金正恩外交は「すでに惨敗」している…自分の実力を過信か

金正恩氏が、精神的に厳しい時間を過ごしていることは想像に難くない。とはいえ、金正恩氏はその最大にして数少ない武器の一つである若さ(34歳)で3度の首脳会談を乗り切った。まだまだ未熟さは見え隠れするが、端から見ても、最初に比べその振る舞いは堂に入りつつあるようだ。本人も手応えを感じていただろう。こうした中、金正恩氏は中国との関係改善に自信を持ち、米国にも強気に出られるのではないかと思い込んだのではなかろうか。

実際、北朝鮮が米韓に対して高飛車な姿勢を打ち出し始めるのは習氏との2回目の会談直後からだ。今月16日には、米韓合同軍事演習を理由に南北高位級会談をいきなり中止した。それに続き、北朝鮮外交のキーパーソンである2人、金桂冠氏と崔善姫氏が米国に対して強硬姿勢を打ち出したのだ。