北朝鮮「36人死亡」のバス大惨事、燃料節約が原因か

自動車のエンジンは、ガソリンや軽油の燃焼エネルギーでタイヤを回転させているわけだが、アクセルを完全に戻して燃料の供給を止めると、逆にタイヤがエンジンを回す形になり、その抵抗でタイヤの回転が落ちるエンジンブレーキが作用する。

しかし、ギアをニュートラルに入れてタイヤとエンジンの接続を外してしまうと、これが作用しなくなり、ドライバーはタイヤの制動をフットブレーキだけに頼ることになり、とっさの事態に対応できず事故につながりやすい。

北朝鮮で運転免許を取るには、車の整備を含めた専門知識が必要になる。ドライバーに、惰性運転の危険性に対する知識がないはずはないのだ。つまりはリスクを知りつつも、国際社会の経済制裁の影響で高騰した燃料を少しでも節約するため、安全を度外視した運転を行っていたということになる。

(参考記事:金正恩氏のベンツを追い越して粛清…北朝鮮「運転兵」の天国と地獄