【インタビュー】韓国哨戒艦「天安」撃沈事件、延坪島砲撃を主導した金英哲氏とは?

対南強硬策に出る可能性も

チェ:さらに、本来偵察総局と統一戦線部は縦割りで、どのような任務をしているかお互いに通知することはなかった。しかし、金英哲氏は、統一戦線部でも偵察総局長の頃に、構想していた戦略や組織を引き続き活用する可能性もある。作戦部や調査部の業務など、偵察総局がやっていたことを統一戦線部に移管させる可能性もある。

もちろん、その過程で軍と衝突する危険性があるので、適当な時期を見て実行に移すだろう。いずれにせよ、金英哲氏は非常に聡明な人物だ。金正恩氏の信任を再確認して、対韓国分野において独自の地位を完全に固めた後、金養建氏が行ってきたことを自分のものにしていくだろう。

Q.具体的な例を挙げるなら?

チェ:私が北朝鮮にいた頃、統一戦線部は、朝鮮総連や海外同胞社会を、対韓国革命のための基地にしていた。韓国国民を扇動してスパイ網を組織しようとしていた。金英哲氏は軍出身なので、対韓国戦略を「挑発」という方法で解決しようと考える可能性もある。ただし、挑発は常に軍が行う役割なので、金英哲氏が、状況をどのように整えていくかは、さらに見守る必要がある。