「死人を処刑」して生きている人を救う北朝鮮の独特な人命尊重
剖棺斬屍とは、亡くなって葬られた人の遺体を墓を暴いて引きずり出し、改めて処刑するという前近代のアジアやヨーロッパで行われていた極刑中の極刑だ。それを21世紀になってまだ行っているのだ。
亡くなった責任者に対する形式的な裁判が行われ、銃殺が執行された。情報筋は詳細を語っていないが、それを見ていた軍需工場や軍需基地の関係者、一般住民の間から漏れた「あまりにも残酷だ」という反応から、現場の凄惨さの一端が伺い知れる。
北朝鮮の元高官によると、軍需部門における「剖棺斬屍」は時々行われるという。「当事者にとってはとんでもないことで、人権の観点から受け入れがたいこと」としつつも、死者に責任を問うことで、「生きている人に害が及ばない形で事を処理する」方便でもあるという。
前述したとおり、北朝鮮では、極めて残忍な方法で処刑が行われている。
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今回のケースでは死人に罪をなすりつけることで、それを回避したわけだが、それだけでもあの国なりの人命尊重が行われていると考えるべきなのだろうか。