あっという間に300人が死亡…北朝鮮の交通事故が壮絶な理由
上記の事故と同様に、荷台に人を乗せたトラックが下り坂のアイスバーンなどで次々に事故を起こし、この日だけで両江道(リャンガンド)内で300人が死亡、数百人が重傷を負ったと情報筋は伝えた。
そもそも、北朝鮮では車両や燃料不足により公共交通機関がまともに運行されていない。その穴を埋めているのが「ソビ車」と呼ばれる個人経営のタクシーや運送屋、あるいは政府機関や国営企業の車両だ。こうした「ソビ車」が運賃を取って荷台に乗客を乗せて運ぶことで、北朝鮮経済はようやく回ってきたのだ。しかしそのために、交通事故の発生時に被害が拡大してしまうのだ。
だが、「ソビ車」が人を運ばなければ、経済にも支障が出る。それを禁止するというのだから、北朝鮮当局が、事態をいかに深刻に受け止めたかがわかる。金正恩党委員長は、マンションの崩壊事故で500人もの犠牲者が出た際、事態収拾を自ら指揮したとされるが、今回の禁止措置も、金正恩氏が直々に発したものである可能性がある。