一生食うに困らない北朝鮮のドライバー

「1995年に配給が途絶え、一番最初に餓死したのが彼女だった。党を信じて配給が来るのを待ち続けたが、結局来なかった。食べ物がなくて、人が次から次へと死ぬ状況だったが、自分を含むドライバーで餓死した人は誰もいない」

北朝鮮の運転免許は7等級に分けられている。トラックや乗用車などは4級までで、それ以上はトラクターや掘削機などの特殊車両が運転できる等級だ。

運転免許を取得するには、自動車養成所で1年間、運転技術のみならず、車の構造から修理方法までを覚えなければならない。試験に合格しても、もらえるのは免許証ではなく修了証(卒業証書)だ。

それを持って、道の保安局(警察本部)の車両管理課で手続きをして、ようやく免許を受け取れる。しかし、すぐには運転できない。