金正恩氏の「無能さ」のせいで死んでいく北朝鮮国民の悲劇

2016年8月末に北朝鮮北東部を襲った台風10号(ライオンロック)による水害では、西頭水(ソドゥス)発電所に流す水を貯めている2つの貯水池の水門が予告もなく開かれた。発電設備の崩壊を避けるためで、そのせいで60あまりの村が跡形もなく消え去り、国境警備隊の哨所(監視塔)、兵舎、軍官(将校)用の住宅もあらかた押し流されてしまったのだ。

(参考記事:「あんた達のせいで皆死んだ」住民見殺しで金正恩体制の権威失墜

また2012年には、首都・平壌で金正恩党委員長の「指導者デビュー」を祝う“どんちゃん騒ぎ”を数カ月にわたり続けるため、穀倉地帯である黄海南道(ファンヘナムド)の食糧を、当局が根こそぎ徴発してしまった。