河原で500人死亡の地獄絵図…「速度戦」と呼ばれる殺人キャンペーン

また、機材不足や技術の未熟さにより、高層建築には時間がかかる。これまでに公開された元山葛麻の写真を見ると、最も高い建物で15階ほどだ。その2倍もの高さのビルをこれから設計するとなると、どれほど時間が必要なのか。ちなみに、金正恩氏が命じた元山葛麻の完成目標は、来年の10月である。

こうした無理難題に応えるために用いられるのが、「速度戦」と呼ばれるキャンペーンだ。

「速度戦」という言葉は1974年2月に登場した。金正恩氏の父・金正日総書記が、1976年までの経済6カ年計画を、党創建30周年(1975年10月10日)までに前倒しして終えようと呼びかけたのがきっかけだった。

要は何が何でも工期を守るための突貫工事なのだが、目標設定があまりに無茶なために「やっつけ仕事」にならざるを得ないのだ。