金正恩氏の「拷問要員」までが逃げ出し始めた

別の情報筋によると、3人は、中国人名義で作った秘密口座が北朝鮮当局に追跡されている徴候を察知し、身の危険を感じて口座の「少なからぬ額」(情報筋)のカネを全額引き出して逃走した。

そしてこの3人の脱北が、新たな脱北事件を引き起こした。

平壌の国家保衛省で、瀋陽の組織を管轄していた処長(部門長)が先月中旬、家族や関係者を連れて丹東を経て中国に脱出した。処長は3人の脱北を知り、連帯責任を取らされることを恐れて脱北したとのことだ。

北朝鮮当局は最近、しばらく控えていた公開処刑を再開している。その裏事情を良く知るだけに、処長も逃げずにはいられなかったのだろう。

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国家保衛省は、自省の要員と偵察総局の要員からなる逮捕班を組織し、遼寧省に派遣。「捕まえるまで戻ってくるな」「捕まえるのが困難ならば殺害せよ」との指示を下した。つまり、成果なく帰国した場合は、厳しく責任を問われるということだ。