徐々にわかってきた金正恩氏の「ヤバさ」の本質
北朝鮮の朝鮮中央通信は3月に入り、金正恩第1書記が核兵器や弾道ミサイル開発を熱心に指導し、軍事演習の現場に足を運んでいる様子を詳細に伝えている。また、同通信を含む北朝鮮メディアは、韓国や米国に対してきわめて好戦的な言葉を並べた非難を繰り返しており、金正恩氏が直接、韓国の朴槿恵大統領を低俗な表現で罵倒してもいる。
(参考記事:「低俗発言」連発に見る金正恩氏のカン違い)
こうした言動を見ている限り、正恩氏が、米韓や日本との対話を望んでいるとはとうてい思えない。マスコミの中には、北朝鮮の行動は、米国との対話を渇望するが故の一種のラブコールであると解説する向きもあるが、筆者の意見は違う。
正恩氏も、いずれは対話に乗り出すかもしれない。しかしそれは、しばらく後のことだ。正恩氏は、核弾頭と固体燃料ロケットを装着していつでも発射できる状態になった中距離弾道ミサイル・ノドン(数十~100発以上)を実戦配備し、なおかつそれを捕捉の難しい移動式発射台に載せた上で地下トンネルに隠し、仮に米国から攻撃されても、その同盟国である韓国と日本に耐えがたい損害を与える能力を備えるまで、対話には積極的にならないだろう。
(参考記事: 金正恩氏が日本を「核の射程」にとらえる日)
それではなぜ、正恩氏が「米国からの攻撃」を気にしなければならないのか。理由はふたつある。