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  • 文在寅政権が北朝鮮に送り続ける「非核化に致命的」な贈り物

    文在寅政権が北朝鮮に送り続ける「非核化に致命的」な贈り物

    韓国の主要メディアは3日、韓国船舶1隻が国連安全保障理事会(安保理)の制裁決議違反に当たる北朝鮮船舶との違法な洋上取引(瀬取り)を疑われ、昨年10月から韓国南部の釜山港に抑留されていると報じた。この船舶は石油精製品を北朝鮮船舶に積み替えたとされており、保有会社は韓国当局の捜査に対し、疑いを認めたとされる。

    報道によれば、韓国政府はこれ以外にも、瀬取りに加担した2隻と北朝鮮産石炭の運搬に関与した1隻の計3隻の外国船舶も抑留している。

    このニュースを伝えた聯合ニュースは、同国外交筋の次のような言葉を紹介している。

  • 「この国はもうすぐ滅びる」北朝鮮国民が嘆く薬物汚染の末期症状

    「この国はもうすぐ滅びる」北朝鮮国民が嘆く薬物汚染の末期症状

    韓国のデイリーNKと同一グループの対北短波ラジオである国民統一放送は、「北朝鮮の正常国家への道」というテーマで韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使とユン・ヨサン北朝鮮人権情報センター(NKDB)所長との対談を放送した。対談のテーマは、北朝鮮の薬物汚染である。

    北朝鮮で覚せい剤がまん延する実態を巡っては最近、金正恩党委員長が視察したこともある格式高い中央行政機関・国家科学院までが密造に関わっているとの疑惑が持ち上がっている。かつてのように、国家ぐるみで麻薬や覚せい剤を生産しているわけではないが、資金に窮した機関や個人が、ことごとく薬物ビジネスに手を染めているのだ。

    (参考記事:一家全員、女子中学校までが…北朝鮮の薬物汚染「町内会の前にキメる主婦」

    一方、金正恩氏はこうした薬物蔓延を深刻な問題としてとらえている。

  • 北朝鮮が韓国の呼びかけに「だんまり」…文在寅政権が困惑

    北朝鮮が韓国の呼びかけに「だんまり」…文在寅政権が困惑

    北朝鮮と韓国の南北共同連絡事務所に1日、北朝鮮側の所長代理を務めるキム・グァンソン祖国平和統一委員会部長が復帰した。北朝鮮は先月22日、連絡事務所から一方的に撤収して韓国を慌てさせた。その後、北朝鮮は徐々に人員を復帰させ、業務を正常に行うまでになっているもようだ。

    しかし、これで韓国が安心できるわけではない。韓国軍は1日、朝鮮戦争の激戦地だった南北非武装地帯(DMZ)の「矢じり高地」(江原道・鉄原)で、戦死者の遺骨の発掘に着手した。本来、この発掘事業は、北朝鮮と韓国が共同で行うことが昨年9月の南北首脳会談を機に結ばれた軍事分野合意書で決められていた。ところが、北朝鮮が必要な手続きを踏まず、韓国が仕方なく単独で始めたのだ。

    これだけではない。韓国国防省は3月18日、遺骨発掘や漢江河口での民間船舶の自由航行など南北軍事合意の履行に向け将官級軍事会談の開催を提案したが、北朝鮮は「だんまり」を決め込んでいる。

    北朝鮮が、ハノイでの朝米首脳会談の失敗を受け、外交戦略の練り直しを進めているのは明らかだ。

    (参考記事:「約束も礼儀もなく無責任」北朝鮮が文在寅政権を猛批判する理由

    それでいちばん困るのが、韓国の文在寅政権である。国内経済の低迷から抜け出せない同政権としては、南北対話の進展がほとんど唯一のセールスポイントだった。歴史問題などを巡る日本との関係のこじれを支持率に結び付けようとの雰囲気も見られるが、韓国国民だって決してバカではない。

    (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は

    何をやっても文在寅大統領の支持率が大きく上がらないことが、その現実を示している。

    こうなると、文在寅政権は北からのラブコールが欲しくて欲しくて仕方ない「飢餓状態」に陥るしかない。そして、北朝鮮からの要求に抵抗する余地が、どんどん狭まっているのである。

    すでにこの間においても、韓国は日米から、対北融和に前のめり過ぎると見られてきた。米朝の非核化対話が進まない以上、韓国もここで呼吸を整えるべきところなのだが、むしろ北朝鮮の巧みな心理戦にやられている印象だ。

    (参考記事:「韓国は欲張り過ぎだ」米国から対北朝鮮で厳しい声

    米国では、北朝鮮に配慮して最近あえて言及してこなかった同国の人権問題が、再び注目を集めそうな気配もある。

    (参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」

    この問題から露骨に目を背ける文在寅政権にはすでに多くの批判が集まっているが、今後いっそう、苦しい立場に追い込まれていく可能性もある。

  • 北朝鮮「拝金主義」共和国でバカを見たある軍人の不運

    北朝鮮「拝金主義」共和国でバカを見たある軍人の不運

    昨年12月、北朝鮮の国境警備隊の軍官(将校)3人が家族を動員して、松の実や薬草を中国に密輸した容疑で当局に摘発された。3人は職務停止となり、警備総局の保衛司令部(秘密警察)で取り調べを受けた。

    最近、調査結果と処分の内容が発表されたが、疑問の声が上がっていると両江道(リャンガンド)の内部情報筋が伝えてきた。

    警備総局は、密輸に関わった国境警備隊の中隊長を解任した上、労働鍛錬隊6ヶ月の刑を言い渡した。労働鍛錬隊は軽犯罪者向けの刑務所で、一般刑務所の教化所、強制収容所の管理所と比べればマシと言われるが、強制労働、不衛生な環境、看守の暴言、暴力など「人権侵害の総合商社」であることには変わりない。

    (参考記事:北朝鮮、脱北者拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も

    一方、同様に密輸に関わった政治指導員と保衛指導員は、お咎めなしで元のポストへの復帰が決まった。関与の度合いから言えばこの2人の方が中隊長より重いが、事実上の無罪放免となったのは、ワイロのおかげだ。現在の北朝鮮では、社会のあらゆる場面で、あらゆる形のワイロがやり取りされるのだ。

    (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

    3人が摘発されたのは、金正恩党委員長の掲げる不正腐敗との闘いの一環として、朝鮮労働党が大々的な検閲(監査)を行っているときのことだ。金正恩氏の指示で行われた検閲での摘発だけあって、非常に厳しい処罰が予想された。

    3人は、経緯書と共に捜査機関等に多額のワイロを送り刑事処罰の免除を求めた。その額は政治指導員と保衛指導員が2000元(約3万3000円)。生活の苦しい中隊長は200元(約300円)しか出せなかった。それで、中隊長が担ったのは密輸分の3分の1以下なのに、より重い処罰を受けてしまったというわけだ。

    同じ罪を犯したのに罪を悔いているかではなく、ワイロの額で処分が決まったということだ。「貧しい中隊長が3人分の処罰を1人でかぶった」(情報筋)という声が上がるのは当然のことだろう。

    しかし、北朝鮮においてワイロの額が量刑を左右するのは半ば常識だ。両江道の保衛部(秘密警察)は、中国キャリアの携帯電話を使用した容疑で逮捕した人に3つのコースを示し、ワイロを取り立てる。5000元(約8万3000円)なら釈放、半分なら懲役半年、一銭も払わないなら懲役1年といった具合だ。

    (参考記事:口に砂利を詰め顔面を串刺し…金正恩「拷問部隊」の恐喝ビジネス

    「地獄の沙汰も金次第」を地で行くのが、拝金主義にまみれた今の北朝鮮だ。

  • 北朝鮮で「日本製の便器」が人気を呼ぶ独特の理由

    北朝鮮で「日本製の便器」が人気を呼ぶ独特の理由

    日本政府は2006年、対北朝鮮独自制裁を始め、日本と北朝鮮を行き来していた貨客船万景峰(マンギョンボン)号の日本入港を禁止した。2009年からは、北朝鮮向けのすべての輸出を禁止する追加制裁を実施した。

    かつて北朝鮮で高級品と言えば日本製だったが、制裁により輸入ができなくなったことや、韓国製やヨーロッパ製に取って代わられた。しかし、かつてほどではないにせよ日本製の人気は高い。

    (参考記事:美女と「日本製の部屋着」に狂わされた、ある北朝鮮警察官の選択

    特に、富裕層の間では依然として日本製が最も人気が高い。そんな中、平壌で需要が急激に高まっているのは日本製の便器、洗面台、シャワー、便器などの衛生陶器だ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

  • 金正恩氏も激怒した「女性兵士への性暴力」の卑劣な手口

    金正恩氏も激怒した「女性兵士への性暴力」の卑劣な手口

    1904年3月4日、米国のニューヨークで、女性たちが参政権を求めて立ち上がりデモを行った。それがきっかけになり、毎年3月8日は国際女性デーとなっている。北朝鮮では「国際婦女節」と呼ばれるが、金正恩党委員長は今年のこの日に際し、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内で蔓延する性暴力に対して厳正に対処する方針を示した。

    (参考記事:ひとりで女性兵士30人を暴行した北朝鮮軍の中隊長

    咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、2月下旬から軍において「反性暴力闘争」が行われている。軍の幹部による、女性兵士に対する言語的、身体的な性暴力の根絶を目的とした今回の闘争は、金正恩氏の指示に基づくものだという。

  • 日本「ホメ殺し」のネタも枯れた、北朝鮮トンデモ言説のお粗末

    日本「ホメ殺し」のネタも枯れた、北朝鮮トンデモ言説のお粗末

    北朝鮮メディアがまたもや、日本の軍備増強に批判の矛先を向けている。しかしこの間、いろいろと難癖を付けすぎて「ネタ枯れ」したのか、今回はかなり強引な論法になっている。

    同国の内閣などの機関紙・民主朝鮮は26日、日本が中国の脅威を口実に軍事大国化に向かっていると非難する論評を掲載した。その中で、次のようなことを言っている。

    「事実上、日本の軍事力は世界的に先進国の隊列に堂々と入ったと言っても過言ではない」

    一見、日本の「強さ」を認めているかのような表現だが、これは一種の「ホメ殺し」とも言えるもので、このところ北朝鮮メディアがよく使っている手法だ。

    (参考記事:「自衛隊の攻撃能力は世界一流」と評価する金正恩氏の真意

    ただ、それもやり過ぎればネタは尽きる。そのせいか民主朝鮮の論評では、日本の軍備増強の事例のひとつとして、こんな言いがかりをつけている。

    「日本外相は、人工知能技術を導入した人工知能武器の活用に関連する論議に積極的に関与するという意向を表した」

    日本の河野外相が最近、人工知能を搭載した「AI兵器」について、国際的な議論に関わっていく意向を示したのは事実だ。だがそれは、AI兵器が暴走して制御できなくなり、世界戦争が引き起こされる可能性が指摘されているなか、公明党から「国際的な議論」を求める提言を受けてのことだ。つまり、河野氏が積極的に関与するとしたのは、AI兵器の規制の在り方などについての議論なのだ。

    最近の北朝鮮メディアは、単なる事実誤認のためか、あるいは故意によるものかはわからないが、このように強引に事実を捻じ曲げて、日本の軍事政策を非難する例が目立っている。

    仮に非核化を実行した場合、軍事力で東アジア最弱となる北朝鮮とすれば、日本のパワーが気になるのは当然だろう。

    (参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い

    ただ、ここまでして難癖を付ける裏には、宣伝戦略上の何らかの思惑が隠されている可能性もある。

    (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は

    いずれにしても、同国のメディア戦略は金正恩氏が直接統括していると見られるものだ。今後の国際情勢の流れの中で、北朝鮮が本格的に日本と向き合う条件が整ったとき、金正恩氏がどのようなメッセージを投げてくるかは、今から気になるところだ。

    (参考記事:北朝鮮「日本の核武装化こそ問題」主張でドツボにはまる

  • 金正恩氏の留守中に「うっかりミス」した軍将校の最悪な運命

    金正恩氏の留守中に「うっかりミス」した軍将校の最悪な運命

    北朝鮮の金正恩党委員長はベトナム・ハノイでの米朝首脳会談のために、先月23日から今月5日まで、北朝鮮の最高指導者としては異例の長期に渡り、首都・平壌を留守にした。

    恐怖政治で鉄の統制を強いている同国の体制も、国内には常に不満がくすぶっていることを知っており、クーデターなどを恐れ、長く国を離れようとはしてこなかったのだ。

    (参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」

    それだけに、金正恩氏の外遊時には厳戒態勢が敷かれていたはずだが、そんな最中、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の空軍基地で大規模火災が発生したと、現地の内部情報筋が伝えた。

  • 「約束も礼儀もなく無責任」北朝鮮が文在寅政権を猛批判する理由

    「約束も礼儀もなく無責任」北朝鮮が文在寅政権を猛批判する理由

    北朝鮮メディアが、韓国の文在寅政権への圧迫を強めている。

    対韓国宣伝サイトの「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は25日付の論評で、「南朝鮮の当局者たちが『制裁の枠組み』の中での協力交流うんぬんと言うのは北南宣言に合意した当事者として約束も、義務も、礼儀も捨てた態度」であると非難。さらに、「北南合意の精神にも反する無責任な行動」と切って捨てた。

    北朝鮮は、これまでにも様々な表現で韓国を非難してきたが、この論評は特に強い調子と言える。また、27日付の論評では、次のように主張している。

    「今は外勢の顔色をうかがいながら、優柔不断に対面維持をするときではなく、民族自主の精神をもって、これまでにも増して北南関係の発展と朝鮮半島の平和と安全のために努力すべきときなのだ」

    ここに出てくる「外勢」とは言うまでもなく、米国のことだ。

    (参考記事:日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開

    韓国政府は北朝鮮への800万ドルの人道支援を決定したが、実施は先延ばしになっている。また、北朝鮮をあやすために、開城工業団地と金剛山観光の再開を目指しているものの、実現はおぼつかない。いずれも、理屈の上では韓国独自の判断で実行する余地のある問題だ。しかし、出来ない。

    (参考記事:金正恩は米大学生が「歯がズレて死亡」した理由を知っている

  • 「やり手の女性社長」を裸同然で放り出した金正恩政権の謎の動き

    「やり手の女性社長」を裸同然で放り出した金正恩政権の謎の動き

    北朝鮮を1990年代後半に見舞った大飢饉「苦難の行軍」では、十万人単位の餓死者が出たと言われる。その一方、少なくない人々が、当時は違法だった市場で商売を始めた。それしか餓死を免れる方法がなく、生存本能からとった行動だった。そんなささやかな商売が、いつしか大きくなっていた。

    蓄積した富を金融業、輸送業などに投資し、豊かになっていった新興富裕層を、北朝鮮では「トンジュ(金主)」と呼ぶ。そんな彼らの間に衝撃が走った。ビールの卸売で財を成したトンジュ女性が逮捕され、平壌から追放されたというのだ。

    (参考記事:北朝鮮「金持ち女性」たちの密かな楽しみ…お国の指示もそっちのけ

    平壌の内部情報筋が、事の一部始終を語った。

  • 金正恩「拷問部隊」幹部が秘密裏に処刑された、ある深刻な理由

    金正恩「拷問部隊」幹部が秘密裏に処刑された、ある深刻な理由

    今年1月末、北朝鮮の平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)で非公開裁判が行われ、男性2人に死刑が言い渡された。

    現地の内部情報筋によると、非公開裁判が行われたのは平安南道人民委員会(道庁)の会議室だ。一般には公開されず、参加したのは公務員だけだった。被告となったのは、平安南道保衛部(秘密警察)の指導員1人と国境警備司令部の軍官(将校)1人である。

    保衛部と言えば、金正恩体制の恐怖政治を支える「拷問部隊」である。

    (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

    刑はすでに執行された模様だが、こちらも非公開で行われた。道の幹部に対しては、裁判後2日間思想検討と集中教育が行われた。

    (参考記事:「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態

    情報筋は、具体的に2人がどのような罪を犯したかについて具体的な話に触れていない。単に、「国家機密を漏らしカネを受け取った」としているだけだ。そもそも裁判の存在自体が、1ヶ月以上経ってようやく道の機関に知り合いのいる人々を通じて話が漏れ伝わるようになったほどだ。

    情報筋は今回の事件について「高級幹部が、生存のために手段と方法を問わずカネ儲けに走っているという現実が明らかになったケースだ」と説明した。つまり、幹部までが困窮するほど、北朝鮮の食糧事情が悪化しているということだ。

    保安局(警察局)や保衛部に務める人に対する食糧配給が円滑に行われなくなっていることは、デイリーNKでも既報の通りだ。

    今年の光明星節(2月16日の金正日総書記の生誕記念日)には、コメ3キロ、ハタハタ1キロ、油、豚肉、菓子500グラムずつ、砂糖200グラム、洗濯石鹸、歯磨き粉の特別配給が行われることになっていたが、職場によってもらえるものが異なり、すべてがもらえた人は少なかったようだ。炭鉱、鉱山、協同農場などでは洗濯石鹸、歯磨き粉、豚肉しかもらえなかった。

    国境警備司令部の軍官(裁判にかけられた人とは別の人と思われる)の家族は、コメがもらえなかったため、トウモロコシを売ってそれでコメを買って食べたという。配給で最優先される立場の人への配給の量が減らされる事態は、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころにも考えられなかったことだ。

    (参考記事:「街は生気を失い、人々はゾンビのように徘徊した」…北朝鮮「大量餓死」の記憶

    また、司令部にいては食べ物にありつけない軍官たちは、隷下の部隊に行こうとする。末端兵士に配給される食糧を盗み食いできるという情けない理由からだ。

    (参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い

  • そのうち「豊臣秀吉」の被害補償も…歴史に逃げる文在寅政権に批判

    そのうち「豊臣秀吉」の被害補償も…歴史に逃げる文在寅政権に批判

    韓国の仁川(インチョン)市議会は15日、朝鮮戦争当時の仁川上陸作戦で被害を受けた月尾島(ウォルミド)の元住民と遺族に生活安定支援金を支給する条例を通過させた。

    米軍を主体とする国連軍は、1950年9月15日に実施した仁川上陸作戦で、優勢だった北朝鮮軍の補給路を断ってソウルを奪還、戦況を一変させた。韓国を北朝鮮から守った、劇的な出来事だった。

    それだけに戦闘も激しく、最前線となった月尾島の住民らは甚大な被害を受けた。それに対して補償を行おうというのが冒頭で触れた条例の趣旨なのだが、問題は、この場合の「加害者」が北朝鮮ではないということだ。北朝鮮軍を追っ払うため、爆撃を行った国連軍が加害者とされているのである。

    韓国では左派の文在寅政権が誕生して以降、左右両派の理念的な対立と過去の恨みつらみがこんがらがり、訳のわからない事態が色々と起きている。

    (参考記事:日韓「レーダー照射問題」の背後にある韓国政治の闇

    今回の件もその一例というべきもので、主導しているのは与党・共に民主党の議員たちである。これに対し、反対派からは「戦争を仕掛けた北朝鮮には何も言わず、どうして味方の国連軍を加害者扱いするのか」という激しい反発が巻き起こっている。

    これとは別に、韓国政府は1894年から翌年にかけて起きた朝鮮農民の反乱「甲午農民戦争」(東学党の乱)で弾圧された人々の名誉回復事業も行っている。中央日報(日本語版)は22日付で、これを巡り次のように伝えている。

    〈124年前の朝鮮時代に起きた事件に対して税金を投じて名誉回復を行うことが適切なのかどうかをめぐって論争になった。韓国党関係者は「この有様では、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)被害の補償や四大士禍被害者名誉回復の話が出るのでは」としながら「民主党は、民生を改善させる自信がないから歴史にばかり執着している」と主張した。〉

    ここで言われている「四大士禍」とは、15世紀から16世紀にかけて朝鮮で起きた官僚の大規模粛清のことを言う。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)は言うまでもなく、豊臣秀吉の朝鮮侵略である。

    さすがに、この批判は「気の利いた揶揄」といった程度のものだが、こんな指摘に敏感になってしまうほど、文在寅政権の歴史依存は深刻だ。

    この傾向は今後、さらに深刻化しかねない状況にある。ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談が物別れに終わり、北朝鮮が韓国に激しい揺さぶりをかけているためだ。

    (参考記事:「韓国は欲張り過ぎだ」米国から対北朝鮮で厳しい声

    国内経済を低迷から救う術を持たず、ほとんど対北外交だけで支持率を保っていた文在寅政権は、いよいよ窮地を迎えつつある。

    そもそも、北朝鮮は文在寅政権と是々非々で付き合ってきたのであり、完全に利害が一致していたわけではなかった。それなのに、前のめりになり過ぎた文在寅政権が一方的に乗ってしまった構図だったのだ。

    (参考記事:「韓国は正気なのか!?」文在寅政権に北朝鮮から非難

    こうなったら、北朝鮮の巧みな心理戦をかわすのも簡単ではない。そうなると文在寅政権はさらに、世論の目をそらすべく、歴史問題に頼ることになるのかもしれない。

    (参考記事:「韓国は米朝の仲裁者ではない」北朝鮮にハシゴを外された文在寅の窮地

  • 北朝鮮の名門幼稚園「汚れたお受験」に見るあの国の本当の姿

    北朝鮮の名門幼稚園「汚れたお受験」に見るあの国の本当の姿

    北朝鮮では、毎年3月が新学期だ。幼稚園の入園時期も同じだが、ある幼稚園では熾烈な「お受験競争」が繰り広げられている。

    その幼稚園とは、平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)の本部洞(ポンブドン)にある本部幼稚園。外国人観光客も見学に訪れる特別な幼稚園だ。北朝鮮版お受験の実態を、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

    現地の情報筋によると、幼稚園には幹部や「トンジュ(金主)」と呼ばれる新興富裕層が自分の子どもを入学させようと殺到している。

    (参考記事:北朝鮮「金持ち女性」たちの密かな楽しみ…お国の指示もそっちのけ

    この幼稚園は子どもの素質と才能を探し当て、英才教育を行う幼稚園として評判が高い。卒業後には金正恩党委員長の夫人・李雪主(リ・ソルチュ)氏が卒業した金星学院など、名門校への進学の道が開かれている。

    (参考記事:北朝鮮「秘密パーティーのコンパニオン」に動員される女学生たちの涙

    日本でのお受験と言えば、入園試験に備えて塾に通わせるものだが、北朝鮮版お受験はかなり様子が違う。

    「本部幼稚園への入学は、ワイロの額で決まるだけあって、いくら才能に恵まれた子どもでも、カネがなければ『貧乏罪』で入学対象から押し出されてしまう」(情報筋)

    平安南道(ピョンアンナムド)の別の情報筋によると、本部幼稚園は各分野の専門技術を持った功勲教員と教養員(幼稚園教諭)が教師として配置され早期教育を行っているが、米ドル札の枚数で入学が認められることから、今では不正腐敗の象徴となってしまっている。

    父兄には、ワイロ以外にも幼稚園の運営費の支払いが求められる。その額に応じて成績を上げてもらえるなどの特典が与えられる。その中の最たるものが、金正恩党委員長との面会に選抜されるというものだ。

    北朝鮮では、最高指導者に会った経験を持つ人は「接見者」と呼ばれ、社会的に特別扱いされる。就職や昇進に有利に働くのだ。最高指導者とは誰でも会えるわけではないため、政府に「出身成分がいい」と認められたことにもなる。それで大喜びするわけだ。

    山奥の村で貧しい暮らしをしている人でも、何かのきっかけで金正恩氏に会うこととなれば、突如としてバラ色の未来が開けることもある。そんな未来を、親がカネを積んで子どもに買い与えようとしているのだ。

    例えば、昨年に平壌で行われた「輝く朝」という大集団体操(マスゲーム)で、体操とゴム跳びを披露したのは、まさにこの本部幼稚園の園児たちだった。もちろん全員が特権層の子女だ。

    当局は「地方の平凡な幼稚園で前途有望な天才児を育て上げたのは、わが国の優れた社会主義教育の結果」などと宣伝しているが、幼稚園の父兄の間ですら「国の幼稚園が子どもをエサにして商売をしている」「ワイロ漬けの幼稚園をお上が宣伝している」という批判の声が上がっている。

    陰口を叩かれてまで子どもを名門幼稚園に入れたとしても、それですべてが解決するわけではない。小・中・高校でもワイロが必要で、名門大学に入るとなると数万ドル単位のワイロを準備せねばならない。社会に出ても、ありとあらゆる場面でワイロが必要となる。それが共産主義ならぬ「拝金主義国家」と化した北朝鮮の現実だ。

    (参考記事:高級レストランを貸し切りにする北朝鮮のリッチな大学生

  • 少女たちも被害に…北朝鮮女性「性売買強要」の悪辣な実態

    少女たちも被害に…北朝鮮女性「性売買強要」の悪辣な実態

    英国団体が実態報告書(下)

    中国で、脱北した北朝鮮の女性たちが望まないセックスワークを強要され苦しんでいる。英国の人権団体、コリア未来戦略が発表した報告書「性奴隷」によると、12歳の少女までがブローカーによって性風俗業者に売られていくというのだ。

    中国国内で暗躍する人身売買ブローカーたちは、主に中国人であると考えられる。ただ、北朝鮮国内から拉致されて売買されるケースもあることから、北朝鮮の人物も関わっていることは明白だ。実際、中朝国境に面した北朝鮮の村に住んでいた少女がブローカーに騙され中国に連れて行かれことがある。

    (参考記事:中国奥地で売られた「少女A」の前に現れた救世主

    報告書によると、中国でセックスワークを強要されている北朝鮮女性たちは年間1億ドル(約104億円)ものお金を稼ぐが、彼女たちが一回の売春行為で得るのはわずかに30元(約500円)だという。ネット上で性的なポーズを見せるなどの行為を行う「アダルトビデオチャット」に従事させられるケースもある。

    (参考記事:中国で「アダルトビデオチャット」を強いられる脱北女性たち

    こうした中国の業者やブローカーたちは、女性たちが逃げられないよう手を尽くす。妊娠しても体を売ることを強要するなど、やり方はきわめて悪辣だ。報告書には、中国人男性の様々な非道ぶりも記されているという。また、一部の女性は韓国人の男性に人身売買されていくケースもあるというのだ。

    中国国内における脱北女性と少女たちの人身売買の闇は深い。報告書は多くの女性たちが悲惨な境遇で死に至っているとしながら、韓国政府や国際社会が、この問題をまだまだ傍観しているとも指摘する。そのうえで、中国政府に脱北者を難民として認定させ、脱北者が望んだ国へ行けるようにし、多くの女性の命を救うための議論が切実に必要だと訴えている。

    (参考記事:手錠をはめた女性の口にボロ布を詰め…金正恩「拷問部隊」の鬼畜行為

    付け加えるなら、中国当局がこのようなセックスワークを摘発した場合、たとえ人身売買の被害者であろうと脱北女性たちは逮捕されて北朝鮮へ強制送還される。そこで彼女たちを待っているのは、ありとあらゆる人権侵害が常態化している拘禁施設なのだ。

    (参考記事:北朝鮮、脱北者拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も

  • 金正恩氏が自分の「ヘンな写真」をバンバン公開する理由が判明した

    金正恩氏が自分の「ヘンな写真」をバンバン公開する理由が判明した

    金正日総書記が2011年12月に死亡し、息子の金正恩氏が後継者となって以降、北朝鮮で最も大きな変化が起きたのは、おそらくはメディア戦略である。

    たとえば2014年5月15日、北朝鮮の首都・平壌で、約500人が犠牲になったとされるマンション崩壊事故が起きた。北朝鮮では「速度戦」の名の下に、無理な工期のごり押しによる手抜き工事が横行。この手の事故が数多く起きている。

    (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

    そういった事例の中においても、このマンション崩壊の現場はとくに凄惨なものと言われる。遺体の収容作業すら行われないままガレキの撤去が行われ、ちぎれた手足があちこちに転がっていたとされる。

    それほどの惨事が起きようとも、以前の北朝鮮当局ならば、徹底的に隠ぺいを図っただろう。ところが金正恩氏は、犠牲者の遺族を集めた場で建設工事の責任者である当局幹部に頭を下げさせ、その写真を労働新聞に掲載させたのだ。

    (参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故

    北朝鮮で権力の側が国民に謝罪するなど、以前なら考えられなかったことだ。しかも、その証拠写真を公式メディアに掲載するとは、まさに衝撃的な出来事だった。

    また、金正日時代まで、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)はなかなかその全容をうかがわせない、謎に満ちた存在だった。ところが金正恩時代になって以降、北朝鮮メディアは最新兵器の写真を次々に掲載。弾道ミサイルの発射シーンも惜しげなく公開した。一時は朝鮮労働党機関紙の労働新聞が、まるでミリタリーマガジンのようになってしまったほどだ。

    さらにビビッドな変化が見えるのは、公式メディアにおける金正恩氏の写真の使われ方だ。「これいいの!?」という具合に、こちらが心配になってしまうような写真が多用されているのだ。中には、金正日時代ならば明らかに「銃殺モノ」の写真も含まれている。

    (参考記事:金正恩氏が自分の“ヘンな写真”をせっせと公開するのはナゼなのか

    金正恩氏がどうして自分の「ヘンな写真」を次から次へと公開するのか、筆者にとって長らく謎のままだったのだが、最近になって、その理由が判明した。

    金正恩氏は、今月の6、7日に開かれた朝鮮労働党の第2回党初級宣伝活動家大会に、「斬新な宣伝・鼓舞によって革命の前進原動力を倍加していこう」というタイトルの書簡を送っている。ちなみに初級宣伝活動家とは、行政機関や工場など末端の職場単位で置かれた党組織で、思想教育やプロパガンダを担当する人々だ。

    金正恩氏はこの書簡に、次のように書いている。

    「偉大性教育で重要なのは、首領は人民とかけ離れた存在ではなく、人民と生死苦楽をともにし、人民の幸福のために献身する、人民の領導者であるということを、深く認識させることです。もし、偉大性を強調するために、首領の革命活動と風貌を神秘化するならば、真実を隠してしまうことになります」

    これは、父である金正日氏に対する「強烈な皮肉」だ。金正日氏は、自らの父(正恩氏には祖父)である故金日成主席の神格化を主導し、体制の基盤を固めた。また、自分自身は容易に外部に姿をさらさず、謎めいた雰囲気を身にまとい続けていた。金正恩氏が否定した「神秘化された首領」とは、金正日氏に他ならないのだ。

    金正恩氏は、父の「異常な女性遍歴」に強い違和感を持っていたとの説がある。その違和感はもしかしたら、父の統治スタイルに対する反感にも転じていたのかもしれない。

    (参考記事:機関銃でズタズタに…金正日氏に「口封じ」で殺された美人女優の悲劇

    つまり金正恩氏は、自らの素顔を開けっ広げにさらすことで、最高指導者の神秘性を否定し、そのうえで国家において父を超える存在となるべく、彼なりに描き出した権力の階段を上って来たのではないだろうか。

  • 監禁され性売買強要…「売られる北朝鮮女性」の生々しい実態

    監禁され性売買強要…「売られる北朝鮮女性」の生々しい実態

    英国団体が実態報告書(上)

    米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、英国の対北朝鮮人権団体「コリア未来戦略」が新たな「性奴隷」報告書を発表したと伝えた。今月8日の国際女性デーに合わせて出されたこの報告書には、中国で過酷な状況に置かれた脱北女性の実態が生々しく記されている。

    中国で売春は違法だが、多くの北朝鮮女性たちが売春に従事させられていることは今回の報告書だけでなく、数多くの調査や取材によって明らかになっている。彼女たちの多くは、人身売買ブローカーによって売られた人々だ。ブローカーたちは、女性を騙して中国に脱北させ風俗業に従事させたり、結婚相手がいない中国人に売り払ったりする。

    (参考記事:中国で「アダルトビデオチャット」を強いられる脱北女性たち

    ここ最近、北朝鮮当局が中朝国境の統制を強化していることなどにより、脱北者は減少。そのため人身売買の「相場」が上がり、ブローカーは1人でも多くの女性を売ろうと血眼になっている。

    (参考記事:「中国人の男は一列に並んだ私たちを選んだ」北朝鮮女性、人身売買被害の証言

    女性たちは1,000元(約16,000円)から50,000元(830,000円)で売られ、移住労働者が宿泊する施設に連れて行かれる。そして監禁されるような形で売春を強要される。たった数万円から数十万円で人として、女性としての人生を奪われるのだ。

    北朝鮮当局はブローカーに対し、死刑を含む厳しい態度で臨んでいる。しかし、被害は一向に後を絶たない。

    (参考記事:うっかり金正恩氏の「大事な女性」を売り飛ばしたブローカーの行く末

    そして中国を舞台とした北朝鮮女性の人身売買については、トランプ政権も問題視している。昨年11月には、北朝鮮政府が人身売買の被害を防止するための最低限の措置を講じていないことを理由に北朝鮮を資金援助の禁止対象に再指定した。

    今回の報告書は、今も中国でセックスワークを強要されている脱北女性からの長期間にわたる聞き取り調査や、かつて同様の被害に遭った韓国在住の脱北者たちからの聞き取りに基づいている。現在も中国で極秘に救援活動をおこなっている団体との共同作業による成果だ。

    報告書によると、中国でセックスワークに携わる北朝鮮女性たちが稼ぎ出すおカネは、年間1億ドル(約104億円)にも達するという。もちろん、本人たちの手に渡るお金はほんのわずかな額だ。被害者の中には、10代の少女たちが含まれていることもわかっている。(つづく)

    (参考記事:中国奥地で売られた「少女A」の前に現れた救世主

  • 北朝鮮で広がる「米朝会談は惨めな失敗」の噂、当局が吊し上げで封じる

    北朝鮮で広がる「米朝会談は惨めな失敗」の噂、当局が吊し上げで封じる

    厳しい情報統制が敷かれている北朝鮮においても、ハノイでの米朝首脳会談が「惨めな失敗に終わった」との情報は、すでにかなりの範囲で国民に共有されている。北朝鮮当局としては、それを放置しておくわけにはいかない。

    同国においては、最高指導者の名誉や権威をき損する行為は重罪とされているからだ。

    (参考記事: 金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命

    北朝鮮当局は今回、国民の「毒舌」をけん制して金正恩党委員長の権威を守るために、「生活総和」を武器にしているようだ。

    生活総和とは、全国の学校、職場、軍隊などすべての単位において、少なくとも週1回集まって、自分の生活・思想上の間違った点を自己批判した上で反省するというものだ。さらに、隣人や同僚との相互批判も行われる。

    ソ連の独裁者スターリンが、1925年の著書「レーニン主義の基礎」で提議した自己批判だが、キリスト教の懺悔から由来したと言われ、反対派の吊し上げに使われるなど、共産主義抑圧体制を底辺から支えるものとして機能してきた。

    北朝鮮では、1962年3月から始まった。各職場や人民班(町内会)で10人から15人が一組となり、朝鮮労働党の党細胞書記や初級党書記が主幹して行われる。毎週土曜日の週生活総和、毎月最終土曜日の月生活総和、四半期と年末に行われる生活総和などがあるが、近年は形骸化が指摘されてきた。

    (参考記事:北朝鮮が「5大教養」を庶民に押しつけ 庶民「今さら聞かなくても中身はわかる」

    ところが、「最近になって、生活総和の雰囲気が以前とは比べものにならないほど緊張感のあるものとなり、大きな声で咳すらできないほど雰囲気が殺伐としている」と、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の情報筋が伝えている。

    中国で取材に応じた平壌在住のRFAの情報筋によると、社会の雰囲気がよかったころは、自己批判や相互批判が形ばかりのものとなり、1時間ほどでそそくさと済ませていた。

    (参考記事:北朝鮮の思想教育、出席率悪すぎで関係者やきもき

    ところが、つい最近になって状況が一変した。

    「自己批判を適当に済ませようとしたり、形ばかりの相互批判をしたりすれば、批判台に立たされ、総和参加者から集中的に批判を浴びせかけられる。同僚や隣人を厳しく批判しなければならない人たちも、批判を受ける人たち同様に気の毒だ」(情報筋)

    相互批判は事前に口裏合わせをしておき、適当なレベルでとどまるようにするのが慣行だったが、それも通じなくなった。厳しい批判を行ったせいで、仲良しだった人同士が生活総和の後に仲違いし、犬猿の仲になってしまうケースもある。

    平安北道(ピョンアンブクト)の別の情報筋は、「米朝首脳会談が失敗に終わった」とのうわさが急激に広まったことを受け、「当局が緊張感を煽るためにわざと生活総和を厳しくしている」との見方を示した。張成沢氏の処刑など大きな事件があるたびに、生活総和で締め上げて口を閉じさせるのが常套手段になっているようだ。

    (参考記事:「金正恩が手ぶらで帰って来た」…北朝鮮国民の毒舌に「うわさ話禁止令」

  • 金正恩氏も視察「国家科学院」に違法薬物疑惑という末期症状

    金正恩氏も視察「国家科学院」に違法薬物疑惑という末期症状

    米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮の「国家科学院」が、覚せい剤など違法薬物の原材料や製造機器を、密造業者に販売しているとの疑惑が持ち上がっているという。

    国家科学院は、平壌市の恩情(ウンジョン)区域に位置する北朝鮮内閣所属のれっきとした中央行政機関だ。昨年1月には金正恩党委員長も現地指導した、格式の高い機関である。そのような重要機関が製造に関与している可能性はあるのだろうか。

    北朝鮮はかつて、麻薬や覚せい剤を国家機関の主導で製造し、日本などに密輸していた経緯がある。しかし、各国当局の厳しい取り締まりにより、密輸は徐々に下火になった。皮肉なことに、それが北朝鮮国内で薬物が蔓延するきっかけとなる。薬物の「在庫」もあれば、製造技術も原材料もある。しかし売り先がなくなったため、自ずと国内で流通するようになったのだ。

    (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

    RFAの平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋は、「国家科学院は中間実験工場で使用される試薬を薬物の密造業者に売っている。さらに、薬物の生産に必要な設備機器も国家科学院の実験器具の工場で製造している」と述べている。

    さらに、国家科学院が研究資金の不足に苦しんでいることも、疑惑の背景になっている。金正恩氏は国家科学院を視察した際、「科学技術人材との活動に大きな力を入れ、彼らを尊重し、(中略)科学研究部門への投資を引き続き増やすべきだ」と指示した。

    しかし金正恩体制は一連の核・ミサイル開発によって、国際社会から厳しい制裁を加えられている。国家が外貨不足で苦しむ中、国家科学院に十分な資金が供給されているかどうかは疑わしい。そして、たとえ研究資金が不足していても、成果は求められるのが北朝鮮のお国柄だ。そこに違法薬物の密造業者が目をつけ、自分たちのパートナーに引っ張り込んだ可能性は十分にある。

    厄介なことに、今でも北朝鮮では違法薬物の需要が高い。背景には北朝鮮社会において、覚せい剤などの違法薬物が人体に深刻な害を及ぼすという認識が徹底されていないことがある。先月の旧正月前後には、オルム(氷=覚せい剤を表す符丁)と呼ばれる覚せい剤の値段が高騰した。正月プレゼントとして需要が高まったからだ。

    (参考記事:「男女関係に良いから」市民の8割が覚せい剤を使う北朝鮮の末期症状

    日本に在住する脱北者のAさん(40代の女性)は、隣家の10代の学生が覚せい剤中毒になって大変な騒ぎとなったことをきっかけに、北朝鮮社会のモラル崩壊を目にし、絶望を感じて北朝鮮を逃れたという。

    (参考記事:「この国はもう終わり」北朝鮮を脱出した女性が見たモラル崩壊の極み

    金正恩氏は、少なくとも表向きには、薬物の蔓延を厳しく取り締まる姿勢を見せている。しかし自身が視察して期待を寄せた国家機関が薬物密造に関わっていたとするなら、これほど皮肉な話はない。

  • 北朝鮮で「韓流」にまた死刑判決…14歳も「吊し上げ」

    北朝鮮で「韓流」にまた死刑判決…14歳も「吊し上げ」

    昨年12月、北朝鮮の首都・平壌市の郊外にある楽浪(ランラン)区域の学校の運動場で、公開裁判が行われた。デイリーNKの内部情報筋によれば、動員された地域住民が見守る中、被告に死刑判決が下された。容疑は「外部映像物販売」、つまり韓流ドラマ、映画の販売だ。

    北朝鮮当局はこれまでにも、拷問や銃殺刑など極端な手段を動員し、韓流の国内拡散を取り締まってきた。

    (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

    しかし今、北朝鮮の人々の間では、文化開放への期待が高まりつつあるという。そのきっかけとなったのは、昨年4月の南北首脳会談に際して平壌で行われた韓国芸術団の公演だ。

  • 北朝鮮制裁委員会の年次報告書に掲載された「違反ベンツ」の記念写真

    国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは12日、年次報告書を発表した。パネルは同報告書の中で「言外」の問題提起を行った。

    昨年9月、平壌での歓迎パレードで金正恩氏とベンツに同乗した文在寅氏(朝鮮中央通信)
    昨年9月、平壌での歓迎パレードで金正恩氏とベンツに同乗した文在寅氏(朝鮮中央通信)

    韓国の文在寅大統領が昨年9月、平壌で金正恩氏と共に問題のベンツに乗った写真が掲載されたのだ。

    (参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路

    朝鮮日報(日本語版)の14日付の報道によれば、「韓国政府は今年1月にこの報告書の草案が作成された際、『報告書に文大統領の写真が掲載される』との情報を入手し、これを阻止するための外交に全力を挙げた」というが、結局のところ聞き入れられなかったということだ。

  • 金正恩氏「違反ベンツ」での記念写真を公開された文在寅氏の泣き所

    金正恩氏「違反ベンツ」での記念写真を公開された文在寅氏の泣き所

    国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは12日、年次報告書を発表した。報告書は、北朝鮮がサイバー攻撃で仮想通貨5億7100万ドル(約630億円)を盗み取ったと指摘。また、弾道ミサイルの開発・実験を民間の工場や空港などで続けている実態も明らかにしたほか、制裁逃れの実態を広範に明らかにした。

    報告書が問題視しているものの中に、「ぜいたく品禁輸」に違反して北朝鮮に持ち込まれたと見られる、金正恩党委員長の専用ベンツがある。クルマ好きで「走り屋」との説もある金正恩氏が、あらゆる手段を講じて欲しい車種を手に入れていることは、以前から知られていることだ。

    (参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路

    【写真】北朝鮮制裁委員会の年次報告書に掲載された「違反ベンツ」の記念写真

    そうした既存の情報に加え、報告書は今回、新たに「言外」の問題提起を行った。

  • 「北の人権問題」で文在寅政権が米国から批判されてしまう理由

    「北の人権問題」で文在寅政権が米国から批判されてしまう理由

    米国務省は13日(現地時間)に公開した人権報告書で、北朝鮮における人権侵害について、政治的殺害や強制失踪、当局による拷問、任意拘束などが横行する実態を告発した。ただし、前年にあった「ひどい人権侵害」という表現が削除され、当面の対話相手に若干の「配慮」がなされたとの見方がある。

    (参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」

    その一方、韓国については、「政府が北朝鮮との対話に出たことで、脱北者団体は北朝鮮に対する非難を控えるよう直接的・間接的な圧力を政府から受けている」と指摘した。北朝鮮の人権問題を巡り、韓国政府が米国政府に非難される異例の事態である。

  • 「韓国は米朝の仲裁者ではない」北朝鮮にハシゴを外された文在寅の窮地

    「韓国は米朝の仲裁者ではない」北朝鮮にハシゴを外された文在寅の窮地

    北朝鮮の崔善姫(チェ・ソニ)外務次官は15日、平壌で記者会見を開き、「われわれは米国の要求に対し、いかなる形であれ譲歩するつもりはない」とした上で、非核化交渉の中止を検討していると明かした。

    これを受け、韓国大統領府の尹道漢(ユン・ドハン)国民疎通首席秘書官は「いかなる状況にあっても韓国政府は朝米交渉の再開に向け努力したい」とコメントした。韓国政府はこれまでにも、米朝間の「仲裁者」を自任していた。しかしもはや、韓国政府がどれだけの役割を果たせるかは怪しくなっている。

    このところ、北朝鮮の韓国軽視は明らかだった。

    (参考記事:金正恩氏、韓国との約束をまたも「スルー」…文在寅政権に打撃

    そして崔善姫氏はこの会見で、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は朝米対話のため苦労しているが、南朝鮮は米国の同盟であるため『プレイヤー』であって、『仲裁者』ではない」と明言したのだ。

    そもそも、北朝鮮は韓国を全面的に信頼してきたわけではない。あくまで是々非々で対話を続けてきたのであり、気に入らないことがあれば、北朝鮮メディアは遠慮なく毒舌を振るった。

    (参考記事:「韓国は正気なのか!?」文在寅政権に北朝鮮から非難

    それでも韓国政府は、北朝鮮との信頼構築に賭けてきた。それが、この結果である。保守系の朝鮮日報(日本語版)は16日、「これまで米国と足並みがそろっていないと批判されてきたのにもかかわらず、米朝対話再開のため南北経済協力を推進してきた韓国政府が、北朝鮮にも信じてもらえない状況になっているということだ」として、文在寅政権の窮地を指摘した。

    (参考記事:日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開

    韓国はなぜ、このような立場に追い込まれてしまったのか。理由は多々あるだろうが、大きな原因のひとつとして、文在寅氏が金正恩党委員長に「民主主義」を説くことを忘れた部分があったのではないか。

    民主主義国家の政治は、非常に「移り気」である。民主主義国家における政治家にとっての最優先事項は、経済でもなければ安全保障でもない。「再選」である。これは、ごく当然のことだ。政治家は、選挙で勝たなければ政治家として存在することができず、自らが信じる理念も政策も追求できない。

    だから、次期選挙での当選が危うくなれば、すべての行動は再選を最優先するモードに切り替わる。たとえば、トランプ米大統領は非核化を優先し、北朝鮮の人権問題を無視しているが、世論の風向きが変わればどうなるかわからないのだ。

    (参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」

    これは、文在寅氏も同じだ。彼自身の大統領任期は1期限りと定められているが、彼を支える与党・共に民主党が政権を掌握し続けなければ、北朝鮮との対話路線も危うくなる。

    ただ、国内経済が迷走し、「南北統一の未来」を描いて見せる以外に支持率維持の手段のない文在寅氏にとっては、理念先行で北朝鮮と融和することが、すべての政治的利害と一致しているのだ。そのような自分の立場を客観視できず、トランプ政権の出方について、北朝鮮に客観的なアドバイスを与えられなかった韓国政府を、金正恩氏が「仲裁者」としてあてにする道理はないのである。

  • 「異常な女性遍歴」が原因か…実は「父親嫌い」だった金正恩氏

    「異常な女性遍歴」が原因か…実は「父親嫌い」だった金正恩氏

    北朝鮮の平壌で6、7の両日、朝鮮労働党の第2回党初級宣伝活動家大会が行われた。初級宣伝活動家とは、行政機関や工場など末端の職場単位で置かれた党組織で、思想教育やプロパガンダを担当する人々だ。

    金正恩党委員長はこの大会に「斬新な宣伝・鼓舞によって革命の前進原動力を倍加していこう」というタイトルの書簡を送っているのだが、その中に、実に衝撃的な内容が含まれている。何と、父である故金正日総書記を、婉曲な表現ながらも否定しているのだ。

    強烈な皮肉

    金正恩氏は、父の「異常な女性遍歴」を忌み嫌っていたとの説は以前からあるが、このような形で父親批判が出てくるとは思わなかった。
    (参考記事:夜な夜な金正日の「個人指導」に呼び出された天才美女の運命

    書簡には、次のように書かれている。

  • 空母化「いずも」は「水準がすごく高い!」…北朝鮮がやたらと高評価

    空母化「いずも」は「水準がすごく高い!」…北朝鮮がやたらと高評価

    北朝鮮国営の朝鮮中央通信は11日、海上自衛隊の護衛艦「いずも」の空母化は「軍事大国化と海外膨張野望の明確な発露」であると非難する論評を配信した。

    北朝鮮メディアはこれまで、再三にわたり「いずも」の空母化に言及している。

    (参考記事:「世界は日本を警戒すべき」…北朝鮮が「いずも」空母化に猛反発する理由

    今回、同通信が配信した論評はまず、「先日、首相の安倍が衆議院の公開席上に現れて海上『自衛隊』の護衛艦いずもの空母化に関連して『いずもは空母に該当するものではない』と図々しく言いふらした」と指摘。これは、2月13日の衆院予算委員会での答弁を指すものと思われる。

    これに続いて論評は、「いずもはいろいろな面から現代の空母と類似したり、果ては先んじている。最多14機のヘリを搭載できるだけでなく、同時に5機を離着陸させられるいずもには、離着陸甲板、格納庫、飛行機昇降機など、空母に必要なものが備えられており、その現代化の水準もたいへん高い」などと、「いずも」の性能をやたらと高く評価している。

    北朝鮮と日本の海軍力を比較してみれば、当然といえば当然の反応ではある。

    (参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い

    しかしもちろん、何も北朝鮮は「日本はすごい!」と褒めちぎっているわけではない。論評は続けて、「先制攻撃能力を備えたいずもなど、再侵略熱気によって熱くなったサムライの後えいを乗せて20世紀のように『旭日旗』を翻し、銃弾・砲弾を撃ちながら世界を意のままにばっこしようとするのが、安倍一味の変わらぬ野望である」と決めつけている。

    北朝鮮メディアは少し前から、このような論調を張っている。当初、その目的は非核化のための米朝対話の中で、弾道ミサイルなどの戦力を維持するため、日本の軍備増強を口実にすることが目的と思われた。

    しかし、ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談で米国は、「北に妥協するのでは」との事前の予想を覆し、弾道ミサイルと生物化学兵器の全廃要求にまで踏み込んだ。もはや、日本を口実に利用してゴネればどうにかなる次元ではなくなっているのである。

    (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は

    それでも北朝鮮は、これまでの論調を捨てることはないだろう。米朝関係が結果的に上手く行くかどうかはわからないが、少なくとも多くの曲折を経ることになる。

    しかし金正恩党委員長とすれば、せっかくここまで来ながら、米国との対話ラインを断つのも簡単ではなかろう。北朝鮮メディアは今しばらく、米国に対する非難を控えるはずだ。

    となるとやはり、日本に対するこのような非難は続くことになるだろう。

    (参考記事:北朝鮮「日本の核武装化こそ問題」主張でドツボにはまる

  • 「韓国は欲張り過ぎだ」米国から対北朝鮮で厳しい声

    「韓国は欲張り過ぎだ」米国から対北朝鮮で厳しい声

    米紙ニューヨークタイムズは10日(現地時間)、米情報当局の分析として、北朝鮮が昨年6月に初の米朝首脳会談が開かれてから先月の2回目の米朝首脳会談までの8カ月間、プルトニウムと濃縮ウランの生産を継続。その分量は核弾頭6発分に達すると伝えた。事実ならば、由々しき事態と言える。

    これを受けて、韓国の保守系メディアが文在寅政権に噛みついている。朝鮮日報(日本語版)は11日付で「『北朝鮮の非核化の意志』を保証してきた韓国政府が難しい立場に追い込まれている。米国の一部では『韓国の責任論』がささやかれ、対北朝鮮制裁の緩和推進に対しても批判論が高まっている」と述べている。

    (参考記事:日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開
    (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は

    具体的には、同紙は青瓦台(大統領府)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が昨年3月9日に訪米し、トランプ大統領に「金正恩国務委員長は非核化の意志を抱いている」と伝えたことを問題視している。