「人間も犬のように死ぬんだな」北朝鮮で再開された公開処刑の目撃談

チュ・スンナムは除隊軍人で、(朝鮮労働党の)党員であった。彼は子供の頃に両親が離婚したため、母親の実家で育った。除隊後にタバコの商売をしていた彼は、祖父に酒代を無心して声を荒げ、叱られて腹立ちまぎれに祖父を押したところ、祖父はその場で死亡してしまった。

公開処刑の日は天気が非常に寒かったのに、数千人もの人々が集まった。死にゆく人に対して、あまり同情しなかった。死に値することをしたんだと思った。ただ、「人も犬のように死ぬんだな」ということ考えた。

このような証言から伝わるのは、公開処刑が人々に恐怖心を与えると同時に、社会をすさませている様子だ。北朝鮮の独裁者は体制を維持すべく恐怖政治を行いながら、社会の生命力を徐々に失わせていたのである。