カテゴリー: 非表示noindex

  • 「労働新聞」 朝鮮の政治的・思想的威力を全面的に強化すべきだ

    【平壌1月17日発朝鮮中央通信】17日付の「労働新聞」は社説で、今年、朝鮮労働党が打ち出した戦闘的課題を立派に実現して革命の前進をさらに速めるためには政治的・思想的威力を全面的に強化しなければならないと強調した。

    同紙は、政治的・思想的威力はわが国家の第一の国力であり、社会主義強国建設の原動力だとし、次のように指摘した。

    チュチェの社会主義偉業実現の雪道を踏み分け、前途に横たわる万難の試練を果敢に乗り越えていつも勝利だけを収めてきたわが祖国の英雄的闘争の根底には偉大な一心団結がある。

    政治的・思想的威力の強化、まさにここに社会主義国家の尊厳と勝利、限りない隆盛・繁栄がある。

    希世の天が賜った偉人である最高指導者金正恩党委員長を高くいただいたので、こんにちチュチェ朝鮮の政治的・思想的威力は最上の域で誇示されている。

    社会主義朝鮮は、思想的一色化を立派に実現した一心団結の国である。

    万民を共感させ、結合させることのできる優れた思想と政治があり、それに基づいて強固な統一団結を成した国家は必勝不敗である。

    わが人民は党が構想し、雄大な青写真を示せば可能性自体を論じない。

    党の政策は科学、真理であり、千万の試練が折り重なっても無条件に貫徹すべきだというのが全国に満ち溢れる衷情の世界である。

    偉大な思想と不屈の精神力に基づいた一心団結の威力で前進するチュチェ朝鮮の新年の革命的進軍が日増しにいっそう激しくなっている。

    ともに、党の周りに一心同体となって固く団結し、偉大な人民の国、社会主義祖国の富強・発展のために力強く闘っていこう。---

  • 子どもの間で愛用されている音声図書読み取りペン

    【平壌1月17日発朝鮮中央通信】最近、朝鮮のメアリ音響社が開発した音声図書読み取りペン「ソリヨンピル(音声鉛筆)」が学齢前子どもの間で愛用されている。

    ソク・ミョンソン室長は、音声図書読み取りペンは特別に印刷された教材の絵と文字情報を光学的に識別して音声で正確に読んでくれる装置だと述べ、次のように語った。

    音声図書読み取りペンを利用すれば、子どもが自ら朝鮮語と文字、算数、外国語などを初歩段階で習得することができる。

    このペンは、子どもが場所にこだわらずに勉強しながら知能を啓発するのに役立っている。

    音声図書読み取りペンと結合された教材として「国語を学ぶよ」「数え方を学ぶよ」「衛生を守りましょう」「英語を学ぶよ」などがある。---

  • 国の製靴工業を主導する工場

    【平壌1月17日発朝鮮中央通信】朝鮮で「メボンサン(毎峰山)」履物を生産する地方の大きくない製靴工場が、国の製靴工業を主導する工場として全国に広く知られている。

    その工場がまさに、「全国履物展示会―2018」で1位をした江原道の元山製靴工場である。

    同工場では、履物サービス受注システムのための足測定装置と超臨界炭酸ガスによる靴底軽量化工程を確立したのをはじめ、生産の多種化、多様化、多色化、軽量化を高い水準で実現するために極力努力している。

    履物の縁作業につき固め機を導入して質を改善するとともに速度を高め、裁断工程で多くの労力と資材を節約している。

    靴底鋳型改造と靴底の端加工機で靴底の質を上げ、光沢性と付着性がよりよい着色剤、乾燥工程における赤外線ランプの新たな利用によって、コストを低め、製品の接着率も高めている。

    昨年12月、同工場を訪れた最高指導者金正恩党委員長は工場の生産者が収めた成果に満足の意を表した。---

  • 板ガラス生産を高い水準で正常化

    【平壌1月16日発朝鮮中央通信】最高指導者金正恩党委員長の歴史的な新年の辞に打ち出された課題の貫徹に立ち上がった大安(テアン)親善ガラス工場の労働者たちが、設備管理、技術管理を綿密に行って板ガラス生産を高い水準で正常化している。---

  • 自力更生は朝鮮人民の永遠の闘争の旗印

    【平壌1月16日発朝鮮中央通信】最高指導者金正恩党委員長は新年の辞で、今年に朝鮮人民が掲げるべきスローガン「自力更生の旗を高く掲げ、社会主義建設の新たな進撃路を開いていこう!」を提示した。

    朝鮮革命の歴史は、自力更生の威力によって前代未聞の試練と難関を切り抜けてきた勝利と栄光の歴史である。

    抗日武装闘争期に創造された自力更生は、革命と建設の全期間、いつも闘争の旗印、飛躍の原動力になってきた。

    それゆえ、朝鮮人民は他人がかつて体験できなかった厳しい試練と難関の前でも瞬間の沈滞や足踏みもなしにもっぱら勝利の道に沿って力強く前進してくることができた。

    二回の革命戦争、二段階の社会革命、二回の復興建設、複数の段階の社会主義建設で収められた全ての勝利には、延吉爆弾精神、君子里革命精神、チョンリマ精神、江界精神、江原道精神のような朝鮮人民の自力更生の革命精神、刻苦奮闘の闘争気風が歴々と記されている。

    世紀的な奇跡と変革を起こしていた歴史の日々に、自力更生は朝鮮人民の誇らしい闘争方式となった。

    こんにち、朝鮮が敵対勢力の増大する制裁・封鎖策動の中でもいささかの躊躇(ちゅうちょ)や動揺もなしに社会主義強国建設の最後の勝利を目指して力強く前進しているのも、自力更生の革命精神で築いた自立経済の強固な土台があるからである。

    時代は前進し、革命の環境と条件は変わっても、もっぱら自力を信じて自力で全ての問題を解決しようとする朝鮮人民の意志はより強くなっている。

    今日も、未来もいつも自力更生で勝利する!

    これは、朝鮮人民の揺るぎない信念である。---

  • 【写真】元人気女子アナが韓国政府を猛批判「北が敵じゃないって…」

    【写真】元人気女子アナが韓国政府を猛批判「北が敵じゃないって…」

    韓国の最大野党・自由韓国党のペ・ヒョンジン前非常対策委員会報道官が、韓国国防省が発表した国防白書の最新版から「北朝鮮は主敵」との表現が消えたことを巡り、「ならば徴兵は何のためにするのか」と猛批判している。

    韓国MBCテレビの元アナウンサーで、同局の看板キャスターだったペ・ヒョンジン氏は昨年3月9日、自由韓国党に入党。非常対策委員会の報道官を昨年末まで務めた。現在は同党の地域組織の委員長として、次期総選挙に備えている。

    (参考記事:【写真】韓国MBCの元美人キャスターが自由韓国党入り

    最近、支持率が低迷する文在寅大統領に対し強気の攻勢に出ている自由韓国党だが、ぺ・ヒョンジン氏は経歴が経歴だけに、その発言に対する注目度も高い。

    (参考記事:【写真】文在寅批判の「美人過ぎる」野党議員…過去には「親日派」報道も

    同氏は15日、自身のフェイスブックに次のように書き、政権の姿勢を批判した。

  • 新年の作業に進入した朝鮮青年が人民経済の各部門で先兵の役割を果たす

    【平壌1月15日発朝鮮中央通信】最高指導者金正恩党委員長の歴史的な新年の辞に打ち出されている戦闘的課題の貫徹に立ち上がった朝鮮青年が、人民経済の各部門で先兵の役割を果たしている。

    電力工業部門の青年が連日、生産計画を超過遂行している。

    平壌火力発電連合企業所の青年は、自力更生の旗印を掲げて新年の1月の電力生産計画を超過遂行するために革新を起こしている。

    昨年、発電設備増設の工事を成功裏に完工した北倉火力発電連合企業所の青年は職場間の競争を繰り広げて多量の電気を生産している。

    石炭工業を自立的経済発展の最前線に押し立てた朝鮮労働党の意を体して各地の炭鉱の青年が掘進に優先的な力を入れる一方、採炭と運搬設備の稼働率を高めて年明けから生産の成果をあげている。

    金策製鉄連合企業所、黄海製鉄連合企業所の青年炉まわり工は、技術規定と標準操作法の要求を守りながらチュチェ鉄を増産している。

    社会主義経済建設の主要攻略部門である農業部門を担当した各地の協同農場の青年作業班・青年分組員も多くの堆肥を生産して田畑に運び出すなど、新年の営農準備に拍車をかけている。

    金正淑平壌紡織工場と平壌かばん工場をはじめとする軽工業部門の各工場でも新基準、新記録を創造していく青年の活力に満ちた姿を見られる。---

  • 「韓国は正気なのか!?」なじられても親北に向かう文在寅政権のDNA

    「韓国は正気なのか!?」なじられても親北に向かう文在寅政権のDNA

    韓国国防省が2年に一度刊行している「国防白書」の最新版(2018年)から、「北朝鮮政権と軍は敵」という表現が削除された。北朝鮮を「敵」とする表現は1995年版で初登場し、その後は出たり消えたりを繰り返してきた。現在、韓国と北朝鮮が対話を進めていることを踏まえれば、今回の国防白書から「北朝鮮は敵」との表現が消えたのも、さほど驚くことではないかもしれない。

    とはいえやはり、朝鮮半島情勢の大きな流れを見るとき、こうした動きが北朝鮮の金正恩党委員長のリードの下に生まれているとの印象を、完全に拭うことはできない。

    北朝鮮の巧みな外交術のベースとなっているのは、徹底した「原則論」である。そして、対韓国におけるそれは、「わが民族同士」だ。米国をはじめとする外部の影響を徹底的に排除し、朝鮮半島の問題は「民族自主」の原則で解決しようというものだ。

    これはシンプルなようで、多角的な外交関係を持つ現代の民主国家には、なかなか適用しにくいものだ。韓国は米国をはじめ国際社会との協調を抜きにして、安全保障も経済も成り立たない。北朝鮮はそれを知っていて「わが民族同士」を韓国に押し付けてきたのだ。時に、韓国の姿勢が気に入らないと「お前たちは正気なのか」と上から目線でしかりつけ、ゆさぶりを強めるのである。

    (参考記事:「韓国は正気なのか!?」文在寅政権に北朝鮮から非難

    もともと文在寅政権を支える韓国の左派は、「民族自主」のお題目に弱い。政権や与党幹部の中には学生運動時代、我が道を行く北朝鮮に憧れていた人々が数多くいる。時に、対北対応を巡って米国の「韓国パッシング」が取り沙汰されるが、その原因は文在寅政権のDNAにあるとも言えるのだ。

    (参考記事:日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開

    金正恩氏は今年の施政方針演説「新年の辞」においても、民族自主の原則を例年にも増して強調した。経済政策などに対する批判から支持率が低迷する文在寅政権は、ほとんど唯一の成果とも言える南北対話を、絶対に失うことが出来ない。つまりそれだけ、金正恩氏に足元を見られやすくなっているというわけだ。

    民族自主は決して悪いことではないが、あまり急激に深入りすると、国際協調に戻るのが困難になりかねない。

    果たして今の文在寅政権に、その微妙な速度調節をする心理的余裕があるだろうか。

    (参考記事:日韓「レーダー照射問題」の背後にある韓国政治の闇

    

  • 金正恩氏が「人糞集め」を止めさせる日

    金正恩氏が「人糞集め」を止めさせる日

    北朝鮮で、1年で最も苦しくて辛いと言われる恒例行事が始まっている。毎年1月から2月に行われる堆肥戦闘、すなわち「人糞集め」だ。絶対的に不足している肥料を補うために行われるのだが、これについて日本に在住する脱北者のSさんは次のように語った。

    「北朝鮮で何十年も厳しい生活を体験したので、日本ではどんなことでもやってのける自信はある。しかし、堆肥戦闘だけは死んでも二度とやりたくない」

    堆肥戦闘は、作業として苦しいだけではない。一昨年11月に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)兵士1人が、板門店の共同警備区域(JSA)から韓国側に亡命した。兵士は追手の銃撃を浴び、瀕死の重傷を負ったが、韓国側の医療チームによる懸命な治療によって、一命を取りとめた。

    兵士は二度の手術を受けたが、衝撃的な事実が明らかになる。兵士の腸内から、手術した医師が「見たことがない」と言うほどの大量の寄生虫が出てきたのだ。兵士がそうなってしまった原因の一つがまさに堆肥戦闘にあった。

    (参考記事:必死の医療陣、巨大な寄生虫…亡命兵士「手術動画」が北朝鮮国民に与える衝撃

    堆肥戦闘ではノルマが設定されるため、人々は正月早々、人糞を求めてさまよい歩く。ノルマを達成できなければペナルティーが待っているため人糞には値段が付き、商品として市場で取引される。さらに、人糞を巡るトラブルさえも起きる。

    別の脱北者のIさんは、「集めた人糞は、奪われないよう死守しなければならない(笑)。人のクソの取り合いで喧嘩したことも一度や二度ではない」と過去の苦労を苦笑いで振り返った。

    一方、一部では喜んで堆肥戦闘に参加するという人が現れたと、平安南道(ピョンアンナムド)の金城湖(クムソンホ)周辺に住む内部情報筋が伝える。

    (参考記事:「臭い、汚い、キツい」人糞集めに熱心な北朝鮮国民、そのワケは?)

    背景には金正恩党委員長による農業政策の変化がある。金正恩氏は2012年、協同農場の農地を農場員(農民)に任せ、収穫の一定割合だけを国家に納めさせ、残りは個人の取り分とする「圃田担当制」を導入した。いわゆるインセンティブ制度だ。この政策によって収穫が大幅に増えた農村もあるという。そうした農村では来年の収穫をさらに増やすために、農民たちは肥料となる人糞の確保に汗を流しているわけだ。

    それでも「圃田担当制」は、未だに一部での実施に留まっているようだ。

    (参考記事:北朝鮮の農民を苦境に追い込んだ「農業改革」の逆効果

    農民達が豊かになることは好ましいことだ。しかし自発的に農業を活性化させ豊かになればなるほど、国家の統制が効かなくなる可能性がある。そうしたことから、北朝鮮当局も様子を見ながら実験的に実施しているようだ。農民達の影響力が強くなれば、いずれ金正恩氏も「人糞を集めてはいけません」という指示を出すかもしれない。

  • 【写真】文在寅批判の「美人過ぎる」野党議員…過去には「親日派」報道も

    韓国最大野党・自由韓国党の羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)院内代表が、文在寅大統領の「対日発言」を厳しく批判。そのことが日本でも報道されている。

    羅氏は14日に開かれた党の非常対策委員会の会合で、「日本はもっと謙虚に」などと発言した文在寅氏の年頭会見について「日本を不必要に刺激したのではないかという話がある」と指摘。「文在寅政権が、反韓感情が極度に高まっている日本をどうにもならない状況まで追い込むならば、韓国への経済的な打撃はもちろん、韓米日同盟の弱体化に対する懸念が深まるだろう」との懸念を示した。

    女性として初めて同党の院内代表となった羅氏は、韓国で長らく「美人過ぎる議員」として注目を集めてきた人物だ。

  • 北朝鮮、日本政府に「徴用工」問題への介入を予告

    北朝鮮、日本政府に「徴用工」問題への介入を予告

    共同通信が12日付で報じたところによると、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は昨年12月、日本の植民地時代に徴用されるなどした朝鮮半島出身者の「強制動員」問題を日朝交渉で取り上げる用意があると、モンゴルを介して日本政府に伝えていたという。

    これはつまり、いま日韓の摩擦の種となっている従軍慰安婦問題や徴用工問題に、北朝鮮が介入してくるということを意味する。

    昨年来、対話の続いている北朝鮮と韓国だが、必ずしもすべての面でうまく行っているわけではない。北朝鮮は韓国に対して強い不信感を示してもいる。

    (参考記事:「韓国は正気なのか!?」文在寅政権に北朝鮮から非難

    金正恩党委員長は1月1日に行った施政方針演説「新年の辞」で、南北対話からは外部勢力、すなわち米国の影響を徹底して排除すべきだと強調した。韓国の文在寅政権は、イデオロギー的にはこれに共鳴しているかもしれないが、実行できるかどうかは別問題だ。

    (参考記事:日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開

    そんな中、日本を相手にした歴史問題は、南北が協調しやすい問題ではある。

    ちなみに共同によると、李容浩氏は「日本が拉致問題にこだわり続けるなら、提起せざるを得ない」と警告したという。しかし、この前提には何の意味もない。日朝交渉で、日本が拉致問題を取り上げないことなど絶対にあり得ないし、日本が拉致問題に言及しようがしまいが、北朝鮮が強制動員の問題を重要議題とするのは明らかだからだ。

    北朝鮮は昨年の段階ですでに、日本に対し、この問題で強い要求を行うことを示唆している。朝鮮労働党機関紙・労働新聞は11月11日付の論説で、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟の確定判決を支持すると同時に、判決を拒否する日本政府を非難。

    続けて、日本が戦時中に「840万人余りを誘拐、拉致、強制連行して戦場や重労働に送り込み、20万人の女性を性奴隷にした」と主張し、「日本の過去の罪悪に対する謝罪と賠償を必ずや百倍千倍にして受け取って見せる」と強調した。

    こうした主張のディテールについてはさておくとしても、日本政府は決して、北朝鮮のこうした姿勢を軽視すべきではない。日韓が1965年の国交正常化に際して締結した請求権協定では、日本が韓国に3億ドルを無償供与することなどで、国と国民の間の請求権問題については「完全かつ最終的に解決された」とされている。

    日本側はこれを根拠に韓国最高裁の判決を「あり得ない」としているわけだが、言うまでもなく、日本と北朝鮮の間には請求権協定のようなものは存在しない。完全に白紙の状態なのだ。

    また、戦争中の日本の行動を記録した資料の多くは、1965年には埋もれた状態にあったが、その後の研究で大量に発掘された。北朝鮮はそれらを韓国や中国はもちろん、日本国内や米国からも入手し、日本政府にぶつけて来るだろう。

    日朝間で「歴史バトル」が始まったら、その激しさは日韓間のそれの比ではないかもしれない。

    (参考記事:日韓「レーダー照射問題」の背後にある韓国政治の闇

  • 女性兵士への「性上納」強要だけじゃない…北朝鮮軍の末期症状

    韓国のニュースサイト、リバティ・コリア・ポスト(LKP)によれば、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)のある部隊で1月1日、末端の兵士たちが部隊指揮官の将校たちを襲撃し、メッタ打ちにする事件が発生したという。

    北朝鮮軍ではかねてから、食糧の横流しや女性兵士に対する性上納の強要など、軍紀のびん乱が進行していた。しかしそれらでさえも、上意下達が徹底された組織内で、上官が部下に対して権威を振りかざすことで発生蔓延してきたものだ。

    (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

    兵士が指揮官に集団暴行を加えるとは、軍事組織として末期症状と言えるかもしれない。

    LKPにことの顛末を語った現地情報筋によれば、事件が起きたのは中国との国境に面した両江道(リャンガンド)に駐屯する第26国境警備旅団のある中隊だ。北朝鮮軍では12月30日、金正恩党委員長の指示により、新年の贈り物として兵士1人当たり酒1瓶、食用油250グラム、タバコ1箱、砂糖と菓子1キロ、キムチと味噌を500グラムずつ、唐辛子200グラムと餅600グラム、豆腐1丁、リンゴ2個ずつが配られた。

    日本の基準で見ると素朴なものだが、食糧横流しのせいで飢えに苦しんでいる兵士たちにとっては、目が飛び出るほどのごちそうである。もっとも、これは国家や軍が準備したものではない。駐屯地域の住民にノルマを与え、軍に「差し入れ」をさせているのだ。

    いずれにしても、ごちそうを目の前にした兵士たちは喜んだ。ところが受け取ったそばから、それらはすべて指揮官に没収されてしまった。そして元日の朝、兵士たちに出された食事は餅と豆腐のおかずが少々に、部隊に供給されたハタハタ1尾、肉の切れ端すらほとんど入っていない豚汁がすべてだった。その一方、指揮官らは朝から豚肉を肴に、酔いつぶれるまで酒を飲んでいた。

    指揮官たちが酔いつぶれると、兵士たちは連れ立って、駐屯地の外へ憂さ晴らしの酒を飲みに行った。そして駐屯地に戻ると、酔いから覚めた1人の小隊長が、無断外出をとがめて兵士たちを殴打。これで兵士らの怒りが爆発し、指揮官たちに対する集団暴行に発展したというわけだ。

    (参考記事:【スクープ撮】人質を盾に抵抗する脱北兵士、逮捕の瞬間!

    騒ぎは、駆け付けた大隊兵士らによってほどなく鎮圧された。問題は、事件の後始末をどうするかだ。ことの経緯が上層部に知れたら、処罰されるのは兵士たちだけでは済まない。贈り物は、金正恩氏の命令で配られたものだ。それを横領するのは同氏の権威を傷つけることになり、万死に値する罪となる。

    (参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命

    つまりは暴れた末端兵士から管理責任を問われる大隊と連隊の指揮官たちまでが、まとめて粛清される可能性があるということだ。

    そのせいか、現場では事件を部隊内部で静かに処理し、配置転換などで済ませようとする雰囲気だと情報筋は語っている。しかしそうなると、軍内の自浄作用はまったく働かない。かくして、金正恩氏の軍隊はいっそう落ちぶれていくのだ。

    (参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い

  • 巨大タワマンが倒壊の危機…柱が膨張、地盤沈下も確認

    巨大タワマンが倒壊の危機…柱が膨張、地盤沈下も確認

    北朝鮮の首都・平壌の大城(テソン)区域に位置する「黎明(リョミョン)通り」のタワーマンション群は、同国最大のランドマークと言える。高さの面で言えば、日本のどのタワマンをもしのいでいるのだ。

    その一方、建築の「質」については、様々な噂がある。ただでさえ経済制裁で苦しい中、2017年の完工まで、工事期間がわずか1年しかなかったのだから無理もない。

    (参考記事:金正恩氏、日本を超えるタワーマンション建設…でもトイレ最悪で死者続出

    そしてやはりと言うべきか、最近になって重大な欠陥が見つかり、極秘裏に補強工事が行われていると韓国のリバティ・コリア・ポスト(LKP)が伝えている。

    LKPによれば、北朝鮮の黎明通りの建設を短期間に終えることが出来た理由として、独自開発した混合剤の効果を強調しているという。「この混合剤を使えば、氷点下15℃の酷寒の中でもセメントが速やかに乾燥する」というのだ。

    ところが黎明通りのタワマンで昨年、この混合剤を使用した柱が膨張し、また地下で地盤沈下が起きていることが確認されたとのことだ。これについて、北朝鮮国内の消息筋はLKPに対し、「科学的な検証が足りない混合剤を使用したうえ、基礎工事も不十分だったようだ」と語っている。

    柱と基礎の重大な欠陥が同時に見つかるとは、まさに倒壊につながりかねない危機と言って差し支えないだろう。実際、平壌では2014年、完成したばかりのマンションが崩壊して500人が犠牲になる大惨事があった。北朝鮮当局は従来、こうした事故を徹底して隠ぺいするが、このときは犠牲者の多くが朝鮮労働党中央委員会の職員家族だったこともあって、やむをえず公表している。

    (参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故

    デイリーNKジャパンは昨年10月、約2年前に脱北した元朝鮮人民軍(北朝鮮軍)兵士から話を聞くことができた。この元兵士は、黎明通りに次ぐ規模のタワマン群がある「未来科学者通り」の建設に動員された経験があるという。

    「未来科学者通りは金正恩が自ら旗を振った事業でもあり、当初は安全管理についても関係当局から厳しく指導されていました。しかし、現場に供給されているはずの資材が足りないといったことが、次第に増えました。現場の監督には、その問題を追及する権限がありません。横流しは、もっと上の方(上層部)がからんでいたのでしょう。しかも、どんどん工期が迫ってくる。セメントと砂の混合比率や鉄筋の使用量が、上層階に行くほどいい加減になっていきました。北朝鮮で地震はほとんど起きませんが、いずれ何かの拍子に、建物がぜんぶ崩壊してもおかしくありません」

    またこの元兵士によれば、現場では兵士や労働者の墜落事故が頻発したという。

    (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

    LKPによれば、黎明通りでは昨年の秋以降、極秘裏に補強工事が行われており、現場周辺には兵士が配置され、厳戒態勢が取られているという。それで問題が解決できれば何よりだろう。ただその前に、住民に「万が一」のリスクを説明しておくべきだと思うのだが。

  • 金正恩氏が購入した「過激アンダーウェア」と外交官潜伏の謎

    金正恩氏が購入した「過激アンダーウェア」と外交官潜伏の謎

    韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使は、出演した韓国のテレビ番組で、公館を離脱して潜伏しているチョ・ソンギル駐イタリア北朝鮮代理大使(1等書記官)について、次のように語っている。

    「最高位層ではないが、経済的にとても裕福で、外交官一族で出身も良い。チョ・ソンギル氏の父親も外務省大使であり、妻の父親も北朝鮮の外務省でかなり知られた大使だ」

    太永浩氏はまた、イタリアが北朝鮮指導層のぜいたく品を密輸するルートの中のひとつだったと指摘し、「2006年から2009年までイタリアで3年間研修を経たチョ・ソンギル氏は、密輸ルートに関わっていた可能性が大きい」とも話した。

    北朝鮮へのぜいたく品の輸出は、国連安全保障理事会の制裁決議によって禁じられている。しかし、たとえ制裁が科されていても、金正恩党委員長だけは欲しいものを手に入れてきたようだ。昨年10月7日、ポンペオ米国務長官が訪朝した際、これまで確認されていなかった新たな専用車「ロールスロイス・ファントム」に乗っていたことが映像からわかったのだ。

    金正恩氏は車好きで知られ、「走り屋」としてのエピソードがいくつも伝わっている。

    (参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路

    一方、英紙デイリー・メールは2017年4月、金正恩氏が「喜び組」のために、多額の金を費やして「セクシーアンダーウェア」を輸入していると報じたことがある。

    (関連記事:金正恩氏が大金をつぎ込む「喜び組」の過激アンダーウェア

    金正日時代にその存在が暴露された喜び組は、北朝鮮では「5課処女」とも呼ばれている。朝鮮労働党組織指導部の通称「5課」と呼ばれる組織が管理していると見られているからだ。

    彼女たちに与えられた任務は指導層の身近で仕えることだ。様々な専門分野に分かれており、最高指導者である金正恩氏や、その他の幹部らのありとあらゆる世話をする。なかには、特別な夜の奉仕を専門とする「木蘭組」という集団も存在するという証言もある。

    (参考記事:将軍様の特別な遊戯「喜び組」の実態を徹底解剖

    金正恩氏をはじめ指導層の「密かな楽しみ」のためでもあり、そして外部には絶対に知られてはいけない任務を持つ謎のセクションだけに、多額の金を投じているのだろう。

    そして言うまでもなく、こうしたぜいたく品の調達は、北朝鮮でも最高機密となっている。チョ・ソンギル氏が潜伏した理由はいまだ明らかにされていないが、もしかしたら、ぜいたく品密輸の「極秘ミッション」で、何らかの失敗を犯してしまったからだとは考えられないだろうか。

    (参考記事:【動画アリ】ビキニを着て踊る喜び組、庶民は想像もできません

  • 北朝鮮で「反体制」に立ち上がったエリート大学生たちの悲惨な末路

    北朝鮮で「反体制」に立ち上がったエリート大学生たちの悲惨な末路

    国連総会は12月17日の本会議で、北朝鮮における人権侵害を厳しく非難する決議を採択した。これに対し、北朝鮮の朝鮮人権研究協会は同月30日、公開質問状を発表。全6項目中の最初の質問は、「世界にわが国家のように人民が社会の主人となって政治的自由と民主主義的権利を思う存分行使する国がどこにあるのか」というものだ。北朝鮮の現状を考えれば、噴飯ものと言える内容だ。

    執拗な捜査

    しかし誤解すべきでないのは、北朝鮮国民の中にも自由な言論や民主主義、体制変革への待望が間違いなく存在するということだ。それが我々の目に見えないのは、体制による抑圧がそれだけ残忍かつ冷酷なものであることを示しているに過ぎない。

    (参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」

    1988年の夏には、首都・平壌で金日成総合大学の学生たちによる「投書事件」なるものが起きた。同大学は北朝鮮の最高学府であり、学生たちは文字通りのエリートである。

    米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えているところでは、手紙の内容は、金日成主席の独裁体制を厳しく批判し、古くなった社会主義制度ではもはや国の発展は望めないという体制批判だった。

    また、「白頭の血統(金氏一族)」への個人崇拝をも否定。さらには権力層が作り出した身分制度のせいで、知能も人格も備わっていない者たちが、祖父や父の七光を利用して幹部に登用されているとして、「それに抗議する自由すら奪われた人民の暮らしとは一体何なのか」と批判した。

    しかし言うまでもなく、学生らのこうした憂いが、その後の国家運営に生かされることはまったくなかった。金正日総書記の命を受けた秘密警察は執拗な捜査で学生たちをあぶり出し、全員を抹殺した。

    (参考記事:北朝鮮のエリート大学生が決起した「投書事件」の顛末

    そして金正日体制は、経済の崩壊に向かって突き進んでいく。事件のあった翌年、平壌では第13回世界青年学生祭典が開かれた。ソウルオリンピックを成功させた韓国に対抗すべく、金日成氏が誘致したものだ。

    大会開催に向け、ホテル、スタジアムなど様々な建物が建設されたが、巨額の建設費は、既に弱りつつあった北朝鮮経済に打撃を与えた。その後、共産圏の崩壊により援助を得られなくなり、度重なる自然災害が起こったことなども影響し、北朝鮮は大飢饉「苦難の行軍」という奈落の底に落ちていった。

    (参考記事:「街は生気を失い、人々はゾンビのように徘徊した」…北朝鮮「大量餓死」の記憶

  • 追い詰められた北朝鮮で「仁義なき食糧争奪戦」が勃発

    追い詰められた北朝鮮で「仁義なき食糧争奪戦」が勃発

    韓国の農業振興庁の推計によると、昨年の北朝鮮の穀物収穫量は455万トン。2017年の471万トン、2016年の481万トンと2年連続で減少している。水害、日照りなど相次ぐ自然災害の影響によるものと思われる。

    北朝鮮国内の食糧事情はかつてと比べ改善しているが、庶民が食べていくのは相変わらずたいへんだ。市場で食べ物を買う現金収入を得るために、売春などの手段に走る人々も少なくない。

    (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

    軍隊が強奪

    そんな状況の中、国と協同農場、農民との間で穀物を巡る熾烈な争奪戦が繰り広げられられている。毎年のことではあるが、今年はいっそう激しさを増していると、平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋が伝えてきた。

    道内の北倉(プクチャン)、粛川(スクチョン)、陽徳(ヤンドク)では、検察所の検事が農場と農民の家にやってきて、「隠し持っている穀物を差し出せ、さもなくば裁判にかけて教化所(刑務所)送りにしてやる」などと脅迫している。農場の幹部に対しては備蓄食糧を差し出せと脅かし、家宅捜索を行うこともあるという。

    農場の分組長や作業班長を取り調べ名目で連行、10日近く勾留し、計画分の穀物を差し出すと約束を取り付けてようやく釈放するという事例も起きている。農場の担当者が、市場でコメを買って国に差し出すという笑えないコントのようなことも起きている。

    このような事態が繰り返されるのは、自然災害のせいだけではなく、北朝鮮の農業が構造的な問題を抱えているからだ。

    国は前年の収穫量に基づき、穀物生産計画量(ノルマ)を策定、各農場に割り当てる。ノルマは、天変地異などいかなる理由があれど、必ず取り立てることになっている。それも、コメ1キロ120北朝鮮ウォン(約1.5円)という市場価格の40分の1以下でだ。

    本来は収穫量の3割が国、7割が農場の分前になるはずだが、それが逆転し、7割を供出させられることもある。

    金正恩党委員長は、軍に対する食料供給を重要視する姿勢を示している。その供給源となるのが協同農場だが、そこからの供給が円滑に行われなければ、兵士たちは飢えに苦しむことになる。そのため、決められた量を是が非でも供出させようとするのだ。

    (参考記事:兵士の月給はたった9円…金正恩氏の「腹ペコ軍隊」は餓死寸前

    しかし、これは農場の経営に深刻な影響を及ぼす。農場は、1年の農業に必要な光熱費、農薬、肥料などを借りて、秋の収穫で返済する。返済分まで国に奪われることになると、経営が行き詰まり、翌年の農作業が立ち行かなくなってしまうのだ。そのため、国に納める穀物の量を最大限減らすと同時に、計画を著しく下回り処罰の対象とならないように、収穫量を虚偽報告するのである。

    北朝鮮の食糧事情は以前と比べて好転したとは言え、依然不安定だ。無理な供出が、餓死者の大量発生に繋がることもある。

    情報筋は「いくら検察が恐ろしいと言っても、数ヶ月の食糧にも事欠く農民の食い扶持をどこで作り出すというのか」「凶作はすべて農民の責任にさせられる」などと述べ、抵抗する姿勢を見せている。農民の中には、都会に住む親戚の家に避難し、事態が収まるのをじっと待つという者もいる。

    当局が買い取ったコメのうち、7〜8割は軍糧米(軍向けの食糧)、2〜3割は戦時備蓄米、一般配給用などに割り振られる。軍糧米は人民武力省後方総局、人民委員会(地方自治体)軍需動員課、農村経営委員会などが買い取るが、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の部隊がトラックで乗り付け、コメを半ば強奪していくこともある。

    (参考記事:金正恩氏「堪忍袋の緒が切れた」ドロボー兵隊集団に厳罰

  • 日韓関係が「ひとつの終わり」を迎えた歴史的必然

    日韓関係が「ひとつの終わり」を迎えた歴史的必然

    韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は10日の年頭記者会見で、日本企業に元徴用工に対する賠償を命じた韓国最高裁判決を巡り「日本の政治指導者が政治的な争点とし、問題を拡散させているのは賢明でない」「日本政府はもう少し謙虚な立場を持たねばならない」と注文をつけた。

    これに対し、菅義偉官房長官は11日、「韓国側の責任を日本に転嫁するもの」であるとして強く批判。するとまたもや韓国から反発の声が聞こえるという展開になっている。

    日韓関係がこのところ険悪さを増している原因は、様々ある。

    (参考記事:日韓「レーダー照射問題」の背後にある韓国政治の闇

    ただ、こうしたコミュニケーション上の「こじれ」が火に油を注いでいる部分も大きいように思われる。

    現在では考えられないことだが、日韓の間には昔、政財界にわたる「日韓癒着」が、両国の様々な社会問題・国際問題の根となっていた時代があった。一例を挙げるなら、韓国中央情報部(KCIA)が日本で強行した「金大中拉致事件」の政治的な幕引きのため、韓国側の密使として田中角栄首相らに巨額のカネを持参したのが、「ナッツ姫」こと趙顕娥(チョ・ヒョナ)元大韓航空副社長の祖父・趙重勲(チョ・ジュンフン)氏だった。

    (参考記事:【日韓国交50年】田中角栄と「ナッツ姫」祖父が残した日韓政治の闇

    東西冷戦構造の中、日韓は米国を軸として実質的な同盟となり、歴史問題を脇へ置く形で利害を共にしていたわけだ。中でもとりわけ保守政治家同士の結びつきは強く、相互に利権を与えあっていたのである。

    (参考記事:【日韓国交50年】岸信介から安倍晋三まで…首相一族の「在日人脈」と「金脈」

    もちろんその時代にも、歴史問題は存在していたわけだし、韓国には日本への反発もあった。軍事政権時代には、韓国はそれを力で抑えつけていた部分もあったが、それだけではない。かつて日本の統治を受けた韓国の政官財界には、朴正煕元大統領をはじめ、日本語がペラペラの有力者が多かった。民主化後に大統領になった金泳三、金大中の両氏も日本語が流暢だった。

    (参考記事:【動画】金大中元大統領は日本語がペラペラ

    一方、日本の側には韓国語の出来る人がそれほど多かったわけではない。双方の円滑なコミュニケーションは、韓国サイドの日本語力の高さに依存していた部分が大きかった。

    しかしその後の世代交代により、韓国側のそうした人材はどんどん減った。日本に留学する韓国人は多いが、その中から政治や対日外交で重要な役割を担う人材がどんどん生まれているという状況ではない。グローバル化の中、韓国のエリートが日本語よりも英語や中国語の習得に向かうのは、仕方のないことだろう。

    つまりある時代までの日韓外交の現場には、言葉の面で、外国同士でありながら外国同士ではないような部分があったのだが、それが急速に変わってしまったわけだ。文在寅大統領の側近の中に、日本語の上手な人はいないとされる。

    かつては普通に出来たフランクな会話が、今ではまったく出来なくなってしまった。そのせいで日韓は、いきなりコミュニケーションの断絶を感じるようになった。そのインパクトは、確実に日韓関係に影響していると思う。

  • 北朝鮮「空母化いずもは悪夢を呼ぶ怪物」 金正恩氏、興味津々か

    北朝鮮「空母化いずもは悪夢を呼ぶ怪物」 金正恩氏、興味津々か

    日本政府が海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を実質的な空母として運用しようとしていることに対し、北朝鮮が引き続き敏感な反応を見せている。北朝鮮メディアが「いずも」の空母化に繰り返し言及していることについては、本欄でも何度か指摘しているが、その内容がちょっと面白いものになってきた。

    北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は7日付の論評で、次のように述べている。

    「(いずもは)名称からが再侵略亡霊を浮上させる怪物である。20世紀初めにあった日本の対中国侵略戦争で悪名をとどろかした艦船の名がまさに、いずもであった。(中略)安倍政権がいずもを空母化しようとするのは、軍国主義過去を復活させようとする彼らの野望をそのままさらけ出したものである」

    何のことかと思って調べて見たら、なるほど、旧日本海軍の装甲巡洋艦「出雲」は日中戦争で、第3艦隊の旗艦として上海に停泊。中国軍と交戦し、英国海軍の艦船を撃沈するなどした歴史がある。ちなみに同艦の歴代艦長の中には、司馬遼太郎の歴史小説『坂の上の雲』の主人公のひとりである秋山真之もいる。

    (参考記事:【写真】旧日本海軍の装甲巡洋艦「出雲」…英国軍の砲艦など撃沈

    抽象的な表現に終始することの多い北朝鮮メディアの報道から、こうした発見をすることは珍しい。金正恩党委員長は最高指導者に就任して以来、堅苦しい国内メディアの「イメチェン」に取り組んできたもようだが、これもその「成果」のひとつと言えるかもしれない。

    (参考記事:金正恩氏が自分の“ヘンな写真”をせっせと公開するのはナゼなのか

    もっとも、「いずも」の空母化に象徴される日本の軍拡は、北朝鮮にとっては深刻な問題でもある。金正恩氏は核兵器を放棄する意思を表明しているが、それが実現すると、北朝鮮の軍事力は格段に弱くなる。兵員や兵器の数こそ多いものの、その内実は悲惨な限りだ。

    (参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い

    通常兵器を更新して軍事力を強化するには莫大なカネがかかるが、少なくとも当面の10年や20年は、北朝鮮にそのような経済的余裕が生まれることもないだろう。自国がそんな状況にある時、日本が空母保有国の仲間入りをするとなれば、それはなかなか刺激的な出来事だ。金正恩氏は色々な意味で、「いずも」の今後に興味津々なのかもしれない。

    (参考記事:「世界は日本を警戒すべき」…北朝鮮が「いずも」空母化に猛反発する理由

  • 訪中した金正恩氏が「最愛の妹」を隠した理由

    訪中した金正恩氏が「最愛の妹」を隠した理由

    北朝鮮国営の朝鮮中央通信は8日、金正恩党委員長が中国の習近平国家主席の招請を受け、7日から10日までの日程で訪中すると報じた。同通信はその中で、李雪主(リ・ソルチュ)夫人が訪中に同行していることを伝えている。

    一方、この公式報道の中に、金正恩氏の妹である金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長の名前はない。しかし実は、今回の訪中には金与正氏も同行していることが、朝鮮中央テレビの映像から確認できるのだ。

    妹の友人「大量失踪」も

    金正恩氏は昨年、3回にわたり訪中した。そのうち、李雪主夫人が同行したのは1回目と3回目で、金与正氏が同行したのは2回目だけだ。つまり、夫人と妹の2人が揃って訪中に同行するの初めてなのだ。

    気になるのは、北朝鮮メディアが李雪主氏の同行を公表しながら、金与正氏の名前を伏せた理由だ。

    (参考記事:「急に変なこと言わないで!」金正恩氏、妹の猛反発にタジタジ

    訪中における李雪主氏の役割は明らかだ。ファーストレディーとして習近平国家主席夫妻との親交を厚くし、また北朝鮮と中国の友好ムードを盛り上げることだ。李雪主氏と習近平氏の夫人である彭麗媛氏は、ともに元歌手であるという共通点もある。

    では、金与正氏はどうか。同氏は昨年、北朝鮮を支配する「白頭の血統」の一員として初めてソウルを訪問するなど、金正恩氏の使節として重要な役割を果たした。それはやはり、権力中枢の幹部としてというよりは、最高指導者の「妹」としての役割だった。

    しかし今回、金与正氏の名前が伏せられたのは、彼女が中国の官僚たちと具体的な交渉事を行う実務者として同行しているからである可能性がある。実際、韓国の要人の間でも、金与正氏の実務能力に対する評価は高い。

    金正恩氏が、昔から妹を大事にしてきたことはつとに知られている。大事にし過ぎて、彼女の友人を大量に失踪させる「事件」まで起こしたほどだ。

    (参考記事:金正恩氏実妹・与正氏の同級生がナゾの集団失踪

    その後、金与正氏は金正恩氏の動線を管理するまでになる。地方にも頻繁に視察に出る金正恩氏だが、彼には一般人と同じトイレを使うことが出来ないという状況もある。そんな条件下で金正恩氏の動きを取り仕切る事ができるのは、やはり信頼できる身内しかいなかったのかもしれない。

    (参考記事:金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳

    そのような過程を経ながら、金与正氏は兄の側近として着実に存在感を高めてきた。母親が元在日朝鮮人の帰国者であることもあり、金正恩氏らには頼りになる親戚が国内におらず、だからこそ兄妹の結束が何より大事であるという事情もある。

    今後、金与正氏がどこまで重要な役割を担うようになるか、要注目だ。

  • 金正恩氏の「輸入ファッション」に北朝鮮国民が幻滅

    金正恩氏の「輸入ファッション」に北朝鮮国民が幻滅

    現在の朝鮮民主主義人民共和国の前身となる北朝鮮臨時人民委員会ができる前の1946年1月1日、朝鮮共産党北朝鮮分局の責任書記だった金日成氏(後の主席)は、「新年を迎え全国人民に告ぐ」というタイトルで演説を行った。

    北朝鮮の最高指導者はこれ以降、形式は異なれど毎年1月1日に「新年の辞」を発表し続けてきた。金正恩党委員長は今年も「新年の辞」を発表したが、北朝鮮国民からの反応はさほど芳しくない。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

    (参考記事:北朝鮮各地で「新年の辞」課題を貫徹する大衆集会

    平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋によると、労働者は勤め先に、それ以外の人は人民班長(町内会長)の家に集まり、テレビで「新年の辞」の発表を視聴した。

    情報筋は「新年の辞を見る住民が今年のようにテレビに釘付けになったのは初めてかも知れない」として、その理由を次のように説明した。

    「数十年間、わが国(北朝鮮)の新年の辞は、壇上にある首領(金日成氏)の半身像を写しながら読み上げるのが慣例だったが、今年のようにソファーに腰掛けて書類を手に持ち読み上げたのは、常識破りの破格の変化」(情報筋)

    ところが、発表を見守った地域住民の視線は、金正恩氏のスーツ、靴、高級ソファー、本棚に集中し、「すべて輸入品なものだから、人民の指導者というプロパガンダを鼻で笑うような雰囲気になってしまった」とのことだ。

    北朝鮮では、最高指導者の権威が何より重要とされるのに、まったく皮肉な結果だ。

    (参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命

    金正恩氏としては、気さくな感じを演出しようとしたようだったが、どこか不自然と感じ、むしろ逆効果だと情報筋は受け取った。

    「ペーパーを見ながら新年の辞を発表する(金正恩氏の)視線が、どこか問答式通達競演大会で暗記した内容を発表する人を彷彿とさせた。威信が保たれておらず、非常に不自然だとの評価だった」

    咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋も、金正恩氏がソファーに腰掛けて新年の辞を読み上げる様子は衝撃的だったとしつつも、内容は「今年の新年の辞も昨年同様に国家経済発展5カ年計画の戦略的目標遂行に拍車をかけよう」というもので、何ら目新しいものはなかったと評価した。

    「金正恩氏が政権の座についた直後には、皆が新年の辞に耳を傾け、若い指導者の新しいところを探そうとしていた。2017年の新年の辞では自らの能力不足を認め自責をする様子を見せた。いよいよ新たな変化が見えるかと期待していたのに」(情報筋)

    (参考記事:「金正恩が泣いた」書いた朝日新聞記者に北朝鮮がブチ切れ

    咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋も、人民班(町内会)で集まって新年の辞を見たが、早く終わらないかと雑談しながら時間つぶししたという。内容への評価は散々なものだった。情報筋は最後にこう語った。

    「毎年新年を迎え、人民生活の向上と人民の幸せを謳うが、それは強制動員と社会的支援(金品の供出)を意味することなので、むしろ不満に繋がるのだ」

    (参考記事:金正日が死んだ日なんか関係ねぇ…北朝鮮の若者たちが大暴れ

  • 金正恩氏が「寂しい誕生日」。過去には「女学院パーティー」も

    金正恩氏が「寂しい誕生日」。過去には「女学院パーティー」も

    北朝鮮の金正恩党委員長が4度目の中国訪問を行った。朝鮮労働党機関紙の労働新聞が8日付で報じたところによると、7日から10日の日程で訪中しているという。習近平国家主席の招請に応じたものとされているが、金正恩氏はどのような心境で訪中しているのだろうか。なぜなら、8日は金正恩氏の誕生日だからだ。

    米財務省が金正恩氏を制裁指定する際に発表したところによると、同氏は1984年生まれで、今年で35歳になったことになる。北朝鮮では、金日成主席と金正日総書記の誕生日、4月15日と2月16日はそれぞれ「太陽節」「光明星説」とされ、最も重要な祝日とされている。金正恩氏はいまのところ1月8日を祝日としていないが、過去には誕生日に合わせて派手なイベントをぶち上げたこともあった。

    2014年には、金正恩氏の「マブダチ」を自称する米プロバスケットボールNBAの元スター選手、デニス・ロッドマン氏が訪朝。金正恩氏の誕生日にバスケットボールのエキシビジョンマッチを開き、さらにサプライズらしき演出で金正恩氏を大喜びさせた。

    (参考記事:【動画】金正恩氏の誕生日を祝うデニス・ロッドマン

    この様子は朝鮮中央テレビでも放映され、翌日の労働新聞の1面にも掲載された。ミーハーなイベントではあったが、それまで確かでなかった金正恩氏の誕生日がこれで明らかになり、謎多きプライベートの一端を知るうえで大いに役立った。一方、ロッドマン一行を接待するパーティーでは、名門学院から女学生たちがコンパニオンとして動員された。乱痴気騒ぎに付き合わされた彼女たちは陰で泣いていたという。

    (参考記事:北朝鮮「秘密パーティーのコンパニオン」に動員される女学生たちの涙

    2016年には、1月6日に核実験を強行した。2日後の金正恩氏の誕生日に合わせたのは明らかだ。とはいえ、北朝鮮ウォッチャーの間からは毎年、金正恩氏が自分の誕生日を「民族の祝日」に制定するのでは、との観測が出ているが、今年もそうした動きは見られず、「若さを気にして自制しているのではないか」との分析が各方面から聞かれる。

    それでも、自分の誕生日を北朝鮮国内で祝いたい気持ちはあるだろう。その日に訪中するとなれば、金正恩氏の心中も穏やかではないはずだ。そうでなくても、金正恩氏は習近平氏にメンツをつぶされた過去がある。

    金正恩氏は昨年3月電撃的に中国を訪問し、26日に習近平国家主席と会談した。その翌日、中国中央電視台(CCTV)がその映像を放映した。その映像からは、これまで見られなかった金正恩氏の仕草や表情を見て取ることができる。

    (参考記事:【動画】習近平氏の前で大人しくなった金正恩氏

    北朝鮮国内の公開活動では、テレビカメラが回っているのも構わず怒り狂うほど、傍若無人な振る舞いが目立っていた金正恩氏が、ここまで神妙な表情を見せたことに筆者は驚いた。習近平氏からすれば、カメラの前で格の違いを見せつける狙いがあったのだろう。

    (参考記事:【動画】金正恩氏、スッポン工場で「処刑前」の現地指導

    今回の訪中で中国側が宴席を設けることは間違いないだろうが、習近平氏や中国の高官が金正恩氏の誕生日に言及するかどうかに注目される。中国共産党は党の高官の誕生日を公表せず、派手に祝うこともないとも言われる。

    毎年派手なパーティーを開いてご満悦だった金正恩氏にとって、今年の1月8日はいささか不本意な誕生日になるかもしれない。

  • 「日本は謝罪だけしていろ」北朝鮮の対日非難に透ける裏事情

    「日本は謝罪だけしていろ」北朝鮮の対日非難に透ける裏事情

    北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は5日、ドイツ政府が最近、ナチスの迫害を受け英国に逃れたユダヤ人生存者に賠償金を支払うと発表したことに言及し、日本も過去清算を行うことが「将来のために必要」だとする論評を掲載した。内閣などの機関紙・民主朝鮮も6日、これとほぼ同じ内容の論評を載せ、「日本がやるべきことは謝罪と賠償だけだ」と主張した。

    これが今年、北朝鮮が日本に向けて発した「第一声」と言える。

    北朝鮮軍は弱体化

    北朝鮮は昨年の秋頃から、歴史問題での対日非難を強めてきた。例えば従軍慰安婦問題では、旧日本軍が慰安婦を虐殺した映像とされるものなど、新資料にも言及。日韓がこの問題で再び揉めるのを横目に、日本に対して強硬な姿勢を打ち出した。

    (参考記事:日本軍に虐殺された朝鮮人従軍慰安婦とされる映像について

    しかし昨年の年初から夏までにかけては、国際社会の対北制裁維持を主張する日本に反発する論調が主となっていた。一昨年までの核・弾道ミサイル開発から、米韓との対話に大きく舵を切った金正恩党委員長は、日本の「妨害」により対話が上手く行かなくなることを恐れていたのだろう。

    6月に史上初の米朝首脳会談が実現し、さらに9月に同年3回目の南北首脳会談が行われてからは、金正恩氏もほかのテーマに目配せする余裕が出てきたのかも知れない。前述したとおり、日本に対して過去清算を迫る論調が増えたのに続き、日本の軍備強化に対する非難も加わった。

    (参考記事:「世界は日本を警戒すべき」…北朝鮮が「いずも」空母化に猛反発する理由

    北朝鮮が日本の軍備強化を非難する主な目的は、おそらくは弾道ミサイル戦力を極力温存するためだ。日本の「脅威」を強調することで、自衛のために短・中距離の弾道ミサイル戦力を維持しようとしているのだ。北朝鮮軍は装備のほとんどが老朽化し、また軍紀のびん乱で弱体化が進んでいるため、「虎の子」の弾道ミサイル戦力をそう簡単に手放せない事情があるのだ。

    (参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い

    今年の北朝鮮は昨年に続き、歴史問題と軍備増強問題で、対日非難を強めていくものと考えられる。

  • 日韓「レーダー照射問題」の背後にある韓国政治の闇

    日韓の「レーダー照射問題」が混迷の度を深めているが、こうした問題の理想的な解決策は、双方の実務者が「現場で何が起きたか」を互いに情報を出し合って事実を見極め、必要なら再発防止策を講じる――という形にあったはずだ。

    しかし、今回の問題はすでに実務レベルを飛び越えて政治問題化し、さらには世論化してしまっている。

    そうなってしまった理由を探ってみたところ、日韓の情報関係筋から次のような解説を聞いた。

  • 女性からの「性的被害の告発」が弱点か…金正恩氏の反応を読む

    女性からの「性的被害の告発」が弱点か…金正恩氏の反応を読む

    北朝鮮が、昨年12月17日に国連総会本会議で採択された人権侵害への非難決議に反発しているが、かつてと比べると様子がやや違っている。

    決議は、政治犯収容所の閉鎖と全ての政治犯の釈放を要求。北朝鮮の人権に関する国連調査委員会が指摘した拷問や非人道的な待遇、性的暴行(ごうかん)、公開処刑、強制労働など各種の人権侵害行為を取り上げ、深刻な憂慮を表明したものだ。同様の決議が、14年連続で採択された形だ。

    (参考記事:手錠をはめた女性の口にボロ布を詰め…金正恩「拷問部隊」の鬼畜行為

    これに対して朝鮮労働党機関紙の労働新聞は25日付の論評で「重大な政治的挑発」だと非難。また民主朝鮮27日付は「米国と追随勢力による謀略」だとする論評を掲載した。

    しかし、これらはいずれの個人の署名入り論評で、北朝鮮が発信するメッセージの中では強度の低いものだ。以前は政府声明など、ずっと高いレベルから発信されるメッセージで、より強力な非難を行っていた。

    たとえば2016年には、金正恩氏が1月1日に発表する施政方針演説「新年の辞」の中で、「(米国が)追随勢力を押し出して反共和国『人権』謀略騒動に狂奔しました」と言及。また、同国政府が水爆実験の成功を発表した同年1月6日の「特別重大報道」でも、「米国は敵対勢力を糾合してありとあらゆる対朝鮮経済制裁と謀略的な『人権』騒動にこだわり、われわれの強盛国家建設と人民生活の向上を妨げて『制度の崩壊』を実現しようと血を食んで襲いかかっている」と非難した。

    当時と今の違いはどこから来ているのか。それはおそらく、核武装によって国防力を格段に向上させた自信と、米国を対話の場に引っ張り出すのに成功したことによる余裕からもたらされているのだろう。

    また、人権問題での非難に強く反発することで、かえって注目を集めてしまうのを避けようとしているのかもしれない。

    ただ金正恩氏も、人権問題で完全に「ポーカーフェイス」を貫くことはできないようだ。国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が昨年10月末、北朝鮮で女性に対する性暴力がまん延していることを告発する報告書「理由もなく涙が出る」を発表した際には、北朝鮮メディアは「我々の悪魔化を狙ったものだ」などとして、よりムキになって反発した。

    同報告書は、被害女性らの血のにじむような証言の数々を収録したもので、読むほどに愕然とさせられる内容だ。

    (参考記事:「私たちは性的なおもちゃ」被害女性たちの血のにじむ証言を読む

    もしかしたら金正恩氏は、こうした現場の実態を本当に知らないか、あるいは薄々知っていても認めたくないために、強い調子で打ち消さざるを得ないのかもしれない。

    果たしてこのように分析しているのは、筆者だけだろうか。仮に、世界の人権団体に同じ見方をしている人々がいるなら、この問題こそが金正恩政権の弱点であるととらえ、今後いっそう、追及が強まるかもしれない。

    (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

  • 悪評だらけの北朝鮮テレビで「若手女子アナ」らの涙ぐましい演出

    悪評だらけの北朝鮮テレビで「若手女子アナ」らの涙ぐましい演出

    2015年に北朝鮮を訪問した日本人観光客は、北朝鮮のホテルでこのような光景を目撃した。

    ホテルの女性従業員は仕事そっちのけで、工場の女性支配人と男性技術者の禁断の恋を描いたドラマを流すテレビにかじりついていた。どうやらホテル内の有線テレビでの放映だったようで、ドラマが終わるやチャンネルは朝鮮中央テレビに変えられた。「元帥様(金正恩党委員長)がどこそこに現地指導に行った」という番組が放送されていたが、チャンネルが変わった瞬間に従業員たちは蜘蛛の子を散らすように持ち場に戻っていった。誰も見ていないテレビは消されてしまった。

    娯楽が非常に少ない北朝鮮に住む人ですら見ようとしない朝鮮中央テレビ。つまらない、くだらない、退屈、古臭いなど、悪評ばかりだったが、最近は変化の兆しも見える。

  • 「夜が強くなる。やせる…」若者を狂わせる危ない誘い

    北朝鮮の金正恩党委員長は、2017年12月23日の朝鮮労働党第5回細胞委員長大会で演説し、「非社会主義的現象の根絶」を訴えた。非社会主義現象とは、文字通り北朝鮮が標榜する社会主義の気風を乱すあらゆる行為を指す。

    たとえば賭博、売買春、違法薬物の密売や乱用、韓国など外国のドラマ・映画・音楽の視聴、ヤミ金融、宗教を含む迷信などなどだ。もちろん、その他の刑事事犯も含まれる。

    (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

    この演説を受けて、北朝鮮当局は昨年初めから、非社会主義の取り締まるための一大キャンペーンを展開した。金正恩氏が今年1月1日に発表した施政方針演説「新年の辞」には、これに類する内容は見られないものの、北朝鮮当局は引き続き、非社会主義の取り締まりを続けるだろう。

    しかし実際のところ、金正恩氏本人を含め、韓流など外国文化と接していない北朝鮮の幹部はほとんどいない。それにもかかわらず、庶民を対象に取り締まるなどもってのほかだ。昨年のキャンペーンではほかにも、日本ではなら罪とも言えない罪で断罪された人が少なくない。

    ただその一方で、金正恩氏には是非とも厳しく取り締まってもらいたいものがある。覚せい剤をはじめとする違法薬物の蔓延だ。

    覚せい剤は、確実に北朝鮮社会を蝕んでいる。2007年当時、中国の丹東で貿易業を営んでいた中国朝鮮族のキム・ジョンエ(仮名)さんはデイリーNKに対し、覚せい剤に溺れる北朝鮮の貿易業者の様子を次のように語った。

    「北朝鮮の貿易業者のほとんどが覚せい剤中毒者だった。そのせいで、時間も守らなくなり、約束も平気ですっぽかす。新義州(シニジュ)の有能な若い業者は、皆覚せい剤に手を出し、まともな人はいなくなった」

    北朝鮮の地方都市は2000年代の前半、カネを持っていても、使う場所がない状況だった。そこで、手軽に楽しめるレジャーとして覚せい剤が脚光を浴びてしまったのだ。覚せい剤は北朝鮮国内の市場に大量に流通しており、売人はいたるところにいる。

    彼らは、トンジュ(新興富裕層)に狙いを定め、「夜(性生活)が強くなる」「痩せる」「頭がスッキリする」などと甘い言葉で誘い、覚せい剤を売りつけたのだ。

    (参考記事:「男女関係に良いから」市民の8割が覚せい剤を使う北朝鮮の末期症状

    覚せい剤の猛威は、国境を越えて広がっている。1990年代、北朝鮮が国家ぐるみで日本への密輸に取り組んでいたのは周知のとおりだが、中国もまた被害に遭った。中国の中でも北朝鮮と国境を接している東北地方では、覚せい剤の中毒者が激増。吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉市では、薬物中毒者の数が、1995年の44人から2010年には2090人にまで増えた。

    (参考記事:一家全員、女子中学校までが…北朝鮮の薬物汚染「町内会の前にキメる主婦」

    その後、中国政府の要請もあって、北朝鮮からの覚せい剤密輸は小康状態が続いたものの、昨年になり、再び活発化しているとの情報が各方面から出ている。今回は国家ぐるみではないが、経済制裁の影響に苦しむ貿易業者や密輸業者が、手っ取り早い儲けのために参入しているもようだ。

    そのような「モノ」の流れが、いつまた日本に伸びてくるかわからない。いや、もしかしたらすでに日本まで来ているかもしれない。

    国際社会は北朝鮮に対し、覚せい剤の国内での取り締まりをいっそう強化するよう、強く求めていくべきだ。