政治犯収容所などでの拷問・強姦・公開処刑の恐怖

アン氏は、収容者の逃亡防止のため、ある収容所では獰猛な犬を飼っていたと述べた。あるとき、収容者の子ども用の学校で犬たちが3人の子どもに噛み付いて殺害した。所長は犬を放したことで犬の訓練士を叱責した。しかしその後、訓練した犬が政治犯を殺害できたとして他の看守の前で称賛した。

  • キム・ヘスクさんは、第18政治犯収容所で最も屈辱的な体験をした。看守の何人かが気ままに彼女を立ち止まらせ、跪いて口を開くよう命じた。看守は口に唾を吐きかけ、飲み込むように言った。嫌悪感を示せば激しく殴られると分かっていた。

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政治犯収容所では、看守に加えて、収容者を指定して他の収容者の管理および監視を行わせていたことを調査委員会は把握している。収容者は作業班に分けられていた。

班長に指定された収容者は訓練の責任があり、そのときに暴力をふるうことがあった。また、収容所には情報提供者の制度があり、食料を多くもらったり看守から寛大な扱いを受けたいために協力していた。他の収容者の違反行為を報告しなかった収容者は厳罰に処すと言われていた。この原則は収容所に入ったときから子どもの収容者にも教えこまれており、親を告発することも期待されていた。

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