サプライズ米朝会談実現でも「文在寅はずし」は終わらない

それにもかかわらず、北朝鮮は最近になって、文在寅氏に対する個人攻撃を開始していた。日米との不協和音に加え、北朝鮮からもハシゴを外される危機に直面していたのだ。

(参考記事:日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開

北朝鮮が腹を立てているのは、韓国が米国との協調を優先し、南北首脳会談で合意したはずの経済協力に、文在寅政権がなかなか踏み出そうとしないからだ。もっとも韓国としても、北朝鮮の非核化が進展していない以上、おいそれと経済協力に踏み出すことなどできない。

そこで文在寅政権は、米朝対話の「仲介者」を自任して当事者としての立場を守ろうとしてきたわけだが、北朝鮮は「(韓国の)仲介など不要だ」と明言している。これを受けて韓国メディアは、北朝鮮が板門店での米朝首脳の対面の場から、文在寅氏を締め出すのではないかと心配したわけだ。