金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命
郡の中心地には金日成主席、金正日総書記の巨大な太陽像(モザイク壁画)がそびえ立ち、夜もライトアップされているが、その照明が突如として消え、5時間にわたって最高指導者の姿が闇に埋もれてしまったのだ。
北朝鮮は、最高指導者の肖像画を事故や災害から守って命を投げ出した人を称賛するようなお国柄だ。逆に最高指導者に関連する事件は「1号事件」と呼ばれ、重大な政治事件扱いとなり、容疑者本人のみならず、周りの人まで厳しく処罰される。「1号」とは金正恩氏を意味し、彼の意に背いたり、反抗したりしたのと同等とみなされるのだ。
(参考記事:「将軍様の肖像画」と一緒に高校生を溺死させる北朝鮮の思想教育)
事件に青くなった郡当局は、総がかりで調査に乗り出した。
水銀灯と間接照明は消えていなかったので、原因は停電ではなかった。4つの照明に繋げられた電線だけが何者かによりペンチで切断された痕跡が発見されたのだ。中国国境に面したこの地域では、銅像や太陽像に対する破壊活動が過去にも起きている。
(参考記事:脱北者がドローンで金日成像「打撃」試験)
さらに調査を進めたところ、事件発生時刻と思われる1日の午後11時から2日の午前1時までの間に太陽像の警戒勤務にあたっていた保衛隊の男女2人が、仕事をサボって近所に住む友人宅で「寝ていた」ことが判明した。