朝鮮民主主義人民共和国における人権に関する国連調査委員会の報告(本文)

A. 北朝鮮の非協力

9 人権理事会は決議22/13により、北朝鮮政府に対し、調査委員会の調査に全面協力し、調査委員会メンバーが制限なく同国を訪問できるよう認め、マンデートの履行を可能とするために必要な情報をすべて提供するよう促した。決議22/13の採択直後、北朝鮮は、同決議を「完全に拒否し、無視する」と公然と述べた。同国は 2013年5月10日付書簡において、人権理事会議長に対し「調査委員会を全面的かつ断固として拒否する」旨伝えた。調査委員会は同国の関与を何度も求めたが、残念なことに同国の立場は一貫して変わらなかった。

10 北朝鮮は、調査委員会による同国訪問及び人権状況に関する情報へのアクセスについての再三にわたる要請にも対応しなかった。(第III節を参照のこと)

11 調査委員会は詳細な調査結果(A/HR/25/CRP.1)を北朝鮮政府に伝え、同政府のコメント及び、事実関係についての修正を求めた。金正恩朝鮮民主主義人民共和国最高指導者宛書簡(補遺I参照)の中にも、人道に対する罪に関する主な所見をはじめとして、最も重大な懸念事項の概要が盛り込まれた。同書簡では、国際刑事法における指揮官及び上官責任の原則に対する注意も喚起された。そして同最高指導者に対し、人道に対する罪の防止と抑制、及びに加害者に対する訴追と裁判の担保を促した。