金正恩と大阪を結ぶ奇しき血脈(1)すべては帰国運動からはじまった
なぜ、在日朝鮮人は北朝鮮の宣伝に騙されてしまったのか。そのナゾを解く手がかりは、帰国事業を伝えた報道にあった。
今でこそ、実情がある程度明らかになっている北朝鮮。ただ、1950年代は情報も少なく、本国から朝鮮総連を通じて伝えられるプロパガンダしか存在しえなかった。
北朝鮮のプロパガンダ拍車をかけたのが、日本のメディアだ。帰国船が新潟を出港する12月14日付の日刊紙を見てみると、朝日、読売、毎日、そして産経新聞を含む主要全紙が、帰国事業を「美談」として報道している。