利息200%の借金地獄で生きる北朝鮮の農民たち(上)

簡単にいうと「収穫時に、国が根こそぎ持っていってしまうから」である。

A氏の作業班では、年間計画(正式には「人民経済計画」)として、生産量1000トンが国から割り当てられていた。その中から◇軍糧米250トン、◇働く農場員への配給(分配)180トン、◇都市部住民への配給450トン、◇来年の栽培のための種ジャガイモ120トン、◇飼料40トンといったように、収穫物の行き先が決まっていた。

だが実際の生産高は、「500トンにも満たなかった」(A氏)。

虚偽報告の悪循環

この中でやりくりをしなければならないのだが、◇軍糧米250トン、◇種ジャガイモ120トン、◇飼料40トンなどは最優先課題として、必ず国に納めなければならない。すると農場に残るのはわずか数十トン。これを農場員に分配したところで、食べていくには全く足りないのである。