上納」強要だけじゃない…北朝鮮軍の末期症状

    韓国のニュースサイト、リバティ・コリア・ポスト(LKP)によれば、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)のある部隊で1月1日、末端の兵士たちが部隊指揮官の将校たちを襲撃し、メッタ打ちにする事件が発生したという。

    北朝鮮軍ではかねてから、食糧の横流しや女性兵士に対する性上納の強要など、軍紀のびん乱が進行していた。しかしそれらでさえも、上意下達が徹底された組織内で、上官が部下に対して権威を振りかざすことで発生蔓延してきたものだ。

    (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

    兵士が指揮官に集団暴行を加えるとは、軍事組織として末期症状と言えるかもしれない。

    LKPにことの顛末を語った現地情報筋によれば、事件が起きたのは中国との国境に面した両江道(リャンガンド)に駐屯する第26国境警備旅団のある中隊だ。北朝鮮軍では12月30日、金正恩党委員長の指示により、新年の贈り物として兵士1人当たり酒1瓶、食用油250グラム、タバコ1箱、砂糖と菓子1キロ、キムチと味噌を500グラムずつ、唐辛子200グラムと餅600グラム、豆腐1丁、リンゴ2個ずつが配られた。

    日本の基準で見ると素朴なものだが、食糧横流しのせいで飢えに苦しんでいる兵士たちにとっては、目が飛び出るほどのごちそうである。もっとも、これは国家や軍が準備したものではない。駐屯地域の住民にノルマを与え、軍に「差し入れ」をさせているのだ。

    いずれにしても、ごちそうを目の前にした兵士たちは喜んだ。ところが受け取ったそばから、それらはすべて指揮官に没収されてしまった。そして元日の朝、兵士たちに出された食事は餅と豆腐のおかずが少々に、部隊に供給されたハタハタ1尾、肉の切れ端すらほとんど入っていない豚汁がすべてだった。その一方、指揮官らは朝から豚肉を肴に、酔いつぶれるまで酒を飲んでいた。

    指揮官たちが酔いつぶれると、兵士たちは連れ立って、駐屯地の外へ憂さ晴らしの酒を飲みに行った。そして駐屯地に戻ると、酔いから覚めた1人の小隊長が、無断外出をとがめて兵士たちを殴打。これで兵士らの怒りが爆発し、指揮官たちに対する集団暴行に発展したというわけだ。

    (参考記事:【スクープ撮】人質を盾に抵抗する脱北兵士、逮捕の瞬間!

    騒ぎは、駆け付けた大隊兵士らによってほどなく鎮圧された。問題は、事件の後始末をどうするかだ。ことの経緯が上層部に知れたら、処罰されるのは兵士たちだけでは済まない。贈り物は、金正恩氏の命令で配られたものだ。それを横領するのは同氏の権威を傷つけることになり、万死に値する罪となる。

    (参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命

    つまりは暴れた末端兵士から管理責任を問われる大隊と連隊の指揮官たちまでが、まとめて粛清される可能性があるということだ。

    そのせいか、現場では事件を部隊内部で静かに処理し、配置転換などで済ませようとする雰囲気だと情報筋は語っている。しかしそうなると、軍内の自浄作用はまったく働かない。かくして、金正恩氏の軍隊はいっそう落ちぶれていくのだ。

    (参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い

  • 巨大タワマンが倒壊の危機…柱が膨張、地盤沈下も確認

    巨大タワマンが倒壊の危機…柱が膨張、地盤沈下も確認

    北朝鮮の首都・平壌の大城(テソン)区域に位置する「黎明(リョミョン)通り」のタワーマンション群は、同国最大のランドマークと言える。高さの面で言えば、日本のどのタワマンをもしのいでいるのだ。

    その一方、建築の「質」については、様々な噂がある。ただでさえ経済制裁で苦しい中、2017年の完工まで、工事期間がわずか1年しかなかったのだから無理もない。

    (参考記事:金正恩氏、日本を超えるタワーマンション建設…でもトイレ最悪で死者続出

    そしてやはりと言うべきか、最近になって重大な欠陥が見つかり、極秘裏に補強工事が行われていると韓国のリバティ・コリア・ポスト(LKP)が伝えている。

    LKPによれば、北朝鮮の黎明通りの建設を短期間に終えることが出来た理由として、独自開発した混合剤の効果を強調しているという。「この混合剤を使えば、氷点下15℃の酷寒の中でもセメントが速やかに乾燥する」というのだ。

    ところが黎明通りのタワマンで昨年、この混合剤を使用した柱が膨張し、また地下で地盤沈下が起きていることが確認されたとのことだ。これについて、北朝鮮国内の消息筋はLKPに対し、「科学的な検証が足りない混合剤を使用したうえ、基礎工事も不十分だったようだ」と語っている。

    柱と基礎の重大な欠陥が同時に見つかるとは、まさに倒壊につながりかねない危機と言って差し支えないだろう。実際、平壌では2014年、完成したばかりのマンションが崩壊して500人が犠牲になる大惨事があった。北朝鮮当局は従来、こうした事故を徹底して隠ぺいするが、このときは犠牲者の多くが朝鮮労働党中央委員会の職員家族だったこともあって、やむをえず公表している。

    (参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故

    デイリーNKジャパンは昨年10月、約2年前に脱北した元朝鮮人民軍(北朝鮮軍)兵士から話を聞くことができた。この元兵士は、黎明通りに次ぐ規模のタワマン群がある「未来科学者通り」の建設に動員された経験があるという。

    「未来科学者通りは金正恩が自ら旗を振った事業でもあり、当初は安全管理についても関係当局から厳しく指導されていました。しかし、現場に供給されているはずの資材が足りないといったことが、次第に増えました。現場の監督には、その問題を追及する権限がありません。横流しは、もっと上の方(上層部)がからんでいたのでしょう。しかも、どんどん工期が迫ってくる。セメントと砂の混合比率や鉄筋の使用量が、上層階に行くほどいい加減になっていきました。北朝鮮で地震はほとんど起きませんが、いずれ何かの拍子に、建物がぜんぶ崩壊してもおかしくありません」

    またこの元兵士によれば、現場では兵士や労働者の墜落事故が頻発したという。

    (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

    LKPによれば、黎明通りでは昨年の秋以降、極秘裏に補強工事が行われており、現場周辺には兵士が配置され、厳戒態勢が取られているという。それで問題が解決できれば何よりだろう。ただその前に、住民に「万が一」のリスクを説明しておくべきだと思うのだが。

  • 金正恩氏が購入した「過激アンダーウェア」と外交官潜伏の謎

    金正恩氏が購入した「過激アンダーウェア」と外交官潜伏の謎

    韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使は、出演した韓国のテレビ番組で、公館を離脱して潜伏しているチョ・ソンギル駐イタリア北朝鮮代理大使(1等書記官)について、次のように語っている。

    「最高位層ではないが、経済的にとても裕福で、外交官一族で出身も良い。チョ・ソンギル氏の父親も外務省大使であり、妻の父親も北朝鮮の外務省でかなり知られた大使だ」

    太永浩氏はまた、イタリアが北朝鮮指導層のぜいたく品を密輸するルートの中のひとつだったと指摘し、「2006年から2009年までイタリアで3年間研修を経たチョ・ソンギル氏は、密輸ルートに関わっていた可能性が大きい」とも話した。

    北朝鮮へのぜいたく品の輸出は、国連安全保障理事会の制裁決議によって禁じられている。しかし、たとえ制裁が科されていても、金正恩党委員長だけは欲しいものを手に入れてきたようだ。昨年10月7日、ポンペオ米国務長官が訪朝した際、これまで確認されていなかった新たな専用車「ロールスロイス・ファントム」に乗っていたことが映像からわかったのだ。

    金正恩氏は車好きで知られ、「走り屋」としてのエピソードがいくつも伝わっている。

    (参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路

    一方、英紙デイリー・メールは2017年4月、金正恩氏が「喜び組」のために、多額の金を費やして「セクシーアンダーウェア」を輸入していると報じたことがある。

    (関連記事:金正恩氏が大金をつぎ込む「喜び組」の過激アンダーウェア

    金正日時代にその存在が暴露された喜び組は、北朝鮮では「5課処女」とも呼ばれている。朝鮮労働党組織指導部の通称「5課」と呼ばれる組織が管理していると見られているからだ。

    彼女たちに与えられた任務は指導層の身近で仕えることだ。様々な専門分野に分かれており、最高指導者である金正恩氏や、その他の幹部らのありとあらゆる世話をする。なかには、特別な夜の奉仕を専門とする「木蘭組」という集団も存在するという証言もある。

    (参考記事:将軍様の特別な遊戯「喜び組」の実態を徹底解剖

    金正恩氏をはじめ指導層の「密かな楽しみ」のためでもあり、そして外部には絶対に知られてはいけない任務を持つ謎のセクションだけに、多額の金を投じているのだろう。

    そして言うまでもなく、こうしたぜいたく品の調達は、北朝鮮でも最高機密となっている。チョ・ソンギル氏が潜伏した理由はいまだ明らかにされていないが、もしかしたら、ぜいたく品密輸の「極秘ミッション」で、何らかの失敗を犯してしまったからだとは考えられないだろうか。

    (参考記事:【動画アリ】ビキニを着て踊る喜び組、庶民は想像もできません

  • 北朝鮮で「反体制」に立ち上がったエリート大学生たちの悲惨な末路

    北朝鮮で「反体制」に立ち上がったエリート大学生たちの悲惨な末路

    国連総会は12月17日の本会議で、北朝鮮における人権侵害を厳しく非難する決議を採択した。これに対し、北朝鮮の朝鮮人権研究協会は同月30日、公開質問状を発表。全6項目中の最初の質問は、「世界にわが国家のように人民が社会の主人となって政治的自由と民主主義的権利を思う存分行使する国がどこにあるのか」というものだ。北朝鮮の現状を考えれば、噴飯ものと言える内容だ。

    執拗な捜査

    しかし誤解すべきでないのは、北朝鮮国民の中にも自由な言論や民主主義、体制変革への待望が間違いなく存在するということだ。それが我々の目に見えないのは、体制による抑圧がそれだけ残忍かつ冷酷なものであることを示しているに過ぎない。

    (参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」

    1988年の夏には、首都・平壌で金日成総合大学の学生たちによる「投書事件」なるものが起きた。同大学は北朝鮮の最高学府であり、学生たちは文字通りのエリートである。

    米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えているところでは、手紙の内容は、金日成主席の独裁体制を厳しく批判し、古くなった社会主義制度ではもはや国の発展は望めないという体制批判だった。

    また、「白頭の血統(金氏一族)」への個人崇拝をも否定。さらには権力層が作り出した身分制度のせいで、知能も人格も備わっていない者たちが、祖父や父の七光を利用して幹部に登用されているとして、「それに抗議する自由すら奪われた人民の暮らしとは一体何なのか」と批判した。

    しかし言うまでもなく、学生らのこうした憂いが、その後の国家運営に生かされることはまったくなかった。金正日総書記の命を受けた秘密警察は執拗な捜査で学生たちをあぶり出し、全員を抹殺した。

    (参考記事:北朝鮮のエリート大学生が決起した「投書事件」の顛末

    そして金正日体制は、経済の崩壊に向かって突き進んでいく。事件のあった翌年、平壌では第13回世界青年学生祭典が開かれた。ソウルオリンピックを成功させた韓国に対抗すべく、金日成氏が誘致したものだ。

    大会開催に向け、ホテル、スタジアムなど様々な建物が建設されたが、巨額の建設費は、既に弱りつつあった北朝鮮経済に打撃を与えた。その後、共産圏の崩壊により援助を得られなくなり、度重なる自然災害が起こったことなども影響し、北朝鮮は大飢饉「苦難の行軍」という奈落の底に落ちていった。

    (参考記事:「街は生気を失い、人々はゾンビのように徘徊した」…北朝鮮「大量餓死」の記憶