金正恩の「公開処刑」を隠す文在寅の忖度

北朝鮮の人権蹂躙に対する文在寅政権の姿勢を巡っては、韓国の政府系シンクタンク・統一研究院が毎年発行してきた『北朝鮮人権白書』の2019年版の公開が遅れている問題もある。今月7日に同研究院のウェブサイトに一時掲載されたが、すぐに削除された。同研究院は「校正中」と説明しているが、人権問題で非難されることを何より嫌う、金正恩党委員長への「忖度」であることは明らかだ。

かつては人権派の弁護士だったとされる文在寅氏だが、大統領に就任して以降、北朝鮮における人権侵害について「やめさせる」といった趣旨の明確なメッセージを一度も発していない。「非核化と平和を優先させる」というのが理由だが、これもまたナンセンスな言い訳だ。

韓国のみならず、国際社会がハッキリ認識すべきなのは、北朝鮮の民主化なくして、完全な非核化などあり得ないということだ。