拉致され「妻」として与えられた女性たち

➢  972
本委員会は、これらシンガポール及びマレーシア国民の拉致疑惑に関する更なる情報を求め、両国政府に対して質問を行った。シンガポール政府は、本件に関する情報を有しておらず、また、近親者から領事面での支援を求められたこともない旨回答した。マレーシア政府からは、情報提供に関する我々の要請への対応が得られていない。

➢  973: 1979年:ルーマニア人女性の強制的失踪
ドナ・ブンベアさんは、1978年、イタリアで失踪しており、北朝鮮にそそのかされて連れていかれたものと見られている。ブンベアさんは、イタリアで美術を学んでいた時、画商と称するイタリア人男性と出会った。同男性は、香港で展覧会を開催するようブンベアさんを説得した。二人は平壌経由の香港行きで出発したが、男性は平壌で消えた。ブンベアさんは、北朝鮮に留め置かれ、ドレスノック元米兵に「与えられた」。ブンベアさんは、北朝鮮で、二人の息子を残して死亡した。1981年生まれのリカルド・ドレスノック氏と1983年生まれのガブリエル・ドレスノック氏は、2006年の「クロッシング・ザ・ライン」や2013年の「エイム・ハイ・イン・クリエーション」等のドキュメンタリーに登場している。ルーマニアのブンベアさんの家族はブンベアさんの子供に会いたいと願っているが、全く連絡が取れない状況が続いている。