金正恩氏のベンツを追い越して粛清…北朝鮮「運転兵」の天国と地獄

首尾よく運転兵になり、免許証をゲットできれば、軍を除隊した後も食べていくのに困らない。北朝鮮ではなし崩し的な市場経済化とともに、交通や運送の需要が増えているのに、公共交通機関はマヒ状態が続いている。そこで、個人経営のタクシーやバス、運送業者が大いに潤っているのだ。

運転兵は軍にいる間も、仕えている指揮官から「特権のおすそわけ」にあずかることができる。何かとタバコや食料を分けてもらえる機会が多く、身だしなみに気を付けるよう求められるため、軍服も新品でカッコイイ。女性にもモテるのである。

その一方、落とし穴もある。指揮官が物資横流しなどで摘発されれば、運転兵にも累が及びかねない。そしていちばん怖いのが、金正恩党委員長の逆鱗に触れることだ。