政治犯収容所などでの拷問・強姦・公開処刑の恐怖
- アン・ミョンチョル氏の証言によれば、同僚看守は収容者5人を殺害し、その後、報奨を受ける目的で、これらの者は逃亡を図ったと虚偽の報告をした。調査によりこの看守の行動が判明すると他の収容所に異動になったが、「収容所内の[看守の]志気の維持のため」厳罰には処せられなかった。
- チョン・カンギル氏は、逃亡を企てたとして処刑された2件にじて述べた。2001年8月、男性収容者がグループを離れて食べ物を探した。極度に空腹だったからである。それから身を隠した。グループを離れることは逃亡しようとしているとみなされ、死刑となるからである。3日後に看守が発見し、公開処刑された。
- 2003年3月、別の男性が作業班を離れて倉庫にじゃがいもを探しにいった。空腹に耐えかねたからである。脱走しようとしたと看守が判断することを恐れ、隠れようとした。看守は追跡犬を使って追跡した。犬が発見して噛み付き、半殺しにした。その場で看守が射殺した。
➢ 758
即決処刑その他の残酷な司法外処罰は、収容所の厳格な規則への違反、命令不服従、その他の処罰に価する行為があったとみなされた時に実施されることを調査委員会は把握した。処罰の判断は国家安全保衛部担当官による特別調査の結果次第である。死刑宣告に対して上訴しあるいは司法判断を受けることはできない。「刑」が宣告される前に、被害者は収容所内の国家安全保衛部捜査部隊による拷問を伴う長期間の取調を受けることが少なくない。
➢ 759
処刑は全収容者の面前で実行されるのが通常であり、他の収容者への見せしめとされる。犠牲者の家族および年齢を問わずその子たちも強制的に立ち会わせられる。国家安全保衛部(SSD)の担当官が処刑理由を述べ、看守で構成される射撃隊が処刑を実行する。