同窓会を襲った「血の粛清」…北朝鮮の「フルンゼ軍事大学留学組」事件
それは、国家安全保衛部(秘密警察)のスパイが混じっている可能性があるからだ。
また、同窓会がレストランで開かれることはほとんどなく、一般的には個人宅で行う。同じ学校にいた人々が公の場で集まっているだけで「宗派行為」(分派行為=反政府活動)と見なされかねないからだ。
国家安全保衛部は反政府活動の芽を徹底的に摘むため、「同窓会や友人同士の集まりでは政治的な発言に注意せよ」と脅迫に近い警告を繰り返しており、同窓会組織に対する調査も行っている。開催日時、参加者の名前、人数、話の内容まで調査する。万が一、宗派行為と見なされでもしたら、収容所送りになりかねない。
ペレストロイカの衝撃
同窓会が、幹部200人の銃殺につながったことすらあった。1990年代に起きた「フルンゼ軍事大学事件」と呼ばれるクーデタ未遂事件である。北朝鮮は1986年から1990年の間に、朝鮮人民軍の20代から40代の軍人250人を、ソ連(当時)のフルンゼ軍事大学に留学させた。