死亡事故も続発、手抜き疑惑のマンションで再検査

その地域を再開発し、渭淵(ウィヨン)駅の駅舎を立派なものに建て替え、周囲の民家を撤去、複数のマンションを建てた。手抜き疑惑が浮上したのはこの地域の4棟続きのマンションだが、今回情報筋が伝えてきたのは、同じ地域にある9階建ての新築マンションを巡る出来事だ。

北朝鮮では、建物が完成すると竣工検査(完工検査)を受けることになっている。市の人民委員会(市役所)の都市経営課、建設監督員、建築主の内閣建設省、施工主からなる竣工検査委員会を行い、建物に問題がなければ入居者に「入舍証」(住宅利用許可証)が与えられるという流れだ。不動産の個人所有が認められていない北朝鮮だが、入居権を示すこの入舍証が、土地の権利書同様の扱いとなっている。

このマンションは元々、昨年末までに完成させ、年初から入居が始まる予定だった。しかし、「恵山は10月末には初雪が降り、氷点下10度以下に下がる日が多くなる」(情報筋)ことを考慮して、市当局は予定を繰り上げ、入居予定者に入舍証を発行した。

ところが、この配慮が問題となった。