北朝鮮製カツラの裏に隠された「少女搾取」ともうひとつの秘密

中朝国境の街である遼寧省丹東市で、北朝鮮が「ツケマツゲ」や「カツラ」などで外貨稼ぎをしていると今月6日の朝日新聞が報じた。これらの手工品は制裁対象ではないため、単価が安くても北朝鮮が頼らざるをえず、輸出額も前年比の2倍に伸びているという。しかし、こうした手工品の製造過程で、深刻な人権侵害が行われている疑惑がある。

少女たちの「やわらかい皮膚」

北朝鮮の外貨稼ぎ会社が中国企業からの発注によってツケマツゲやカツラ、そして衣類や造花などを製造していることは、本欄でも昨年の時点で報じていた。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、この会社の材料の調達先が、まさしく朝日新聞が報じた丹東市だ。

衣類の材料である生地は国営のアパレル工場に納入されるが、造花やツケマツゲの材料は学校が密集する地域に運ばれる。その理由は、10代の学生たちを労働力としているからだ。働き口のない10代の少女たちが、成人の半分ほどの賃金でツケマツゲの製造現場で働かされているという。

(参考記事:徹底的に奪われる少女たち…北朝鮮版「女工哀歌」の現場