世界で最も過激な「BTSファン」は北朝鮮にいた

咸鏡北道の会寧(フェリョン)では、友人の誕生日パーティでK-POPを歌ってダンスしていた若者が保安署(警察署)に連行され取り調べを受けていると、デイリーNKの現地の情報筋が伝えた。歌を聞きつけた隣人に密告されたようだ。

(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

しかし、北朝鮮におけるK-POPを取り巻く現状と未来は、情報筋のこの言葉に集約されていると言えよう。

「新しいものに敏感な若者の間では、(K-POPを)習おうとする熱意がさらに湧き上がっている。いくら取り締まりをしたところで、この流れは止められない」

一方、周知のとおり日本では、K-POPを代表するアーティスト、防弾少年団(BTS)のメンバーの一人が着ていた光復(日本の植民地からの解放)を祝うTシャツに原爆のキノコ雲の画像があしらわれていたことをきっかけに、大バッシングが起きている。

排外主義的な思想を持った一部のネットユーザーが、SNSやウェブ署名サイトなどでBTSのボイコットを煽り、大手メディアが便乗したことで広がった今回の騒動だが、「韓流ドラマに偏重した編成を行っている」として数千人がフジテレビ周辺でデモを行った、2011年の通称フジデモを彷彿とさせる様相を呈している。

これには、韓国や海外のBTSファンが強く反発している。当局の摘発や拷問も恐れずBTSを聞き、踊る北朝鮮の若者たちは「世界最強のBTSファン」と言えるかもしれないが、そんな彼らが日本の様相を見たら、どのような言葉を発するかが気になる。