北朝鮮のエリート候補生が、金正恩党委員長に近づくのを嫌がっている。その背景には、些細なことで粛清・処刑する金正恩氏の恐怖政治がある。
米政府系のラジオ・フリー・アジアによると、金正恩氏の身辺警護を担当する朝鮮人民軍(北朝鮮軍)護衛司令部の「親衛部隊」が人材難に陥っているという。
夜の奉仕も
この親衛部隊には誰もが入れるわけでない。
北朝鮮のエリート候補生が、金正恩党委員長に近づくのを嫌がっている。その背景には、些細なことで粛清・処刑する金正恩氏の恐怖政治がある。
米政府系のラジオ・フリー・アジアによると、金正恩氏の身辺警護を担当する朝鮮人民軍(北朝鮮軍)護衛司令部の「親衛部隊」が人材難に陥っているという。
この親衛部隊には誰もが入れるわけでない。
北朝鮮の秘密警察である国家安全保衛部(現国家保衛省)の地方組織の悪行ぶりがまた明らかになった。秘密警察が脱北者の家族を持つある一家に濡れ衣を着せて拷問まで行ったと、両江道(リャンガンド)の内部情報筋が伝えてきた。
秘密警察は、金正恩独裁政権を陰で支える要の機関だ。国民の一挙手一投足を監視し、強制収容所も運営する。建前はあくまでも反体制的な動きの取り締まりや治安維持。
北朝鮮の金正恩党委員長は1日に発表した「新年の辞」の中で、「いつも気持ちだけで、能力が追いつかないもどかしさと自責の念に駆られながら昨年を送りました」などと述べ、北朝鮮の独裁者としては珍しく自己批判をして見せた。
どんな民主主義国家の元首にも劣らぬ殊勝な物言いだが、些細なことで国民を虐待・処刑する恐怖政治を、簡単に捨てるとは思えない。
(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…)
自己反省は、単なる表面的なイメージ戦略に過ぎないだろう――韓国メディアでは、概ねこのような見解が述べられている。
北朝鮮の金正恩党委員長が1日、朝鮮中央テレビをなど通じ肉声で発表した「新年の辞」で、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験は最終段階」と述べ、核・ミサイル能力の高度化を誇示したことが注目を集めている。
もちろん、注目に値する発言である。ただ、射程の長大なICBMは米国を狙った「専用」の兵器であり、米国の安保を軸に考えた場合に重大な懸案となるものだ。日本や韓国はとっくの昔に実戦配備された中距離弾道ミサイルの射程に収まっており、いま改めて騒ぐようなことでもない、とも言える。
その他の部分については追々、分析した内容を紹介しようと思うが、筆者としてはまず、次の一説に触れずにはいられない。次なるは、朝鮮中央通信が配信した「新年の辞」の公式訳の一説である。
「社会的に、髪の毛を長くする現象はなくさなければなりません。(中略)女性たちが髪の毛を腰まで伸ばし、振り乱しているのは朝鮮式ではありません。」
(参考記事:北朝鮮ではブラジャーすらタブーだった?)
これは、「先軍時代に合った社会主義的生活文化を確立することについて朝鮮労働党中央委員会責任イルクンたちと行なった談話」というタイトルで2003年2月と7月に発表された故金正日総書記の言葉だ。
談話で金正日氏は「理髪所にヘアスタイルの絵や写真を貼り付けて、客が選べるようにすべき」とも指摘している。つまり、決められたヘアスタイル以外は好ましくないということだ。
しかし、ビジネスで中国を訪れた北朝鮮のトンジュ(金主、新興富裕層)の女性たちは、そんな支持はそっちのけで、韓国人経営の美容室で「韓流ヘアスタイル」を楽しんでいる。
(参考記事:北朝鮮に「ブラジャー」がもたらした意識変化 )
中国の対北朝鮮デイリーNK情報筋によると、北朝鮮に面した遼寧省丹東市内にある「◯◯ヘアショップ」は、北朝鮮マダムのお気に入りの店だ。商品の買い付けにやって来た平壌の商店の関係者や地方のトンジュ女性たちが、ビジネスを済ませ帰国前に立ち寄るという。
金正恩党委員長が北朝鮮の最高指導者に就任してからの5年で、銃殺または粛清された人が340人に達することが明らかになった。
韓国国家情報院のシンクタンク、国家安保戦略研究院は、金正恩政権の5年間についてまとめた「金正恩執権5年の失政白書」で、金正恩氏が3代世襲権力を固めるために、自身の伯父の張成沢氏をはじめとして、高級幹部や住民340人を公開銃殺または粛清したと明らかにしている。
白書によると、処刑または粛清された幹部は2012年には3人だったのが、2013年には約30人、2014年には40人、2015年には60人と急激に増加した。
2013年8月、日本と韓国のメディアは、金正恩氏の恋人であるとの説が取りざたされていた北朝鮮の有名歌手、玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏が公開処刑されたと報じた。
玄松月氏など北朝鮮の有名芸術団のメンバー9人がポルノ映像を撮影し、頒布したことと、金正恩党委員長の夫人・李雪主(リ・ソルチュ)氏を中傷したというのがその理由だ。真偽の問い合わせを受けた韓国の国家情報院が「その事実を知っている」と答えたともあって、この情報は、あたかも事実であるかのようにとらえられた。
韓国の統一省は10月末、金正恩党委員長が公式登場する回数が、年々減少しているという分析結果を明らかにした。2013年は212回だった公開活動の回数は、2014年は172回、2015年は153回。そして、2016年は11月末の時点で約110回だった。
自己顕示欲が強いといわれている金正恩氏の公開活動、いわば「お出かけ」が激減している理由としてまず考えられるのが一般庶民の反感だ。
北朝鮮の国民は体制に従順と思われがちだが、多かれ少なかれ何らかの反感を持っている。
金正恩党委員長が、韓国大統領府(青瓦台)の襲撃を想定した特殊作戦をアピールしている。11日付の北朝鮮の朝鮮中央通信は、金正恩氏が朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の「第525軍部隊直属特殊作戦大隊」の戦闘訓練を指導したことを報じた。
実は金正恩氏は先月にも同部隊を視察した。その時、北朝鮮国営メディアは同部隊について「青瓦台とかいらい政府、軍部要職に居座って千秋に許せない希代の大逆罪を犯している人間のくずを除去することを基本戦闘任務にしている」と紹介した。
北朝鮮国営メディアは、今回の訓練について「延坪島の火の海を青瓦台の火の海へと続かせ、南朝鮮かいらいどもを滅亡の奈落に永遠に叩き落とす」としながら朴槿恵政権をターゲットにしたと明らかにしている。言い替えれば「朴槿恵暗殺作戦」だ。それを裏付けるのが北朝鮮国営メディアが配信した下の写真だ。
北朝鮮では今年も、粛清の嵐が吹き荒れた。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は10月19日、国会情報委員会の国政監査で、北朝鮮の金正恩党委員長がしばらく自制していた粛正を再開し、今年は9月までに64人が公開処刑されたと明らかにした。2011年12月に正恩氏が最高指導者になって以降では、処刑された朝鮮労働党、政府、朝鮮人民軍の幹部の数は100人以上に達するという。
一方、聯合ニュースは8月、北朝鮮内部の消息筋からの情報として、公開処刑のいくつかの事例について報じた。
金正恩党委員長が11月に入り不気味な動きを見せている。これまで4回、現地視察を行っているが、その全てが朝鮮人民軍(北朝鮮軍)関係なのだ。
韓国では朴槿恵大統領の退陣要求が強まり、米国ではトランプ氏が勝利して対北朝鮮政策が不透明になるなか、金正恩氏に圧力をかける主要2カ国に隙間が出来るタイミングでのことだ。ただ、北朝鮮メディアが正恩氏の視察の様子として公開した写真をめぐって、韓国では「偽造説」も出ている。
13日付の朝鮮中央通信によると、金正恩氏は北朝鮮の西に位置し、南北軍事境界線に近接するカルリ島と長在島(チャンジェド)の防御隊を視察。わざわざゴムボートに乗っている場面の写真を公開している。それが下の写真だ。
新潟市内で横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから、15日で39年となった。中学校からの帰宅途中に拉致されためぐみさんは、当時13歳だった。生存していれば現在52歳。実に人生の4分の3にもなる期間、北朝鮮に自由を奪われているのである。
北朝鮮の工作員が、海岸から極秘に侵入し、誰にも悟られずに一般市民を拉致して連れて行く。拉致された本人には何ら落ち度はない。残された家族は北朝鮮に拉致されたという事実すら知りようもなく、何が何だかわからない状況のなかで苦しみ続ける。
北朝鮮当局が、8月末に北朝鮮北東部で発生した水害の被災地で、一部の住民に対して非人道的な対応をしているという。どうやら金正恩党委員長の意向が反映されているようだ。
水害被害について、北朝鮮当局は「解放後初の大災難(建国以来の災害)」としながら、被災者数を「6万8900人」と公式にアナウンスした。しかし、その後の韓国の民間シンクタンクや国際赤十字が把握した情報から、実際にはその4倍以上、30万人にも上ることが判明。さらに、被害拡大の裏には犯罪的ともいえる「人災」が隠されており、当局はそれを隠蔽しようとしている。
北朝鮮で違法薬物のまん延がいっそう深刻化し、とくに若者世代の汚染が進んでいる模様だ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が3日、最近脱北した人物の証言として伝えた。
北朝鮮で密造・密売されている薬物は主に2種類で、ひとつはアヘン、もうひとつが覚せい剤である。
(参考記事:一家全員、女子中学校までが…北朝鮮の薬物汚染「町内会の前にキメる主婦」)
インターネットで検索すれば、昔のアヘン中毒者たちの写真を数多く見ることができる。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は19日、国会情報委員会の国政監査で、北朝鮮の金正恩党委員長が毎週3、4回ずつ夜通しのパーティー(酒宴)を開き、不摂生な生活と食習慣のために健康不安を抱えているとの分析を報告した。心血管疾患の高リスク群に入るという。
正恩氏の健康問題に関しては、国情院は7月の懸案報告でも、不眠症や身辺の脅威のために暴飲暴食に走り、成人病にかかっている可能性を指摘。とくに体重について、「2012年に初めて登場したときは90キロだったが、2014年には120キロに、そして最近では130キロまで増えたと推定される」と説明していた。
もともと太目だった正恩氏の体型の変遷を検証すると、2013年8月あたりから本格的に太り始める。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は19日、国会情報委員会の国政監査で、金正恩党委員長の実兄・正哲(ジョンチョル)氏が精神の不安定な状態にある模様だと明らかにした。また、実妹の与正(キム・ヨジョン)氏は権力乱用に走っているという。
国会情報委が行ったブリーフィングによれば、正哲氏は権力から遠ざけられ、監視を受けながら生活している。また、酒に酔えば幻覚が見え、瓶を割って暴れるなど精神が不安定な状態にあるという。
正哲氏と言えば昨年5月、ロンドンに現れ、2日連続でエリック・クラプトンのコンサートを鑑賞するなど、かなり自由なライフスタイルを楽しんでいるように見えていた。精神の不安定な状態にあるとは、驚きである。
金正恩党委員長は、今年8月末の台風10号によって甚大な被害に遭った北朝鮮北部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)の被災地をいまだに訪れていない。
咸鏡北道では、昨年9月にも台風被害が発生。この時、金正恩氏は羅先(ラソン)市の被災地を訪れた。今年の被害は、数百人から数千人の死者・行方不明者が出るなど、昨年以上の大惨事となった。通常の国家指導者なら、万難を排して被災地に駆けつけるところだろう。
しかし、金正恩氏が被災地を訪れたという公式報道は一切ない。一体なぜか。
朝日新聞は7日付朝刊で、複数の日朝関係筋からの情報として「9月3日から4日にかけ、日朝両政府関係者が中国東北部の遼寧省大連市内で接触したとみられる」と書いた。日本側の目的はもちろん、日本人拉致問題を進展させることである。
北朝鮮が核開発とミサイル発射の暴走を続ける中、安倍政権は拉致問題解決の糸口を模索しているが、制裁を強める国際社会の中で日本は「抜け駆けしていると受け取られかねない」(日本政府関係者)ために、慎重にならざるを得ない状況だという。
北朝鮮の三代にわたる独裁政権を陰で支える「国家安全保衛部」。職員・協力者を合わせ数十万人の情報網を北朝鮮社会のあらゆる場所に張り巡らせ、国民の一挙手一投足を監視している。一度入ったら出られない強制収容所も運営するなど、まさに恐怖政治の象徴である。
そんな保衛部もフタを開けてみれば、やはり貧乏国家・北朝鮮の一部署である。予算が少ないばかりか、逆に国家に上納金を納める義務も負っている。
北朝鮮の金正恩党委員長は、台風10号(ライオンロック)により、甚大な被害が発生した北朝鮮東北部の復旧作業に10万人もの人員を投入し、朝鮮労働党創立記念日(10月10日)までに復旧を終えることを指示した。
労働新聞をはじめとする北朝鮮の国営メディアは「人民軍(北朝鮮軍)将兵が受け持つ住宅建設現場では(9月)28日現在、基礎のコンクリートの打設が98%に達した」と報じた。下に紹介する北朝鮮メディアが報じた写真を見るとあたかも復旧作業は順調に進んでいるように見られる。

しかし、デイリーNKの現地取材の結果、現場の実態は北朝鮮メディアが伝えられる報道とは、かなりかけ離れていることが浮上した。
現在、韓国に住む脱北者のキム・ジフン氏(仮名=男性・30代)が最近、デイリーNKジャパンに手記を寄せてくれた。キム氏は、未曾有の水害に見舞われた北朝鮮北部・咸鏡北道(ハムギョンブクト)の出身である。
水害では一説に数千人とも言われる死者・行方不明者が発生し、中朝国境の川には「大量の死体が浮かんだ」(中朝国境の情報筋)との話も聞く。
北朝鮮の住民が外国からの情報を入手するにあたって、民間人が経営するビデオボックスが利用されていることが明らかになった。
先月28日、北韓情報自由国際連帯(ISFINK)主催の「対北朝鮮メディアコンテンツ強化と革新方案を模索する国際会議」で明らかにされた。
会議のなかで、ISFINKは今年5月に北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)で撮影された映像に、脱北者の証言を加えて制作した「北朝鮮情報自由化の夢、電波に載せて」という映像を公開。北朝鮮の人々がいかにして外国から情報を入手するのか説明した。
先月末、北朝鮮は台風10号(ライオンロック)によって、深刻な水害に見舞われた。北朝鮮の人権状況を調査するトーマス・オヘア・キンタナ国連特別報告者は21日、538人が死亡、または行方不明となっており、14万人が支援を必要としているという声明を発表。支援を強化することを呼びかけた。
こうした中、韓国政府は23日、「水害に対して人道的支援をすれば、その成果は金正恩党委員長のものとなる」としながら、支援に対して消極的な姿勢を示した。韓国の世論調査でも、回答の半数以上が核実験を理由に「支援すべきでない」という意見だ。
台風10号(ライオンロック)の影響で、深刻な水害に見舞われた地域には既に復旧部隊が派遣されている。しかし、当局の不十分な対応に憤った住民が激しい抗議をするなど、とても復旧がスムーズに進んでいるとは言いがたい。
(参考記事:「あんた達のせいで皆死んだ」住民見殺しで金正恩体制の権威失墜)
それどころか、北朝鮮当局は秘密警察を派遣した。その狙いは脱北を事前に防ぐため、さらに住民たちに対する統制を強化することだった。
北朝鮮の東北部を襲った未曾有の水害から3週間以上が経った今も、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の被災現場は平穏とは程遠い。それどころか、災害発生時に何ら対応できなかった当局に対する怒りが噴出する「事件」が発生し、現場で大きな噂になっている。やはりと言うべきか、過去の災害や大規模事故と同じく、今回も「人災」が隠れていたのである。
(参考記事:北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図)
自らも被災地域に住むデイリーNKの取材協力者S氏によると、「事件」は今月20日、咸鏡北道の会寧(フェリョン)市で起きた。
先月末、北朝鮮を襲った台風10号(ライオンロック)によって大被害が起きた。国連の平壌常駐調整官室によると、死者138人、行方不明者400人に達するとしているが、犠牲者の数はそれを上回るとの情報が後を絶たない。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)市で、川沿いに設置されていた国境警備隊の哨所(監視塔)の多くが流され、多数の兵士が死亡したと伝える中、デイリーNKの内部情報筋も被害の詳細を伝えてきた。
国境警備隊のうち最も被害が大きかったのは、咸北27旅団所属の茂山(ムサン)大隊、南陽(ナミャン)大隊、それに延社(ヨンサ)郡の部隊だ。