脱北の裏に「父親の励まし」…香港で亡命した北朝鮮高校生

しかし、数学オリンピックが終わった翌日、すきを見て宿舎の香港科技大学を抜け出し、タクシーを捕まえ、香港国際空港に向かった。そこになら韓国人がいるだろうと思ったからだ。

そして、韓国系の航空会社のカウンターに向かい、マネージャーに韓国に行きたいと打ち明けた。マネージャーは韓国領事館に電話したが、領事館から人が来ることはなかった。

国際条約で、外交官は他国の国民を自国の外交施設に連れて行くことができないことになっているからだ。そこで、彼は再びタクシーに乗って韓国領事館に向かった。その勇気ある行動に、彼を迎えた領事館職員も舌を巻いた。