北朝鮮で「捨て子」が深刻化…背景に「避妊・中絶」禁止

北朝鮮で「捨て子」が社会問題化しつつある。望まぬ妊娠により子どもを産んだ未婚の女性が、密かに子どもを捨ててしまうのだ。その根底には、社会や女性の生活のありようの変化に全く対応できていない北朝鮮当局の無能ぶりと、女性を苦しめる旧態依然とした社会的観念がある。

平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋は、近所で見つかった捨て子について、次のように詳しく語った。

昨年末に某市内の百貨店前の交差点周辺で、明け方から赤ん坊の泣く声が響き渡った。マンションの住民が様子を見に行ったところ、生まれたばかりの赤ん坊がおんぶ紐に包まれて置き去りにされているのを発見した。きちんとした身なりだったため、母親は、そこそこの現金収入を得ている女性であるようだ。

地域の人民班長(町内会長)が洞事務所(末端の行政機関)まで抱えていったが、そこでも解決方法が見つからなかったため、地域に住む子どものいない女性に半ば強制的に養子に出した。