カテゴリー: 韓国

  • 韓国の尹錫悦大統領が憎悪する「従北反国家勢力」の正体

    韓国の尹錫悦大統領は3日夜、突如として「非常戒厳」を宣布。これを受け、戒厳司令官に就いた陸軍参謀総長の朴安洙(パク・アンス)大将が「国会と地方議会、政党の活動と政治的結社、集会、デモなど一切の政治活動を禁じる」とする布告を出し、戒厳軍部隊が国会に進入する事態となった。

    ところが、非常戒厳は宣布から約2時間半後、国会の議決を受けて撤回され、尹錫悦が振るった強権は一夜ともたず瓦解することとなった。

    尹錫悦は宣布の会見で、行政官に対する弾劾訴追を乱発し、政府予算の大幅削減を強要する野党・共に民主党を激しく非難。「韓国国会は犯罪者集団の巣窟となり、立法独裁を通じて国家の司法行政システムを麻痺させ、自由民主主義体制の転覆を図っています」とまで述べた。

    そして、「韓国国民の自由と幸福を略奪している破廉恥な従北反国家勢力を一挙に剔抉(てっけつ)し、自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布します」と、その目的を明らかにしている。

    強制捜査を受けていた「ある男」

    尹錫悦はつまり、共に民主党がイコール「従北反国家勢力」だと言っているのだろうか。そのようにも読めるが、明確に言い切ってはいない。いずれにしても、尹錫悦は共に民主党の行動が「内乱を企てる明確な反国家行為」だと言いながら、それがなぜ「従北」――北朝鮮の意に従ったものだと言えるかについては、まったく説明していない。

    仮に、共に民主党の行動が本当に北朝鮮の意に従ったものであると証明できるならば、尹錫悦の非常戒厳宣布はある程度、正当化されるかもしれない。今のところ、そのような展開が生まれる見込みは少ないが、韓国で何が起きているかを知るうえで、「従北反国家勢力」が何を指しているかを探ってみる意味はあるだろう。

  • 「ウクライナに送られた韓国製155ミリ砲弾、欧州全体より多い」最大33万発、米紙報道

    米国が今年、韓国から受け取り、ロシアと戦争中のウクライナに供給した155ミリ砲弾量が、すべての欧州諸国の供給量を合わせたものより多いという報道が出た。

    米紙ワシントンポストは4日、今年のウクライナ戦争の膠着状況を振り返る深層企画記事で、韓国製の155ミリ砲弾がウクライナに間接支援された過程を紹介した。

    今年初め、米国の生産量では月に9万発以上が必要なウクライナの需要の10分の1強しか満たせないという判断が出ると、ホワイトハウスのジェイク・サリバン国家安保補佐官は、弾薬を大量に保有している韓国に目を向けた。

    韓国は、155ミリ自走砲の世界最大の保有国であるとともに、頻繁に行われる大規模演習のため砲弾の消費量も多く、その需要を満たすため備蓄量・生産量ともに大きいという特徴がある。

    41日以内に現地へ

    しかし、韓国は交戦地域への武器供給を法律で禁止しているのが障壁だったと同紙は伝えた。

  • 「文在寅一派はこうして腐敗した」韓国知識人”反旗のベストセラー”が暴く闇

    「文在寅一派はこうして腐敗した」韓国知識人”反旗のベストセラー”が暴く闇

    8月末に韓国で発売されたベストセラー対談集『一度も経験したことのない国』の話題が、最近になり日本でも紹介されている。2週間早く発売された『検察改革とロウソク市民』というタイトルの本が別名「曺国(チョ・グク)白書」と呼ばれるのに対し、同書は「曺国黒書」と呼ばれる。

    「白書」は娘の不正入学や学歴の偽造、一家の不透明な投資ビジネスなどの疑惑に塗れて辞任した曺国前法相を擁護しているのに対し、「黒書」は疑惑の闇の深さと背景に光を当てようとするものだ。本の売れ行きは「黒書」の圧勝で、韓国国民の関心の向きを表していると言えるかもしれない。

    「民主主義をまともに学んでいない」

    『一度も経験したことのない国』の対談に参加したのは、以下の5人だ。

    陳重権(チン・ジュンゴン)元東洋大学教授
    徐珉 (ソ・ミン)    壇国大学教授、医学博士
    カン・ヤング       TBS(交通放送)科学専門記者、元プレシアン副編集局長
    キム・ギョンユル     経済民主主義21代表、元参与連帯執行委員長、会計士
    クォン・ギョンエ     弁護士、元民主社会のための弁護士会(民弁)

    いずれも、文在寅政権を誕生させた進歩系の言論や市民運動で活躍してきた人々だ。陳元教授は進歩系の代表的な論客で、徐教授は京郷新聞などに執筆してきた人気コラムニストだ。カン記者も著名なジャーナリストで、彼がかつて編集幹部を務めたプレシアンは、オーマイニュースと並ぶ代表的な進歩系ネット媒体である。

    キム会計士は少し前まで、進歩系の有力な市民団体である参与連帯の執行委員長だった。クォン弁護士が所属していた民弁も、強力な進歩系団体である。だが、曺国氏の疑惑に沈黙する日和見に失望し、両氏とも所属団体と別れを告げた。

    こうした経歴からもわかるとおり、『一度も経験したことのない国』の著者たちはいずれも、文在寅政権を支える進歩勢力のインサイダーである。文在寅大統領は就任の辞で「機会は平等で、過程は公正であり、結果は正義であるでしょう」と語った。それに対して著者らは、「就任の辞とは異なり、機会は平等ではなく、過程も公正ではなく、結果はまるで正義ではなかった」として、「『一度も経験したことのない国を作って見せる』という文大統領の公約は、私たちの期待とはまったく異なる方向で実現した」と嘆いている。

    (参考記事:「日本との関係をこれ以上ないほど悪化させた」韓国ベストセラーが批判

    彼らの批判の矛先は、ひとり曺国氏だけに向けられているわけではない。保守政権時代の「積弊(積み重なった弊害)」清算を叫びながら、身内の罪は問わない「新積弊」の実態と、そのご都合主義と表裏をなす新たな利権構造にまで切り込んでいる。

    「民主化運動をしていた」は本当か?

    そして、そのような流れを主導しているのが、「586政治エリート」であるというのも看過できない事実だ。

  • 日米から孤立…文在寅政権に中国が突き付ける「脅迫状」

    韓国紙・朝鮮日報によれば、ソウルに駐在する邱国洪・中国大使は先月28日に行われたフォーラムで、「米国が韓国本土に中国向けの戦略兵器を配備した場合、いかなる悪い結果がもたらされるか、皆さんも想像できるはずだ」と発言したという。

    韓国の識者らが恐れる本物の「国難」が、いよいよ幕を上げつつある。

    米韓同盟は動揺

    同紙はこの発言について、「韓国が米国の中距離ミサイル配備に応じた場合、『高高度防衛ミサイル(THAAD)』問題以上の報復を受ける可能性が高いので注意せよ」という意味の警告と受け取られている――と伝えた。

    韓国が2016年に米国の迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備を公表すると、中国政府は様々な経済制裁でこれに応じた。

    THAADの韓国配備は北朝鮮の脅威を理由としたものだったが、同システムのレーダーは最大探知範囲が1000キロに及ぶことから、中国は自国内の弾道ミサイルが無力化されることを懸念したのだ。中国の経済制裁により韓国が被ったダメージに比べれば、日本による輸出規制措置など生易しく感じられるほどだ。

    そして、ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約の消滅を受けて、米国が新たな中距離ミサイルの開発と配備に前のめりになっているのは周知のとおりだ。その標的は中国とロシアであり、配備候補地には日本と韓国も入っていると考えるべきだ。

    中距離ミサイルには目標への到達時間の短い弾道ミサイルと、命中精度の高い巡航ミサイルがあり、運用の仕方は様々だ。いずれにせよ、米国製の多種多様なミサイルで包囲されかねない中国の危機感は強い。

    そして今日(4日)からは、中国の王毅外相が2016年のTHAAD問題勃発以来、初めて訪韓する。これについて朝鮮日報は3日、「中国外相、あす『警告状』持参で来韓」と題した記事で、韓国政府周辺に漂う緊張感を伝えた。

    そうでなくとも文在寅政権は、歴史問題で日本と険悪な関係にある上、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄するか否かで米国との間でも葛藤を抱えた。GSOMIAの破棄はいったん、見送られたとはいえ、米韓同盟の動揺は完全には収まっておらず、韓国の孤立感は強い。この状況下で王毅氏が携えてくるメッセージは、「警告状」というよりも「脅迫状」に近いインパクトがあるのではないだろうか。

    (参考記事:日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開

  • 【動画】「日本の空軍力に追いつけない」韓国が悲鳴を上げる理由

    【動画】「日本の空軍力に追いつけない」韓国が悲鳴を上げる理由

    開発費に8兆ウォン(約7400億円)以上が投入される韓国の次期戦闘機(KF-X)事業に暗雲が立ち込めていると、韓国メディアが報じている。
    (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は

    2016年1月に開始され、昨年6月に基本設計が完了したKF-Xは、ハードウェアとソフトウェアの詳細設計を完了して部品製作が進行中とされる。試作1号機は2022年上半期の初飛行が目標で、2026年までに開発完了の予定となっている。(【動画】韓国が開発中の次期戦闘機KF-X

    だが、果たして計画が予定通りに進むかは、きわめて怪しい。韓国紙・世界日報によれば、「KF-Xに装着する空対空、空対地兵装を機体と統合する問題が難航している。レーダーを潜り抜けるステルス機能も、KF-Xの開発主体である韓国航空宇宙産業(KAI)と防衛事業庁の予想を下回る可能性が提起されている」という。
    (参考記事:「性能が貧弱すぎる」韓国の戦闘機計画からインドネシア離脱か

    このうち、兵装と機体の統合が難航しているのは、米国が関連技術の共有を拒否しているからだ。

    米国が、韓国への軍事技術の提供を拒否するのは今に始まったことではない。最近ではほかに、米海軍傘下の海洋システムコマンド(NAVSEA)のプログラム分析官であるジェームズ・キャンベル氏が先月28日(現地時間)、ワシントンDCで開かれた不拡散政策教育センター主催の専門家討論会で、韓国の原潜配備推進について「米国は韓国が同盟国だとしても(原潜)技術を渡さないだろう」と語っている。

    そのうえ、韓国は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する姿勢を見せ、米国から不興を買った。GSOMIAの破棄はいったん回避されたが、米韓には大きなしこりが残った。今後、KF-X事業などで、米国がさらに非協力的になるのは想像に難くない。(【動画】韓国が開発中の次期戦闘機KF-X

    こうした状況に、韓国の焦りは強い。韓国空軍機は相当数が旧式化しており、KF-Xの開発の遅れは致命的だ。また、ライバル視する日本の軍備増強が順調に見えるだけになおさらだ。

    世界日報は9月7日付の記事で、「中国とロシアの軍用機が韓国防空識別圏(KADIZ)に不正進入し、KADIZを無力化しようと試みている状況で、日本の空軍力の強化は、周辺国を緊張させている」と指摘。次のように続けた。

    (参考記事:「韓国の空母は日本にぜったい勝てない」韓国専門家も断言

  • 「韓国に致命的な結果もたらす」文在寅を腰砕けにした米国からの警告

    「韓国に致命的な結果もたらす」文在寅を腰砕けにした米国からの警告

    韓国政府は22日、日本政府に対し、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効を当面回避すると通告した。韓国政府は8月、同協定の破棄を決定。失効の期限(23日午前0時)直前に撤回した形だ。

    韓国の文在寅大統領は直前まで、輸出規制強化措置を取った日本の姿勢に変化がなければ、破棄の撤回はできないと強気の姿勢を示していた。それが急転直下の撤回となった理由が、米国からの強烈な圧力であったのは明白だ。

    (参考記事:「愚かな決定」「偏狭なミス」米専門家ら文在寅批判の大合唱

    ロイター通信によれば、米国防総省のホフマン報道官は21日の声明で、韓国が在韓米軍の駐留経費負担の大幅増額に応じない場合、1個旅団の撤収を検討しているとした韓国紙・朝鮮日報の同日付の報道を異例に強い表現で次のように否定した。

    あなたにおススメの記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く

  • 「歯がズレて死亡」米大生両親との面会拒否する文在寅の誤算

    「歯がズレて死亡」米大生両親との面会拒否する文在寅の誤算

    北朝鮮で長期にわたり拘束され、釈放直後に死亡した米国人大学生、故オットー・ワームビアさんの両親が22日から韓国を訪問する。ソウルで開催される「北朝鮮の拉致および抑留被害者たちの法的対応のための国際決議大会」に出席するためだ。

    ワームビア夫妻は訪韓に際し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に面会を要請したが、青瓦台(韓国大統領府)がこれを拒否。国内の一部で批判の声が上がっている。

    ズレた歯列の証拠写真

    青瓦台が面会を断った理由は、大統領の日程上、調整が難しいというものだ。韓国紙・朝鮮日報の報道によれば、青瓦台の国家安保室は夫妻に対する回答書で「送ってくださった書信はきちんと受け取って読んだ。大統領との面会を希望されるお気持ちは私どもも十分に理解している」としながらも、面会要請を断った上で「ご家庭の幸せと健康をお祈りする」とつづったという。

    確かに、多忙をきわめる大統領が、日程の都合で会えないというのは十分にあり得ることだ。しかし、今回はタイミングが悪い。

    韓国政府は7日、刑事事件の容疑がかけられている北朝鮮の船員2人を、亡命を望む本人らの意思に反して強制送還し、国内外から批判を浴びている。韓国が批准している国連拷問禁止条約が第3条において、「締約国は、いずれの者をも、その者に対する拷問が行われるおそれがあると信ずるに足りる実質的な根拠がある他の国へ追放し、送還し又は引き渡してはならない」と定めていることが根拠のひとつだ。

    そして死亡したワームビアさんは、北朝鮮で拷問を受けていた可能性が高いと指摘されている。

    その有力な証拠のひとつは、2014年からワームビアさんの歯の治療に当たっていたタッド・ウイリアムス博士が同地裁に提出した複数の写真だ。その写真とは、北朝鮮で拘束される以前に撮られた、ワームビアさんの下の歯が見える顔写真とX線写真、そして死亡後の検視の際に撮影された頭蓋骨のスキャン画像の3枚だ。

    たしかにこれらを見比べると、拘束前のワームビアさんの歯並びはきれいなのに、スキャン画像では下の中央の歯2本が歯列の内側へ大幅にズレていることがわかる。

    (参考記事:北朝鮮が拷問か…死亡の米大学生の歯列変形。米メディアが写真公開

    文在寅大統領はかねてから、金正恩党委員長との対話を優先するため、北朝鮮における人権侵害の深刻さから目を背けてきた。ワームビア夫妻との面会を拒否したことは、その事実をより強く印象付けるだろうし、船員2人の強制送還を巡る批判にも、いっそう勢いを与えることになりかねないだろう。

  • 「韓国は腹立ちまぎれに自害した」米国から見たGSOMIA問題の本質

    韓国の聯合ニュースによれば、青瓦台(大統領府)のコ・ミンジョン報道官は15日に出演したラジオ番組で、失効期限が迫る韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について「日本の態度に変化がない限り韓国政府もGSOMIA終了の決定を覆すのは難しい」との立場を明らかにしたという。

    韓国の文在寅政権は、日本が韓国への輸出規制強化措置を取ったことへの報復として、GSOMIAの終了――つまりは破棄を決定した。ところが、北朝鮮だけでなく中国やロシアへの対抗上、日韓にも増してGSOMIAを重要視する米国が猛反発。米韓同盟を揺るがす事態に発展しており、韓国国内では終了決定の撤回を求める声が多く上がっている。

    しかしコ報道官は、「韓日関係に何の変化もない状況の中で、われわれが後先を考えずにGSOMIA終了を覆すことになれば、終了決定が慎重でなかったという話になる」として、終了決定の撤回はあくまで日本の態度変化が前提だと強調したという。

    しかし現状を踏まえれば、この説明自体が、韓国の国益に反していることは誰にでもわかる。

    終了決定を撤回すれば、文在寅政権は強い批判を浴びるだろう。だが少なくとも当面は、米韓同盟の動揺はやわらぐ。つまり、文在寅政権の利害と韓国の国益は矛盾しており、政権は国益よりも自分たちの政治的利益を優先しているということなのだ。

    そもそも、米国は文在寅政権による終了決定前から、韓国にGSOMIA延長を求め続けていた。

    (参考記事:「何故あんなことを言うのか」文在寅発言に米高官が不快感

    それにもかかわらず終了を決定したのは、GSOMIAを人質に取って米国に日本を説得させるしか、輸出規制強化から逃れる術を思いつかなかったからだろう。その挙句の強行突破が裏目に出ているわけだから、コ報道官が危惧するとおり、文在寅政権の「終了決定が慎重でなかった」わけなのだ。

    こうして生まれた状況についてワシントンDCのシンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)のデビッド・マクスウェル主任研究員は韓国紙・中央日報とのインタビューで「GSOMIA中断の決定は(韓国が)腹立ちまぎれに自害した格好(Cutting off the nose to spite the face)だ」と語っている。なかなか絶妙な表現だが、事態はさらに悪くなっている。韓国は今や、文在寅政権と「心中」させられる瀬戸際だ。

    (参考記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く

    朝鮮日報によれば、米国政府関係者は「韓国が我々の立場を受け入れていないなら、『パーフェクト・ストーム(最悪の状況)』に見舞われるかもしれない」とまで言って、GSOMIA延長を求めているという。しかし文在寅氏は、このまま「腹立ちまぎれに自害」してしまう可能性が非常に高い。果たしてその後、どんな事態が巻き起こるのだろうか。

  • 国際人権団体も指摘する、文在寅政権「拷問禁止条約」違反の疑い

    北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)のマイケル・カービー元委員長は14日までに、韓国政府が北朝鮮の漁船員2人を北に強制送還したことについて、「憲法的、法律的、行政的な制限があるはずだ」との見解を、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対して述べた。

    韓国政府は7日、亡命意思を示していた北朝鮮の20代男性2人を、漁船上で同僚16人を殺害した疑いがあるとの理由で板門店(パンムンジョム)から追放し、北朝鮮側に引き渡した。しかし、殺害の容疑は客観的な捜査で立証されたものではない。

    様々な拷問

    また、北朝鮮を正当な国家と見なさず、すべての北朝鮮国民を自国民として扱う韓国の憲法解釈によれば、刑事事件の犯人であろうがなかろうが、韓国政府は本人の意思に反して脱北者を北に送り返すことはできない。

    そのため今回の強制送還については、韓国国内の人権団体のみならず、国際社会からも批判の声が上がっている。

    国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は12日付の報道資料で、今回の韓国政府の措置が、国連拷問禁止条約に違反すると指摘した。報道資料は「北朝鮮の司法体系は極度に残忍で、(船員2人が)拷問される可能性があるのに彼らを北朝鮮に送り返したことは国際法上違法」としながら「韓国は2人に対する容疑を徹底的に調査して、彼らが北送されることに十分に異議を提起する機会を与えるべきだった」と指摘している。

    国連拷問禁止条約は第3条において、「締約国は、いずれの者をも、その者に対する拷問が行われるおそれがあると信ずるに足りる実質的な根拠がある他の国へ追放し、送還し又は引き渡してはならない」と定めている。

    北朝鮮国内で、様々な形の拷問が横行しているのは国際社会で広く認識された事実であり、今回の措置は明らかに同条約に違反している。

    (参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

    国連総会第3委員会(人権)は14日、北朝鮮の人権侵害を非難する決議案を議場の総意により無投票で採択した。同趣旨の決議採択は15年連続だ。12月に総会本会議で採択される見通しだが、それまでの議論において、今回の強制送還についても批判的に言及されるべきではないだろうか。

  • 米国が繰り返し「ウソ」を指摘…文在寅「国家安保室」の暴走

    米国が繰り返し「ウソ」を指摘…文在寅「国家安保室」の暴走

    韓国政府は7日、北朝鮮の20代男性2人を、南北の軍事境界線にある板門店(パンムンジョム)を通じて北朝鮮に追放した。2人は韓国に亡命する意思を示していたにも関わらず、強制送還したのだ。韓国が脱北者を強制送還したのは、これが初めてのケースだ。

    統一省はその理由について、2人は乗務していたイカ釣り漁船の船上で同僚16人を殺害したと見られており、「重大な犯罪であり、韓国の国民の生命や安全の脅威となる。凶悪犯罪者として、国際法上の難民としても認められないと判断した」と説明している。

    しかし16人殺害の疑いは、客観的な捜査によって立証されたものではない。仮に事実だとしても、強制送還は韓国の憲法や各種の国際法に違反する可能性が高い。ろくに調査も行わず拙速に強制送還を実行した政府の措置には、韓国の国内外から強い批判が出ている。

    ホワイトハウスの怒り

    韓国紙・東亜日報は11日、「北朝鮮への追放決定は、管轄機関である統一部(省)と国家情報院が独自の意見を出さず、国家安保室が職権で決定した」と伝えた。国家安保室は青瓦台(大統領府)に置かれている行政機関で、国家の安全保障に関わる大統領の職務を補佐する。

    東亜日報の報道を受け、統一省は同日、「青瓦台の安保室と関係官庁が緊密に協議し、決定した」と反論するコメントを出した。しかし、国家安保室の単独での決定は否定したものの、同室が主導したことは認めている。

    国家安保室はこのところ、様々な場面で悪名が高い。

    今月初め、同室の鄭義溶(チョン・ウィヨン)室長は国会運営委員会の国政監査で、「北朝鮮が移動式発射台(TEL)で大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するのは困難」と主張した。これに対し、韓国国内では一気に非難の声が噴出し、米国科学者連盟非常勤シニアフェローのアンキット・パンダ氏もツイッターで「韓国の国家安保室長が『開いた口がふさがらないほどの大うそ』をついた」と批判した。北朝鮮は2017年だけで3回もTELからICBMを発射しているのだから、当然の反応と言える。

    国家安保室長がこのような事実のわい曲を行うのは、南北対話に執着する文在寅大統領の意向に沿い、北朝鮮の脅威を過小評価するためだろう。またこの出来事を考え合わせると、冒頭で言及した脱北者の強制送還も、北朝鮮の顔色をうかがうためだったのではないかと疑わざるを得ない。

    国家安保室は韓国政府による日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を巡っても、米国からの非難の的になっている。韓国紙・朝鮮日報によれば、ホワイトハウスの高位関係者は、同室の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)第2次長がGSOMIA破棄について米国の理解を得ていたと取れるような説明をしていたことについて「嘘だ」と強く否定したという。

    (参考記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く

    韓国の安全保障の指令となるべき機関が、逆に国家安保をき損する役割を果たしているわけだ。国家安保室は今後、野党やメディアから集中的な検証を受ける可能性が高い。そこで明らかにされる内幕のあり方によっては、文在寅政権そのものが大きく揺らぐ事態につながるかもしれない。

  • 「そもそも日本に請求できるものはなかった」韓国ベストセラー日本上陸の破壊力

    「そもそも日本に請求できるものはなかった」韓国ベストセラー日本上陸の破壊力

    この夏、韓国の大型書店で軒並みベストセラーを記録した書籍『反日種族主義』の邦訳本が、もうすぐ日本で発売される。

    李栄薫(イ・ヨンフン)元ソウル大学教授ら6人の研究者が執筆した同書は植民地統治下の朝鮮半島で「日本による土地やコメの収奪はなかった」「従軍慰安婦の強制連行はなかった」などと主張し、韓国で大いに物議を醸した。

    韓国の左派からは同書に対し、「日本の公式見解をそのまま引き写したものだ」などという批判が浴びせられたが、一読してみれば、それがまったく的外れであることがわかる。例えば、娘の進学や一族の投資を巡りスキャンダル塗れとなり、就任早々に辞任したチョ・グク法相は、同書を読みもせずに「ゴミ」呼ばわりした。

    しかし、いかに彼らの歴史認識とかけ離れていても、同書は決して「ゴミ」などではない。ていねいに検証すべき立派な論考である。

    それに李栄薫氏らは決して、日本による朝鮮半島支配を美化しているわけではない。その時、何が、どのようにして起きたかを再現することに努めているだけだ。そしてその目的について同氏は、本の序盤で述べている。

    同氏によれば、韓国の歴史家が日本の朝鮮半島支配について事実を誤解したりわい曲したりするのは、「日帝が朝鮮を支配した目的、メカニズム、結果、その歴史的意義を理解できなかった」からだという。たしかにこれらを理解できなければ、歴史論争がまともなものになるはずがない。同書の著者らは、この点についての認識の修正を試みたわけだ。

    それでも、日韓の国交正常化交渉では「そもそも(韓国側が日本に)請求するものなどなかった」などとする同書の主張は、反日に染まった韓国左派には到底、直視できないものかもしれない。しかし、どうしてそのように言えるのかについて目を向けなければ、議論をリードすることはできない。

    恐らく、韓国でベストセラーになった同書を、日韓の歴史問題に関心を持つ多くの日本人が手に取るだろう。そして韓国側との論戦に備え、大いに参考にするかもしれない。同書で理論武装した日本側の論客は、従来にも増して強力になるのではないか。そのような強力な主張と向き合ったとき、同書を読みもせず「ゴミ」呼ばわりした韓国左派は、大いに後悔することになるかもしれない。

    (参考記事:「この国は嘘つきの天国」韓国ベストセラー本の刺激的な中身

  • 文在寅政権の破滅を呼ぶ「憲法違反」の重大疑惑

    文在寅政権の破滅を呼ぶ「憲法違反」の重大疑惑

    韓国政府は7日午後、北朝鮮の20代男性2人を、南北の軍事境界線にある板門店(パンムンジョム)を通じて北朝鮮に追放した。

    追放後に韓国統一省が発表したところによれば、2人は今月2日に日本海上で拿捕(だほ)した北朝鮮のイカ釣り漁船の船員で、船内で16人の乗組員を殺害し、逃亡していたものとみられるという。韓国政府が5日、北朝鮮側に2人の追放の意思を伝えたところ、6日に北朝鮮側から引き取るとの返事があったという。

    2人は韓国に亡命する意思を示していたとされ、追放は事実上の強制送還に当たる。韓国政府が亡命意思を持つ北朝鮮国民を強制送還したのは初めてだ。その理由について統一省は、「重大な犯罪であり、韓国の国民の生命や安全の脅威となる。凶悪犯罪者として、国際法上の難民としても認められないと判断した」としている。

    しかし、この措置には韓国の国内外から厳しい批判の声が上がっている。デイリーNKと同一グループの国民統一放送など、韓国と米国の18の人権NGOは11日、共同声明を発表。文在寅政権による強制送還措置の違法性を指摘した。

    では一体、何が問題なのか。

    まず、2人に犯罪の容疑があったならば、十分に時間を割いて、真相を徹底的に究明するのが先決だった。しかし、韓国政府による調査期間はわずか5日であった。送還の翌日、韓国政府はイカ釣り漁船も北朝鮮当局に返還した。犯罪の事実を見極めるための重要な証拠資料を処分したのである。

    次に、統一省は2人が凶悪犯罪者だったことを理由に、また「北朝鮮離脱住民の保護及び定着支援に関する法律」第9条を根拠に強制送還を正当化しているが、これも話にならない。この条項は、脱北者を「保護対象者として決定していないことができる」としているだけで、どこにも追放への言及はないのだ。

    韓国政府が同法に基づいて脱北者を保護対象者として決定した場合、その脱北者は政府から定着支援金や住宅・教育・医療・雇用面での支援を受ける。犯罪の前歴を理由に保護対象にならなかったら、これらの支援を受けられなくなるだけだ。

    そもそも大韓民国の憲法や各種の法律には、同国に入国した北朝鮮国民を、本人の意思に反して強制的に送還できる規定はない。また、北朝鮮との間に犯罪人の引き渡しに関する取り決めもない。それ以前に、朝鮮半島全体を自国の領土としている韓国の憲法によれば、北朝鮮は国家として認められておらず、北朝鮮国民は韓国の国民ということになる。それにもかかわらず、件の2人について適法な司法手続きも行わず、北朝鮮に引き渡してしまったというのは、憲法違反の疑いありということになる。

    実際、韓国に潜入した北朝鮮の武装工作員が、銃撃戦で韓国軍兵士らを殺傷した末に逮捕・収監され、後に転向して亡命の意思を示し、韓国国民として社会生活を送っている例もあるのだ。

    今回の場合、16人殺害が仮に事実であっても、捜査の結果として立証できず、本当は凶悪犯である2人を韓国社会に放ってしまうリスクはあったかも知れない。それに、北で犯した殺人を韓国で裁けるのか、という問題もある。しかしそれとて、事実の見極めがない時点での心配事であり、憲法違反を犯してよい理由にはならない。

    また韓国政府は、2人が北に送還された場合、拷問などの虐待を受ける蓋然性が高いと認識できる立場にある。韓国政府が批准している国連拷問禁止条約は第3条において、「締約国は、いずれの者をも、その者に対する拷問が行われるおそれがあると信ずるに足りる実質的な根拠がある他の国へ追放し、送還し又は引き渡してはならない」と定めており、送還は同条約に違反している。

    (参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

    そしてさらに由々しきは、韓国政府がこの一件を、国民の知らぬ間に処理しようとしていた形跡があることだ。韓国メディアが途中で送還の情報をつかんでいなければ、政府は送還が行われるまで何も発表しないか、あるいはまったく隠ぺいしてしまったかもしれない。

    また、送還の決定は主務官庁であるはずの統一省や国家情報院ではなく、青瓦台(大統領府)の国家安保室が主導している。国家安保室は日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄や北朝鮮の弾道ミサイル能力評価を巡り再三にわたって「ウソ」が指摘されるなど、このところ悪名が高い。

    憲法違反の疑いが絡む事柄だけに、この問題に対する野党やメディアの追及は激しいものになるだろう。もしかしたら、文在寅政権の命取りにもなりかねない。

    それにしても、青瓦台はなぜ、このような敏感な問題で、これほどリスキーな行動に出たのだろうか。

  • 文在寅政権の「自滅」を引き寄せる大統領側近らの忖度

    文在寅政権の「自滅」を引き寄せる大統領側近らの忖度

    韓国の情報機関、国家情報院(国情院)の徐薫(ソ・フン)院長は4日に開かれた国会情報委員会の国政監査で、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に移動式発射台(TEL)を利用していると明かした。

    この3日前、青瓦台(韓国大統領府)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が国会運営委員会の国政監査で、「東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射場が廃棄されれば北朝鮮にICBM発射能力はない」と断言したのを覆す形となった。

    日韓関係にも弊害

    韓国では以前から、国防省や外務省、国情院など専門機関と青瓦台の間で、こうした意見の食い違いが少なからず生じている。それが最近になって、より顕著になっているように見える。

    上述した事例のほかにも、北朝鮮が最近、試射を重ねている短距離弾道ミサイルやロケット砲、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)について鄭氏が「韓国の安全保障にとって重大な脅威にはならない」としたのに対し、国情院は、一連の新兵器が発射兆候をつかむのが難しい固体燃料を使用していることを理由に、脅威になり得るとの認識を示してる。

    このような食い違いが生じるのは、各専門機関の分析は担当部門に長く携わったエキスパートが主導しているのに対し、青瓦台は政権交代時に政治任用された大統領の側近たちが中心となっているためだ。つまり、専門機関が客観的事実の積み重ねの上に結論を求めているのに対し、青瓦台の大統領側近らは対北融和を進めたい大統領の意思を忖度し、北朝鮮の脅威を矮小化している疑いがあるわけだ。

    これと同じ現象は、米韓関係や日韓関係にも見られる。

    鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相は4日の国会国防委員会で、22日に終了する予定の日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、「我々の安保に少しでも役に立つなら、このようなことはずっと維持されるべき」との見解を述べた。同時に、日本による輸出規制が解消されるべきとも言及しているが、鄭景斗はこれまでにも再三にわたり、GSOMIAの必要性を指摘している。

    また韓国メディアの報道によれば、このままGSOMIAを破棄した場合、これに一貫して反対してきた米国からどのようなリアクションがあるか、そのリスクの大きさについて外務省は十分に認識しているという。

    それにもかかわらず、青瓦台は日本が輸出規制措置を撤回しない以上、GSOMIA破棄も撤回しない意思を固めているという。しかし、日本はこれにまったく応じようとしておらず、客観的に見て応じる必要性もない。

    青瓦台は恐らく、このままGSOMIA破棄に突き進むだろう。そしてそれが現実となり、韓国が同盟の中で孤立したとき、韓国国内では青瓦台が孤立し、いよいよ文在寅政権の危機につながっていくのかもしれない。

    (参考記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く

  • 「米国は韓国の味方をしない」文在寅政権の進退きわまる

    今後の対米・対日関係の成り行きに、韓国が緊張している。

    保守系全国紙の東亜日報、朝鮮日報、中央日報は揃って、日本経済新聞(2日付)が掲載したマーク・ナッパー米国務省副次官補(韓国・日本担当)のインタビューと、読売新聞(同)のジョセフ・ヤング駐日米国臨時代理大使のインタビューに言及した。

    両氏のインタビューはともに、韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了(破棄)を宣言したことについて、撤回を求める内容だ。GSOMIAは今月22日いっぱいで期限切れとなる。

    特に朝鮮日報は、「GSOMIA問題を直接扱う米政府の中心的官僚2人が別の日本の新聞とのインタビューで『GSOMIA維持』を強調したのは、『米国は韓国の味方をしない』というメッセージと解釈できる」とまで分析している。

    そもそも、米国が日韓のGSOMIAが維持されるのを熱望していたことは、当初からわかっていたことだった。それを振り切って韓国の文在寅政権がGSOMIA破棄を宣言したのは、GSOMIAを人質に取り、歴史問題への報復として発動した輸出規制措置を日本が撤回するよう、米国に説得させようと思ったからだ。

    しかし、それが裏目に出たことは早々に判明した。米国が異例に強い表現で、繰り返し韓国に抗議したのだ。もはや文在寅政権としては、早めにGSOMIA破棄を撤回する口実を見つけ、米国との対立を終わらせるのが得策と言える。

    ところがだ。東亜日報によると、青瓦台(韓国大統領府)は「日本が韓日対立の解決に消極的な態度であるため、輸出規制強化の解決がないGSOMIA延長は『絶対不可』の方針を固めている」という。日本と韓国のどちらが正しいかを棚に上げて論じたとしても、これほどの愚策はない。

    なぜなら日本としては、韓国がGSOMIA破棄に固執してくれるほど、米国を自分の側に引き寄せることができるからだ。

    結局、文在寅政権がGSOMIA破棄を撤回できないのは、国内の支持者に対して説明がつかないからであり、つまりは与党の再選を優先する党利党略なのだ。国民の利益も日米との安保協調も二の次、三の次だ。予定通りGSOMIAが破棄され、それが浮き彫りになった場合、米国が韓国に対してどのような圧力を行使するかは、過去の猛烈な非難を振り返ればおのずと想像がつく。

    (参考記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く

  • 「機密事案、韓国にわたさない」米国が文在寅政権に冷たい視線

    「機密事案、韓国にわたさない」米国が文在寅政権に冷たい視線

    原潜や空母を欲しがるのは、それらを持つことで周辺国に対して立場を強めたいという、民族派政治家たちの「危険な遊び」に見える。
    (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は

    韓国では近年、原子力潜水艦を保有すべきとの主張が台頭している。北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発に力を入れており、これを搭載した潜水艦が実戦配備された場合、常時監視と即応体制の強化のため、長期間にわたり水中活動が可能な原潜が必要である、との理屈だ。

    文在寅大統領も大統領選挙の候補者だったとき、原潜の必要性に言及している。

    韓国左翼の「危険な遊び」

    だがどうやら、こうした構想に対する米国の視線は冷たいようだ。

  • 米国が韓国に「最後通牒」…日本との安保対立めぐり

    米国が韓国に「最後通牒」…日本との安保対立めぐり

    デビッド・スティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は26日、都内の在日米国大使館でメディアの取材に応じ、韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を宣言したことを巡り、文在寅政権に決定の撤回を求める考えを示した。

    米「韓国に致命的な結果」

    スティルウェル氏は同時に、「日韓双方に2国間の摩擦解消に向けて働きかける」と述べており、韓国だけを圧迫したわけではない。

    しかし、GSOMIAは11月22日いっぱいで失効する。こうしたタイムリミットがあるだけに、韓国メディアの受け止め方は深刻だ。

  • 米国が文在寅政権に「異例の圧迫」…失政のツケは国民に

    韓国と米国が2020年以降の在韓米軍の駐留経費負担の規模を決める2回目の協議が23日午前(日本時間24日早朝)から、米ハワイ州ホノルルで2日間にわたり行われた。

    米国はこれに先立ち、韓国の防衛にかかる費用が年間48億ドル(約5215億円)にのぼると文在寅政権に伝え、韓国側の大幅な負担増額を求めている。2019年の韓国側の負担額は1兆389億ウォン(962億円)だから、48億ドルはその5倍以上だ。

    「敵性国」向けの表現

    トランプ政権の内部やその周辺にも、同盟国に対するこうした態度を批判する向きは少なくないとされる。韓国が同政権の圧力から自分の身を守るには、そのようは世論の支援を受けることが不可欠と言える。

  • 「敵性国に使う言葉」で抗議…米国が文在寅政権に激怒か

    「敵性国に使う言葉」で抗議…米国が文在寅政権に激怒か

    韓国・ソウルで18日、親北朝鮮派の韓国人学生ら17人が駐韓米大使公邸の敷地内に侵入する事件が発生した。学生らは全員が警察によって逮捕されるまで、1時間以上にわたりハリー・ハリス米大使の帰国を求めるデモを繰り広げた。当時、ハリス氏と家族は不在だった。

    韓国の警察当局によれば、学生らは「韓国大学生進歩連合(以下、大進連)」のメンバー。侵入した男女17人のほか、敷地外でこれをほう助した男性2人の計19人を共同住居侵入、「集会および示威に関する法律」違反などにより現行犯逮捕したという。

    大進連は最近、北朝鮮の金正恩党委員長を称賛する大会をソウルで開いている。今回の侵入の動機については、米国政府が在韓米軍の駐留経費の負担額を増やすよう韓国政府に要求しているためと説明しているもようだ。

    この事件を受け、在韓国米国大使館は同日、「大韓民国が、全ての駐韓外交公館を保護するための努力を強化することを強く促す(We urge the ROK to strengthen its efforts to protect all diplomatic missions to the Republic of Korea)」との声明を出した。

    これについて韓国紙・朝鮮日報(日本語版)は19日付で、次のように伝えた。

    〈外国公館が接受国の政府に向けて、何らかの措置を「強く促す」というのは、外交的には極めて強い表現だ。元外交官は「urgeという表現は通常、敵性国に使うもので、同盟の間ではあまり使わない」と語った。〉

    ソウルの米大使公邸には昨年9月にも、中国朝鮮族の女性が夜10時ごろ大使公邸に無断侵入する出来事があったというから、米国側の怒りは理解できる。しかしだからと言って、敵性国に用いる言葉が出てくるものだろうか。

    韓国では朴槿恵政権下の2015年3月、マーク・リッパート駐韓米国大使(当時)が刃物を持った反米運動家に襲撃され、頬を深く切りつけられる事件があった。後に弾劾により崩壊することになる朴槿恵政権の内実がどのようなものであったにせよ、少なくとも対米関係は良好で、対北朝鮮でも問題なく共同歩調が取れていた。

    それを反映し、韓国の大衆はリッパート氏の快復を祈るメッセージを(いささか過剰なまでに)積極的に送り、親韓家として知られる同氏はこれに笑顔で応えた。

    当時と現在の雰囲気の落差は、間違いなく、米韓両政権の不信感の深さが背景にある。

    (参考記事:「何故あんなことを言うのか」文在寅発言に米高官が不快感

    チョ・グク前法相の辞任などで窮地に追い込まれた文在寅政権は、米国が北朝鮮との経済協力を認めないことで、膠着した南北対話を打開できないことへの不満が大きいと見られる。

    しかし現実は、米国との強固なパートナーシップなくして、南北対話を前進させることはかなわないことを物語っている。こういうときこそ、余計なアクシデントは絶対に起こしてはならないものなのだが、起きてはならない事件が起きてしまったと言えるだろう。

  • 「韓国に致命的な結果もたらす」対日問題で米の警告に韓国動揺か

    韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相は18日の国政監査で、韓国政府が終了(破棄)を宣言した日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、「それもひとつの(安全保障のための)手段であるため、役立つ部分は明確にある」とし、「まだ機会は残っていると思われる」と述べた。

    これを受けて聯合ニュースは、「日本との交渉次第では、決定を撤回する可能性があることを示唆したものと受け止められる」と伝えた。同協定は11月23日午前0時をもって失効することになっているが、それまでは撤回の余地が残されている。

    韓国政府がGSOMIAの破棄を決定したのはそもそも、徴用工問題と絡み韓国に対する輸出規制措置を発動した日本をけん制するためだ。だから、日韓関係が何らかの形で改善すれば、決定が撤回される可能性は当初からあった。

    しかし日本政府は、輸出規制措置などで折れる姿勢をいっさい見せていない。ならば韓国側としても、破棄の撤回を積極的に示唆する状況ではないはずだが、別の部分で何らかの変化があったのだろうか。

    まず考えられるのは、米国からの圧力だ。この間、米国政府は韓国のGSOMIA破棄決定に対し、日本よりもよほど敏感な反応を見せてきた。それもそうだろう。日韓のGSOMIAは北朝鮮だけでなく、中国やロシアを念頭に置いた弾道ミサイル防衛を米国が構築する上で、なくてはならないものだからだ。

    それを知ってか知らずか、韓国政府は日本への当てつけとしてGSOMIA破棄を決め、米国の逆鱗に触れてしまった。たとえば、外交問題評議会(CFR)シニア・フェローで知韓派としても知られるスコット・スナイダー氏は米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対し、「GSOMIAは韓国と日本の2国間関係だけでなく、米国を含む3者の協力とも密接に関係しているだけに、これを解体しようとする行動は、韓国に致命的な結果をもたらす」と指摘している。

    文在寅政権が、こうした米国からの度重なる警告に、動揺を募らせてきた可能性は低くない。この問題以外にも、同政権と米トランプ政権との間では不協和音が響き続けており、同盟の行く末を憂慮する声は韓国政府内にも少なくないはずだ。

    (参考記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く

    実際、韓国政府の中でも国防省や国家情報院では当初から、GSOMIAは日韓対立と切り離して維持すべきだとの声が強かったとの話がある。それを、大統領と青瓦台(大統領府)が押し切ったというのである。

    だが、チョ・グク前法相の辞任などで、大統領と青瓦台は大きな打撃を受けた。もしかしたら青瓦台のパワー低下が、GSOMIA維持を望む「現実派」の発言力を強めているのかもしれない。

  • 「韓国のGSOMIA破棄は北朝鮮と関係ある」元米軍司令官が指摘

    「韓国のGSOMIA破棄は北朝鮮と関係ある」元米軍司令官が指摘

    韓国紙・朝鮮日報によれは、ソウルで15日、「韓米同盟、このままでよいのか」をテーマとするセミナーが開かれた。この席でビンセント・ブルックス元韓米連合司令官は「北朝鮮が『自主』の概念を強調し、韓米同盟を弱体化させるのを阻止すべきだ」と呼び掛けたという。

    米国の強烈な不満

    昨今、韓国の左派世論は「反日」により席巻されているが、彼らの思想の土台にはもともと、より強烈な「反米自主」の意識があった。歴代の保守政権は米国に従属しており、韓国は米国の半植民地であるとの見方をしていたからだ。

    筆者が過去形で述べているのは、近年になってからは運動圏出身の政治家たちの間でも、さすがにこのような発言は見られなくなったからだ。時を経ながら、彼らの米国に対する認識にも変化が起きたのかもしれない。

    それでもホンネの部分、深層心理の部分ではわからない。

    「反米自主」の意識が、韓国の左翼政治家たちの意識にDNAのように組み込まれているとすれば、それは容易になくならないだろう。そしてそれは、北朝鮮からの「民族自主」の呼びかけに敏感に反応してしまう。

    ブルックス氏が懸念を表したのは、まさにこのことだ。同氏はセミナーで、「北朝鮮が『米国から独立的になれ』と韓国に圧力を加える意図を持っていることを懸念している」「私はGSOMIA(韓日軍事情報包括保護協定)もこれと関係があると信じている」などと語り、韓国政府がGSOMIAの破棄を宣言した背景にも、北朝鮮からの影響があったとの見方を示したという。

    これは、ブルックス氏ひとりだけの考えではあるまい。米国の政界や軍関係者の間で広く共有されているのではないか。だとすれば米国にとって、日韓のGSOMIA終了は、北朝鮮に対するひとつの深刻な敗北だと映っている可能性がある。

    ただ、GSOMIAは来月22日までは有効であり、それまでに韓国政府が判断を変えれば、延長されることもあり得る。米国はこれまでにも、韓国政府に対して強烈な不満を表明してきているが、GSOMIA延長を求める働きかけを、今後ますます強める可能性がある。

    (参考記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く

  • 文在寅の空母が「浮かぶ標的」になる可能性

    文在寅の空母が「浮かぶ標的」になる可能性

    韓国紙・中央日報は10日、同国の次世代戦闘機(FX)2期事業で米国製F35A戦闘機の導入が有力となる中で、青瓦台(大統領府)が敢えてF35B戦闘機導入の可能性を検討するよう空軍に指示したと報じた。すると翌日、青瓦台はこれを否定。「事実無根」だとして強く反発した。

    韓国軍の武器調達は、陸海空軍の要請と合同参謀本部の承認を経て、防衛事業推進委員会が審議し、妥当との判断が出れば防衛事業庁が推進する、という流れになっている。個別の武器調達に、青瓦台は絡めない決まりになっているわけだ。

    だから青瓦台の反発は当然の反応なのだが、気になるのはこうした報道が出た背景だ。

    (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は

  • 竹島問題を巡る韓国・北朝鮮の「自爆行為」と日本の自制心

    竹島問題を巡る韓国・北朝鮮の「自爆行為」と日本の自制心

    北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は8日、日本が「わが民族の領土である独島(竹島)を自国の領土であると強弁を張っている」と非難する論評を配信した。

    北朝鮮メディアは何かある度に同じような論評を出しているのだが、今回は日本の2019年版防衛白書に反発する内容だ。そこには、次のような記述がある。

    「看過できないことは、今年の防衛白書に独島上空で武力衝突が発生する場合、航空『自衛隊』戦闘機のスクランブルがありうるという文言を初めて明記したことである。(中略)

    独島上空への『自衛隊』戦闘機のスクランブルを通じて武装衝突を挑発し、それをきっかけにして20世紀に遂げられなかった『大東亜共栄圏』の昔の夢をなんとしても実現しようとする日本の野望はとうとう危険極まりない実行段階に入った」

    しかし実際のところ、防衛白書には、この論評が指摘したような「文言」は「明記」などされてない。正確には、「領空侵犯に備えた警戒と緊急発進(スクランブル)」について解説した3ページにわたる項の最初と最後で、次のように述べているまでだ。

    「空自は、わが国周辺を飛行する航空機を警戒管制レーダーや早期警戒管制機などにより探知・識別し、領空侵犯のおそれのある航空機を発見した場合には、戦闘機などを緊急発進(スクランブル)させ、その航空機の状況を確認し、必要に応じてその行動を監視している。さらに、この航空機が実際に領空を侵犯した場合には、退去の警告などを行う」(273ページ)

    「年7月には、中国H-6爆撃機2機及びロシアTu-95長距離爆撃機2機が、日本海から東シナ海までの長距離にわたる共同飛行を実施した。また、Tu-95長距離爆撃機の飛行を支援していたとされるロシアA-50早期警戒管制機1機が、島根県竹島の領海上空を侵犯する事案が生起した。その際、韓国の戦闘機が当該ロシア機に対し警告射撃を行った。わが国は、領空侵犯を行ったロシア政府及びロシア機に対し警告射撃を行った韓国政府に対して外交ルートを通じて抗議した」(275ページ)

    ひとつの項でこれら2点に言及しているのを見れば、「竹島上空に外国機が来たらスクランブルするぞ」と示唆しているようでもあるが、敢えて離して記述したとろころ見ると、敢えて言明を避けたと言えば言えるだろう。

    ではなぜ、KCNAの論評はこんな内容になっているのか。執筆者はまず間違いなく、インターネットで誰でも見ることのできる防衛白書の閲覧を許されていない。その代わりに、防衛白書の同じ部分について報道した韓国メディアの記事を読んだのだろう。

    たとえば東亜日報(日本語版)は9月28日付で、「日本、独島上空での衝突時に戦闘機出撃の可能性示唆」と報じており、他のメディアも同様の伝え方をしている。「示唆」としているところが、KCNAと違って正確だ。

    ちなみに韓国軍制服組トップの朴漢基(パク・ハンギ)合同参謀本部議長は8日の国政監査で、与党議員から「日本の戦闘機が独島(竹島)上空など韓国領空を侵犯した場合はどう対応するか」問われ、「定められたマニュアルに従って断固たる立場を示す」と答えている。

    公の場で軍の制服組トップがこのような質問をされたら「断固たる立場を示す」と答えるのは当たり前であり、むしろ聞くまでもないことと言える。おそらく前述した韓国メディアの報道に触れた与党議員は、こうした質問を軍にぶつけることで、自らのいわゆる「愛国心」を有権者にアピールしたかったのだろう。

    厄介なのは、ここから「断固たる立場とはどのようなものか」という議論が転がり出てくる可能性があることだ。現実に責任を持たない無責任な世論は、韓国軍に無理難題を押し付けてしまいかねない。

    日本にも、同じような危険がある。これまで自衛隊が竹島上空へのスクランブルを控えてきたのは、まさしく「自制心」のなせる業だろう。しかし、北朝鮮や韓国でこのような騒ぎがひっきりなしに沸き起こると、日本としても「自制心」を試されることになりかねないだろう。

    そうなれば、北朝鮮も韓国も、そして日本も、今よりさらに大きな安全保障上の負担にさらされる。まさに自爆行為だ。

    (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は

    これこそが、ナショナリズムを背景にした関係悪化の怖い所だ。

  • 「北の潜水艦探知で致命的」韓国のGSOMIA破棄に米国から懸念

    「北の潜水艦探知で致命的」韓国のGSOMIA破棄に米国から懸念

    韓国政府の「終了(破棄)」決定により、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が11月22日に失効する流れとなっていることに対し、米国の専門家からなおも懸念の声が上がり続けている。

    特に、北朝鮮が新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射を行ったことで、対潜水艦作戦におけるGSOMIAの重要性が指摘されている。

    「韓国の主張ではダメ」

    米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は9日、「GSOMIAの終了は、(対潜水艦)作戦の側面で、米韓日の3国すべてに致命的なダメージを与える」とするジェームズ・ホームズ米海軍参謀大学の書面インタビューを伝えた。

    ホームズ氏は「(GSOMIAの失効を受けて)ソウルと東京が米国を経由して情報交換を行うなら、我々は時間の無駄と錯誤、作戦の非効率性に見舞われ、それは韓国と日本、米国のいずれにも不利益をもたらす」と指摘。また、「対潜水艦作戦は水中で行われるために、技術的・科学的に難しい特性がある。水中にいる標的を探知して追跡することだけでなく、(3カ国の)対潜部隊間の通信も、それぞれの上層部間で意思疎通を図るのも難しい」と強調している。

    (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は

    さらに同氏は、北朝鮮の潜水艦を侮り過ぎないよう警鐘を鳴らしている。

    「我々は、我々の対潜水艦戦能力について自信過剰になるべきではない。確かに、北朝鮮の潜水艦が比較的老朽化していることは事実だ。しかし冷戦後、もう二度と海中で(旧ソ連海軍のような)深刻なライバルと対峙することはないと信じた米海軍が、対潜水艦戦能力を衰退させたことも事実なのだ」

    つまり、対潜水艦戦におけるこうした不確実性を最小化するためにも、GSOMIAを通じた日米韓の円滑な情報共有と意思疎通が重要であるというわけだ。

    この点の重要性については、イアン・ウィリアムズCSISミサイル防衛プロジェクト副局長もVOAで同様の指摘をしている。同氏によれば、1982年にイギリスとアルゼンチンが戦ったフォークランド紛争においても、アルゼンチン軍の旧式潜水艦は騒音が非常に大きかったにも関わらず、英国海軍はこれを容易に探知できなかったとされ、北朝鮮の潜水艦を巡っても同様の状況が起きうるとしている。

    こうしたリスクを低減するためにも日米韓の情報共有は必須であり、また日頃からの訓練を通じた意思疎通の円滑化も大事だ。

    ちなみに日米韓は日韓がGSOMIAを締結した後の2017年4月、韓国・済州島の近海で初の合同対潜作戦演習を実施している。VOAの取材にコメントした米ハドソン研究所の村野将(ムラノ・マサシ)研究員は、GSOMIAが失効すると、こうした取り組みも法的根拠を行う可能性があると指摘している。何故なら、韓国政府がGSOMIA失効の穴埋めになると主張している日米韓の「情報共有に関する取り決め」(TISA)は、対象となる情報が北朝鮮の核とミサイルに限定されているためだという。

    (参考記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く

  • 福島への態度と矛盾…韓国政府「被ばく調査結果」隠ぺいの疑い

    韓国政府が、脱北者の放射線被ばくを隠していたのではないか、との疑いが浮上している。

    韓国紙・朝鮮日報が2日付で伝えたところでは、韓国統一省が昨年9月、北朝鮮の核実験場がある咸鏡北道(ハムギョンブクト)の豊渓里(プンゲリ)周辺出身の脱北者10人を対象に被ばく線量の調査を行ったところ、5人の被ばくの痕跡が「染色体異常」の判断基準に当たる250ミリシーベルトを上回ったという。中でも48歳の女性は、「発がん確率の急上昇」に該当する1386ミリシーベルトという結果が出たという。

    この結果について、同紙にコメントしたKAIST(韓国科学技術院)のチョン・ヨンフン教授は「数百ミリシーベルト以上の数値は、日常生活では絶対に出ることはあり得ない」「かつて米国ネバダ州などで核実験を行っていた当時も、これほど高い数値は報告されなかった」などと指摘している。

    それにもかかわらず、統一省はこの結果を公表してこなかった。同紙は「韓国政府が、ソウルと同水準(年間1ミリシーベルト)の福島の放射能問題を絶えず取り上げているのとは相反する態度だ」と批判している。

    今回明らかになったのは、野党・正しい未来党のチョン・ビョングク議員の事務所が、統一省に提出させた資料に基づいて発表したためだ。

    統一省関係者は、前々回の2017年に検査を行ったときに、「放射線被ばくと核実験との因果関係はない」との結論に達し、今回も同様の結果に達したので発表しなかったと説明しているとのことだが、前述したチョン教授の指摘を考えれば苦しい言い訳に聞こえる。

    豊渓里は、福島よりもよほど韓国に近い。国民の安全を考えるなら、韓国政府は当然、北朝鮮に対して放射能漏れなどの調査を要求すべきだ。それをしないのは、南北対話を何が何でも進展させたい文在寅政権の「政策」が優先だということではないのか。

    ちなみに豊渓里近くには、悪名高き政治犯収容所「16号管理所」(化成〈ファソン〉収容所)が存在し、ここに収容された政治犯が、核実験施設で防護服なしで強制労働させられていたという情報があるのだ。収容所の警備兵出身で脱北者の安明哲(アン・ミョンチョル)氏は、「若くて元気な政治犯たちがトラックに乗せられ、『大建設』という名目で核実験施設に連れて行かれた」と証言している。

    北朝鮮の拘禁施設では人権侵害が横行しており、人命が信じられないほど軽く扱われている。

    (参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

    だが、現政権の「政策」を優先するあまり国民の安全を顧みず、放射能汚染について韓国政府が矛盾した態度を取り続けるならば、北朝鮮のやっていることと本質的にどれほどの差があると言えるだろうか。

  • 「自分を棚に上げ責任を転嫁するな」北朝鮮が文在寅政権を非難

    「自分を棚に上げ責任を転嫁するな」北朝鮮が文在寅政権を非難

    北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は2日、南北対話が膠着状態に陥っている責任を、韓国政府が北側に転嫁していると非難する論評を掲載した。米国との実務協議再開を目前に控えたタイミングだけに、その意図が注目される。

    論評は「先日、統一部当局者は北南の対話が開かれないのが、まるでわれわれのためであるかのように言い触らした。南朝鮮国防部長官も、われわれの自衛的な国防力強化措置に言い掛かりをつけて、『北が緊張を高調』させているとの妄言を並べ立てた」と指摘。

    そのうえで「北南関係が膠着状態に陥るようになった根本原因は一言で言って、南朝鮮当局の背信的行為にある」としながら、韓国政府が米韓合同軍事演習で「相手を脅かし、緊張をあおり立てる挑発行為を引き続き働きながら、『対話』と『信頼』についてうんぬんするのは、常識外れの欺瞞(ぎまん)行為である」と非難した。

    さらに続けて、「自分のすべきことはせず、むしろ盗人猛々しく北南関係膠着の責任をわれわれに転嫁しようとずうずうしく振る舞っているのは、万人の驚愕をそそるだけである」と強調した。

    内容的には、北朝鮮がこのところ一貫して主張してきたのと同様のものである。韓国の文在寅政権が、約束したはずの南北経済協力に踏み出さず、一方で米韓合同軍事演習を続けていることをなじっているわけだが、過去には文在寅大統領を「ほぼ名指し」してもっとヒドイ言い方をしていることを考えれば、非難の程度は低いと言えるかもしれない。

    (参考記事:「奇怪な醜態」金正恩氏が文在寅氏を罵倒した理由

    このタイミングでこうした論評を出したのは、先月、トランプ米大統領と会談するなどして米朝の「仲介者」としての役割を捨てようとしない文在寅氏を、けん制するためかもしれない。北朝鮮はかねて、「(韓国の)仲介など必要ない」と言明している。

    経済協力を実行し、米韓合同軍事演習を中止しない限りは、文在寅政権にはいかなる「得点」も与えない。おそらくはこれが、金正恩党委員長の韓国政府に対する立場だと思われる。

  • 「韓国のやり方は日米に対してフェアじゃない」米元高官が直言

    日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は、日本にとってより必要なのか、あるいは韓国にとってより重要なものなのか――この点を巡り、双方の主張がメディアで入り乱れている。

    北朝鮮が2日に潜水艦発射弾道ミサイルの試射を行った後、韓国はまだ有効なGSOMIAに基づき、日本に対して情報提供を要請した。日本はこれに応じる方針だというが、日本から韓国への情報提供の要請は行われていない。

    これについて読売新聞3日付は「早期警戒衛星を持つ米軍からの情報が入るため、韓国側の情報は特段、必要ではない」とする防衛省幹部のコメントを伝えている。

    一方、共同通信によると、先月28日までにソウルで海外メディアと会見した韓国政府高官は、「日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)は、北朝鮮のミサイル発射探知のため韓国以上に日本が必要としていると強調した」という。

    どちらの主張が正しいかは、そのときの状況によって変わってくるものなのではないか。それよりも重要なのは、北朝鮮の脅威にどのように対処すべきかという観点と立場の問題であるような気がする。

    長年、米国の外交と国防政策を担ってきたリチャード・アーミテージ元米国務副長官はこの点について、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)韓国語版のインタビューで次のように語っている。

    「韓国が歴史問題や日本の政策に不満があるからと言って、それを理由にGSOMIAを(駆け引き道具に)使うのは同盟である米国に対してフェアではないし、韓国自身や日本に対してもフェアではない」

    つまり、危機に対処するのに同盟を軸として考えているかどうか、ということだろう。日本も韓国も、米国とだけ組んでいれば十分と考えているのだろうが、米国は違うということだ。だからこそ、GSOMIAを破棄するとした韓国の決定について、米国はにほんよりも怒っているわけだ。

    (参考記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く

    もちろん、北朝鮮だけでなく中国やロシアを向こうに回す米国の世界戦略に唯々諾々と従うのは必ずしも得策ではない。しかし、北朝鮮が核戦力を着々と充実させている今、米国の大量報復能力なしには、日本も韓国も独自に抑止力を維持するには限界がある。

    それを知ってか知らずか、GSOMIAを破棄しようとする韓国の姿勢は、やはり韓国の国益にとっても得策ではないだろう。