「もしかしたら人権侵害かも…」庶民の逆襲を恐れるようになった北朝鮮の警察官
咸鏡北道の会寧(フェリョン)市在住の知人と連絡を取り合っている脱北者のキム・ドンナム氏が聞いたところでは、農村支援に動員された保安員が「手元に100元(約1620円)もない、もう制服を脱ぐ」と不満を述べていたという。つまり、保安員を辞めるということだ。
かつて、保安員は田植え戦闘などの農村支援から除外されていたが、今では参加を強いられる。サボるには上納金100元が必要になるが、それすらもない保安員はもはや珍しくない。儲からない保安員を続けるよりは、儲かる商人に商売替えしたほうがいいと考えるのは人情だろう。
かつては結婚相手として人気のあった保安員だが、今では女性から避けられるようになった。それも、単に儲からなくなったという話ではなく「世の中が変わったら加害者(として追及されるよう)になるかもしれない」(脱北者)という理由だ。
非常に賢明な判断と言えよう。北朝鮮の権力者による人権侵害は、将来の法的対処のために韓国でデータベース化されているからだ。