抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「人道に対する罪」の実態(3)

事件が起きたのは、北朝鮮が未曾有の食糧難「苦難の行軍」の真っ只中にあった1998年。その数ヶ月前、製鉄所の支配人らは、10万人近い従業員の食料を調達するため、圧延鉄板を中国に輸出してトウモロコシと交換しようと決断。圧延鉄板は軍需用であるため、中央政府に報告せず事を進めた。

街に響く戦車の轟音

中国への売り込みは成功裏に運び、黄海製鉄所所有の船は大量のトウモロコシを積んで戻ってきた。