「何かがおかしい…」国のやり方を疑い始めた北朝鮮の人々

民主主義社会において、デモや抗議活動は選挙と並ぶ重要な政治的意思表現だ。しかし、国名で民主主義を謳いつつも民主主義とは程遠い北朝鮮で、声を上げることは命がけだ。当局のあまりものひどい仕打ちに抗議の声を上げた黄海製鉄所の労働者たちは、戦車で轢殺されてしまった。

(参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」

そんな状況でも北朝鮮の人々は事あるごとに声を上げている。両江道(リャンガンド)の内部情報筋は、現地で起きた抗議行動の顛末について伝えた。

発端は今年の光明星節(2月16日の金正日氏の生誕記念日)まで遡る。関連の建設事業に動員された人々は当局から慰問品の入った箱を受け取った。中にはトウモロコシ1キロ、タオル、歯磨きセット、洗顔用と洗濯用の石鹸、手袋、靴が入っていた。いずれも当局が用意したものではなく、住民から供出させたものだ。