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  • さすがの金正恩氏も寒すぎて中断した「超ブラック事業」

    さすがの金正恩氏も寒すぎて中断した「超ブラック事業」

    北朝鮮が国を挙げてのメガプロジェクトとして進めている両江道(リャンガンド)三池淵(サムジヨン)開発。氷点下20度を下回る極寒の中でも工事が強行されていたが、ついに一時中断が指示された。

    質を無視して無理やり工期に合わせる「速度戦」は北朝鮮の悪弊の一つで、橋梁やマンションの崩壊事故が起きるなど、悲惨な大事故につながってきた。当局は最近になって「千年責任万年保証」などのスローガンを掲げ、建設の質の向上キャンペーンを始めた。

    (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

    また、極寒の中での工事強行で死者も発生しているが、それらを防ぐために工事を一時中止させたものと思われる。

    (参考記事:氷点下20度の野外でタダ働き、若者の命を奪う「ブラックな現場」

  • 北朝鮮に「強制帰国」させられたある外交官の悲劇

    北朝鮮の外交官がイタリアで数週間前から行方不明になり、亡命した可能性が取り沙汰されている。韓国の情報機関、国家情報院の説明に基づく報道によれば、行方不明になっているのはイタリアのローマに駐在していた北朝鮮のチョ・ソンギル代理大使。妻とともに11月初めから姿を消したという。チョ氏は1月で任期が切れる予定だったとされる。

    仮にチョ氏が亡命したのだとすると、昨年から朝鮮半島に漂う雪解けムードを思えば、意外な感じがするかもしれない。しかし実際のところ、北朝鮮の外交官が亡命を決断する場合、その理由は国際情勢よりは国内での事情にあることの方が多い。

    北朝鮮の外交官は日々、国内からの脅威にさらされ続けている。任務を全うできなかったり、あるいは任務を全うする過程で不適切な姿勢・態度があったと見咎められたりすれば、粛清の憂き目に遭いかねないのだ。

    韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使の著書『3階書記室の暗号』には、本国の家族が無実の罪で拷問死させられたうえに欧州の勤務地から帰国を強制され、粛清された外交官――P氏のエピソードが紹介されている。

    同書によれば、北朝鮮は粛清する外交官を帰国させる際、対象者が1人であっても、複数の外交官をいっしょに呼び寄せるという。またその際、どの人物が粛清の対象者であるかを、誰にも告げない。そうすれば、「自分ではない」と信じたい外交官らが相互に監視し合う形になるため、逃亡を防止することができるからだ。

    同書で紹介されたP氏のケースもそうだった。P氏が帰国させられた際、同行したのが太永浩氏だったのだ。

    P氏が帰国させられた理由は、1990年代の大粛清「深化組事件」で実父がスパイ容疑に問われたためだが、それはとんでもない濡れ衣だった。

    ある軍需工場の党委員会書記を務めていたP氏の父は1990年代半ばの大飢饉「苦難の行軍」に際し、工場労働者の食糧問題を解決するため妙案をひねり出した。砲弾の製造に伴って発生する金属の削り粉を中国に輸出し、その代金で食糧を購入したのだ。そして、その窓口となった貿易担当者の横領が発覚したのを受けて、P氏の父はその担当者を解任する。それを恨んだ貿易担当者が、P氏の父は韓国のスパイであるとウソの告発を行ったのである。

    このように、庶民を思って行動した幹部が処罰された例は、この時代にあちこちで起きていた。

    またそのようなウソがまかり通ってしまうほど、「深化組事件」とはムチャクチャな出来事であり、北朝鮮社会が大飢饉の中で、それほど混乱していたということだ。

    P氏は1998年2月の帰国後、外務省と平壌から追い出され、地方に放逐された。このようにして夫が粛清される場合、妻は離婚することで平壌に残ることも出来るが、P氏の夫人は夫と運命を共にすることを選んだという。

    その後、2000年になり、金正日総書記は「深化組事件」の不当性を認め、被害者の復権を指示した。P氏も外交官に復帰し、在スウェーデン大使館に派遣されたという。しかし、これはまだ幸運なケースであり、政治犯収容所に送られようものなら、生きて帰って来れるかどうかわからない。処刑されてしまう場合もある。

    北朝鮮の外交官は常に、「一寸先は闇」の中を歩んでいるわけだ。

  • 朝鮮の文化芸術展覧会、映画鑑賞会 中国で

    【平壌1月4日発朝鮮中央通信】最高指導者金正恩党委員長の朝鮮人民軍最高司令官推戴7周年、抗日の女性英雄金正淑女史の生誕101周年に際して、中国の江蘇省揚州市では朝鮮民主主義人民共和国文化芸術展覧会が、北京では朝鮮映画鑑賞会が旧ろう16日から20日までの間に行われた。

    展覧会場には、金日成主席と金正日総書記が中国の老世代指導者たちと対面する写真、金正恩委員長の中国訪問を見せる写真と金正恩委員長が人民経済の各部門の事業を現地で指導する写真が掲げられていた。

    また、天が賜った偉人たちの著作とチュチェ朝鮮の真の姿を紹介する図書と写真、朝鮮民族の英知と才能を見せる美術作品などが展示されていた。

    映画鑑賞会では、日ごとに富強、繁栄する朝鮮の姿を見せる朝鮮映画が上映された。

    各行事には、中国の各界の人士と人々が参加した。---

  • 綾羅島に溢れる笑い声

    【平壌1月3日発朝鮮中央通信】紋繍遊泳場、大城山遊戯場、中央動物園など首都の文化的生活拠点に新年を迎えた人民の喜びが満ち溢れている。

    綾羅人民遊園地でもチュチェ108(2019)年を迎えた人民の幸せの笑い声が響き出ている。

    綾羅イルカ館では、輪を越えて連続ボール打ち、バレーボールをはじめイルカとオットセイの新しいショーが観客を喜ばせている。

    特に、女子の客とキスしろという紹介者の言葉にはにかんで前足で口を覆うオットセイ「喜劇俳優」の形象は場内を笑わせる。

    綾羅4D映画館では、来客が「飛行士」「探険家」「戦車兵」になって仮想世界でのきわどいところを興奮の中で感じながら祝日を楽しく過ごしている。

    回転タカ、弾性回転盤など近代的な遊戯施設が設けられている遊戯場と鏡の家、電子娯楽館も市民と青少年学生でにぎわっている。---

  • 死亡事故も続発、手抜き疑惑のマンションで再検査

    中国との国境に面する、北朝鮮・両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)に建てられたマンションを巡り、手抜き工事だとの声が上がり、入居拒否が続出したことはデイリーNKジャパンでも既報の通りだ。北朝鮮では手抜き工事による大規模な死亡事故が続発してきただけに、住民らの懸念も深刻だ。

    金正恩党委員長が旗振り役となり、三池淵(サムジヨン)開発と同時に進められている恵山の都市再開発。手抜き疑惑がそれに味噌をつけることになったが、市当局は事態の収拾に乗り出した。

    その場所は、市内中心部から北東に数キロ離れた英興洞(ヨンフンドン)だ。鴨緑江を挟んで中国の長白朝鮮族自治県と向かい合う北朝鮮のショーウィンドウ的な地域だが、対岸を訪れる内外の観光客から木造家屋が立ち並ぶ様子を写真に撮られ、「北朝鮮は貧しい」などと言われたい放題となっていた。

  • 人気沸騰、北朝鮮印の「ワケあり激安ショップ」

    人気沸騰、北朝鮮印の「ワケあり激安ショップ」

    北朝鮮と国境を接する中国遼寧省の丹東に、衣料品の激安ショップがオープンした。北朝鮮からやって来た労働者が中国で生産した製品を売っており、店員も北朝鮮人という「ワケあり」づくめの店だ。中国で見かける北朝鮮系の店と言えば美貌のウェイトレスが売りの北朝鮮レストランが定番だったが、外貨稼ぎのための新たなビジネスが始まっているようだ。

    中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋によると、店がオープンしたのは昨年11月末のことだ。市内中心部の空き店舗と思われる物件を利用したこの店で売られているのは、ジャンパーなどの冬物衣類だ。接客に当たっているのは20代半ばに見える北朝鮮女性4〜5人である。ただ、中国語はできないようで、情報筋が声をかけても返事がなかったという。

    同店はさっそく市民の人気を集め、ダンボール箱ごと買っていく人が現れるほどだという。人気の理由は「激安価格」にある。例えば、中国のスポーツブランド「カイラス」のウィンドブレーカーは、ネットショッピングで1300元(約2万1400円)前後で販売されているが、それがたったの200元(約3300円)という安さだ。

    「安かろう悪かろう」ではなく品質もしっかりしている。ただ、多少のキズがある「ワケあり商品」だ。中国では、国内外のアパレル企業から生産を委託された工場が、製品のうちのキズモノを市場に横流しするということがよくあった。今回もそのようなケースと思われる。

    店で売られている商品の中には、韓国ブランドのものも含まれているが、これは問題になる可能性がある。韓国企業が中国企業に生産を依頼し、北朝鮮労働者の手によって生産され、韓国に輸出されている可能性を示すからだ。この中国企業が中朝合弁であった場合、依頼した韓国企業はセカンダリー・ボイコット(第三者制裁)の対象となりうる。

    韓国の北朝鮮研究者は「中国企業が単純に北朝鮮労働者を雇用しているだけなら制裁違反には問われないかもしれない」としつつも、「アパレル工場で北朝鮮労働者が受け取った賃金の一部が、忠誠の資金として北朝鮮当局に流れている可能性が高く、今後問題になる可能性はある」と指摘した。

    人手不足に悩む中国東北地方の企業は、賃金の安い北朝鮮労働者の誘致を続けている。

    労働者たちは正式なビザ、パスポートではなく、渡江証(通行証)と呼ばれる臨時のパスポートを持って中国に入国していると言われているが、中国の地方政府に黙認されているものと思われる。

  • 祝日の雰囲気でにぎわう平壌のサービス拠点

    【平壌1月2日発朝鮮中央通信】新年を迎えた平壌のサービス拠点が、来客でにぎわっている。

    平壌第1百貨店、普通江(ポトンガン)百貨店、光復(クァンボク)地区商業中心(スーパーマーケット)など、首都の商業サービス拠点では、新年を控えて各種の商品を十分に用意した。

    関係者によると、サービス網で祝日期間、特別サービスをして訪ねてくる来客がより増えたという。

    華麗で、生新な花でいっぱいの花屋も、多くの購買者でいつになくにぎわっている。

    玉流館、清流館、平壌大同江水産物食堂、各道特産物食堂をはじめとする公共サービス網では、キジ肉そば、平壌冷麺など、民族料理と名料理を立派に作ってサービスして新年を迎えた来客を喜ばせている。

    近代的で、総合的な文化厚生施設と食堂が完備された柳京(リュギョン)院と倉光(チャングァン)院でも、人々が若さと美しさを与えるいろいろなサービスを受けて楽しい一日を送っている。

    平壌サーカス劇場、綾羅(ルンラ)イルカ館、綾羅(ルンラ)人民遊園地、中央動物園などでは、市民と青少年学生の愉快で幸福に溢れる笑い声がやまなかった。---

  • 金正恩が厳禁した名門女学院「異色的なビデオ」の中身

    金正恩が厳禁した名門女学院「異色的なビデオ」の中身

    デイリーNKジャパンは昨年、「コンピュータに入力してはならない電子ファイル目録」と題された北朝鮮の内部文書を入手した。2015年5月の日付が入ったもので、韓国誌・月刊朝鮮2018年11月号はこれを、北朝鮮の体制に不都合な映像・音楽作品を取り締まるタスクフォース「109常務(サンム)」が作成したものだと断定している。

    内容は視聴が禁止された映像・音楽・ソフト類のリストで、列挙されたタイトルはざっと300以上にもなる。その中には例えば、カンヌ映画祭でも上演された映画「ある女学生の日記」や、北朝鮮の国民的女優・洪英姫(ホン・ヨンヒ)の出演作もある。

    禁止リストの筆頭に挙げられているのは、「絶世の偉人たちのお姿」が映り込んだ作品だ。金日成主席・金正日総書記・金正恩党委員長の金王朝三代が映った作品を軽々しくPCに保存するのは「不敬である」ということだ。

    リストでこれに続くのが、「資本主義国家と傀儡(韓国)の映画、ドラマ、性録画物」だ。こちらについては、詳しい説明は必要あるまい。ちなみに「性録画物」には、かの有名な「喜び組」のビデオも含まれているのかもしれない。

    このような具合に、禁止リストではある意味で「わかりやすい」作品群が列挙されている一方で、タイトルを見ただけではそれがどんな内容で、どうして禁止されたのかすぐにはわからないものも少なくない。

    そのひとつが、「金星学院の教員たちと学生たちが2018年3.8節を迎えて行った非組織的で異色的な公演を録画した編集物」というものだ。

    金正恩氏の妻・李雪主(リ・ソルチュ)氏の母校としても知られる金星学院は、音楽家や舞踊家などを養成するエリート女学院で、海外のスポーツ大会に派遣される「美女応援団」のメンバーも大部分がここから選抜される。

    ただ、出身家庭が「超」の付くエリートでない学生たちの場合、権力者に目を付けられると、不本意な人生を強いられるケースもあるようだ。

    果たして、同校で行われた「異色的な公演」とはどのようなものなのだろうか。北朝鮮では一般的に、ヒップホップなど海外の影響を受けた音楽やダンスのことを「異色的」と表現する。また「3.8節」とは国際女性デーのことだ。

    もしかしたら、美女応援団などとして海外へ行く機会もあり、また芸術の感覚にも優れた教員と学生たちが、女性が不当な扱いを受けているとされる祖国の現状への嘆き、あるいは反発、あるいはより良い未来への期待を込めて、斬新なパフォーマンスを披露したのではないだろうか。

    この映像作品を入手するのは極めて難しいだろうが、是非とも一度、見てみたいものだ。

  • 違法薬物に手を出した「エリート」たちのどん底ぶり

    違法薬物に手を出した「エリート」たちのどん底ぶり

    国際社会の制裁が一向に解除されず、北朝鮮庶民の生活に影響が出ていることが伝えられているが、苦しいのは朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の軍官(将校)も同じだ。彼らは、少しでも生活の足しにするために、覚せい剤の運び屋となっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

    咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋によると、咸興(ハムン)に本部を置く第7軍団の軍官が、列車内で覚せい剤を持っているところを発見され、摘発、処罰される事件が起きた。しかし、これは氷山の一角に過ぎない。

    兵士、中でも軍官は民間人とは異なり、列車内で荷物検査を受けることはほとんどない。商人はそこに目をつけ、軍官を抱き込んで、かなりの額の報酬と引き換えに運び屋をやらせている。

    これは、軍官の生活が非常に厳しいことが原因だ。

    軍官はかつて、北朝鮮の代表的なエリートだった。しかし最近では、小遣い銭にしかならない給料しか受け取れなくなっている。それは工場、企業所、機関に勤める民間人とて同じだが、軍人と決定的に違うのは商売をすることで収入が得られるという点だ。

    軍人は商売が禁止されている。ただし、家族はその対象外なので収入を得るために商売をしているが、軍人の勤め先は人里離れた山奥にある場合が多い。村の市場に行って商売したところで人口が少ないため、大した収入にはならないのだ。

    そんな窮状を知る商人は、軍官に運び屋の仕事を持ちかける。軍官も生活苦から抜け出せるとの思いで、誘惑に負けてしまうというのだ。ちなみに第7軍団が駐屯する咸興は、覚せい剤の産地として知られている。

    このような現状に、軍当局も頭を抱えている。

    「このような違法行為は、出張の多い軍官の間で多く行われており、一部の軍官に至っては、様々な言い訳をして出勤もせずに商売にのめり込んでいる。軍当局も摘発に手を焼いている」(情報筋)

    現地の別の情報筋は「軍官が違法な商売に手を染めるのは昨日きょう始まったことではない」と伝え、当局は違法行為根絶のために検閲(監査)を行ったり、対応策を練る会議を頻繁に開いているが、根本的な解決策はなく、事態はむしろ悪化していると述べた。

    「やはり、軍幹部の暮らし向きに目を向ける必要がある」(情報筋)

    末端の兵士に至っては、食糧すら配給されず、腹をすかせて民間人を襲撃する事態となっている。

  • 北朝鮮スマホ最新機種は「韓流拡散防止」装置付き

    人口約2500万人の北朝鮮で、現在使われている携帯電話の台数は、500万台(大韓貿易投資振興公社<KOTRA>の今年9月の資料)とも、600万台(IBK経済研究所のチョ・ボンヒョン副所長)とも言われている。

    スマートフォンの普及も進んでいると言われているが、デイリーNKは最近、北朝鮮製の最新型スマートフォンの入手に成功した。

    この機種は、チェコム技術合営会社が製造した「平壌2423」だ。刻印された生産日は2018年10月となっており、北朝鮮の国営メディアでもほとんど紹介されていない製品だ。同社はスマートフォン以外にもタブレットPC「平壌3404」や、MP3プレイヤー、電話機なども生産している。

    プロセッサーは、台湾のメディアテック社製のMT6737が使われている。北朝鮮製のスマートフォンとしては初めて64ビットをサポートするプロセッサーを採用した。また、OSはほぼ最新のAndroid 8.0 Oreoが採用されている。

    ゲーム購入も可能

    この機種にはWi-Fi、指紋認証、ナビ、電子書籍のリーダーなど、様々な新しい機能が搭載されている。

  • 「金正恩の喜び組」に韓国の女子大生が猛反発

    「金正恩の喜び組」に韓国の女子大生が猛反発

    北朝鮮の金正恩党委員長は昨年9月に行われた南北首脳会談で、訪韓の意思を表明した。金正恩氏の訪韓を最も望んでいるのは支持率低迷にあえぐ文在寅大統領だろう。金正恩氏は、12月30日に文在寅氏に当てて送った親書で、訪韓実行の意思を改めて示したが、実のところ、北朝鮮側は熱が冷めてきているようで、訪韓がいつごろになるかはなお不透明だ。

    金正恩氏の訪韓を待ちわびるのは文在寅氏だけではない。韓国の一部の大学生が金正恩氏の訪韓を熱烈に歓迎する動きを見せており、これが波紋を呼んでいると韓国の大手紙・朝鮮日報の電子版が伝えている。

  • 「羽振りのいい写真技師」は韓流ドラマの密売屋だった

    「羽振りのいい写真技師」は韓流ドラマの密売屋だった

    北朝鮮の写真館で働く写真技師と従業員が、保衛部(秘密警察)に逮捕された。容疑は、韓流ドラマや映画を密売したというものだ。

    咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、事件が起きたのは清津(チョンジン)市の羅南(ラナム)区域にある羅南写真館だ。

    (参考記事:北朝鮮の少年少女が恐れる「少年院送り」…それでも止められない遊びとは

    北朝鮮で写真館は斜陽産業だ。携帯電話の普及が爆発的に進んでいるからだ。人口2500万人の北朝鮮での携帯電話の普及台数は、500万台(大韓貿易投資振興公社<KOTRA>の今年9月の資料)とも、600万台(IBK経済研究所のチョ・ボンヒョン副所長)とも言われている。

    客の減少で写真館は火の車のはずなのに、勤務する写真技師と従業員は妙に羽振りがいい。それを不審に思った別の従業員が保衛部に密告し、今月初めに家宅捜索が行われた。

    その結果、店内から韓国、香港、米国のドラマや映画のDVDが大量に発見され、2人は逮捕され、外国の映像をUSBメモリなどにコピーしたり、レンタルしたりして荒稼ぎしていたことが判明した。

    おそらく2人は取り調べの過程でひどい拷問を受けたのだろう。顧客の情報を全部話してしまったがために、大学生、労働者、兵役を終えたばかりの青年まで芋づる式に逮捕されてしまった。

    (参考記事:手錠をはめた女性の口にボロ布を詰め…金正恩「拷問部隊」の鬼畜行為

    「多くの人がわけもわからないままに保衛部に連行され、映画のせいだということを知り当惑している。どんな処罰を受けるかわからず不安に震えている」(情報筋)

    近隣住民は、10年に渡る兵役で苦労を重ねた青年が、映画を見たという理由だけで逮捕されたことについて怒りをあらわにしつつ、写真館の2人については「見せしめとして重罰に処されるだろう」と見ている。

    北朝鮮当局は、南北和解ムードがもたらす社会の緩みに対して非常に厳しい姿勢を取っている。その最たる標的となっているのが韓流だ。以前ならワイロでもみ消すこともできたが、最近ではそれも効かず、中学生や幹部の子弟なども逮捕されるなど、逮捕者が続出している。

    (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

  • 歯がズレて死亡の米大学生に「北朝鮮がペンチで拷問」…米裁判所

    北朝鮮に長期拘束された後、昏睡状態で解放され、その直後に死亡した米バージニア大学生、オットー・ワームビアさん(当時22歳)の両親が北朝鮮に賠償を求めていた訴訟で、米ワシントンDCの連邦地方裁判所は24日、北朝鮮に対し5億0100万ドル(約552億円)の支払いを命じた。

    米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が27日付で伝えたところによると、同地裁のベリル・ハウェル首席判事は判決とともに公開した「意見書(memorandum opinion)」で、北朝鮮がワームビアさんに「ペンチ」や「電気ショック」を利用して拷問を加えていたと考えられる、という専門家の意見を採用した。ハウェル氏は、ワームビアさんの足にある大きな傷跡や、歯の位置が変わっていると証言した主治医の調書を引用し、「ワームビアさんの足に電気ショックが加えられたり、歯の位置を変えるためペンチを使ったりしたことを裏付けている」と記している。

    問題は下の歯列の中央の2本の歯なのだが、北朝鮮に行く前のワームビアさんの写真ではきれいな歯並びであることがわかる。しかし、ワームビアさんな主治医が陳述書に添付して連邦地裁に提出したスキャン写真を見ると、この2本の歯が、不自然に口の内側に移動しているのだ。

    (参考記事:【写真】大きく変形したワームビアさんの歯列

    ただ、米国司法はこのような判断を下したものの、北朝鮮が同裁判にいっさい対応せず、抗弁を行わなかった事実にも留意しなければならない。

    北朝鮮が自国民に対して拷問を行っているのは、様々な証言から明らかになっている。

    (参考記事:北朝鮮の刑務所で「フォアグラ拷問」が行われている

    その一方、VOAは11月、近年になって北朝鮮に拘束された米国人からは、精神的な圧迫を別にすると、北朝鮮当局から拷問を受けたとの証言は聞かれないと伝えている。さらに、ワームビアさんの送還交渉に当たったジョセフ・ユン国務省対北政策特別代表(当時)が。北朝鮮側の医師からワームビアさんが有罪判決後24時間以内に病院に移送されたと説明を受けた事実を根拠に、「米国政府の助けを期待できないとの話を聞いたワームビアさんが、極端な選択をした可能性がある」とした米メディアの報道に言及している。

    つまりは絶望したワームビアさんが自ら死を選ぼうとした可能性があるということだ。もしそうなら、ワームビアさんが横転するなどした際に口や顎のあたりをどこかにひどくぶつけ、歯列が変形してしまったということも考え得る。

    だがこれだと、ワームビアさんがボツリヌス菌に感染した云々と説明している北朝鮮側の主張と食い違うことになり、いずれにしても矛盾は残る。

    北朝鮮が将来有望な米国の若者に拷問を加え、死に至らしめたとする今回の判決は、いずれ米朝対話に大きな影を落とす可能性もある。

    (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

  • 氷点下20℃…極寒の中のストリート・チルドレン

    氷点下20℃…極寒の中のストリート・チルドレン

    朝鮮半島に生息する約500種の鳥類のうち、3分の2以上が渡り鳥だ。シベリアからやって来た渡り鳥は韓国の各地で越冬したり、日本に向かう途中でしばし羽を休めたりする。北朝鮮で行き来する渡り鳥がいるが、鳥類ではなく人類のコチェビ、つまりストリート・チルドレンだ。

    北部に住んでいるコチェビの多くが、南の地方に移動しつつある。理由は単順。寒いからだ。

    咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋によると、両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)や咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)の路上にいたコチェビたちが、咸鏡南道の咸興や端川(タンチョン)に移動してきている。

    恵山の川向う、中国の長白朝鮮族自治県では今月9日に氷点下25度を記録し、それ以降も最低気温が氷点下20度を下回る日が続いている。1月の平均気温を見ると、恵山は氷点下16.4度だが、咸興は氷点下4.1度。咸興が位置する北朝鮮の東海岸は、日本海を流れる暖流の影響で相対的に暖かく雪が多いのだ。暖流の対馬海流と、寒流のリマン海流のそれぞれ支流がぶつかるためだ。咸興は暖かければ10度近くになる日もある。

    北朝鮮当局は、愛育院、中等学院などというコチェビを収容する施設を建設している。しかし、あまり評判がいいとは言えない。

    (関連記事:北朝鮮で孤児院教師が少女17人を性的虐待、怒る市民たち「厳罰を」

    施設は非常に劣悪で、暴力を振るわれたり、強制労働を強いられたりする場合もある。中には臓器売買の噂すら存在する。

    (参考記事:北朝鮮の孤児院に「臓器密売」疑惑が浮上

    以前に比べると待遇はかなりマシになったと伝えられているが、厳しい規律に耐えかねて逃げ出してしまうコチェビも少なくない。

    (参考記事:北朝鮮「不良少年」収容所で待遇改善の兆しか

    充分な予算がないことが大きな原因となっている。

    「今年も予算が不足しているのに、国家建設事業に物資を総動員しているので、コチェビを収容する余裕がない。国は愛育院を建て物資を送っているが、そんな恩恵を受けられるのは数か所に過ぎない」(両江道の情報筋)

    地域の施設が収容するのは地元のコチェビだけで、他地域の者は対象外だ。保安員(警察官)に捕まれば、もともと住んでいた場所に送り返される。

    端川では端川市場、広泉(クァンチョン)市場などにコチェビの数が目に見えて増えた。商人たちは品物を盗まれはしないかと警戒している。

    「押し寄せてきたコチェビの集団をいると、(北朝鮮では)成人になった10代後半が多く、組織的に動いている。保安署ではコチェビを建設現場に送り込んだりしているが、ほとんどが逃げてきたり、揉め事を起こしたりするので管理がなされていない」

    恵山の路上からは、コチェビが目に見えて減少した。「暖かくなれば帰ってくる」(情報筋)と言われているが、それは工業地帯の咸興に比べ、貿易都市の恵山の方が暮らしが幾分楽だからだろう。

    コチェビは物乞いや窃盗だけで暮らしているわけではなく、仕事をしている場合もあるが、恵山の方がずいぶんやりやすいのだろう。

    (参考記事:北朝鮮の「少年ヤクザ予備軍」がビジネスに乗り出した

    コチェビは越冬のために比較的自由に移動する反面、農民や兵士はそう簡単に移動する訳にはいかない。

    両江道の内部情報筋によると、都市に住む商人は薪、石炭、キムチ、冬服などを買って越冬準備を終えたが、農村地域ではそれもままならない状況だという。

    相次ぐ自然災害などで凶作となり、1年分の食糧分配を受け取るはずが、1ヶ月分しか受け取れていない。恵山市郊外の江口洞(カングドン)では、キムチすら準備できていない家庭が7割に達するという。兵士とて状況は同じで、恵山に駐屯する朝鮮人民軍(キア朝鮮軍)12軍団の場合、冬服すら受け取れておらず、軍官(将校)の家族が、民間人の家に訪ねてきて穀物を借りるほどの有様だという。

  • 「焦げ臭い匂い取り締まり班」の活動を妨害する知人の犯罪

    「焦げ臭い匂い取り締まり班」の活動を妨害する知人の犯罪

    かつての北朝鮮は犯罪が非常に少ない社会だった。衣食住すべてを国から配給してもらえ、現金がさほど必要なかったこともあり、犯罪を起こす要因が少なかったのだ。それを一変させたのが、1990年代の大飢饉「苦難の行軍」だ。

    配給システムが崩壊し、人々は生きていくために商売をすることを余儀なくされた。それすらできない人は、他人からモノを盗むしかなかったのだ。

    (参考記事:強盗を裁判抜きで銃殺する金正日流の治安対策

    北朝鮮の経済状況は当時と比べ好転したとは言え、国際社会の制裁のしわ寄せで、犯罪が多発する状況には変化がない。とりわけ暮れも押し詰まる今、犯罪が急増しているという。

    黄海北道(ファンヘブクト)の内部情報筋によると、懐が寒くなった人が多いせいか、事件が増加している。窃盗はもちろん、強盗や殺人も起きている。それも顔見知りの人に襲われる事件が増加しているため、「誰も信じられない」という雰囲気が高まっているとのことだ。

    保安員(警察官)は「いくら親しい人でも、夜にやって来たら玄関を開けずに翌日の昼に来るように伝えよ」「夜には絶対に外出するな」などとと言っている。

    犯罪の多発は、この時期に増加するオンドル(床暖房)による一酸化炭素中毒を未然に防ぐための活動にも、悪影響を与えている。

    人民班(町内会)では、「焦げ臭い匂い取り締まり班」を作り、見回りを行っている。午後10時、午前2時、4時の3回、町内の家を訪ね、玄関をノックして返事があるかどうかを確認し、なければ鍵をこじ開けて室内の様子を確認するというものだ。

    ところが犯罪の多発を受けて、多くの人がドアを鉄製のものに変えてしまった。また、よかれと思って行っている活動なのに、門前払い同然の扱いを受けることもあり、活動が低調になっている。そのせいで一酸化炭素中毒が増えているというのだ。店番をしていた老人が、練炭の火を消さずに寝てしまい、亡くなるという悲劇も起きている。

    (参考記事:「眠っているうちに」死者数万人、北朝鮮庶民が震える「冬の夜の恐怖」

    また、兵士による強盗事件も頻発している。当局は「兵士を装った民間人の仕業」と言っていて、実際にそのような事例もあるが、兵士による犯罪が増えているのは確かだとのことだ。

    (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

    もっとも、軍の冬季訓練の間は強盗事件が減る傾向にある。

    冬季訓練は、毎年12月から翌年の3月末まで行われる。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士のみならず、教導隊や労農赤衛軍などの民間防衛組織も訓練に動員され、一般住民は灯火管制、避難訓練などに参加させられる。

    それでも、まともな食事を与えられずに厳しい訓練をさせられる兵士が、農場や民家を襲う事例は少なくない。「農場の圃田は私の圃田」というスローガンをもじった「人民の圃田は私の圃田」と、アニメの『ドラえもん』に登場する剛田武のような「ジャイアニズム」を振りかざして食糧を略奪する。

    (参考記事:【スクープ撮】人質を盾に抵抗する脱北兵士、逮捕の瞬間!

  • 金正恩が最も恐れる「パンク青年」の影

    東京新聞は25日、北朝鮮当局が今年8月に青年層への教育と統制を強化する指示を全国的に下していたと、内部文書を引用して報じた。この文書で取り締まり対象として挙げられているのは、「傀儡映画などの不順出版宣伝物」や「異色な踊りや歌」などだ。つまり韓流ドラマ、映画、バラエティ、K-POPのことを指す。

    (参考記事:「網タイツ」を取り締まれ…金正恩氏の命令でキャンペーン

    北朝鮮では今年に入ってから、一連の非社会主義的現象(当局が考える風紀を乱す行為)の取り締まりが行われ、春には韓流ドラマを見ていた若者が少年院送りの処分を受けているが、若者への締め付けは強まる一方だ。そこからは幹部の子弟とて逃れられない。

    (参考記事:北朝鮮の少年少女が恐れる「少年院送り」…それでも止められない遊びとは

    平安南道(ピョンアンナムド)内部情報筋によると、平城(ピョンソン)市の中徳(チュンドク)高級中学校3年生(高3に該当)の生徒5人が韓流ドラマを見ていたところを踏み込まれ、保衛部(秘密警察)に連行された。

    その後、5人の中に平城市人民委員会(市役所)の幹部の子弟が含まれていることが判明した。当初、保衛部は事件をもみ消そうとした。幹部の子弟に手荒な真似をすると、どのような仕返しに遭うかわからないからだ。しかし、上部から「厳しく取り締まれ」との指示が下されたため、通常通り取り調べを進めているとのことだ。

    この件について情報筋は「南北の若いムードがあふれる時期だからこそ、あえて強く処罰している可能性が高い。上部の指示もあったので保衛部は幹部の子どもに対して罰を下すだろう」としている。この情報筋は東京新聞が報じた指示については認識していないもようだが、若者に対する締め付けの強化を肌で感じ取ったようだ。

    「チャンマダン(市場)世代」と呼ばれる若者は、北朝鮮当局が最も恐れる存在だ。

    日々の食糧から住宅に至るまで、ほぼすべてのものを国から配給で受け取り、国や指導者をありがたく思っていた上の世代とは異なり、配給制度の崩壊後に育った若者は、国や指導者、社会に対して無関心で、自分の暮らしを優先させる。

    また、スマホなどのデジタルデバイスの扱いに慣れており、韓流などの外国発の文化コンテンツを流通させるなど、当局にとって非常に頭の痛い存在だ。

    (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

    若者たちは、統制強化と重罰化でしばらくはおとなしくしているだろうが、ほとぼりが冷めれば取り締まりが骨抜きにされるのが北朝鮮の常だ。彼らが「不順出版宣伝物」や「異色な踊りや歌」を捨て去り、社会主義の偉大な理想に燃えることなどありえないのだ。

    (参考記事:世界で最も過激な「BTSファン」は北朝鮮にいた

    上述の指示文には、中国との国境に面した慈江道(チャガンド)中江(チュンガン)郡で「おんどりのような頭で出歩く」青年の話が出てくる。記事はモヒカンのことを指すのでないかとしているが、これを持って「北朝鮮にもついにパンクスが登場した」と考えるのは早計だろうか。

    (参考記事:亡命した北朝鮮外交官、「ドラゴンボール」ファンの次男を待っていた「地獄」

  • 「資本主義の恐ろしさ」体験談に興味津々の北朝鮮国民

    「資本主義の恐ろしさ」体験談に興味津々の北朝鮮国民

    韓国統一省の統計によると、今年11月末までに韓国に入国した脱北者の数は1042人で、昨年の1045人とほぼ同数だ。2009年には2914人に達したが、その後は減少に転じ、金正恩氏が北朝鮮の最高指導者に就任してからは、年間1000人から1500人の水準で推移している。国境統制の強化によるものと思われる。

    その一環として北朝鮮当局が、「中朝国境の全域に監視カメラを設置せよ」との指示を下したと、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋が伝えた。

    国境警備隊の2個大隊が担当している鴨緑江沿いの約12キロについては、監視カメラの設置が完了し、大隊の指揮部には監視装置が設置された。しかし、「極秘になっているため、どのような装置が導入されたのか、担当者以外には誰もわからない」(情報筋)とのことだ。

  • 金正恩「2019年終末論」も予言…北朝鮮で「占い師」ら処刑

    北朝鮮で、占いに対する取り締まりが厳しさを増している。これまでは比較的取り締まりが弱かったが、最近になって銃殺刑が執行されるほどになっている。

    咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、先月17日に清津(鄭進)で、20代前半の占い師の女性が銃殺された。

    一方、穏城(オンソン)では「ヒスン」という名の女性占い師が労働教化刑(懲役)18年を宣告された。会寧(フェリョン)では占い師6人が逮捕され、保安署(警察署)で取り調べを受けているが、「いずれ銃殺になる」との噂が流れているとのことだ。

    (参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」

    このような占いに対する厳しい取り締まりは、かなり異例のことだ。北朝鮮の刑法256条(迷信行為罪)では、金品を受け取って「迷信行為」を行った者に対して1年以下の労働教化刑、罪状が重い場合は3年以下の労働教化刑に処すと定めている。つまり、取り締まり自体が「理不尽」ではあっても、刑罰は比較的軽い。

    これまで取り締まりが緩かったのは、客に権力者が多いことが影響していたのかもしれない。しかし、金正恩党委員長にとって非常に都合の悪い噂を流されたりすることもあり、取り締まりが強化されている模様だ。

    (参考記事:金正恩氏の「血の大虐殺」を予言していた北朝鮮の占い師たち

    米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、2016年頃には金正恩氏の運は2019年に尽きるという、「金正恩2019年終末説」が流布したこともあった。

    (参考記事:北朝鮮で拡散する「2019年金正恩終末論」

    金正恩氏は今年7月、「迷信行為を強力に取り締まり、処罰する」という方針を下し、最近になって迷信行為を根絶せよという内容の指示文を下した。

    金正恩氏は迷信行為に対して「厳重に処罰しろ」と指示したとのことだが、これは国民の間では「銃殺すべき者は銃殺し、教化所(刑務所)送りにすべき者はさっさと送ってしまえ」という意味合いで受け止められている。

    取り締まり以外でも、住民を対象とした講演会や会議で「迷信行為をするな」「迷信行為を行った者も、してもらった者も処罰する」という教育がなされている。

    韓流コンテンツなどを取り締まるタスクフォース「109常務(サンム)」に摘発される事例もある。昨年、穏城に住むある人は、家宅捜索に入った109常務により、占い師に書いてもらった御札を見つけられ、何度も呼び出しを食らった上で、タバコ3箱を渡してもみ消したとのことだ。

    しかし、苦しい時の神頼みならぬ占い師頼みで、当局がいくら取り締まりを行っても、占いが消えることはなかった。

    「占いは誰でも年に1回は見てもらうものと考える。精神的につらいことが多かったり、仕事がうまくいかなったりしたら、占いに頼ろうとする」(情報筋)

    「1990年代の大飢饉『苦難の行軍』のころ、占い代は50北朝鮮ウォンだった。コメ1キロを買える額だったが、周りで餓死する人が多く社会が混乱している時こそ、占いに頼ろうとする人が多い」 (咸鏡南道<ハムギョンナムド>出身の脱北者)

    「苦難の行軍」の当時、端川(タンチョン)では占い師2人が銃殺され、教化所送りになった占い師も少なくないとのことだが、それから20年経っても占いは根絶されていない。

    (参考記事:北朝鮮の「占い」取り締まりで女性客ら多数逮捕

    逆に言うと、占いは「この程度」の取り締まりで見逃してもらえているとも言えよう。同じ「迷信行為」に分類されているものの中でも、キリスト教は遥かに過酷な扱いを受けている。

    (参考記事:実はクリスチャンの家系なのに…キリスト教徒を処刑してきた北朝鮮の独裁者たち

  • 「公開処刑」「虐待労働」衛星写真が暴く北朝鮮の秘密

    「公開処刑」「虐待労働」衛星写真が暴く北朝鮮の秘密

    告発続く北朝鮮の人権侵害(4)

    米国のNGOである北朝鮮人権委員会(HRNK)は8月30日、咸鏡北道(ハムギョンナムド)の清津(チョンジン)にある25号管理所の収監者たちが強制労働させられる様子を撮った衛星写真を公開した(上)。北朝鮮の人権侵害の様子が、衛星写真に捕捉されたのはこれが初めてではない。HRNKは過去、公開処刑の様子を捉えた証拠写真も公開している。

    管理所とは、北朝鮮における政治犯収容所の正式名称である。今月17日、国連総会が14年連続で採択した、北朝鮮の人権侵害に対する非難決議は、政治犯収容所の閉鎖と全ての政治犯の釈放を要求している。

    国連の北朝鮮人権調査委員会(COI)が2014年2月に発表した最終報告書によれば、北朝鮮には4ヶ所の政治犯収容所がある。また、教化所(刑務所)に転用されたとの説がある施設がもうひとつあり、8万人から12万人の政治犯が収容されていると見られている。

    政治犯収容所に警備隊員として勤務し、その恐怖の実態を告発し続けている脱北者・安明哲氏によれば、「そこでは人間が想像しうる、ありとあらゆる残酷なことが行われていた」という。まさに、実在する「地獄の一丁目」である。

    政治犯収容所の写真自体は、これまでにも数多く撮影されているが、HRNKが公開した写真では初めて、収監者や警備隊員と見られる人影が確認された。写真に付けられたキャプションは左上から時計回りに、◆収容所の監視塔◆収監者と警備隊員と推定。穀物の収穫の様子◆2017年11月6日撮影◆収容所の塀◆荷車と推定◆荷車と推定――となっている。

    一方、韓国・ソウルに本部を置く「転換期正義ワーキンググループ(Transitional Justice Working Group=TJWG)」は、北朝鮮国内で銃殺が行われた場所、死亡者の遺体が集団埋葬された推定地、遺体の火葬場所などを示したマップの制作を進めている。TJWGはこれまで、数百人の脱北者との対面調査を行い、そこで得たデータを情報技術(IT)を駆使した手法で解析し、場所を推定。その場所を地図上の座標に落とし込む作業を続けてきた。

    作業はまだ続いているが、昨年7月に中間総括として発表された報告書によると、銃殺や火あぶりなどの刑が行われた場所、集団埋葬の推定場所など計393カ所を把握したという。

    政治犯収容所には以前、有期刑の囚人を収容する「革命化区域」と、無期刑の囚人が入れられる「完全統制区域」が存在していた。そのため、革命化区域から釈放され、脱北した人々の証言により収容所の実態が外部に知られることになった。

    ところが金正恩党委員長の時代になり、北朝鮮は革命化区域をなくし、収容所すべてを完全統制区域にしてしまった。これにより、収容所の実態把握が困難になっている。

    現時点では、HRNKやTJWGなどの取り組みだけでは、北朝鮮の隠ぺい工作に対して有効とは言えないかも知れない。やはりこの問題を掘り下げるには、国家レベルでの情報収集が必要だ。

    人権問題は、間違いなく北朝鮮のアキレス腱である。また、人権問題の改善と民主化なくして、北朝鮮の本当の非核化はあり得ない。要は北東アジアの安全保障に関わる問題なのであり、そういった視点から、相応の予算を投じた情報収集に、いずれかの国が動き出すことが待望されている。

  • 韓国の情報力劣化か…金正恩氏の側近「消息不明77日間」は間違い

    韓国紙・中央日報は26日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の側近のひとり、朴光浩(パク・クァンホ)党副委員長(宣伝扇動部長兼任)が、「公開の場に姿を見せなくなって25日で77日が過ぎた」と伝えた。

    朴光浩氏が兼務する党宣伝扇動部長は、北朝鮮の思想統制やメディア戦略を統括する責任者だ。また同氏は、金正恩氏の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長の直属の上官であり、

    朴光浩氏の身の上に何かあったとすれば、注目すべき動向と言える。しかし、中央日報が伝えた「姿を見せなくなって77日」というのは間違いである。朴光浩氏は11月2日の公式行事に参加していたことが、北朝鮮の国営メディアの報道から確認できるのだ。ということは、同氏が公開の場に現れなくなったのは、正確には77日ではなく58日だ。

    些細な違いかも知れないが、公式報道から要人の動静を割り出すのは、北朝鮮分析の基本中の基本だ。それを見落とすとは、韓国の対北情報能力の劣化を示しているのかもしれない。

    ちなみに2016年2月、韓国では北朝鮮の李永吉(リ・ヨンギル)軍総参謀長が処刑されたとの情報が出回ったことがあった。しかし李永吉は同年5月、降格されながらも健在であったことが確認された(現在は総参謀長に再登板)。

    (参考記事:北朝鮮「処刑された軍高官」が再登場した!

    北朝鮮の人事情報の確認が、難しいものであるのは確かなのだ。

    では、今回の中央日報の報道を、詳しく検証してみよう。同紙は韓国政府当局者の話として、次のように伝えている。

  • 死亡の米大生「歯がズレた」原因は北朝鮮の拷問…裁判所が認定

    死亡の米大生「歯がズレた」原因は北朝鮮の拷問…裁判所が認定

    北朝鮮に拘束され米国に帰国直後に死亡した米バージニア大学生、オットー・ワームビアさん(当時22歳)の両親が北朝鮮に賠償を求めていた訴訟で、米ワシントンDCの連邦地方裁判所は24日、北朝鮮に対し5億100万ドル(約552億円)の支払いを命じた。

    ワームビアさんは2016年1月に北朝鮮で拘束され、2017年6月に昏睡状態で米国に帰国。その直後に死亡した。両親は今年4月、北朝鮮に賠償を求める訴訟を起こしていた。

    両親側は、北朝鮮から帰国したワームビアさんの歯列が大きく変形していたことなどを根拠に、ワームビアさんが北朝鮮で拷問を受けたと主張していた。上の写真は北朝鮮に行く前のワームビアさんのエックス線写真だ。問題は下の歯列の中央の2本の歯なのだが、この写真ではきれいな歯並びであることがわかる。

    しかし、ワームビアさんの主治医が陳述書に添付して連邦地裁に提出したスキャン写真を見ると、この2本の歯が、不自然に口の内側に移動しているのだ。

    (参考記事:【写真】大きく変形したワームビアさんの歯列

    判決文と付属の意見書(memorandum opinion)に基づく米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の報道によれば、地裁のベリル・ハウェル判事は判決文で「北朝鮮はワームビア氏の拷問、人質、超法規的な殺人に責任がある」とした。

    また意見書では、ワームビアさんの主治医だったダニエル・カンター博士が書面陳述を通じ、死因について「脳への血液の供給が5~20分間にわたり止まったか、あるいは大きく減少したため」との結論を示した点に注目。また、「北朝鮮の拷問手法である水拷問と歯を折る拷問、電気拷問は呼吸中断につながり得るものだ」とする、ロバート・コリンズ北朝鮮人権委員会先任顧問の陳述書を引用しているという。

    (参考記事:北朝鮮の刑務所で「フォアグラ拷問」が行われている

    ハウェル判事はさらに、ワームビアさんの足に大きなケガがある点と、前述した歯の位置の変化についても、拷問が加えられた事実を示すものと認めたという。

    一方、北朝鮮政府はワームビアさんの死因はボツリヌス中毒症、および睡眠薬の摂取であるとし、拷問の疑いは否定している。ただ、同政府は米国での民事訴訟で、正式に抗弁する手続きを取らなかった。このことは今後の米朝対話に、大きな禍根を残してしまった可能性がある。

    VOAによれば、米国にはテロ支援国を民事訴訟の相手とすることを可能にする「外国主権免除法(FSIA)」という法律がある。ワームビアさんが拘束されてから死亡するまでの期間、北朝鮮はテロ支援国の指定から外れていた。しかしハウェル判事は意見書で、ワームビアさんの事件が北朝鮮のテロ支援国再指定につながった事実に言及し、同法により今回の訴訟が成立したことを明らかにしているという。

    さらに米国には、テロ支援国から被害を受けた国民に対し、政府が「米テロ支援国被害基金」を通じて賠償金を支払う仕組みがあるという。筆者はこの制度の中身について詳しくないが、米国政府が賠償金の一部を肩代わりするものであると思われる。

    仮に、ワームビアさんの両親がこの仕組みを通じて賠償金を受け取ることになれば、北朝鮮は米国政府に債務を負うことになるわけだ。米国が、何事においても法律を厳格に運用するお国柄であることを考えると、北朝鮮が今回の問題で生じた債務を支払わないことが、今後の両国の対話で新たなブレーキになってしまう可能性があるということだ。

    北朝鮮は、法治がきわめておざなりにされている国だが、だからこそ、米国の厳格な法治主義を理解できていないのではないだろうか。

    (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

  • 北朝鮮軍兵士による襲撃事件が多発…地域住民ら警戒

    北朝鮮軍兵士による襲撃事件が多発…地域住民ら警戒

    国際社会による制裁、度重なる自然災害による凶作で、北朝鮮の食糧事情は予断を許さない状況が続いている。1990年代の大飢饉「苦難の行軍」のころに比べればマシなようだが、食糧を協同農場からの配給に頼っている朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士たちの状況はひどい有様だ。それでなくとも軍紀は地に落ちていたが、ここへ来て農民を襲撃する事件が続発している。

    (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

    両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、現地に駐屯する朝鮮人民軍の12軍団は、国からの配給が滞っているため、食糧事情が極めて劣悪な状態となっている。

    飢えた兵士たちは集団で強盗や詐欺を働いている。抗議すれば暴力を振るわれることすらあるため、兵士を見かけたら避けるほどだという。住民からは「乞食軍隊」、「マフノ部隊」と呼ばれ、馬鹿にされつつ恐れられている。ている。マフノとは、ロシア革命時の黒軍の将、ネストル・マフノのことで、略奪の象徴だ。

    (参考記事:【スクープ撮】人質を盾に抵抗する脱北兵士、逮捕の瞬間!

    食糧同様に、衣類の配給も滞っている。

    冬には氷点下20度以下まで下がるこの地域の部隊に所属する兵士には、冬服や防寒靴、防寒足袋などが支給されることになっているが、12軍団の兵士には配給されず、昨冬に着ていたボロボロの冬服を直して着ている有様だという。そんな中、一部兵士が民家から中国製の靴を盗む事件が発生した。さらには住民に性的暴力を振るう場合もある。

    (参考記事:ひとりで女性兵士30人を暴行した北朝鮮軍の中隊長

    彼らの栄養状態が非常に悪く、結核にかかる兵士も続出している。道内の三水(サムス)郡の鹿農場には臨時結核療養所が設置されているが、収容される人の35%が軍官(将校)だという。軍官でのこの状況なら、末端の兵士の状況はより深刻であることは想像に難くない。療養所に行ったところで、治療に必要な抗生物質を得るのは難しいだろう。

    あまりの状況に脱走する兵士も多い。半年ほど復帰しなければ生活除隊(不名誉除隊)となり、今後の社会生活に様々な制限が加えられるが、それでも「死ぬよりはマシ」だと逃げる人が多いというのだ。

    ただし、同じ地域にある軍隊でも、部隊によって置かれた状況は全く異なる。国境警備隊の場合は、密輸で儲けた資金を蓄えているため、食糧、衣類ともに充分に配給を受けている上に、自主的に耕した畑から取れる作物もあるため、兵士たちの栄養状態は良好だ。

    そんな状況を知っている親たちは、息子を一般の部隊ではなく国境警備隊、海岸警備隊、海軍などに送り込むためにかなりの額のワイロを支払う。これはもはや一般的な現象だ。

    情報筋も近隣住民も12軍団の兵士たちを恐れつつも、その惨状に心を痛めている。

    「近隣住民の12軍団の兵士への視線は厳しいが、兵役に行った息子を持つ親たちは、心配している」(情報筋)

    当局は今年夏から秋にかけて、中国から大量の穀物を取り寄せて軍隊に配給し、食糧事情がかなり好転したと伝えられてきたが、それも一時的なものだったようだ。

  • 中国が拘束…金正恩氏の「友人」と女学生パーティーの秘密

    中国が拘束…金正恩氏の「友人」と女学生パーティーの秘密

    中国外交部は14日、カナダ人で北朝鮮ビジネスに携わっているマイケル・スペーバー氏を国家安全保障を脅かす容疑で拘束したと明らかにした。拘束の現場は、中国と北朝鮮の国境地域である遼寧省丹東市。スペーバー氏は、ただのビジネスマンではない。金正恩党委員長の「マブダチ」とされている人物だ。それだけに拘束の背景が気になる。

    女学生がコンパニオンとして

    金正恩氏のマブダチとして真っ先に思い浮かぶのが、米プロバスケットボールNBAの元スター選手であるデニス・ロッドマン氏だ。ロッドマン氏は2013年、いきなり訪朝して金正恩氏と面談し世界を驚愕させた。さらに翌2014年にも訪朝し、金正恩氏の誕生日(1月8日)を祝った。

    スーパースターに誕生日を祝ってもらった金正恩氏は大はしゃぎだったが、その裏では、ロッドマン一行を接待するパーティーに、名門学院から女学生たちがコンパニオンとして動員された。乱痴気騒ぎに付き合わされた彼女たちは、陰で泣いていたという。

    実は金正恩氏とロッドマン氏の仲を取り持ったのが、スペーバー氏である。スペーバー氏はカナダのアルバータ州カルガリー出身だ。2005年にバンクーバーのNGOから平壌の学校に半年間、英語教師として派遣されたことをきっかけに、北朝鮮と深い関わりを持つようになった。北朝鮮訛りの朝鮮語(韓国語)を操り、現在は中国吉林省朝鮮族自治州の延吉市に在住しながら、北朝鮮のビジネスコンサルタントと文化、教育、スポーツ交流を行う白頭山文化交流社を運営している。

    スペーバー氏は2016年に開かれた「白頭山国際フィギュアスケート祝祭」に、世界的なフィギュアスケート選手を招請した。ロッドマン氏をはじめそれなりの人脈と、企画を成立させる能力の持ち主のようだ。一方では、同年3月に開かれた「平壌国際アイスホッケー親善大会」にナショナル・ホッケー・リーグ(NHL)所属の有名選手が参加すると発表したが、結局、参加したのはアマチュア選手14人だけだったという「大ぼらを吹いた」経歴もある。

    それでも、金正恩氏が心を開く数少ない外国人であることは間違いない。金正恩氏自慢の専用機に同乗したり、別荘に招かれたりという情報もある。つまり、ベールに包まれた金正恩氏のプライベートを知る人物でもあるのだ。現地指導の際、一般のトイレを使用できず、専用車のベンツに「代用品」を載せて移動しているといわれている金正恩氏のトップシークレットも知っている可能性がある。

    金正恩氏との特別な関係の見返りか、北朝鮮当局からは外貨稼ぎを依頼されているようだ。しかしここ最近は制裁の影響もあって、思うような結果を出せずに苦戦しているとの話も聞こえてくる。

    スペーバー氏が拘束された背景には、中国とカナダの対立があるとされる。今月1日、カナダで中国の通信機器大手「ファーウェイ」副会長の孟晩舟が、米国の要請により逮捕された。対イラン制裁違反の疑いだという。この後、中国で元外交官のマイケル・コブリグ氏と、スペーバー氏が拘束された。19日には3人目が逮捕された。一連の逮捕はファーウェイ副会長拘束への報復という見方が強い。

    現時点では、スペーバー氏はとばっちりを受けただけのように見えるが、北朝鮮に対するなんらかの警告の意図がまったくないとも言い切れない。いずれにせよ中国公安はスペーバー氏から、私的パーティーやその他のプライバシーも含め、金正恩氏に関する様々な情報を入手しようとしているかもしれない。だとすると、金正恩氏も心穏やかではないだろう。

  • 人身売買団のワナにはまった「ある少女」を待ち構える運命

    告発続く北朝鮮の人権侵害(3)

    トランプ米大統領は11月29日、北朝鮮を資金援助の禁止対象に再指定した。理由は、北朝鮮政府が人身売買の被害を防止するための最低限の措置を講じていないためだ。主として中国を舞台とした北朝鮮女性の人身売買については、米国内でも年々、問題視する傾向が強まっている。

    これに対し北朝鮮は、朝鮮労働党機関紙・労働新聞が12月11日付の論評で「言いがかりだ」とするなど強く反発した。論評は「米国の今回の挑発行為は、朝鮮の尊厳あるイメージをどうしてでもダウンさせ、制裁・圧迫の雰囲気をより鼓吹してみようとするものだ」と主張した。

    しかし、北朝鮮女性の人身売買が横行しているのは、あまりに明白な事実だ。北朝鮮国内での人権侵害については、同国政府が許可しないため国内での調査が難しいが、こちらの問題は現地からの情報も積み上がっている。

    北朝鮮事情に精通した中国のデイリーNK情報筋によると、両江道(リャンガンド)に住んでいた少女は最近、何らかの理由で川を渡って中国に行こうとしたところで、人身売買団に捕まってしまった。

    人身売買団は家族に電話をかけ「1万元(約16万3000円)を払わなければ、娘を中国で売り飛ばす」と脅迫してきたという。身代金は一般庶民には到底払えない額であることから、情報筋は人身売買団が、少女が経済的に余裕のある家の出で、脱北しようとしていたことを事前に察知、当初から身代金目的で拉致したものと見ている。

    このように犯罪組織のワナは、いたるところに張り巡らされている。

    運良く脱北に成功しても待ち受けているのは、監禁、拉致、強制的な性産業の従事、強制結婚などのリスクだ。

    さらに由々しきは、こうした女性らは北朝鮮に戻っても、犯罪者扱いされることが多いという事実だ。中国当局は、人身売買の被害者であれ何であれ、脱北者を逮捕して強制送還する。そこで女性たちを待ち構えているのは、拷問、強制堕胎、性暴力だ。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が最近発表した、北朝鮮における女性に対する性暴力の実態をまとめた報告書は、拘禁施設で脱北後に強制送還された女性に対する性暴力の実態について最も多くのページを割いて伝えている。

  • 国の経済発展を促した科学技術成果

    【平壌12月20日発朝鮮中央通信】朝鮮の科学者、技術者は今年、多くの科学技術成果を収めて国の経済発展を積極的に促した。

    国家科学院では、複数の単位と協力して火力発電所で重油を使わずに電力生産を正常化できる酸素による微粉炭着火技術の導入、医薬品の生産および品質管理基準に合致する統合生産システムの構築、育苗場での軽基質の生産と樹木の種子選別および種まき工程に必要な設備の導入など、経済的効率の高い科学技術成果を出した。

    これとともに、光ファイバーレーザー切断機、新型の多機能傾斜網抄紙機のような先端設備を開発し、ゴムと石けん工業、養魚と畜産業の発展において提起される多くの技術上の問題を解決した。

    金日成総合大学と金策工業総合大学、石炭研究院、農業研究院などの教育、科学単位では、燃焼模型鋳造工程設備と国家統合電力管理のための電力地理情報システム、新型の風力揚水機と稲のコンバインの開発をはじめ、現実的意義の大きい研究成果を収めた。

    北倉火力発電連合企業所に派遣された2月17日科学者・技術者突撃隊員らは、ボイラー系統のオートメ化に必要なPLC装置とリアルタイム分析システム、実情に合う分散型制御システムなどを開発して電力生産の向上に寄与した。

    また、金策製鉄連合企業所と黄海製鉄連合企業所でも、非コークス製鉄法の新しい域を開拓して鋼鉄増産の技術的保証をもたらした。

    金星(クムソン)トラクター工場と勝利(スンリ)自動車連合企業所の技術者は、複数の単位の科学者と共に数百件の技術革新案を研究、完成し、新しいジグ、装備を設計、製作してトラクターと自動車の生産計画の遂行に寄与した。

    今年に行われた祭典、展覧会、展示会、発表会は、新しい科学技術成果を全社会的に広く普及し、全国に科学技術熱風を強く巻き起こした。

    これら全てのことは、朝鮮労働党の科学技術重視政策の正当性と生命力の証左となる。---

  • 三池淵邑地区の住宅、公共施設建設の成果を引き続き拡大

    【平壌12月21日発朝鮮中央通信】朝鮮で三池淵郡の整備が力強く進ちょくしている中で、邑地区の住宅、公共施設建設の成果が引き続き拡大されている。

    現在、千数百世帯の住宅内部工事が基本的に終わった。

    第216師団省・中央機関旅団傘下の各施工単位で百数十世帯の住宅内部工事を終えたし、第618建設旅団と第922建設旅団をはじめ多くの施工単位でも完成した住宅世帯数を増やしている。

    これとともに、サービス施設の内装工事、三池淵邑地区の複数の区画道路工事が積極的に推し進められている。

    軍人建設者と省・中央機関旅団傘下の各単位で各種の建具と照明器具設置をはじめ、内部作業を一日も早く終えるために奮闘している。

    第618建設旅団傘下の各施工単位でも、住宅建物の基壇層に配置されたサービス施設の内部工事を進めている。

    複数の区画の道路工事のための掘削などの作業も進ちょくしている。---