「親子の縁を切るしかない」脱北者の母に苦渋の決断を迫ったものとは

「この通話を最後に親子の縁を切りましょう。私があなたたちに電話したことで問題になったのだから、赤の他人として暮らすことがあなたたちを生かすことになる。兄が釈放されても一切連絡してはいけないと伝えて欲しい。私たちはもう赤の他人。幸せに生きなさい」

キムさんは、デイリーNKとのインタビューで次のように語った。

「(韓国で)苦労して稼いだカネを(北朝鮮に残してきた家族に)時々送っていたが、まさか保衛部にやられるなんて。息子は中国で医者になるための勉強を終えて帰国し、何不自由なく暮らせると思っていたが、保衛部のせいで家族の縁を切ることになってしまった」

保衛部は「やりすぎた」せいで、いい「カモ」を逃してしまった形になるが、北朝鮮にいる兄妹がこれで本当に執拗な金品の要求から逃げ切れるかはわからない。ソウルに住む脱北者は、保衛部から脅迫される脱北者家族が増えているとして、次のように語った。